トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 移動農機
【発明者】 【氏名】小山 実

【氏名】岡田 悟

【要約】 【課題】電磁弁を用いた各種制御において、電磁弁の駆動停止時の中立復帰を早める。

【解決手段】正逆操作ソレノイド(107)(108)を有する電磁弁(109)を備えた移動農機において、一方のソレノイド(107)或いは(108)の駆動停止直後に他方のソレノイド(107)或いは(108)を設定時間(t)駆動して中立復帰させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 正逆操作ソレノイドを有する電磁弁を備えた移動農機において、一方のソレノイドの駆動停止直後に他方のソレノイドを設定時間駆動して中立復帰させたことを特徴とする移動農機。
【請求項2】 他方のソレノイドの駆動設定時間は駆動停止直前のソレノイド駆動パルスのデュティにより可変させたことを特徴とする請求項1記載の移動農機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば機体後方に支持する植付部を昇降動作させる油圧昇降シリンダを備えた田植機など移動農機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、電磁弁ソレノイドへの駆動信号を停止すると、弁スプールは戻しバネのバネ力で中立位置まで戻されるが、バネ力だけの場合中立復帰するまで時間が遅くなって電磁弁の迅速且つ正確な切換動作が行われず、田植機の植付昇降用にこの電磁弁を用いた場合には昇降制御の精度を低いものとさせるなどの不都合があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】したがって本発明は、正逆操作ソレノイドを有する電磁弁を備えた移動農機において、一方のソレノイドの駆動停止直後に他方のソレノイドを設定時間駆動して中立復帰させて、電磁弁スプールの中立位置までの戻り時間を速くして、電磁弁の中立復帰を迅速化させ電磁弁の操作精度を高めて、田植機の植付昇降制御にこの電磁弁を用いた場合などの制御精度を向上させるものである。
【0004】また、他方のソレノイドの駆動設定時間は駆動停止直前のソレノイド駆動パルスのデュティにより可変させて、電磁弁ソレノイドの駆動デュティに応じて逆側のソレノイドを適正時間駆動して、時間遅れやオーバシュートなどを防止した正確な電磁弁操作を可能とさせるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は乗用田植機の側面図、図2は同平面図を示し、図中(1)は作業者が搭乗する走行車であり、エンジン(2)を車体フレーム(3)に搭載させ、ミッションケース(4)前方にフロントアクスルケース(5)を介して水田走行用前輪(6)を支持させると共に、前記ミッションケース(4)の後部にリヤアクスルケース(7)を連設し、前記リヤアクスルケース(7)に水田走行用後輪(8)を支持させる。そして前記エンジン(2)等を覆うボンネット(9)両側に予備苗載台(10)を取付けると共に、乗降ステップ(11)を介して作業者が搭乗する車体カバー(12)によって前記ミッションケース(4)等を覆い、前記車体カバー(12)上部に運転席(13)を取付け、その運転席(13)の前方で前記ボンネット(9)後部に操向ハンドル(14)を設ける。
【0006】また、図中(15)は6条植え用の苗載台(16)並びに複数の植付爪(17)などを具備する植付部であり、前高後低の合成樹脂製の前傾式苗載台(16)を下部レール(18)及びガイドレール(19)を介して植付ケース(20)に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転させるロータリケース(21)を前記植付ケース(20)に支持させ、該ケース(21)の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケース(22)(22)を配設し、その爪ケース(22)(22)先端に植付爪(17)(17)を取付ける。また前記植付ケース(20)の前側にローリング支点軸(23)を介してヒッチブラケット(24)を設け、トップリンク(25)及びロワーリンク(26)を含む昇降リンク機構(27)を介して走行車(1)後側にヒッチブラケット(24)を連結させ、前記リンク機構(27)を介して植付部(15)を昇降させる油圧昇降制御機構である油圧昇降シリンダ(28)のピストンロッド(28a)をロワーリンク(26)に連結させ、前記前後輪(6)(8)を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動させる苗載台(16)から一株分の苗を植付爪(17)によって取出し、連続的に苗植え作業を行うように構成する。
【0007】また、図中(29)は主変速レバー、(30)は副変速レバーでもある植付レバー、(31)は感度設定器、(32)は主クラッチペダル、(33)(33)は左右ブレーキペダル、(34)は2条分均平用センタフロート、(35)は2条分均平用サイドフロート、(36)は6条用の側条施肥機である。
【0008】さらに、図3、図4に示す如く、前低後高(傾斜角約4度)に傾斜させる前記車体フレーム(3)前部上面に架台(37)…を一体固定させ、架台(37)…の上面に防振ゴム(38)…及びエンジン台(39)を介して前記エンジン(2)を上載させ、前記エンジン(2)の左側に燃料タンク(40)を、またエンジン(2)の右側にマフラー(41)を取付けると共に、車体フレーム(3)前端側略中央にバッテリ(43)を取付けている。
【0009】またさらに、前記車体フレーム(3)にケース台(44)を一体固定させ、ケース台(44)にステアリングケース(45)を取付け、ハンドル筒体(46)に内挿させる操向ハンドル(14)のステアリング軸(14a)を、左右車体フレーム(3)(3)間の略中央でステアリングケース(45)上面に立設させると共に、ステアリングケース(45)下面に出力軸(47)を突設させ、左右の前輪(6)(6)を方向転換させる操向アーム(48)を前記出力軸(47)に取付けている。
【0010】また、前記エンジン(2)下方のエンジン台(39)下側に、前後方向に略水平な円筒形の軸受体(49)を熔接固定させ、前記軸受体(49)にカウンタ軸(50)を挿通支持させ、軸受体(49)前方に突出させるカウンタ軸(50)前端にカウンタプーリ(51)を取付けると共に、左右車体フレーム(3)(3)間の略中央上方でエンジン(2)の前方にエンジン出力軸(52)を突設させ、該出力軸(52)に出力プーリ(53)を取付け、該出力プーリ(53)を前記カウンタプーリ(51)にVベルト(54)を介して連結させている。
【0011】さらに、前記車体フレーム(3)後端部にリヤアクスルケース(7)をボルト止め固定させ、前記リヤアクスルケース(7)前面にミッションケース(4)後面を連結固定させると共に、ミッションケース(4)の右側前面にクラッチケース(55)を一体形成し、クラッチケース(55)前面に無段ベルト変速ケース(56)右側後面を嵌合固定させ、また昇降シリンダ(28)を作動させる油圧ポンプ(57)をベルト変速ケース(56)の左側後面に固定させるもので、四角パイプ形の左右車体フレーム(3)(3)の間でこの上面よりも低位置に前記各ケース(4)(55)(56)及び油圧ポンプ(57)を吊下げ固定させ、ユニバーサルジョイント付き伝動軸(58)を前記カウンタ軸(50)後端とベルト変速ケース(56)間に設け、エンジン(2)出力をベルト変速ケース(56)に伝えると共に、フロントアクスルケース(5)とミッションケース(4)間に前輪伝動軸(59)を設け、ミッションケース(4)の変速出力を各アクスルケース(5)(7)を介して前後輪(6)(8)に伝えるように構成している。
【0012】図5乃至図7に示す如く、前記センタフロート(34)の前部を上下に揺動自在に支持するピッチング支点軸(60)をフロート(34)後部上面のブラケット(61)に設け、前記植付ケース(20)に回動自在に枢支する植付深さ調節支点軸(62)に、植付深さ調節リンク(63)の基端を固設させると共に、該リンク(63)の先端を前記ピッチング支点軸(60)に連結させている。
【0013】そして、前記植付ケース(20)側に固定アーム(64a)(64b)を介し支持する支軸(65)に出力リンク(66)中間を回動自在に枢支し、前記調節支点軸(62)に基端を固設する揺動アーム(67)の先端に、結合ピン(68)を介して出力リンク(66)後端を連結させると共に、該出力リンク(66)前端の軸(69)に昇降リンク(70)を連結させ、センタフロート(34)の前部上面に固設するブラケット(71)の軸(72)と前記昇降リンク(70)一端側の軸(73)間を揺動リンク(74)を介し連結させている。
【0014】また、前記支軸(65)にセンサリンク(75)の中間を回動自在に枢支し、センサリンク(75)一端側の軸(76)と前記昇降リンク(70)他端側の軸(77)間を連動リンク(78)で連結させると共に、植付ケース(20)側に固定アーム(64b)を介し支持するポテンショメータ式フロートセンサ(79)の検出アーム(80)の長孔(81)に前記センサリンク(75)他端側の検出軸(82)を係合連結させて、耕盤の凹凸或いは深さの変化などで植付深さが変化するとき、フロートセンサ(79)によってこれを検出するように構成している。
【0015】図6、図8にも示す如く、前記支点軸(62)に基端を固設する基準植付深さ設定用の植深調節レバー(83)を植深モータ(84)により適宜駆動制御するようにしたもので、中央の植付ケース(20)より右側の伝動パイプ(85)に取付板(86)及び側板(87)を介しモータ取付台(88)を固設させ、該モータ取付台(88)のモータ(84)の回転ネジ軸(89)に結合させる移動子(90)に、調節レバー(83)を係合連結させて、モータ(84)の駆動によって移動子(90)がネジ軸(89)に沿って上下方向に移動するとき、調節レバー(83)を上下方向に揺動させて支点軸(62)を回動させ、基準植付深さの調節を行うように構成している。
【0016】また、前記調節レバー(83)はモータ取付台(88)に開閉自在に固定するカバー(91)内に配置し、モータ取付台(88)には調節レバー(83)の固定ピン(92)の移動位置を検出するポテンショメータ式植深センサ(93)を設けて、植付深さ位置を感知するように構成している。
【0017】そして前記植深モータ(84)或いは調節レバー(83)により支点軸(62)を中心とした植深変更時にはピッチング支点軸(60)部の上下変位置と、出力リンク(66)前端の軸(69)部の上下変位置とを略同一とさせて、植深を変更させてもフロートセンサ(79)の出力を変化させないように構成している。
【0018】一方、前記変速ケース(56)の入力軸部には伝動軸(58)を介し伝達されるエンジン(2)からの回転数を検出するエンジン回転センサであるエンジンセンサ(94)を、また前記フロントアクスルケース(5)の入力軸部には伝動軸(59)を介し伝達されるミッションケース(4)からの走行出力を検出する車速センサ(95)を設けると共に、左側車体フレーム(3)のセンサ取付板(96)にロワーリンク(26)に連結するリフトアーム(97)の移動位置を検出するリンクセンサ(98)を設けて、植付部(15)の昇降位置を感知するように構成している。
【0019】図9に示す如く、エンジン(2)によって駆動する油圧ポンプ(99)の供給油圧回路(100)を、フローコントロールバルブ(101)によって高圧油路(102)と低圧油路(103)に分岐して、操向ハンドル(14)によって操向シリンダ(104)の操向バルブ(105)を切換える操向バルブユニット(106)と、上昇及び下降ソレノイド(107)(108)によって電磁弁(比例弁)である昇降バルブ(109)を操作し昇降シリンダ(28)を駆動する昇降バルブユニット(110)とを高圧油路(102)に設けると共に、植付部(15)の左右傾斜姿勢を制御する水平シリンダ(111)の水平操作用ソレノイドバルブ(112)を有する水平バルブユニット(113)とを低圧油路(103)に設けて、植付部(15)の昇降制御を前記バルブ(109)の上昇及び下降ソレノイド(107)(108)の励磁操作によって行うように構成している。
【0020】そして図10に示す如く、前記植深モータ(84)の浅い及び深い側回路(114)(115)と、前記ソレノイド(107)(108)とに出力接続させるコントローラ(116)を備えるもので、前記植付レバー(30)の植付下降・上昇・植付クラッチ入位置を検出するポテンショメータ式レバーセンサ(117)と、植付深さ制御を開始する植深スイッチ(118)と、圃場表面硬度に応じ昇降シリンダ(28)の油圧感度(目標値)を設定する感度設定器(31)と、前記バルブ(107)を流通する油圧の油温を検出する油温センサであるサーミスタ(119)と、キースイッチ(120)を介しコントローラ(116)に印加するバッテリ(121)からの電源電圧の変化を監視する電圧センサ(122)と、前記各センサ(79)(93)(94)(95)(98)とをコントローラ(116)に入力接続させている。
【0021】而して図11に示す如く、前記エンジンセンサ(94)がエンジン(2)の適正回転状態を検出し、車速センサ(95)・リンクセンサ(98)・レバーセンサ(117)・フロートセンサ(79)の各値がコントローラ(116)に入力され、植付部(15)が下降しセンタフロート(34)が接地状態の植付作業条件となるとき昇降制御モードに移行する。そして感度設定器(31)の設定値と車速センサ(95)の車速による補正値とに基づいて昇降制御の目標値(V1)(センタフロート(34)の目標傾斜角度)が演算され、次にフロートセンサ(79)の検出値(V2)(センタフロート(34)の現実の傾斜角度)と、前記目標値(V1)との偏差(V3)(V3=V2−V1)とに基づいて上昇及び下降ソレノイド(107)(108)の駆動値を演算させ、各ソレノイド(107)(108)の駆動で植付部(15)を昇降制御して設定された植付深さを一定維持させる。
【0022】また、前記上昇及び下降ソレノイド(107)(108)のコイルに対する通電電流を安定させるための温度・電圧補正を、これらソレノイド(107)(108)に出力する直前に行うもので、前記サーミスタ(119)で油温を検出するとき、前述の基準温度のコイル抵抗値と油温時のコイル抵抗値とに基づき、温度補正前の駆動値に対し、温度補正後の駆動値を算出すると共に、温度補正後の駆動値に対し電源電圧の変化によって、駆動値を補正し、油温及び電源電圧の変化に関係のない安定した制御速度とさせる。
【0023】そして、前記植付レバー(30)の上昇操作時にはリンクセンサ(98)の入力値が上限規制値となるまで上昇ソレノイド(107)を駆動する一方、該レバー(30)の下降操作時にはフロートセンサ(79)に一定値以上の入力があるまでは(フロート接地)下降ソレノイド(108)を駆動する。
【0024】また、前記植深スイッチ(118)によって植深制御が行われるもので、感度設定器(31)・車速センサ(95)・植深センサ(93)の値が読込まれ、植深スイッチ(118)で植深センサ(93)の一定範囲内の値が設定値として設定されるとき、車速による補正、油圧感度(感度設定器(31)の設定値)による補正を行って目標の植深値を演算し、作業中の植深センサ(93)の検出値と植深値の偏差が一定(不感帯)以上に大或いは小のとき植深モータ(84)を深植え側或いは浅植え側に制御して植付深さを一定維持させる。
【0025】ところで、図12乃至図14に示す如く、前記ソレノイド(107)(108)による植付部(15)の昇降制御にあって、植付部(15)を上昇或いは下降させる駆動信号がコントローラ(116)より出力されるときには、各ソレノイド(107)(108)の停止デイザ(スプールの摩擦や固着現象などの影響を減少させるためにソレノイド(107)(108)の両方に電流を流して振動を発生させる)状態より一定時間100%デュティ(フルデュティ)で駆動し、この100%デュティの駆動中にフロートセンサ(79)の検出値(V2)と目標値(V1)との偏差(V3)が不感帯内に入ったときには上昇或いは下降を停止させ停止デイザを保つ。
【0026】また、100%デュティで一定時間駆動後も不感帯外にあるときには、各制御モードの制御駆動デュティで各ソレノイド(107)(108)を駆動すると共に、この駆動デュティによる駆動中(100%デュティ以外)に不感帯内に偏差(V3)が入ったときには、不感帯内に入る(駆動停止)直前の駆動デュティで、駆動していたソレノイド(107)或いは(108)とは逆側のソレノイド(108)或いは(107)で設定時間(t)だけ駆動する。
【0027】この設定時間(t)は駆動停止直前の駆動デュティにより可変とさせるもので、駆動停止直前の駆動デュティをD(AD値)とするとき、t=0.3×D+80(ms)で算出して、駆動デュティによる昇降バルブ(109)のスプールのオーバシュートを防止する。
【0028】また図15乃至図17に示す如く、前記昇降バルブ(109)の駆動開始直後の一定時間(T2)を100%デュティで駆動して電流の立上り時間を速くしてバルブ(109)の応答性を向上させるもので、図16に示す如く、従来例えば50%デュティで立上り時間にT1を要するものに比べ、開始直後を100%デュティで駆動する場合立上り時間をT2(T1>T2)に短縮させることによってバルブ(109)の応答性を向上させることができる。
【0029】また、上記の一定時間である立上り時間(T2)は立上り後の制御駆動デュティにより可変可能とさせるもので、図17(1)に示す如く、30%デュティで立上り時間(T2)では制御がオーバシュート状態となるときには立上り時間(T2)を短く調節する一方、図17(2)に示す如く、50%デュティで立上り時間(T2)では立上りが遅くなる状態のときには立上り時間を長く調節して100%デュティの駆動時間(T2)を設定する。
【0030】さらに、前記バルブ(109)のコイルに流れる電流は電圧及び温度の外乱の影響を受けて変化するため(コイル温度の場合上昇によりコイル抵抗が増大し電流値が低下する)、図18(1)(2)に示す如く、駆動開始時の電圧・温度により100%デュティの駆動時間(T2)を補正するもので、電圧が大となる程駆動時間(T2)を短く、温度が高くなる程駆動時間(T2)を長くなるように補正して、電圧・温度によるバルブ(109)の応答性のバラツキを抑える。
【0031】また図19に示す如く、前記バルブ(109)の制御駆動デュティやコイルの定格電流を越えないように制限を加えるもので、PIDやファジィで算出した駆動デュティに電圧及び温度補正を加えて補正デュティ(D1)を算出させ、前記サーミスタ(119)で検出するコイル温度のコイル抵抗Rを算出させ、電流値(I)をデュティに変換する係数をα、電源電圧をVとするとき、D2=α×R/Vの関係式より制限デュティ(D2)を算出させる。つまり制限デュティ(D2)はコイルに定格電流(I)を流すためのもので、I=R/Vの関係式に基づいて算出したものである。
【0032】そして制限デュティ(D2)より補正デュティ(D1)が大(D1>(D2))のとき制限デュティ(D2)で駆動すると共に、制限デュティ(D2)が補正デュティ(D1)より小(D1≦D2)の場合でも前記フロートセンサ(79)の変化率が一定以上に大のときには制限デュティ(D2)で駆動させて、コイルの定格電流(I)を越えることのない追従性良好な昇降バルブ(109)による制御を可能とさせている。
【0033】以上からも明らかなように、正逆操作用の上昇及び下降ソレノイド(107)(108)を有する電磁弁である昇降バルブ(109)を備えた移動農機において、駆動開始直後の設定時間(T2)を100%デュティ(デュティ100%)のパルスで駆動するもので、コイルに流れる電流の立上りを速めて昇降バルブ(109)の応答性を良好とさせ、植付昇降制御などこの昇降バルブ(109)による制御の精度を向上させることができる。
【0034】また、昇降バルブ(109)の駆動パルスのデュティ(D)により設定時間(T2)を可変させたもので、昇降バルブ(109)の駆動開始時には駆動デュティ(D)に応じた適正時間(T2)だけ100%デュティの最高速度で駆動して、オーバシュートや時間遅れなど発生するのを防止して昇降バルブ(109)の応答性を良好とさせることができる。
【0035】さらに、昇降バルブ(109)のコイルの電圧・温度変化に基づいて設定時間(T2)を補正したもので、昇降バルブ(109)のコイル抵抗値が電圧や温度の外乱により変化する場合でも、設定時間(T2)を適正に補正して、応答性のバラツキを抑制して昇降バルブ(109)による高精度な制御を可能とさせることができる。
【0036】また、一方のソレノイド(107)或いは(108)の駆動停止直後に他方のソレノイド(108)或いは(107)を設定時間(t)駆動して中立復帰させたもので、昇降バルブ(109)のスプールの中立位置までの戻り時間を速くして、バルブ(109)の中立復帰を迅速化させバルブ(109)の操作精度を高めて、田植機の植付昇降制御にこのバルブ(109)を用いた場合などの制御精度を向上させることができる。
【0037】さらに、他方のソレノイド(108)或いは(107)の駆動設定時間(t)は駆動停止直前のソレノイド(107)或いは(108)駆動パルスのデュティ(D)により可変させたもので、昇降バルブ(109)のソレノイド(107)或いは(108)の駆動デュティ(D)に応じて逆側のソレノイド(108)或いは(107)を適正時間(t)駆動して、時間遅れやオーバシュートなどを防止した正確な昇降バルブ(109)操作を可能とさせることができる。
【0038】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、正逆操作ソレノイド(107)(108)を有する電磁弁(109)を備えた移動農機において、一方のソレノイド(107)或いは(108)の駆動停止直後に他方のソレノイド(107)或いは(108)を設定時間(t)駆動して中立復帰させたものであるから、電磁弁スプールの中立位置までの戻り時間を速くして、電磁弁(109)の中立復帰を迅速化させ電磁弁(109)の操作精度を高めて、田植機の植付昇降制御にこの電磁弁(109)を用いた場合などの制御精度を向上させることができるものである。
【0039】また、他方のソレノイド(108)或いは(107)の駆動設定時間(t)は駆動停止直前のソレノイド(107)或いは(108)駆動パルスのデュティ(D)により可変させたものであるから、電磁弁ソレノイド(107)或いは(108)の駆動デュティ(D)に応じて逆側のソレノイド(108)或いは(107)を適正時間(t)駆動して、時間遅れやオーバシュートなどを防止した正確な電磁弁(109)操作を可能とさせることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成13年1月18日(2001.1.18)
【代理人】 【識別番号】100062270
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
【公開番号】 特開2002−209409(P2002−209409A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−9707(P2001−9707)