| 【発明の名称】 |
苗移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】木下 栄一郎
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| 【要約】 |
【課題】植付爪においては、保持する苗を前方からのみ包囲する構成であるので、苗を保持した状態で土壌内に突入させたとき苗の左右、後方及び下方の4方から周囲の土壌が苗に押圧して作用し、これにより軟弱な苗であると苗が傷むことがあり、植付後の苗の栽培を良好に行えなくなるおそれがある。
【解決手段】苗を保持した状態の苗植付体を土壌内に移動させて該苗を植え付ける苗移植機において、前記苗植付体を移動方向を除く少なくとも三方から苗を包囲する構成としたことを特徴とする苗移植機。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗を保持した状態の苗植付体を土壌内に移動させて該苗を植え付ける苗移植機において、前記苗植付体を移動方向を除く少なくとも三方から苗を包囲する構成としたことを特徴とする苗移植機。 【請求項2】 苗を保持した状態の苗植付体を土壌内に移動させて該苗を植え付ける苗移植機において、前記苗植付体を土壌面に対して傾斜した方向に移動して土壌内に突入する構成とすると共に、該苗植付体を少なくとも前記傾斜側の一方から苗を包囲する構成としたことを特徴とする苗移植機。 【請求項3】 機体を進行させながら苗を保持した状態の苗植付体を土壌内に移動させて該苗を植え付ける苗移植機において、前記苗植付体を土壌面に対して機体の進行方向の前側から後側へ傾斜した方向に移動して土壌内に突入させる構成とすると共に、該苗植付体を土壌面に対して機体の進行方向の後側から前側へ傾斜した方向に移動して土壌内から退出させる構成としたことを特徴とする苗移植機。 【請求項4】 苗を保持した状態の苗植付体を土壌内に移動させて該苗を植え付ける苗移植機において、前記苗植付体を土壌面に対して傾斜した方向に移動して土壌内に突入する構成とすると共に、前記傾斜方向を変更可能に構成したことを特徴とする苗移植機。 【請求項5】 苗を傾斜姿勢で保持した状態の苗植付体により土壌面に対して傾斜した方向に苗を植え付ける構成の苗移植機において、前記苗植付体へ苗を供給する苗供給装置を前記苗植付体が保持する苗の傾斜姿勢と同側の傾斜姿勢で苗を搬送する構成としたことを特徴とする苗移植機。 【請求項6】 苗を傾斜姿勢で保持した状態の苗植付体により土壌面に対して傾斜した方向に苗を植え付ける構成の苗移植機において、前記苗植付体が保持する苗の傾斜姿勢と同側の傾斜姿勢で作業者が苗を供給する苗供給部を設けたことを特徴とする苗移植機。 【請求項7】 苗を前傾姿勢で供給する苗供給部を構成したことを特徴とする請求項6に記載の苗移植機。 【請求項8】 苗を保持した状態の苗植付体を土壌内に移動させて該苗を植え付ける苗移植機において、前記苗植付体を土壌面に対して傾斜した方向に移動して土壌内に突入する構成とすると共に、前記傾斜方向とは反対側から植え付けた苗の周辺の土壌を鎮圧する鎮圧装置を設けたことを特徴とする苗移植機。 【請求項9】 苗を植え付けた後の苗植付体の土壌内からの退出に連動して植え付けた苗の周辺の土壌を鎮圧する鎮圧装置を設けたことを特徴とする請求項8に記載の苗移植機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、苗移植機の技術分野に属する。 【0002】 【従来の技術】従来、田植機や野菜移植機等の苗移植機において、苗を保持して土壌内に移動させ植え付ける植付爪や植付カップ等を備えている。前記植付爪は、保持する苗を上下、前後及び左右の6方のうちの前方からのみ包囲するものがある。また、前記植付カップは、保持する苗を下方及び前後左右の5方から包囲するものがあり、該苗を保持して移動する移動方向である下方から苗を包囲している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記植付爪においては、保持する苗を前方からのみ包囲する構成であるので、苗を保持した状態で土壌内に突入させたとき苗の左右、後方及び下方の4方から周囲の土壌が苗に押圧して作用し、これにより軟弱な苗であると苗が傷むことがあり、植付後の苗の栽培を良好に行えなくなるおそれがある。また、上記植付カップにおいては、保持する苗を5方から包囲しているので土壌内に突入させたときに周囲の土壌が苗を傷めるのを防止できるが、移動方向である下方から苗を包囲しているため、土壌内に突入させたとき周囲の土壌を強制的に押し除けて植付穴を作ることになり、その結果植え付けた苗の周囲の土壌が不足して苗の植付姿勢が不安定になり、植付後の苗の栽培を良好に行えなくなるおそれがある。 【0004】ましてや、苗を保持する苗植付体を土壌面に対して傾斜した方向に移動して土壌内に突入するようにすると、苗を保持した状態で土壌内に突入させたとき、苗の周囲の土壌が該苗に押圧しやすく、また周囲の土壌を押し除けて作る植付穴が崩れやすく、苗が傷みやすかったり苗の植付姿勢が不安定になりやすい。 【0005】 【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を解決すべく次の技術的手段を講じた。すなわち、請求項1に係る発明は、苗を保持した状態の苗植付体を土壌内に移動させて該苗を植え付ける苗移植機において、前記苗植付体を移動方向を除く少なくとも三方から苗を包囲する構成としたことを特徴とする苗移植機とした。 【0006】また、請求項2に係る発明は、苗を保持した状態の苗植付体を土壌内に移動させて該苗を植え付ける苗移植機において、前記苗植付体を土壌面に対して傾斜した方向に移動して土壌内に突入する構成とすると共に、該苗植付体を少なくとも前記傾斜側の一方から苗を包囲する構成としたことを特徴とする苗移植機とした。 【0007】また、請求項3に係る発明は、機体を進行させながら苗を保持した状態の苗植付体を土壌内に移動させて該苗を植え付ける苗移植機において、前記苗植付体を土壌面に対して機体の進行方向の前側から後側へ傾斜した方向に移動して土壌内に突入させる構成とすると共に、該苗植付体を土壌面に対して機体の進行方向の後側から前側へ傾斜した方向に移動して土壌内から退出させる構成としたことを特徴とする苗移植機とした。 【0008】また、請求項4に係る発明は、苗を保持した状態の苗植付体を土壌内に移動させて該苗を植え付ける苗移植機において、前記苗植付体を土壌面に対して傾斜した方向に移動して土壌内に突入する構成とすると共に、前記傾斜方向を変更可能に構成したことを特徴とする苗移植機とした。 【0009】また、請求項5に係る発明は、苗を傾斜姿勢で保持した状態の苗植付体により土壌面に対して傾斜した方向に苗を植え付ける構成の苗移植機において、前記苗植付体へ苗を供給する苗供給装置を前記苗植付体が保持する苗の傾斜姿勢と同側の傾斜姿勢で苗を搬送する構成としたことを特徴とする苗移植機とした。 【0010】また、請求項6に係る発明は、苗を傾斜姿勢で保持した状態の苗植付体により土壌面に対して傾斜した方向に苗を植え付ける構成の苗移植機において、前記苗植付体が保持する苗の傾斜姿勢と同側の傾斜姿勢で作業者が苗を供給する苗供給部を設けたことを特徴とする苗移植機とした。 【0011】また、請求項7に係る発明は、苗を前傾姿勢で供給する苗供給部を構成したことを特徴とする請求項6に記載の苗移植機とした。また、請求項8に係る発明は、苗を保持した状態の苗植付体を土壌内に移動させて該苗を植え付ける苗移植機において、前記苗植付体を土壌面に対して傾斜した方向に移動して土壌内に突入する構成とすると共に、前記傾斜方向とは反対側から植え付けた苗の周辺の土壌を鎮圧する鎮圧装置を設けたことを特徴とする苗移植機とした。 【0012】また、請求項9に係る発明は、苗を植え付けた後の苗植付体の土壌内からの退出に連動して植え付けた苗の周辺の土壌を鎮圧する鎮圧装置を設けたことを特徴とする請求項8に記載の苗移植機とした。 【0013】 【発明の効果】よって、請求項1に係る苗移植機においては、苗植付体を移動方向を除く少なくとも三方から苗を包囲する構成としたので、苗を保持した状態で苗植付体を土壌内に突入させたとき、周囲の土壌が苗に押圧するのを抑えることができ、植え付けた苗が傷むのを抑えることができる。また、土壌内に突入する苗植付体の移動方向から苗を包囲しない構成としたので、苗を保持した状態で苗植付体を土壌内に突入させたとき、苗の周囲の土壌を押し除ける作用を抑えることができ、植え付けた苗の周囲の土壌が不足して苗の植付姿勢が不安定になるのを抑えることができる。 【0014】また、請求項2に係る苗移植機においては、苗植付体を土壌面に対して傾斜した方向に移動して土壌内に突入する構成とすると共に少なくとも前記傾斜側の一方から苗を包囲する構成としたので、苗植付体を土壌面に対して傾斜した方向に移動して土壌内に突入する構成としても周囲の土壌が苗に押圧するのを効率良く抑えることができ、苗を土壌面に対して傾斜した方向から土壌へ供給して植え付けることができると共に、植え付けた苗が傷むのを抑えることができる。 【0015】また、請求項3に係る苗移植機においては、苗植付体を土壌面に対して機体の進行方向の前側から後側へ傾斜した方向に移動して土壌内に突入させる構成とすると共に、該苗植付体を土壌面に対して機体の進行方向の後側から前側へ傾斜した方向に移動して土壌内から退出させる構成としたので、苗植付体を土壌内から退出させるとき、機体に対する該苗植付体の前側への移動と機体の前側への進行との双方により苗植付体を土壌面に対してすばやく前側に退出させることができ、植え付けた苗を苗植付体が持ち帰るのを抑えられ、苗植付体により苗を土壌面に対して傾斜した方向に向けて適正に植え付けることができる。 【0016】また、請求項4に係る苗移植機においては、苗植付体を土壌面に対して傾斜した方向に移動して土壌内に突入する苗植付体の移動方向すなわち傾斜方向を変更可能に構成したので、植え付ける苗の品種や植付の時期等により所望の傾斜方向に向けて苗が植え付けられるように前記傾斜方向を調節することができる。 【0017】また、請求項5に係る苗移植機においては、苗植付体へ苗を供給する苗供給装置を前記苗植付体が保持する苗の傾斜姿勢と同側の傾斜姿勢で苗を搬送する構成としたので、苗供給装置から苗植付体への苗の引き継ぎにおいて苗の姿勢変化が少ないあるいは無いため、前記苗の引き継ぎを適正な姿勢で安定して行え、苗植付体により苗を土壌面に対して傾斜した方向に向けて適正な姿勢で安定して植え付けることができる。 【0018】また、請求項6に係る苗移植機においては、苗植付体が保持する苗の傾斜姿勢と同側の傾斜姿勢で作業者が苗を供給する苗供給部を設けたので、該苗供給部から苗植付体への苗の供給行程において苗の姿勢変化が少ないあるいは無いため、前記供給行程における苗の供給を適正な姿勢で安定して行えるばかりでなく前記苗の供給行程を簡素化することができて該供給行程に係る構造の軽量化、コンパクト化を図ることができると共に、作業者が苗供給部へ苗を傾斜姿勢で供給できるため、苗供給部への苗供給作業を容易に行える。 【0019】また、請求項7に係る苗移植機においては、苗を前傾姿勢で供給する苗供給部を構成したので、作業者が苗供給部の後側から前方を向いて該苗供給部へ苗を容易に供給することができ、苗供給部への苗供給作業をしながら機体の進行方向や圃場における位置等の状況を容易に視認することができる。 【0020】また、請求項8に係る苗移植機においては、土壌面に対して傾斜した方向に移動して土壌内に突入する苗植付体の移動の傾斜方向とは反対側から植え付けた苗の周辺の土壌を鎮圧する鎮圧装置を設けたので、該鎮圧装置を苗植付体と干渉しないようにし且つ土壌面の苗植付位置に的確に作用させることができ、苗の周辺の土壌の鎮圧を安定して行えて苗を傾斜姿勢で安定して植え付けることができる。 【0021】また、請求項9に係る苗移植機においては、鎮圧装置により苗を植え付けた後の苗植付体の土壌内からの退出に連動して植え付けた苗の周辺の土壌を鎮圧するようにしたので、苗植付体の土壌内からの退出で植え付けた苗を苗植付体が持ち帰ろうとするのを苗の周辺の土壌を鎮圧することにより的確に抑えることができ、苗植付体により苗を土壌面に対して傾斜した方向に向けて適正に植え付けることができる。 【0022】 【発明の実施の形態】この発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。図1は、苗移植機の一例として歩行型の甘薯苗移植機1を示すものであり、この歩行型の甘薯苗移植機1は、主として前部にエンジン2及び主伝動ケ−ス3と走行車輪としての左右一対の前輪4,4及び後輪5,5と後部に苗植付装置6、苗供給装置7及び操縦ハンドル8とを備えて構成される。この歩行型の甘薯苗移植機1は、機体が圃場内の畝をまたぐように前記前輪4,4及び後輪5,5が畝間を走行し、畝の上面の左右中央に前記苗植付装置6により土壌面に対して傾斜姿勢で甘薯苗を植付けていくようになっている。 【0023】前記主伝動ケ−ス3の前部にエンジン載置台9を固着し、このエンジン載置台9に前記エンジン2を載置して取り付けた構成となっている。左右方向に設けた前記エンジン2の出力軸が前記主伝動ケ−ス3内に突入して、エンジン2の動力が主伝動ケ−ス3内に入力されるようになっている。主伝動ケ−ス3の左右端には該主伝動ケ−ス3に対して回動可能な走行チェ−ンケ−ス11,11を左右それぞれ設けている。従って、主伝動ケ−ス3内の動力を走行チェ−ンケ−ス11,11内に伝動する構成となっている。前記走行チェ−ンケ−ス11,11の回動先端部の左右内側には走行車輪である左右一対の後輪5,5をそれぞれ取り付け、この左右一対の後輪5,5の駆動により機体が走行するようになっている。従って、主伝動ケ−ス3は、走行車輪としての後輪5,5に伝動する伝動装置となっている。一方、エンジン載置台9の下部には左右方向に延びる前輪支持フレ−ム12を前後方向のロ−リング軸13回りに回動可能に設け、この前輪支持フレ−ム12の左右両端部に下方に延びる前輪取付部14,14を設け、前記前輪取付部14,14の下端部に前輪4,4を取り付け、左右一対の前記後輪5,5のそれぞれの前方に左右一対の前輪4,4が設けられた構成となっている。尚、前記前輪4,4は、遊転輪である。 【0024】主伝動ケ−ス3の後側に固着した左右フレ−ム15の後部には、右寄りの位置に後方に延びる主フレ−ム20を設けている。該主フレ−ム20の後端部には操縦ハンドル8を設け、この操縦ハンドル8が主フレ−ム20を介して前記主伝動ケ−ス3に支持された構成となっている。 【0025】また、主伝動ケ−ス3の後部で左右方向の中央には、油圧昇降シリンダ21を設けている。この油圧昇降シリンダ21は、主伝動ケース3に固着された油圧切替バルブ部22に固着して設けられ、主伝動ケ−ス3に固着された油圧ポンプ23からの油圧を切り替える前記油圧切替バルブ部22に備えられた昇降操作バルブを操作することにより作動するようになっている。前記油圧昇降シリンダ21のシリンダロッド端には左右に延びる横杆24を設け、この横杆24の左右端部にそれぞれ後輪昇降ロッド25,26を枢着し該ロッド25,26の他端をそれぞれの走行チェ−ンケ−ス11,11に固着された上側ア−ム11c,11cに枢着して、前記横杆24と走行チェ−ンケ−ス11,11とが連結された構成となっている。従って、前記油圧昇降シリンダ21の伸縮により前記横杆24、前記後輪昇降ロッド25,26を介して主伝動ケ−ス3の左右の出力軸3a,3a回りに走行チェ−ンケ−ス11,11が回動し、該走行チェ−ンケ−ス11,11の回動により後輪5,5が上下して機体が昇降する構成となっている。 【0026】また、左側の前記後輪昇降ロッド25が伸縮するように該ロッド25の中途部に油圧ポンプ23からの油圧により作動する水平用油圧シリンダ27を設けており、該水平用油圧シリンダ27の伸縮により右側の後輪5の上下位置に対して左側の後輪5を上下させて、畝の谷部の凹凸に関係なく機体を左右水平に維持できるようになっている。尚、主伝動ケ−ス3の右側には振り子式の左右傾斜センサ28が設けられて、この左右傾斜センサ28の検出により油圧切替バルブ部22に備えられた水平操作バルブを介して前記水平用油圧シリンダ27を作動させ機体を左右水平に維持する構成となっている。 【0027】前記苗植付装置6は、一株の苗を圃場に植付けるべく主伝動ケ−ス3内からの動力が前記主伝動ケ−ス3の後側に設けた植付伝動ケ−ス30及び前記植付伝動ケ−ス30の左右方向の出力伝動軸30aに回動可能に設けた苗植付装置駆動ケ−ス31を介して伝達され作動するようになっている。前記苗植付装置6は、コの字型のプレートで構成される苗植付体32と該苗植付体32を土壌面に対して前側へ傾斜する傾斜方向に沿って昇降させるべく作動する苗植付体作動機構34とで構成される。 【0028】また、前記苗供給装置7は、前記苗植付装置6の上側に設けられ、一株の苗を前記苗植付装置6に順次供給する苗供給ベルト35を備えて構成されている。この苗供給ベルト35の外面には搬送方向の所定間隔毎に仕切部35aを設けており、該仕切部35aの間の区画35b毎に一株分づつの苗を収容して搬送するようになっている。前記苗供給ベルト35は、前記苗植付装置駆動ケ−ス31からの伝動により該ケース31の後側に突出する苗供給ベルト駆動軸36の駆動により作動する。尚、該苗供給ベルト駆動軸36は、機体側面視で後下がりに傾斜している。また、該苗供給ベルト駆動軸36と平行に2本の従動軸37、38を設けており、苗供給ベルト駆動軸36と2本の従動軸37、38とのそれぞれの前後両端部には、それぞれの軸36、37、38と一体回転するスプロケット36a,37a,38aをそれぞれ設けている。一方、苗供給ベルト35の裏面には搬送方向に直交する方向における両端部にループ状にチェーン39が固着しており、前記前後のスプロケット36a,37a,38aにそれぞれの前記チェーン39が巻きかけられている。苗供給ベルト駆動軸36の上方には該軸36と平行な苗供給ベルト支持軸60を設けており、該苗供給ベルト支持軸60に固着された前後それぞれの支持プレート61に苗供給ベルト駆動軸36及び右側の従動軸37を軸支している。尚、苗供給ベルト支持軸60の基部は、苗植付装置駆動ケ−ス31に固着されている。そして、右側の従動軸37回りに回動する前後それぞれの回動プレ−ト62を設けており、この前後の回動プレ−ト62の回動先端側に左側の従動軸38を軸支している。尚、支持プレ−ト61と回動プレ−ト62との間には該両者を繋ぐように伸縮ロッド63を設けており、該伸縮ロッド63に備えるタ−ンバックル63aを回転操作することにより前記伸縮ロッド63の長さを調節して左側の従動軸38の位置を調節し、苗供給ベルト35の張力を適切となるよう調節できるようになっている。 【0029】左右の従動軸37、38間となる苗供給ベルト35の上面部は、作業者が該ベルト35の区画35bに一株分づつ苗を供給する苗供給部35cとなる。そして、この苗供給部35cの苗は、右方向へ移動し右側の従動軸37部分で向きを変えて右側の従動軸37と苗供給ベルト駆動軸36との間となる下方搬送部35dで下方へ搬送され、苗供給ベルト駆動軸36部分すなわち苗植付装置6へ向けて搬送される。前記下方搬送部35dの右側方には、該搬送部35dの苗が右方に落下しないように規制して案内する右苗案内プレ−ト35eを設けている。また、苗供給ベルト35の上面部の後側には、該上面部の苗が苗供給ベルト35の傾斜で後方に落下しないように規制して案内する後苗案内プレ−ト35fを設けている。 【0030】苗供給ベルト35の苗供給部35cの前側には、甘薯苗を載置する苗載置台40を設けている。該苗載置台40は、植付伝動ケ−ス30から上方に延びる左右の苗載置台支持フレ−ム42,42に取り付けられ、苗供給ベルト35の苗供給部35cより若干高くなるように略水平に設けられている。 【0031】図2に示すように、苗植付体32は、底板部32a、側板部32b,32c及び前板部32dとを備えて構成され、これらにより前側下方、左右両側方及び前方から包囲した状態で苗が前側への傾斜姿勢で収容される。尚、前記底板部32aの前後傾斜角度は、苗供給装置7の苗供給ベルト駆動軸36すなわち苗供給ベルト35の前後傾斜角度と略同一に構成している。そして、この苗植付体32には、苗供給装置7の苗供給ベルト35から一株分づつ土無しの甘薯苗(裸苗)が落下供給される。 【0032】次に、苗植付体作動機構34の構成について説明する。苗植付体32の前部には摺動ロッド65を固着しており、該摺動ロッド65は苗植付装置駆動ケ−ス31に固着した摺動案内部66の摺動孔66aに挿通されている。そして、苗植付装置駆動ケ−ス31の左側に突出する植付出力軸67と一体回転するクランクア−ム68と苗植付体32とはクランクロッド69により連結されており、前記植付出力軸67すなわちクランクア−ム68を回転駆動すると苗植付体32が摺動ロッドにより案内されて土壌面に対して前側に傾斜した方向に昇降する構成となっている。そして、機体の進行と相俟って苗植付体32の圃場に対する動軌跡は、図1のTのように突入軌跡より退出軌跡が若干前下側に位置するようになる。 【0033】尚、苗植付装置6及び苗供給装置7は、傾斜調節ハンドル70の操作により苗植付装置駆動ケ−ス31を植付伝動ケ−ス30の左右方向の出力伝動軸30a回りに回動させて、前後傾斜姿勢を変更可能にしている。これにより、苗植付装置6及び苗供給装置7の相対位置関係を変えずに、苗供給部35cの傾斜角度を作業者が供給しやすいように調整できる。尚、植付苗の前側への傾斜角度が50度から70度の範囲で調節できるようになっている。 【0034】また、前記苗植付体32の前方には圃場面感知プレ−ト55を設けている。該圃場面感知プレ−ト55は左右方向の回動支点軸55a回りに回動可能に設けられ、接地することによる該プレ−ト55の回動に伴って苗植付装置6により所定の植付深さに苗を植え付けるように後輪5,5を昇降するようになっている。 【0035】前記操縦ハンドル8の前側で苗供給装置7の後側には、操作パネル56を設けている。この操作パネル56には、後輪5,5及び苗植付装置6並びに苗供給装置7の駆動を共に入切可能な主クラッチレバ−57と、油圧昇降シリンダ21による機体の昇降操作及び苗植付装置6並びに苗供給装置7の駆動の入切のみが行える植付・昇降レバ−58とを設けている。 【0036】また、操縦ハンドル8の左右それぞれの把持部8a,8aの下方にはサイドクラッチレバ−59,59を設け、このサイドクラッチレバ−59,59の操作により左右一対の後輪5,5の左右一方の駆動を断つようになっている。そして、オペレ−タが操縦ハンドル8を押し下げ前輪4,4を宙に浮かせた状態で左右一方のサイドクラッチレバ−59を操作して左右一方の後輪5の駆動を断ち、該後輪5を中心に機体を旋回させるようになっている。 【0037】従って、この歩行型の甘薯苗移植機において、後輪5を駆動して機体を走行させ、作業者が操縦ハンドル8の近くで歩行しながら苗載置台40上の苗を苗供給ベルトの苗供給部に供給することにより、苗供給装置7の作動により苗植付装置6へ苗を一株づつ供給し、苗植付装置6により圃場に苗を斜めに植え付けていく。 以上により、この歩行型の甘薯苗移植機は、苗植付体32を後下方向を除く前方、前側下方及び左右側方の四方から苗を包囲する構成としたので、苗を保持した状態で苗植付体32を土壌内に突入させたとき、周囲の土壌が苗に押圧するのを抑えることができ、植え付けた苗が傷むのを抑えることができる。また、土壌内に突入する苗植付体32の移動方向から苗を包囲しない構成としたので、苗を保持した状態で苗植付体32を土壌内に突入させたとき、苗の周囲の土壌を押し除ける作用を抑えることができ、植え付けた瞬間に苗の周囲の土壌が不足して苗の傾斜植付姿勢が不安定になるのを抑えることができる。 【0038】また、苗植付体32を土壌面に対して傾斜した方向に移動して土壌内に突入する構成とすると共に前板部32a及び底板部32dにより前側の一方から苗を包囲する構成としたので、苗植付体32を土壌面に対して傾斜した方向に移動して土壌内に突入する構成としても周囲の土壌が苗に押圧するのを効率良く抑えることができ、苗を土壌面に対して傾斜した方向から土壌へ供給して植え付けることができると共に、植え付けた苗が傷むのを抑えることができる。 【0039】また、苗植付体32を土壌面に対して機体の進行方向の前側から後側へ傾斜した方向に移動して土壌内に突入させる構成とすると共に、該苗植付体32を土壌面に対して機体の進行方向の後側から前側へ傾斜した方向に移動して土壌内から退出させる構成としたので、苗植付体32を土壌内から退出させるとき、機体に対する該苗植付体32の前側への移動と機体の前側への進行との双方により苗植付体32を土壌面に対してすばやく前側に退出させることができ、植え付けた苗を苗植付体32が持ち帰るのを抑えられ、苗植付体32により苗を土壌面に対して傾斜した方向に向けて適正に植え付けることができる。また、苗植付体32の動軌跡の突入軌跡より退出軌跡が若干前下側に位置するので、退出時に上方の土壌圧がかかりにくく、植え付けた苗を苗植付体32が持ち帰るのを抑えられ、苗植付体32により苗を土壌面に対して傾斜した方向に向けて適正に植え付けることができる。 【0040】また、傾斜調節ハンドル70により苗植付体32を土壌面に対して傾斜した方向に移動して土壌内に突入する苗植付体32の移動方向すなわち傾斜方向を変更可能に構成したので、植え付ける苗の品種や植付の時期等により所望の傾斜方向に向けて苗が植え付けられるように前記傾斜方向を調節することができる。 【0041】また、苗供給装置7を苗植付体32が保持する苗の傾斜姿勢と同じ傾斜姿勢で苗を搬送する構成としたので、苗供給装置7から苗植付体32への苗の引き継ぎにおいて苗の姿勢変化が少ないあるいは無いため、前記苗の引き継ぎを適正な姿勢で安定して行え、苗植付体32により苗を土壌面に対して傾斜した方向に向けて適正な姿勢で安定して植え付けることができる。 【0042】また、苗植付体32が保持する苗の傾斜姿勢と同側の前側傾斜姿勢で作業者が苗を供給する苗供給部35cを設けたので、該苗供給部35cから苗植付体32への苗の供給行程において苗の姿勢変化が少ないあるいは無いため、前記供給行程における苗の供給を適正な姿勢で安定して行えるばかりでなく前記苗の供給行程を簡素化することができて該供給行程に係る構造の軽量化、コンパクト化を図ることができると共に、作業者が苗供給部35cへ苗を傾斜姿勢で供給できるため、苗供給部35cへの苗供給作業を容易に行える。 【0043】また、苗を前傾姿勢で供給する苗供給部35cを構成したので、作業者が苗供給部35cの後側から前方を向いて該苗供給部35cへ苗を容易に供給することができ、苗供給部35cへの苗供給作業をしながら機体の進行方向や圃場における位置等の状況を容易に視認することができる。 【0044】また、図3乃至図5には、別の実施の形態の歩行型の甘薯苗移植機1’を示している。この歩行型の甘薯苗移植機1’は、前述の歩行型の甘薯苗移植機1の構成に加えて、苗植付装置6の苗植付体32の左側板部32bを移動させて苗を挾持するようにした挾持機構80と植え付けた苗の周辺の土壌を鎮圧する鎮圧装置81とを設けたものである。 【0045】挾持機構80は、苗植付体32の左側板部32bに外方から接触する挾持伝達ロ−ラ82、苗植付装置駆動ケ−ス31に固着した摺動案内部66から下側に突出する回動軸83回りに回動する挾持作動アーム84、植付出力軸67すなわちクランクア−ム68と一体回転する挾持駆動カムプレ−ト85、及び該挾持駆動カムプレ−ト85に左側から接触する挾持駆動ロ−ラ86を備えて構成される。尚、前記挾持駆動ロ−ラ86は、回動軸83に対して挾持伝達ロ−ラ82とは反対側(前側)の端部に設けられている。また、挾持駆動カムプレ−ト85は、苗植付体32が苗供給装置7から苗を受け取ってから圃場の植付位置まで移送する間にだけ挾持駆動ロ−ラ86が接触するように、機体側面視で半月形状となっている。従って、苗供給装置7からの落下供給により苗植付体32が苗を受け取った後に挾持駆動カムプレ−ト85に挾持駆動ロ−ラ86が接触することにより、挾持伝達ロ−ラ82が苗植付体32に近づく方向に挾持作動アーム84を回動させ、このとき挾持伝達ロ−ラ82が苗植付体32の左側板部32bに外方から接触し、更に前記左側板部32bを苗植付体32の右側板部32c側に押し込んで前記左右の側板部32b,32cの間隔を狭め、該左右の側板部32b,32cにより苗植付体32に収容される苗を挾持する。そして、苗植付体32が下降し土壌内に突入して昇降の下死点に到達したとき、挾持駆動カムプレ−ト85が回転して該プレ−ト85に挾持駆動ロ−ラ86が接触しない状態となり、挾持作動アーム84が回動自由な状態となるので挾持伝達ロ−ラ82が苗植付体32の左側板部32bを押圧しなくなり、前記左側板部32bが元の状態に戻って苗植付体32に収容される苗の挾持を解除する構成となっている。尚、苗植付体32を構成するプレ−トは、弾性体である板バネで構成されており、挾持伝達ロ−ラ82の押圧により容易に移動するようにしている。尚、苗植付体32の左側板部32bのみを、弾性体で構成するようにしてもよい。 【0046】従って、苗植付体32が苗供給装置7から苗を受け取ってから圃場の植付位置まで移送する間に収容する苗を挾持するので、挾持機構がない場合に苗植付体32が土壌面に対して傾斜した方向に移動するために収容した苗が脱落するおそれがあるのに対し、確実に苗を土壌内の苗植付位置へ移送することができ、安定した苗の植付を行える。また、苗植付体32が昇降の下死点から上昇するときには苗の挾持が解除されるので、苗植付体32の土壌内からの退出により植え付けた苗を苗植付体32が持ち帰るのを抑えられ、苗植付体32により苗を土壌面に対して傾斜した方向に向けて適正に植え付けることができる。 【0047】また、鎮圧装置81は、筒状の鎮圧ロ−ラ90及び該ロ−ラ90を上下動可能に支持する鎮圧支持フレ−ム91等を備えて構成される。前記鎮圧支持フレ−ム91は、前端部の回動軸91a回りに回動自在に設けられると共に、回動先端部に取り付けた引張スプリング92により上方へ回動付勢されている。また、植付出力軸67と一体回転するクランクア−ム68の近くには鎮圧連動ア−ム93を設けており、該鎮圧連動ア−ム93の回動が連係ア−ム94及び連係ロッド95等により鎮圧支持フレ−ム91に伝達されるようになっている。従って、鎮圧ロ−ラ90は、通常は引張スプリング92により土壌面から浮き上がった状態となるが、苗植付体32が昇降の下死点から前上方に向かって土壌内から退出するときに、クランクア−ム68が鎮圧連動ア−ム93に当接して該鎮圧連動ア−ム93を回動させて前記引張スプリング92に抗して鎮圧支持フレ−ム91ひいては鎮圧ロ−ラ90を下動させ、該鎮圧ロ−ラ90により植え付けた苗の後方から該苗の根元上方の土壌を上方から押圧する構成となっている。 【0048】以上により、この歩行型の甘薯苗移植機1’は、土壌面に対して傾斜した方向に移動して土壌内に突入する苗植付体32の移動における前側傾斜方向とは反対側の後側から植え付けた苗の周辺の土壌を鎮圧する鎮圧装置81を設けたので、該鎮圧装置81を苗植付体32と干渉しないようにし且つ土壌面の苗植付位置に上方から的確に作用させることができ、苗の周辺の土壌の鎮圧を安定して行えて苗を傾斜姿勢で安定して植え付けることができる。 【0049】また、鎮圧装置81により苗を植え付けた後の苗植付体32の土壌内からの退出に連動して植え付けた苗の周辺の土壌を鎮圧するようにしたので、苗植付体32の土壌内からの退出で植え付けた苗を苗植付体32が持ち帰ろうとするのを苗の周辺の土壌を鎮圧することにより的確に抑えることができ、苗植付体32により苗を土壌面に対して傾斜した方向に向けて適正に植え付けることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月2日(2001.2.2) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−223613(P2002−223613A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月13日(2002.8.13) |
| 【出願番号】 |
特願2001−27102(P2001−27102) |
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