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【発明の名称】 農業用作業車
【発明者】 【氏名】石橋 文雄

【氏名】山口 雄司

【氏名】白水 崇之

【要約】 【課題】ロータリ作業機による残耕などの発生のない良好な耕耘作業を容易に可能とさせる。

【解決手段】車体の方位を検出する方位センサ29と、車体の走行位置を認識するGPS受信装置20とを備え、これら方位センサ29とGPS受信装置20とに基づいて車体を自律走行させるようにした農業用作業車において、車体に装備させるロータリ作業機12の下げ動作を記憶する作業機昇降位置センサ28aを設け、作業機12の目標耕耘開始位置と下げ動作の終了位置を一致させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体の方位を検出する方位センサと、車体の走行位置を認識するGPS受信装置とを備え、これら方位センサとGPS受信装置とに基づいて車体を自律走行させるようにした農業用作業車において、車体に装備させるロータリ作業機の下げ動作を記憶する作業機昇降位置センサを設け、作業機の目標耕耘開始位置と下げ動作の終了位置を一致させるように設けたことを特徴とする農業用作業車。
【請求項2】 隣接耕耘作業の1工程終了後に車体を一定距離空走行させる空走手段を自律制御機構に設けたことを特徴とする請求項1記載の農業用作業車。
【請求項3】 耕耘開始時の残耕発生時に車体を後進させて耕耘開始位置より再耕耘する残耕防止手段を自律制御機構に設けたことを特徴とする請求項1記載の農業用作業車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はGPS(全地域測位システム)衛星からの電波を受信するGPS受信装置を備え、例えば圃場内における作業車の走行位置を認識して自律走行させる農業用作業車に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、車体旋回後に直進経路で自律耕耘作業を行う場合、直進経路入口の耕耘開始位置より一定時間(距離)手前でロータリ作業機の下降を開始させ、耕耘開始位置とロータリ作業機の下降終了位置とを一致させるとき、残耕のない適正な耕耘作業を可能とさせている。しかし乍ら農業用作業車の走行速度やロータリ作業機の下げ速度や耕耘深さなどが変化したときには、耕耘開始位置にロータリ作業機が一致しなくなり残耕が発生するなどの不都合があった。
【0003】また、隣接耕耘作業で圃場が硬い場合の車体旋回時には、車輪のスリップにより旋回半径が大きくなり隣接する次工程の開始位置では車体が斜め状態に入るなどして、車体と経路の方向が一致するまでの走行距離間に残耕が発生するどの不都合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】したがって本発明は、車体の方位を検出する方位センサと、車体の走行位置を認識するGPS受信装置とを備え、これら方位センサとGPS受信装置とに基づいて車体を自律走行させるようにした農業用作業車において、車体に装備させるロータリ作業機の下げ動作を記憶する作業機昇降位置センサを設け、作業機の目標耕耘開始位置と下げ動作の終了位置を一致させるように設けて、ロータリ作業機の下げ時間と作業中の現在車速とで算出されるロータリ下げ動作距離だけ耕耘開始位置より手前でロータリ作業機の下降を開始させて、残耕のない良好な耕耘作業を開始させて、耕耘作業能率を向上させるものである。
【0005】また、隣接耕耘作業の1工程終了後に車体を一定距離空走行させる空走手段を自律制御機構に設けて、例えば硬い圃場で車輪のスリップにより車体の旋回半径が大きくなる場合でも、1工程終了後に空走距離を導入させることによって車体の旋回終了位置と耕耘開始位置とを一致させ、残耕のない適正な耕耘作業を可能とさせるものである。
【0006】さらに、耕耘開始時の残耕発生時に車体を後進させて耕耘開始位置より再耕耘する残耕防止手段を自律制御機構に設けて、自律耕耘作業中の車体旋回時に例え残耕が発生する場合でも確実に再度耕耘を行って、この耕耘作業の能率向上化を図るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は全体の側面図、図2は同平面図を示し、図中1は農業用作業車であるトラクタであり、エンジン2を内設させるボンネット3両側に左右の前輪4・4を装設させ、前記ボンネット3後部に丸形操向ハンドル5を設け、該ハンドル5後方に運転席6を設置させ、運転席6両側外方に左右の後輪7・7を装設させ、運転席6前側のステップ8に左右ブレーキペダル9・9及びクラッチペダル10を配設させ、作業者が運転席6に座乗して走行移動させると共に、トラクタ機体後方に3点リンク機構11を介し耕耘ロータリ作業機12を昇降自在に装設させて耕耘作業を行うように構成している。
【0008】また、走行主変速レバー13と、作業機12を昇降させる昇降レバー14とを運転席6の右側に配設すると共に、走行副変速レバー15と、作業機12の出力を変速するPTO変速レバー16を運転席6の左側に配設させている。
【0009】さらに、四角箱形の運転キャビン17内の正面右側上部にタッチパネル式液晶ディスプレイであるモニタ18を配設させ、マイクロコンピュータで形成する管理コントローラ19を運転キャビン17に内設させ、GPS(全地球測位システム)衛星からの電波を受信するカーナビ用GPS受信機20と、前記モニタ18とを管理コントローラ19に接続させると共に、自律走行用(RTK)GPS受信機20Aと、無線操縦用の自律走行開始及び停止スイッチなど有する無線発信機からの信号を受信する無線受信機21と管理コントローラ19に接続させ、トラクタ1を自律走行させる自律制御機構である自律コントローラ22に着脱自在な配線コネクタ23を介して管理コントローラ19に接続させている。なおモニタ18の取付位置は各種レバー位置、道路の走行状況などに応じ自在とさせるものであり、モニタ18・管理及び自律コントローラ19・22は別体或いは一体の何れでも良い。
【0010】また、前記トラクタ1のエンジン2回転数をアクセルの設定回転数に自動的に調節する電子ガバナなどのエンジン制御機構24と、前記トラクタ1の走行速度を自動制御する油圧無段変速装置などの変速機構25と、前記トラクタ1の走行進路を自動的に変更する油圧操向装置などの操向機構26と、トラクタ1を片ブレーキ状態として左右旋回させる左右ブレーキ機構27と、前記トラクタ1が方向転換するときロータリ作業機12を自動的に上昇及び下降させる油圧昇降シリンダなどの昇降機構28とを自律走行コントローラ12に接続させると共に、トラクタ1の方位を検出する地磁気方位センサ29と、トラクタ1の前後傾斜を検出するピッチングセンサ30と、トラクタ1の左右傾斜を検出するローリングセンサ31と、操向ハンドル5のハンドル軸の回転などより操舵角(ハンドル切れ角)を検出する操舵角センサ32と、ミッションケース副変速出力軸の回転より前輪の回転を検出する車輪回転センサ33と、前記作業機12の上下高さ位置を検出する作業機昇降位置センサ28aとを自律走行コントローラ22に接続させている。
【0011】そして、前記GPS受信機20のアンテナ20aを前後方向の車体中心ライン上で左右後輪7・7間の鉛直線上に固定させるもので、車体の振動も比較的少なく車体各部位置の算出が容易な左右後輪7・7間で、エンジン2及びミッションケースなどの電波を乱す外乱の影響の最も少なく防振性も良好な運転キャビン17の後部上面にアンテナ20aを受信精度良好に配置させるている。また、方位センサ29やピッチングセンサ30などをキャビン17上部のキャビンルーフ34内に配置させるもので、前輪中央位置をGPS受信機20と方位センサ29の出力を用いて内部演算するように構成している。なお自律走行用受信機20AのアンテナもGPS受信機20のアンテナ20aと略同一位置に設けるものである。
【0012】図4に示す如く、前記モニタ18にナビゲーションシステムの情報など画面表示させるもので、メインスイッチの操作でメニュー画面35を表示させて、メニュー画面35上の営農情報ボタン36を操作するとき、図5(1)2の如く、表示圃場の所有者及び面積及び作物及び前年実績(収穫量及び農薬及び肥料)などを記録している圃場経営情報37や特定の圃場内部の土壌分析データを記録した土壌地図38などを、またインターネットボタン39を操作するとき、図6(1)の如くホームページ及び天気情報及びJA情報などインターネット情報40を、またカーナビボタン41を操作するとき、図6(2)の如く目的とする圃場の場所などを表示する地図情報42を、また自律走行ボタン43を操作するとき、図6(3)に示す如く自律走行を行う圃場の領域や経路など表示する自律走行情報44を、またサービスコールボタン45を操作するときトラクタ1及び作業機12の取扱説明などサービス情報を画面表示するように構成している。
【0013】そして図7に示す如く、このトラクタによる耕耘作業時にあっては、作業を行う圃場までカーナビ使用時にはカーナビによるモニタ18画面の道路案内によって車体を走行させ、圃場到達時には前回の作業内容や走行軌跡など圃場情報をモニタ18に画面表示させ、作業開始時には今回の作業内容や走行軌跡など作業情報をコントローラ22に入力させ、自動或いは手動での耕耘作業を行うと共に、作業後は作業情報や耕耘経路を記録する。
【0014】また、図8に示す如く、自動耕耘作業にあって初回時GPS信号に基づいた圃場の領域や方位の設定を行う一方、2回以降のときには初回時に設定された圃場の領域や方位を呼び出し、目的とする圃場領域を決定し、この領域内を新たな耕耘経路で走行させるときには経路を自動計算し、過去の経路で走行するときには過去の経路を選択して認識し、耕耘条件の手動設定後に耕耘作業を開始するもので、作業開始後は計算された或いは過去の経路に沿って車体を自律走行させながら耕耘作業が行われるものである。
【0015】図9に示す如く、自律走行制御にあってはGPS受信機20のGPS信号及び無線受信機21の操作スイッチ信号、モニタ18のコマンド信号、各センサ29〜33の出力信号が一定時間s毎にコントローラ22に入力されることによって、一定時間s毎のトラクタ1の現在位置が正確に認識され、経路に正確に沿わせたトラクタ1の自律走行処理や、トラクタ1を走行移動させての圃場領域設定及び経路生成処理などが行われるもので、この作業中作業状態に応じ作業機12の昇降装置に昇降指令や、モニタ18にトラクタ1の位置情報などの信号を出力させて各種の出力処理を行うものである。
【0016】図10、図11に示す如く、前記トラクタ1を目的とする圃場まで移動させてモニタ18をX−Y座標で表示する圃場設定画面に切換え、オペレータ操作で車体が圃場端に到達する毎に圃場端に作業機12を合わせて画面内のセットボタン46を押すことによって、実際の圃場領域が認識領域Aとして座標上に設定記憶されるもので、本実施例の場合例えば長方形の圃場領域にあって4つの角部に到達する毎に1〜4のセットボタン46を押すことによって、4つの圃場端を4つの認識領域地点A1・A2・A3・A4として認識する圃場情報が記憶され、画面座標にはこれら各地点A1・A2・A3・A4を直線で結んだ長方形が近似の認識領域Aとして自動計算されて表示されると共に、座標に表示される車体方位αの自動設定が行われる。(X軸方向の方位センサ29の出力をαa、方位αのときの出力αbとするとα=αb−αa)
【0017】そしてこの圃場領域A設定後にあっては、図12に示す如く耕耘経路を計算して、モニタ18に生成経路Bとして画面表示させ、オペレータが適正と判断したときには、設定された圃場領域A・方位α及び経路Bを記録(記憶)し、不適正と判断したときには修正を加える。
【0018】また、経路Bに沿った自律走行を行うもので、自律走行時における直進制御は図13、図14に示す如く、直線目標経路B1に沿って車体の走行中、車体前側の前輪4・4中央位置である中心部47及び車体後側のGPS受信機20のアンテナ20a設置位置であるGPS位置計測点48と目標経路B1とが距離(位置偏差)L1・L2離れて、前輪4・4の任意操舵角θ1状態にあるときには、車体前側の中心部47より一定距離D前方の目標経路B1上に目標点49を設定して、中心部47と目標点49を結ぶ直線C1と前記中心部47を通る経路B1と平行な直線F1との間の前目標方位α2(α2=Arctan(L1/D))を算出させ、経路B1に対する車体の方位α1と操舵角θ1と目標方位θ2とで目標操舵角θ(θ=α1+θ1+α2)を算出させ、またGPS位置計測点48より一定距離D前方の目標経路B1上に後目標点50を設定し、計測点48と後目標点50を結ぶ直線C2と前記計測点48を通る経路B1と平行な直線F2との間の目標方位β(β=Arctan(L2/D))を算出させ、前輪4の目標操舵角θに基づく操舵制御値と、計測点48の目標方位βに基づくPI制御の比例及び積分値でもって操向機構26の油圧操向バルブ26aの指令値T(T=Kpθ+Kpβ+Ki∫β)(Kp,Kp,Kiは比例定数)を算出させ、指令値Tに基づくバルブ26aの駆動制御によって経路B1に機体をスムーズに沿わせた直進の自律走行を行うように構成している。
【0019】このように、図14のブロック線図に示す如く、前記GPS位置計測点48と目標経路B1との間の誤差のPI制御を行うことによって、計測点(GPS出力位置)48を方位センサの誤差なく直接的に計測して、経路追従性能を向上させると共に、積分I動作の効果で車輪スリップなどによる定常偏差も低減させて、経路B1に正確に追従させることができる。
【0020】上記からも明らかなように、前輪中央位置を車体の目標経路B1に追従させる目標操舵角θに基づく自律走行手段51と、GPS受信装置20の設置位置を目標経路B1に追従させるPI制御に基づく自律走行補正手段52とを設けることによって、方位センサ29の出力に基づく直進制御にオフセット誤差が生じても、GPS受信装置20の出力に基づくPI(比例・積分)制御でもって経路追従性能を向上させると共に、従来の方位センサ29に基づく経路追従性能を確保して、ステアリング操作の安定性や操作性を向上させることができる。
【0021】また図15にも示す如く、前記目標点49を車体前側の左右離間距離L1の大小変化によって切換えるもので、距離L1が一定値より大となる距離L3のとき、車体前側の中心部47と目標点49a間の直進距離D1を小、距離L1が一定値より小となる距離L4のとき、車体前側の中心部47と目標点49b間の直進距離D2を大に切換えて、車体前側の距離L3・L4の大小変化に応じ目標操舵角θも大小に変更して速やかに収束させて直進制御の精度を向上させるように構成している。
【0022】また図16、図17に示す如く、車体旋回時には円旋回目標経路B2に沿う自律旋回制御を行うもので、車体前側の前輪4・4中心部47を制御基準位置に設け、目標経路B2の旋回中心50と中心部47とを結ぶ直線Eと、経路B2との交点aを通る車体の接線ベクトルbに対し、中心部47の位置偏差dと方位偏差α3を算出して、これら偏差d・α3に基づいて油圧操向バルブ26aの指令値t(t=K3d+K4α3)(K3,K4は定数)を算出させ、指令値tに基づくバルブ26aの駆動制御によって、円旋回経路B2に機体をスムーズに沿わせた旋回制御を行うように構成している。
【0023】また、図12に示す如く耕耘作業にあっては、初回に走行する経路Bの1工程のエンジン回転数や走行速度を走行条件として記憶し、以後の作業はこの走行条件を自動的に保って耕耘作業を行うもので、前輪4・4の操舵角や農作業機12の上昇するときには同期してエンジン回転数N1を作業時の回転数Nより低下(N1<N)させ、作業途中の中断時或いは作業前にはアイドリング状態とさせるなどして回転数N2をさらに低下させて動力ロスのない効果的なエンジン2の駆動を可能とさせるように構成している。さらに耕耘作業中にあっては、前輪回転センサ33の検出でもって前輪4の移動距離を算出させ、GPSデータに基づく実際の移動距離と回転センサ33に基づく移動距離とでスリップ率を算出させるもので、スリップ率が一定以上に大のときには警報装置など作動させてオペレータに報知させるように構成している。
【0024】なお前記方位センサ29は前輪4・4中心部47位置やキャビンルーフ34内或いはキャビンルーフ34上面の何れに設置しても良く、キャビンルーフ34内に設けた場合車体駆動部などより遠隔させて、振動や塵埃より保護させることができると共に磁場(金属)より遠隔させることができる。
【0025】図19、図20に示す如く、前記経路Bに追従させて行う自律耕耘作業にあっては、耕耘作業前にロータリ作業機12の昇降動作を行って、作業機昇降センサ28aで作業機12の上げ位置、下げ位置(耕深)、下げ時間を予めコントローラ22に記憶して作業を開始し、作業中は回転センサ33で前輪4の回転を検出して現在の車速を順次算出させ、下げ時間と車速とから現在作業の作業機12の下げ動作距離H(H=下げ時間×現在の車速)を算出させ、図20(1)に示す如く隣接耕耘で旋回後の耕耘開始時には、耕耘開始位置H0より距離H手前で作業機12の下げ動作を開始して、作業機12の下げ動作の終了と耕耘開始位置を一致させる。
【0026】また図20(2)に示す如く、自動耕耘作業中も作業機12の下げ動作距離Hを常に計測し、車輪のスリップなどの影響による誤差H1などで距離Hが変化するとき、変化後の下げ動作距離H2(H2=H+H1)に更新して、作業内容やオペレータ設定による諸条件が変化した場合でも作業機12の下降終了と耕耘開始位置とを一致させて、残耕などの発生のない適正な耕耘作業を可能とさせている。
【0027】また図21、図22に示す如く、前記耕耘開始位置H0において、作業機12の下げ動作距離Hでは直進経路B上に一定距離H3分の残耕が発生する場合、図23に示す如き作業機12の下げ動作と時間の関係線図より下げ動作時間h1の増加値h2を推論し、下げ動作時間h1+h2に基づく下げ動作距離H4を次回からの下げ動作距離として記憶更新し、作業機12の下げ動作を中止させ車体の走行を停止させて、下げ動作距離H4だけ車体を後進させ、再び車体を前進させ耕耘開始位置H0まで走行させるときロータリ作業機12も下げ終了位置とさせて、再耕耘を開始させ残耕の発生を解消させるものである。
【0028】図24乃至図27に示すものは、隣接耕耘時の1工程終了後に空走を導入させる構成を示すもので、図25に示す如く隣接耕耘の旋回作業にあって圃場が硬い場合で車輪のスリップにより車体の旋回半径が大きくなるような場合には、隣接の耕耘開始位置で車体が斜めに入り残耕Zが発生する。このため1工程終了の旋回開始位置Z1のライン上に旋回後の次工程の耕耘開始位置H0を設け、該開始位置H0を残耕確認位置として用い、直進経路B1の耕耘巾Z3より残耕確認位置H0で車体中央位置が耕耘ラップ巾以上離れた状態となるとき残耕Z発生と判断し、作業機12の下げ動作を中止し、隣接耕耘の耕耘巾Z3内に車体が入るまで走行を継続して停止させ、残耕確認位置H0から走行が停止するまでの走行直進距離Z4を次工程の空走距離Z4としてコントローラ22に記憶し、記憶後は図27に示す如く車体を残耕確認位置H0まで後進させて作業機12による再耕耘を開始させて残耕の発生を解消させるもので、空走距離Z4は旋回時毎に更新させて圃場の変化状態に良好に対応させるものである。
【0029】そして初回以降の旋回時にあっては、図26(1)に示す如く初回に学習した空走距離Z4を図26(2)に示す如く1工程の直進経路B1の終了位置にこの空走距離Z4導入させ、直進経路B1の終了位置より距離Z4だけ延長した地点を旋回開始位置Z1とさせて、車体旋回後の残耕確認位置H0では耕耘巾Z3内に車体を入る状態とさせて残耕のない適正な耕耘を旋回終了と同時に行うものである。
【0030】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、車体の方位を検出する方位センサ29と、車体の走行位置を認識するGPS受信装置20とを備え、これら方位センサ29とGPS受信装置20とに基づいて車体を自律走行させるようにした農業用作業車において、車体に装備させるロータリ作業機12の下げ動作を記憶する作業機昇降位置センサ28aを設け、作業機12の目標耕耘開始位置と下げ動作の終了位置を一致させるものであるから、ロータリ作業機12の下げ時間と作業中の現在車速とで算出される作業機下げ動作距離Hだけ耕耘開始位置H0より手前でロータリ作業機12の下降を開始させて、残耕のない良好な耕耘作業を開始させて、耕耘作業能率を向上させることができるものである。
【0031】また、隣接耕耘作業の1工程終了後に車体を一定距離Z4空走行させる空走手段を自律制御機構22に設けたものであるから、例えば硬い圃場で車輪のスリップにより車体の旋回半径が大きくなる場合でも、1工程終了後に空走距離Z4を導入させるだけの簡単な手段で車体の旋回終了位置Z1と耕耘開始位置H0とを一致させ、残耕Zのない適正な耕耘作業を可能とさせることができるものである。
【0032】さらに、耕耘開始時の残耕発生時に車体を後進させて耕耘開始位置H0より再耕耘する残耕防止手段を自律制御機構22に設けたものであるから、自律耕耘作業中の車体旋回時に例え残耕が発生する場合でも確実に再度耕耘を行って、この耕耘作業の能率向上化を図ることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマ−株式会社
【出願日】 平成13年5月31日(2001.5.31)
【代理人】 【識別番号】100062270
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
【公開番号】 特開2002−354905(P2002−354905A)
【公開日】 平成14年12月10日(2002.12.10)
【出願番号】 特願2001−163889(P2001−163889)