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【発明の名称】 播種機等の粒状物検出装置
【発明者】 【氏名】十亀 治光

【要約】 【課題】高速で流下する種子等の粒状物を精度よく検出する。

【解決手段】播種機の種子の流下路に種子センサ41の検出電極部を対向配置し、検出電極部により通過する粒状物の静電容量の変化に基づき粒状物を検出する。種子センサ41の検出電極部を粒状物が通過する際に周辺に存在する物体により静電容量の検出値は変化しても、周辺物体により変動した基準検出値を基にした静電容量の変化量により粒状物の通過検出をするので、精度よく粒状物を検出できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 播種機等の粒状物の流下路に粒状物センサ41の検出電極部41aを対向配置し、該検出電極部41aにより通過する粒状物の静電容量の変化に基づき粒状物を検出することを特徴とする播種機等の粒状物検出装置。
【請求項2】 粒状物センサ41の検出電極部41aの検出信号を増幅手段42により増幅し、次いで、ピークホールド手段43によりピーク値の増幅信号を出力して粒状物の通過を検出することを特徴とする請求項1記載の播種機等の粒状物検出装置。
【請求項3】 粒状物センサ41の検出電極部41aの検出信号をピークボトム検出手段45によりピーク電圧値及びボトム電圧値を検出し、次いで、ピークホールド手段43によりピークホールド信号及びボトムホールド信号を出力して粒状物の通過を検出することを特徴とする請求項1記載の播種機等の粒状物検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、播種機等の粒状物検出装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来技術】播種機等の種子等の粒状物の流下路に対向させて、発光素子及び受光素子からなる光学的粒状物センサを配置して、粒状物を検出するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】前記従来装置にあっては、粒状物が比較的ゆっくり流下する場合には、正確に検出できるが、粒状物を加速して高速で流下させる高能率型の播種機にあっては、検出精度が低下するという問題点があった。そこで、この発明はこのような問題点を解消しようとするものである。
【0004】
【問題を解決するための手段】このような技術的課題を解決するための請求項1の発明は、播種機等の粒状物の流下路に粒状物センサ41の検出電極部41aを対向配置し、該検出電極部41aにより通過する粒状物の静電容量の変化に基づき粒状物を検出することを特徴とし、請求項2の発明は、粒状物センサ41の検出電極部41aの検出信号を増幅手段42により増幅し、次いで、ピークホールド手段43によりピーク値の増幅信号を出力して粒状物の通過を検出することを特徴とし、請求項3の発明は、粒状物センサ41の検出電極部41aの検出信号をピークボトム検出手段45によりピーク電圧値及びボトム電圧値を検出し、次いで、ピークホールド手段43によりピークホールド信号及びボトムホールド信号を出力して粒状物の通過を検出することを特徴とする。
【0005】
【発明の作用及び効果】請求項1の発明は、粒状物センサ41の検出電極部41aを粒状物が通過する際に周辺に存在する物体により静電容量の検出値が変化しても、周辺物体により変動した基準検出値を基にした静電容量の変化量により粒状物の通過を検出するので、精度よく粒状物を検出できる。
【0006】また、請求項2の発明では、粒状物センサ41の検出電極部41aの検出信号を増幅手段42により増幅し、次いで、ピークホールド手段43によりピーク値の増幅信号を出力して粒状物の通過を検出するので、塵埃や水分等が付着してセンサの周辺状況が変動しても、小さな検出値の変化で精度よく粒状物を検出できる。
【0007】また、請求項3の発明は、流下通路内を流下する粒状物の速度が速く検出パルス幅が非常に短い場合にも、粒状物の通過によるピーク電圧値及びボトム電圧値を基にして検出するため、短い処理プログラムで粒状物の通過を検出でき、高速移動の粒状物を精度よく検出できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例の形態について説明する。図1は、水田に直接種籾を播種する播種機に粒状の肥料を施肥する施肥装置1の装着された施肥播種機2を示している。この施肥播種機2は、主として乗用型走行車体3と8条分の施肥装置1及び播種装置4により構成されている。
【0009】走行車体3には、左・右前輪5,5及び左・右後輪6,6を備えている。機体の前部に配したミッションケース7の左右両側に前輪ファイナルケース8,8を設けて、この前輪ファイナルケース8,8の下部から横側方に突出する前車輪軸に左・右前輪5,5を取り付けている。また、ミッションケース7の背面部に主フレーム9の前端を固着し、その主フレーム9の後端中央部に前後方向水平の後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケース10,10をローリング自在に支持し、その後輪ギヤケース10,10から横側方に突出する後車軸に左・右後輪6,6を取り付けている。
【0010】主フレーム9上にエンジン11を搭載し、エンジン11の左側面に突出しているエンジン出力軸に回転動力を取り出し、この回転動力を第1ベルト伝動装置12を介して油圧ポンプ12aの駆動軸に伝動し、更に、無段変速可能な第2ベルト伝動装置13を経由してミッションケース7に伝達している。
【0011】ミッションケース7に伝動された回転動力は、ケース内の主変速装置(図示省略)で変速して走行動力と作業機動力に分岐して取り出し、走行動力を前輪ファイナルケース8,8経由で左・右前輪5,5に伝動すると共に、後輪ギヤケース10,10経由で左・右後輪6,6に伝動する。また、作業機動力をPTO軸から取り出して施肥装置1に伝達し、更に、屈折自在の作業機伝動軸15を経て播種装置4に伝達して、その作動部を駆動している。
【0012】エンジン11の上部をエンジンカバー16で被覆し、エンジンカバー16上に操縦席17を設けている。操縦席17の前方に左・右前輪5,5を操舵操作するハンドル18を設けている。走行車体3の後部には昇降リンク装置19を設けている。この昇降リンク装置19は平行リンク構成で、1本の上部リンク19aと左右一対の下部リンク19b,19bにより構成している。これらのリンク19a,19b,19bの基部側を主フレーム9の後端部に立設したリンク前フレーム20に回動自在に軸支し、リンク19a,19b,19bの先端部にリンク後フレーム21を連結している。そして、リンク後フレーム21に播種装置4をローリング自在に装着している。
【0013】主フレーム9に固着した支持部材と上部リンク19aに一体形成したスイングアーム22先端との間に、油圧昇降シリンダ23を介装し、この油圧昇降シリンダ23を油圧により伸縮させて、上部リンク19aを上下に回動させ、リンク後フレーム21に連結した播種装置4を略一定姿勢で昇降させる。油圧昇降シリンダ23は走行車体3に設けた油圧昇降バルブ(図示省略)により伸縮制御される。
【0014】施肥装置1は、粒状の肥料を貯溜する肥料ホッパ24、該肥料ホッパ24内の肥料を所定量づつ繰り出す複数条の肥料繰出部25…、該肥料繰出部25から繰り出された肥料を流下案内する複数条の肥料案内管26…、肥料案内管26…に圧力風を供給する施肥エアチャンバー27、及び、施肥エアチャンバー27に圧力風を供給する施肥用送風機28を備えている。
【0015】そして、施肥装置1は、肥料繰出部25…から繰り出される肥料を肥料案内管26に落下供給し、施肥エアチャンバー27からの圧力風により肥料案内管26…及び複数条の第2肥料案内管26a…を介して複数条の施肥部29…へ肥料を送る構成である。
【0016】前記施肥部29は、肥料案内管26a…にブーツ30を介して接続されていて、圃場面を滑走整地する整地フロート31に取り付けられている。施肥部29の前方には施肥作溝器32を設けて、機体の前進により施肥作溝器32で作溝し、肥料が施肥部29から供給され、施肥覆土器(図示省略)により覆土する構成である。
【0017】次に、播種装置4について説明する。播種装置4の下方には、2つのセンター整地フロート31a,…と、左・右のサイド整地フロート31b,…が設けられており、これらの整地フロート31a,…、31b,…は前後傾斜姿勢が自由に変更できる構成で、播種作業時に圃場面を滑走整地する構成である。
【0018】播種装置4の播種部は、種子を貯溜する種子ホッパ34、種子ホッパ34内の種子を所定量づつ繰り出す複数条の種子繰出部35、種子繰出部35から繰り出される種子を流下案内する複数条の種子案内管36…、該種子案内管36…に繰り出された種子を受けて下方に向けて加速して放出する種子放出装置37…と、該種子放出装置37…から加速放出された種子を播種作溝器38…まで案内する種子案内体39…等により構成されている。
【0019】41は種子が落下してくるのを検出する種子センサ(粒状物センサ)であり、播種作溝器38…の上部の種子案内部40に設けられている。しかして、種子案内部40内に泥や種子が詰まって播種できなくなった時や、上方の種子繰出部35に種子が詰まって繰り出されなくなった時に、播種されていないことを検出して、作業者の前方の運転パネルに警報を発する為のものである。この警報が発せられると、作業者は直ぐに機体を停止し、異常部の確認及び整備をし、播種作業を再開する。
【0020】前記構成により、種子繰出部35から繰り出された種子を播種作溝器38上方近くに配置した種子放出装置37が一旦受けとめて下方に向けて順次加速しながら放出し、種子を圃場に間歇的に播種し、点播状態での播種作業を良好に行なうことができる。
【0021】次に、図4に基づき種子センサ(粒状物センサ)41の他の実施例について説明する。種子の流下路に種子センサ41を配置し、種子センサ41の検出電極部41aで種子等の粒状物の静電容量の変化を検出し、その検出電圧値のアナログ信号中のピーク値を増幅しホールドして検出信号として出力する機能を有するものである。
【0022】図4(1)に示すように、種子センサ41の検出信号Aは増幅回路42、ピークホールド回路43を経由してCPU内臓の制御部に入力される構成である。図4(2)に示すように、種子センサ41の検出電極部41aで電圧値Aが検出されて増幅回路42に送られ、増幅回路42ではピーク電圧値が増幅Bされ、次いで、ピークホールド回路43ではピーク値の増幅信号Cが検出信号として出力され、種子の通過を検出する。
【0023】種子センサ41の検出電極部41aを種子が通過する際には、周辺に存在する物体により静電容量の検出値は変化するが、この実施例では周辺事情により変動した静電容量検出値における変化量を基にして籾粒を検出するので、塵埃や水分等が付着してセンサの周辺状況が変化しても、精度よく粒状物を検出できる。
【0024】また、図5に示すように、前記のように静電容量の変化によって籾粒等の種子の通過を検出する種子センサ41において、検出電極部41aをシールド膜44により被覆する構成としてもよい。籾一粒によって変化する静電容量は非常に小さく、周囲に物が存在すると電界が変化し、出力信号も変化する。しかし、前記のように種子センサ41の検出電極部41aをシールドすることにより、このような不具合を解消し検出精度を向上させることができる。
【0025】次に、図6に基づき種子センサ41の他の実施例について説明する。種子の放出流下路に種子センサ41を配置し、種子センサ41の検出電極部41aで種子の静電容量を検出し、その検出電圧値のアナログ信号中のピーク値とボトム値を検出し、これをホールドした検出信号として出力するものである。
【0026】図6(1)に示すように、種子センサ41の検出信号はピークボトム検出回路45、ピークホールド回路43を経てCPU内臓の制御部に入力する構成である。種子センサ41の検出電極部41aでは、図6(2)に示すように電圧値Aが検出され、ピーク電圧値及びボトム電圧値が検出され。次いで、ピークボトム検出回路45では、図6(3)に示すように、ピーク値及びボトム値が検出され、次いで、ピークホールド回路43では図6(4)に示すように、ピークホールド信号及びボトムホールド信号が出力され、種子の通過を検出する。
【0027】流下通路内を流下する種子(あるいは粒状肥料)の速度は時速25km程度で籾粒のパルス幅は1ミリセック程度と非常に短い。この実施例では、籾粒の通過によるピーク電圧値、及び、ボトム電圧値をホールドし増幅した電圧値として検出するため、短い処理プログラムで籾粒の通過を検出でき、しかも、種子センサ41の周辺の水分や埃の状態が変動しても、基準電圧値を基にして変化したピーク電圧値及びボトム電圧値により検出されるので、高速移動の籾粒を精度よく検出できる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成13年2月14日(2001.2.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−238314(P2002−238314A)
【公開日】 平成14年8月27日(2002.8.27)
【出願番号】 特願2001−37111(P2001−37111)