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【発明の名称】 部分深耕機
【発明者】 【氏名】星原 宏文

【氏名】北沢 幸男

【氏名】小林 誠

【要約】 【課題】牽引抵抗を減少できる部分深耕機を提供する。

【解決手段】部分深耕機5は、トラクタの牽引動作により進行方向Xに移動しながら、チゼル21からの切削土および自らによる切削土を持ち上げて地表面上に反転放てきする細長略矩形板状の作業板体32を備える。作業板体32の全長にわたる幅方向一端部である前方側エッジが、進行方向Xに向って尖った切削刃部36となっている。作業板体32は、所定の厚さ寸法を有する細長円弧状の帯状部材をねじることなく長手方向に沿って湾曲させて形成したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車の牽引動作により進行方向に移動しながら、チゼルからの切削土および自らによる切削土を持ち上げて地表面上に反転放てきする細長略矩形板状の作業板体を備えた部分深耕機であって、前記作業板体の全長にわたる幅方向一端部が、前記進行方向に向って尖った切削刃部となっていることを特徴とする部分深耕機。
【請求項2】 作業板体は、所定の厚さ寸法を有する細長円弧状の帯状部材をねじることなく長手方向に沿って湾曲させて形成したことを特徴とする請求項1記載の部分深耕機。
【請求項3】 作業板体は、進行方向と直交する方向に対して所定角度傾斜した方向に軸方向を有する仮想円筒面に沿った湾曲形状となっていることを特徴とする請求項1記載の部分深耕機。
【請求項4】 作業板体は、進行方向と直交する方向に対して所定角度傾斜した方向に軸方向を有する仮想円錐面に沿った湾曲形状となっていることを特徴とする請求項1記載の部分深耕機。
【請求項5】 作業板体は、全長にわたって等幅の本体部と、この本体部の上部側面に一体に突出形成された反転補助部とにて構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の部分深耕機。
【請求項6】 チゼルは、幅方向一端から幅方向他端に向って下方傾斜した傾斜状の作用面を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の部分深耕機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部分的に深い位置の土まで耕耘する部分深耕機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の部分深耕機は、図11に示すように、トラクタ等の走行車(図示せず)の牽引動作により進行方向Xに移動しながら先金等のチゼル1からの切削土および自らによる切削土を持ち上げて地表面上に反転放てきする細長略矩形板状の作業板体2を備え、この作業板体2は、その上部2aが上端ほど進行方向Xから逸れるようにねじられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の部分深耕機のように、作業板体2の上部2aが上端ほど進行方向Xから逸れるようにねじられた構成では、進行方向X側方を向くことなく進行方向X真直ぐを向いた作業板体2の下部2b、すなわち、地表面から比較的深い位置における硬い下層(心土層、耕盤層)の土を切削する部分2bに作用する土圧が非常に大きく、このため、牽引抵抗が増大しがちである、という問題がある。
【0004】本発明は、このような点に鑑みなされたもので、牽引抵抗を減少できる部分深耕機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の部分深耕機は、走行車の牽引動作により進行方向に移動しながら、チゼルからの切削土および自らによる切削土を持ち上げて地表面上に反転放てきする細長略矩形板状の作業板体を備えた部分深耕機であって、前記作業板体の全長にわたる幅方向一端部が、前記進行方向に向って尖った切削刃部となっているものである。
【0006】そして、この構成では、作業板体の全長にわたる幅方向一端部が進行方向に向って尖った切削刃部となっているので、この切削刃部で土を適切に切削できるばかりでなく、従来の構成に比べて作業板体に作用する土圧が小さくなり、牽引抵抗が減少する。
【0007】請求項2記載の部分深耕機は、請求項1記載の部分深耕機において、作業板体は、所定の厚さ寸法を有する細長円弧状の帯状部材をねじることなく長手方向に沿って湾曲させて形成したものである。
【0008】そして、この構成では、所定の厚さ寸法を有する細長円弧状の帯状部材をねじることなく長手方向に沿って湾曲させることにより作業板体を形成できるので、生産性が向上する。
【0009】請求項3記載の部分深耕機は、請求項1記載の部分深耕機において、作業板体は、進行方向と直交する方向に対して所定角度傾斜した方向に軸方向を有する仮想円筒面に沿った湾曲形状となっているものである。
【0010】そして、この構成では、作業板体が進行方向と直交する方向に対して所定角度傾斜した方向に軸方向を有する仮想円筒面に沿った湾曲形状となっているので、この湾曲形状の作業板体上で切削土のスムーズな流れが実現され、反転放てき性が良好になる。
【0011】請求項4記載の部分深耕機は、請求項1記載の部分深耕機において、作業板体は、進行方向と直交する方向に対して所定角度傾斜した方向に軸方向を有する仮想円錐面に沿った湾曲形状となっているものである。
【0012】そして、この構成では、作業板体が進行方向と直交する方向に対して所定角度傾斜した方向に軸方向を有する仮想円錐面に沿った湾曲形状となっているので、この湾曲形状の作業板体上で切削土のスムーズな流れが実現され、反転放てき性が良好になる。
【0013】請求項5記載の部分深耕機は、請求項1ないし4のいずれかに記載の部分深耕機において、作業板体は、全長にわたって等幅の本体部と、この本体部の上部側面に一体に突出形成された反転補助部とにて構成されているものである。
【0014】そして、この構成では、本体部の上部側面に一体に突出形成された反転補助部によって切削土の反転を補助でき、反転放てき性がより一層良好になる。
【0015】請求項6記載の部分深耕機は、請求項1ないし5のいずれかに記載の部分深耕機において、チゼルは、幅方向一端から幅方向他端に向って下方傾斜した傾斜状の作用面を有するものである。
【0016】そして、この構成では、チゼルが幅方向一端から幅方向他端に向って下方傾斜した傾斜状の作用面を有するので、反転放てき性が確実に良好になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の部分深耕機の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
【0018】図1および図2において、5は部分深耕機で、この部分深耕機5は、走行車である牽引車としてのトラクタ(図示せず)に脱着可能に装着して使用する牽引式のもので、トラクタの牽引動作により圃場を進行方向Xに移動しつつ深い位置の心土層まで耕耘(土を切削、破砕および反転)する非駆動式耕耘作業機である。
【0019】なお、部分深耕機5は、心土層・耕盤層を切削するとともに切削土を地表面Gまで持ち上げ、地表面G上に反転および投てきすることにより、下層土と上層土とを混ぜて、表土である作土の排水効果、客土効果等の向上を図ろうとするもので、従来のプラウの天地返しと従来のサブソイラの心土破砕との両方の効果を実現できるものである(図7参照)。
【0020】そして、部分深耕機5は、進行方向Xと交差つまり直交する方向である左右水平方向に長手方向を有する細長で角パイプ状の主フレーム6を備え、この主フレーム6には走行車連結部としての三点連結部7が取り付けられている。この三点連結部7は、トップピン8を有するトップマスト9、ロワピン10を有するロワアーム11等にて構成されている。
【0021】また、主フレーム6の長手方向中央部には、例えば1つの支持フレーム取付体13が左右位置調節可能に取り付けられ、支持フレーム取付体13にはビーム或いはシャンク等の支持アームである支持フレーム14が高さ位置調節可能に取り付けられている。
【0022】支持フレーム14は、例えば金属材料等で一体に上下方向に長手方向を有する比較的厚さの薄い細長板形状に形成されている。すなわち、支持フレーム14は、厚さ方向が左右水平方向に一致した上下方向に細長い矩形板状の直線状板部15と、この直線状板部15の下端から前斜め下方に突出し厚さ方向が左右水平方向に一致した上下方向に細長い矩形板状の曲線状板部16とにて構成されている。この曲線状板部16は、下端ほど進行方向X側である前方側に位置するように湾曲した湾曲形状となっている。なお、直線状板部15および曲線状板部16は同じ厚さ寸法Aである。
【0023】そして、支持フレーム14の曲線状板部16の下端部、つまり支持フレーム14の進行方向X先端部には、トラクタの牽引動作により進行方向Xへ移動しながら、硬い心土層(耕盤層)の土を切削して上方にやや持ち上げる先端切削部である先金等の金属製のチゼル21が、ボルト、ナット等の取付具22によって着脱可能に取り付けられている。すなわち先端刃であるチゼル21は支持フレーム14に対して着脱可能となっている。
【0024】このチゼル21は、ボルト挿通用孔等の連結用孔を複数有する連結板部23と、この連結板部23の前端に一体に交差状に形成され前後方向に細長い矩形板状で長手方向に沿ってやや湾曲した矩形板状のつめ板部24とにて構成されている。
【0025】この先の尖ったつめ板部24は、曲線状板部16に対して直交状で曲線状板部16の厚さ寸法Aより大きい左右水平方向に沿った幅寸法Bを有する形状をなし、このつめ板部24の曲面状の前面(進行方向X正面)である作用面25が、進行方向X側方に向って傾斜することなく真直ぐ進行方向Xを向いている。すなわち、作用面25は左右いずれにも傾くことなく作用面25の幅方向一端と幅方向他端とが側面視で一致する。なお、支持フレーム14の曲線状板部16の下端近傍の後端部には、破砕効果を上げるウイング26が支軸27を中心に回動自在に取り付けられている。
【0026】また、支持フレーム14の曲線状板部16の下端部を除く部分つまり曲線状板部16の略全体の前側には、例えば金属製のブラケット等の取付体31がボルト、ナット等の取付具33で着脱可能に取り付けられ、この取付体31に例えば上下方向に細長い合成樹脂製の細長略矩形板状の作業板体32がボルト、ナット等の取付具34で着脱可能に取り付けられている。
【0027】すなわち、支持フレーム14に対応する細長円弧状の作業板体32が、取付体31を介して支持フレーム14の前端部にこの支持フレーム14前端に沿って位置するように取り付けられ、この作業板体32が必要に応じて交換できるよう支持フレーム14に対して着脱可能となっている。
【0028】ここで、作業板体32は、トラクタの牽引動作により進行方向Xに移動しながら、チゼル21のつめ板部24の作用面25から導入された切削土および自らによる切削土(自らがもつ切削機能によって切削された土)を持ち上げ、主として進行方向X一側方(例えば進行方向X右側方)の地表面G上に反転放てきするものである。
【0029】すなわち、作業板体32は、進行方向Xへの移動に伴って、チゼル21からの切削土を受け入れその切削土に対して進行方向X一側方(反転方向)への力を付与しつつその切削土を持ち上げ一側方に反転放てきするとともに、心土層および耕盤層(心土と作土の中間部分等)の土を切削しながらその切削土に対して進行方向X一側方(反転方向)への力を付与しつつその切削土を持ち上げ一側方に反転放てきするものである。
【0030】そして、作業板体32の全長にわたる進行方向X側の幅方向一端部である左側端部、すなわち、作業板体32の下端から上端にわたって位置する前方側エッジが、進行方向Xである前方に向って尖った先細状の切削刃部36となっており、この鋭利な切削刃部36によって土が垂直状に切削、切断される。なお、切削刃部36は、図2に示されるように前方視で上下方向に沿って一直線状に位置している。
【0031】この作業板体32は、例えば土の付着しにくい合成樹脂等で一体に細長略矩形板状に形成されたもので、例えば、全長にわたって等幅(例えば正面視で幅寸法B)の本体部38と、この本体部38の上部一側面である上部右側面に一体に突出形成された突出状の反転補助部39とにて構成されている。なお、本体部38は正面視で上下方向に細長い略矩形板状をなす。
【0032】また、作業板体32は、この作業板体32全体から切削土に対して進行方向X一側方への力(つまり切削土を進行方向X一側方に移動させようとする力)が付与されるように、進行方向Xと直交する方向である左右水平方向に対して所定角度(例えばはつ土角である傾斜角α=約15度)だけ傾斜した方向に軸方向を有する仮想円筒面に沿った湾曲形状となっている。つまり、この作業板体32の前面(進行方向X正面)である作用面40が、進行方向Xから逸れるようにやや進行方向X一側方の側(前斜め側方)を向いている。
【0033】そして、この作業板体32は、例えば土の付着しにくい合成樹脂等で一体に形成された所定の厚さ寸法(例えば、約1cm)を有する細長円弧状の帯状部材41をねじることなく長手方向に沿って湾曲させて形成したものである。
【0034】すなわち、例えば図5に示す突出部41aを有する帯状部材41が図6に示すように所定の円筒面42に沿って湾曲変形されることにより、この作業板体形成部材である帯状部材41にて図1ないし図4に示す所定の湾曲形状の作業板体32が形成されている。
【0035】なお、図3および図4に示されるように、互いに隣接した進行方向Xを向いた作用面25と進行方向Xから逸れて進行方向X一側方の側を向いた作用面40との間には段部43が形成されており、作用面25の上辺(左右水平方向に沿った辺)と作用面40の下辺(P3とP4とを結んだ辺で長さ寸法H)とでなす角度が傾斜角α(約15度)となっている。また、作用面40の上辺(P1とP2とを結んだ辺で長さ寸法H´=H)も同様に左右水平方向に対して傾斜角αの角度をもって傾斜している。
【0036】すなわち、チゼル21の作用面25は水平状であるが、作業板体32の作用面40は下端から上端まで全体にわたって傾斜角αが付いており、順次撚曲していくのではなく立ち姿勢の円筒面の一部を水平状に切断したような湾曲面形状をなしている。なお、作用面40の一側辺(P1とP3とを結んだ曲線)と、作用面40の他側辺(P2とP4とを結んだ曲線)とは、図2に示すように、正面視で互いに平行でそれぞれ上下方向に沿って位置している。
【0037】一方、作業板体32を支持フレーム14に取り付けるための取付体31は、ボルト挿通用孔等の連結用孔を複数有する連結板部45と、この連結板部45の前端に一体に交差状に形成された取付板部46とにて構成されており、この取付板部46が作業板体32に対応する形状に形成されている。そして、取付板部46上に作業板体32が取付具34で着脱可能に取り付けられ、この取付板部46と作業板体32とが重なり合って2層に積層した状態となっている。
【0038】次に、上記部分深耕機5を用いて耕耘作業をする場合について説明する。
【0039】トラクタの三点ヒッチ部と部分深耕機5の三点連結部7を連結させることでトラクタに部分深耕機5を装着し、トラクタの三点ヒッチ部により部分深耕機5の所定部位を圃場の土中に差し込み、その後、トラクタの牽引動作により部分深耕機5を進行方向Xに移動させる。
【0040】部分深耕機5が進行方向Xに移動すると、チゼル21によって硬い心土層の土が切削され、この切削土が作用面25に沿って上方に移動する。また、作業板体32によって、チゼル21の作用面25から導入された切削土と自らの切削刃部36で切削した切削土とが、所定の曲面形状をなす作用面40に沿って上方および進行方向X一側方に移動し、その結果、その切削土が地表面G上に反転放てきされる。なお、切削土は、基本的には作用面40が逸れた側である進行方向X一側方の側に反転放てきされるが、少量の切削土が進行方向X他側の側に反転放てきされる。
【0041】このように、1つに連なった状態のチゼル21および作業板体32で、深い位置の比較的硬い土壌が切削、破砕、反転等されることにより、図7に示されるように、正面視で上下方向に長手方向を有する細長矩形状をなす比較的深い凹溝部が形成されるとともに、下層土と上層土とが混和され、作土の排水効果、客土効果等が得られることとなる。なお、例えば作業板体32の磨耗が大きく作業板体32の交換が必要となった場合には、作業板体32を取付体31の取付板部46から取り外し、新しい作業板体32を取付板部46に取り付ける。
【0042】そして、上記部分深耕機5によれば、作業板体32の全長にわたる幅方向一端部が進行方向Xに向って尖った切削刃部36となっているので、この切削刃部36で下層(心土層、耕盤層)の土を確実に切削できるばかりでなく、作業板体32に作用する土圧を小さくでき、トラクタにかかる牽引抵抗を減少でき、作業効率を向上できる。
【0043】また、所定の厚さ寸法を有する細長円弧状の帯状部材41をねじることなく所定の円筒面42に沿って湾曲させることで作業板体32を形成できるので、作業板体32を簡単に製造でき、部分深耕機5全体の生産性を向上できる。
【0044】さらに、作業板体32が進行方向Xと直交する方向に対して所定角度傾斜した方向に軸方向を有する仮想円筒面に沿って位置する湾曲形状をなし、この作業板体32の作用面40全体が進行方向Xから逸れるようにやや進行方向X一側方の側を向いているので、下層の土を切削する段階から上昇中の切削土に反転方向への力が働くため、作用面40上で切削土のスムーズな流れを実現できるとともに、切削土を思い通りの反転方向に反転放てきすることができ、反転放てき性を良好にできる。
【0045】また、作業板体32を全長にわたって等幅の本体部38とこの本体部38の上部側面から側方に突出した反転補助部39とにて構成したので、反転補助部39を有しない構成等に比べて、反転放てき性をより一層良好にできる。
【0046】なお、上記実施の形態では、作業板体32は、進行方向Xと直交する方向に対して所定角度傾斜した方向に軸方向を有する仮想円筒面に沿った湾曲形状であると説明したが、例えば、進行方向Xと直交する方向に対して所定角度傾斜した方向に軸方向を有する仮想円錐面に沿った湾曲形状としてもよく、かかる仮想円錐面に沿った湾曲形状の作業板体でも図3に示す作業板体32と同様の作用効果を奏することができる。例えば、図8に示すように、突出部41aを有する帯状部材41を所定の円錐面48に沿って湾曲変形されることで所定の湾曲形状の作業板体を形成できる。
【0047】また、上記いずれの実施の形態においても、チゼル21の進行方向X正面である作用面25は、左右いずれにも傾くことなく幅方向一端と幅方向他端とが側面視で一致すると説明したが、例えば、反転放てき性のより一層の向上を図るため、図9に示す作用面25aのように、幅方向一端から幅方向他端に向って下方傾斜した傾斜状の構成とし、やや進行方向X一側方の側を向いた作業板体32に対応させてもよい。すなわち、チゼル21の作用面25aと作業板体32の作用面40との間に大きな段部を形成することなく作用面25aと作用面40とを略連続した面としてもよい。
【0048】さらに、上記いずれの実施の形態でも、作業板体32は1枚状の構成として説明したが、例えば、図10に示す作業板体32aのように、複数枚状の差動へら式の構成としてもよい。
【0049】この図10に示す作業板体32aは、例えば図1の作業板体32が幅方向中央位置で長手方向に沿って複数、例えば2つに分割されて形成された分割作業板体51a,51bにて構成されている。各分割作業板体51a,51bはそれぞれ必要に応じて交換できるよう支持フレーム14に対して着脱可能となっている。また、各分割作業板体51a,51bは、それぞれ反転方向の調節可能となるよう支持フレーム14の下端部に設けられた支軸52を中心として前後方向に回動調節可能となっている。すなわち、各分割作業板体51a,51bは、下端側を中心に上端側が前後方向にやや移動するように回動調節可能となっている。分割作業板体51aに切削刃部36が形成されている。図示しないが、仮想円錐面に沿った湾曲形状の作業板体を複数に分割して複数枚状の差動へら式の構成とすることもできる。なお、作業板体を差動へら式の構成とすると、切削土の反転放てき方向を調節できるばかりでなく、切削土の砕土性を向上でき、圃場面の凹凸等を小さくできる。
【0050】また、チゼル21からの切削土および自らによる切削土を持ち上げて反転放てきする作業板体は、合成樹脂板、ステンレス板等の摩擦減少板で形成したものには限定されず、土付着が問題とならない場合には鉄板等による構成としてもよい。
【0051】さらに、作業板体を取付体31を介して支持フレーム14に着脱可能に取り付けた構成には限定されず、作業板体を支持フレーム14に直接着脱可能に取り付けた構成としてもよい。また、支持フレーム14に取付体31を一体に設け、この一体とした取付体31に作業板体を着脱可能に取り付けた構成でもよい。
【0052】また、作業板体は、磨耗度合いに応じて厚さ寸法を設定してもよく、例えば地表面から比較的深い位置における硬い下層(心土層、耕盤層)の土を切削する部分である下部を上部より肉厚状としてもよい。また作業板体を幅方向に沿って複数分割、例えば長手方向中央位置で幅方向に沿って2つに分割した構成としてもよい。
【0053】さらに、作業板体の反転方向は左右いずれでもよく、また左右一対で2つの作業板体を有する2本式の構成でもよく、3本式、4本式、5本以上のものでもよい。
【0054】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、作業板体の全長にわたる幅方向一端部が進行方向に向って尖った切削刃部となっているので、この切削刃部で土を適切に切削できるばかりでなく、従来の構成に比べて作業板体に作用する土圧が小さくなり、牽引抵抗を減少できる。
【0055】請求項2記載の発明によれば、所定の厚さ寸法を有する細長円弧状の帯状部材をねじることなく長手方向に沿って湾曲させることにより作業板体を形成できるので、生産性を向上できる。
【0056】請求項3記載の発明によれば、作業板体が進行方向と直交する方向に対して所定角度傾斜した方向に軸方向を有する仮想円筒面に沿って位置する湾曲形状となっているので、この湾曲形状の作業板体上で切削土のスムーズな流れを実現できるとともに、反転放てき性を良好にできる。
【0057】請求項4記載の発明によれば、作業板体が進行方向と直交する方向に対して所定角度傾斜した方向に軸方向を有する仮想円錐面に沿って位置する湾曲形状となっているので、この湾曲形状の作業板体上で切削土のスムーズな流れを実現できるとともに、反転放てき性を良好にできる。
【0058】請求項5記載の発明によれば、本体部の上部側面に一体に突出形成された反転補助部によって切削土の反転を補助でき、反転放てき性をより一層良好にできる。
【0059】請求項6記載の発明によれば、チゼルが幅方向一端から幅方向他端に向って下方傾斜した傾斜状の作用面を有するので、反転放てき性を確実に良好にできる。
【出願人】 【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
【出願日】 平成13年5月28日(2001.5.28)
【代理人】 【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄 (外2名)
【公開番号】 特開2002−345302(P2002−345302A)
【公開日】 平成14年12月3日(2002.12.3)
【出願番号】 特願2001−159602(P2001−159602)