| 【発明の名称】 |
移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】進 二郎
【氏名】宗安 規
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| 【要約】 |
【課題】トレースマーカを線引き姿勢として植え終り位置に線引きし、移植作業の際はその線を植え終り位置として移植作業を行う。
【解決手段】乗用田植機は、既植苗列に沿って機体を走行する際の指標となるトレースマーカ38を備えていて、該トレースマーカ38は、機体に略沿って収納される格納位置と機体側方に繰出される作業位置とに移動可能とされている。また、この作業位置において、トレースマーカ38を、圃場面に線を引く線引き姿勢と、既植苗列に沿ってトレースするトレース姿勢とに姿勢変更可能としている。そして、植付作業に先立ち、トレースマーカ38を、線引き姿勢にて機体往復走行時の移植終り位置に夫々線引きを行い、移植作業時には前記線を移植終り位置として往復移植作業を可能とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体に略沿って収納される非作業位置と機体側方に繰出される作業位置とに夫々移動可能で、かつ既植苗列に沿って機体を走行する際の指標となるトレースマーカを備えた移植機において、前記トレースマーカを、前記作業位置にて圃場面に線を引く線引き姿勢と、既植苗列に沿ってトレースするトレース姿勢とに姿勢変更可能とし、移植作業に先立ち、前記線引き姿勢にて機体往復走行時の移植終り位置に夫々線引きを行い、移植作業時には前記線を移植終り位置として往復移植作業を可能とした、ことを特徴とする移植機。 【請求項2】 前記トレースマーカは、作業位置にて機体側方に略々水平に延設されたマーカ支持部と、該マーカ支持部の自由端側から上下方向に伸張されたトレース部とを有すると共に、該トレース部の圃場面からの高さを調節自在な調節機構を有し、該調節機構により、前記トレース部を圃場面に接する線引き姿勢と、圃場面よりも上方に位置するトレース姿勢とに調節自在とした、ことを特徴とする請求項1記載の移植機。 【請求項3】 前記調節機構を、運転席の手元操作部にて操作可能とした、ことを特徴とする請求項2記載の移植機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は移植機に関し、特に、既植苗列に沿って機体を走行する際の指標となるトレースマーカを備えた移植機に関する。 【0002】 【従来の技術】乗用田植機等の移植機は、植付け作業時に適切な隣接条間を保ち、かつ機体の直進性を良好にするべく、次行程の機体走行基準線となる走行中心線を田面に引く線引マーカを備えていて、この線引マーカは、機体左右側に夫々設けられたマーカを自動的に交互に作動させる自動マーカ機能と、任意方向にマーカを作動させる手動マーカ機能、更に左右側のマーカを同時に作動させる両側作動マーカ機能等を有している。 【0003】そして、例えば最初に右マーカを作業位置に繰出して圃場面に線を引き、枕地にて回向した後は、次に反対側の左マーカを作業位置に繰出して圃場面に線を引きながら移植作業を行うことにより、前記基準線を目安として走行しながら、該基準線に沿って整列状の移植が可能となる。 【0004】一方、線引マーカで田面に引く線が見えにくい等の圃場条件により、線引マーカが使用できない場合等には、機体前部の左右側方に夫々取付けられたトレースマーカにより、隣接する既植苗列に沿って機体を走行すれば、適切な隣接条間が保たれる。 【0005】また、このようなマーカを備えたものとして、従来、例えば特開平10−327609号公報に記載の技術が公知である。この従来技術によれば、植付け始めに、マーカを機体側方に延ばして走行することで、該機体側方から畦際までの所定の距離を残しながら植付けることとし、この所定距離を残しながら植付けたいために、前記マーカを使用している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術によると、機体往復走行時の移植終り位置である枕地に、機体旋回用のスペースを確保することはできなかった。また、これとは別に、従来は、圃場における枕地との境界位置での苗の植え終り位置を知るために、実際に寸法を測定したり、若しくは境界位置で重ね植えをしたり、又は補植えをする等により、枕地での植付けを行っていた。このため、枕地での移植作業が煩雑であった。 【0007】本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、トレースマーカを線引き姿勢にして植え終り位置に線引きすることで、移植作業の際はその線を植え終り位置として移植作業を行い、枕地を除く部分の移植を終了した後に該枕地に移植する際に、重ね植えや補植えをなくすことができる移植機を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、機体(16)に略沿って収納される非作業位置と機体側方に繰出される作業位置とに夫々移動可能で、かつ既植苗列に沿って機体を走行する際の指標となるトレースマーカ(38)を備えた移植機(10)において、前記トレースマーカ(38)を、前記作業位置にて圃場面に線を引く線引き姿勢と、既植苗列に沿ってトレースするトレース姿勢とに姿勢変更可能とし、移植作業に先立ち、前記線引き姿勢にて機体往復走行時の移植終り位置に夫々線引き(L−1,L−2)を行い、移植作業時には前記線(L−1,L−2)を移植終り位置として往復移植作業を可能とした、ことを特徴とする。 【0009】請求項2記載の発明は、前記トレースマーカ(38)は、作業位置にて機体側方に略々水平に延設されたマーカ支持部(38−1)と、該マーカ支持部(38−1)の自由端側から上下方向に伸張されたトレース部(38a)とを有すると共に、該トレース部(38a)の圃場面からの高さを調節自在な調節機構(42)を有し、該調節機構(42)により、前記トレース部(38a)を圃場面に接する線引き姿勢と、圃場面よりも上方に位置するトレース姿勢とに調節自在とした、ことを特徴とする。 【0010】請求項3記載の発明は、前記調節機構(42)を、運転席(24)の手元操作部にて操作可能とした、ことを特徴とする。 【0011】[作用]本発明によれば、移植機(10)は、既植苗列に沿って機体を走行する際の指標となるトレースマーカ(38)を備え、該トレースマーカ(38)は、機体に略沿って収納される非作業位置と機体側方に繰出される作業位置とに移動可能とされていて、該作業位置では、トレースマーカ(38)は、圃場面に線を引く線引き姿勢と、既植苗列に沿ってトレースするトレース姿勢とに姿勢変更可能とされている。 【0012】そして、移植作業に先立ち、前記トレースマーカ(38)を、線引き姿勢として機体往復走行時の移植終り位置に夫々線引き(L−1,L−2)を行い、移植作業時には前記線(L−1,L−2)を移植終り位置として往復移植作業を可能とした。これにより、移植終り位置が揃えられると共に、枕地に機体旋回用のスペースを確保することが可能となる。 【0013】なお、上述した括弧内の符号は図面を対照するためのもので、本発明を何ら限定するものではない。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。 【0015】図1及び図2に示すように、移植機としての乗用田植機10は、前輪12及び後輪14により支持された走行機体16を有しており、該走行機体16には、その前輪前方のボンネット18内にエンジン(図示せず)が搭載され、走行機体16上には、座席シート20及びステアリングホイール22を有する運転席24が配設されている。また、走行機体16の後方には、昇降リンク機構26を介して植付部28が昇降自在に支持されていて、座席シート20の側方には、この植付部28の昇降及び植付クラッチの操作を可能とする手動操作レバーが設けられている。さらに、前記ボンネット18の中央前部には、センタポール30が設けられ、その左右側には、夫々施肥タンク32,32及びその上部に補助苗載せ台34,34が設けられている。 【0016】図3に示すように、走行機体16の前部でかつボンネット18の左右側方には、マーカ装置36が一対づつ設けられている。このマーカ装置36は、圃場に機体16の走行中心線を線引きする線引マーカ37と、隣接既植苗列に沿って機体を走行する際の指標となるトレースマーカ38とを有している。線引マーカ37は、植付部28の昇降に伴って機体側方に下降繰出される作業位置と、上昇収納される非作業位置とに自動的かつ交互に切換え可能であり、自由端側に線引き部37aを有している。 【0017】また、トレースマーカ38は、図4(a)(b)に示すように、機体前方に沿って格納される格納位置と、水平回動して機体側方に繰出される作業位置とに切換え可能となっていて、マーカの自由端側にはトレース部38aを有している。 【0018】これら線引マーカ37とトレースマーカ38とは、基部側をマーカ取付部40に回動自在に取付けられ、線引マーカ37は、長手方向の中途部が伸縮自在に連結されていて、隣接条を走行する機体の走行幅を8条型・10条型等に広狭任意に選択することができる。 【0019】本実施の形態では、トレースマーカ38を、作業位置にて圃場に線引き可能な線引き姿勢と、既植苗列に沿ってトレース可能なトレース姿勢とに姿勢変更可能とし、移植作業に先立ち、前記線引き姿勢にて機体往復走行時の移植終り位置に夫々線引きを行い、移植作業時には前記線を移植終り位置として往復移植作業を可能とした。 【0020】すなわち、図5(a)(b)に示すように、前記トレースマーカ38は、機体側方に繰出された作業位置において、略々水平に延設されたマーカ支持部38−1と、該マーカ支持部38−1の自由端側から上下方向に伸張されたトレース部38aとを有している。このトレース部38aは、調節機構42により圃場面からの高さが調節自在となっていて、この調節機構42は、ステアリングホイール22の近傍に配置されたノブ43と、マーカ支持部38−1の自由端側に設けられたギア44と、トレース部38aの軸方向の中間部に形成され前記ギア44に噛合うラック部45と、前記ノブ43とギア44とを連結するワイヤ46とを有している。 【0021】そして、ノブ43を回動操作することにより、ワイヤ46を介してギア44を回転させ、トレース部38aを上下に移動させて、前記トレース部38aを圃場面に接する線引き姿勢と、圃場面よりも上方に位置するトレース姿勢とに位置調節が自在となっている。このとき、前記調節機構42は、運転席24の手元操作部にて操作できるようになっているので、例えばオペレータは降車することなく、運転席24の座席シート20に座ったままで容易に調整作業を行うことができる。 【0022】また、移植作業に先立ち、トレース部38aを線引き姿勢にして機体往復走行時の移植終り位置、すなわち往復走行時の始端側と終端側での枕地との境界線位置に、夫々線引きを行う。次いで、移植作業における往行程時には、前記線を移植終り位置として、機体がこの位置に到達したら植付部28を上昇させ、枕地にて180度旋回して植付部28を下降し、再び前記線を移植始め位置として復行程時の移植作業を行うことにより、往復移植作業が可能となる。 【0023】図6は、前記調節機構42の他の実施の形態を示している。 【0024】この実施の形態では、前記調節機構42は、ステアリングホイール22の近傍に配置されたノブ43と、マーカ支持部38−1の自由端側に設けられた傘歯車44’と、トレース部38aの軸方向の中間部に設けられ前記傘歯車44’に噛合う傘歯車45’と、前記ノブ43と前記傘歯車44’とを連結するワイヤ46とを有している。 【0025】そして、ノブ43を回動操作することにより、ワイヤ46を介して傘歯車44’を回転させ、これに噛合う傘歯車45’が回転して、トレース部38aを上下に移動させる。 【0026】図7は、前記調節機構42の更に他の実施の形態を示している。 【0027】この実施の形態では、前記調節機構42は、マーカ支持部38−1とステー47間を連結するアウタワイヤ48と、該アウタワイヤ48に内蔵され、ステアリングホイール22の近傍に配置されたレバー49とトレース部38aとを連結するインナワイヤ48aを有している。そして、レバー49を上下に操作すると、トレース部38aが上下に移動するようになっている。 【0028】図8は、トレース部38aをマーカ支持部38−1の軸方向に沿って移動させる調節機構42’の実施の形態を示している。 【0029】この実施の形態では、前記調節機構42’は、ステアリングホイール22の近傍に配置されたノブ43と、マーカ支持部38−1の自由端側の近傍に設けられたピニオン50と、トレース部38aの軸方向の中途部に固定されマーカ支持部38−1に沿うラック51と、前記ノブ43と前記ピニオン50とを連結するワイヤ46とを有している。 【0030】そして、ノブ43を回動操作することにより、ワイヤ46を介してピニオン50を回転させ、これに噛合うラック51が移動して、トレース部38aをマーカ支持部38−1の軸方向に沿って移動させる。 【0031】次に、図9〜図11に基づき、本実施の形態の作用について説明する。 【0032】移植作業を行うには、乗用田植機10が圃場に進入してから、トレースマーカ38を線引き姿勢に設定するが、そのためには、例えば、左右いずれか一方の前記調節機構42のノブ43を回動操作してギア44を回転させ、トレース部38aを下方に移動させて、該トレース部38aを圃場面に接する線引き姿勢にする(図5(a)(b)参照)。 【0033】次いで、図9に示すように、機体を枕地に沿って、図の右方から左方に向けて走行させて線引きを行う。このとき、右側のトレースマーカ38のトレース部38aを下方に移動させて、植付部28は上昇したままとし、植付作業は行わない。 【0034】また、図10に示すように、圃場端から線引き(L−1)位置までの距離Wは、1回の機体走行で移植できる条数、例えば8条型の乗用田植機の場合は、その8条植えに相当する植付け幅の距離とし、10条型の乗用田植機の場合は、その10条植えに相当する植付け幅の距離とする。こうして、圃場端に沿い該圃場端から所定距離Wだけ内側に離れた位置に線引きL−1を行う。同様にして、例えば対面側の圃場端側にも、該圃場端から所定距離Wだけ内側に離れた位置に線引きL−2を行う。こうして、枕地に機体旋回用のスペースを確保する。 【0035】次いで、図11に示すように、往復植付作業を行う際、植付部28を下降させて前記線L−1を植付開始位置として往行程の植付けを行い、機体が対面側の前記線L−2の位置に到達したら、植付部28を上昇させて枕地にて180度旋回を行い、更に、前記線L−2の位置を植付開始位置として復行程の植付けを行う。 【0036】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、トレースマーカを、作業位置にて圃場に線引き可能な線引き姿勢と、既植苗列に沿ってトレース可能なトレース姿勢とに姿勢変更可能としたので、機体が圃場に進入して移植開始前に枕地を走行する際、トレースマーカを線引き姿勢にして植え終り位置に線引きし、移植作業の際はその線を植え終り位置として往復移植作業を行うことで、枕地に機体旋回用のスペースを確保することができる。また、この枕地を除く圃場中央側の移植を終了した後に、次いで前記枕地に移植する際に、1回の機体走行で移植できる条数を正確に残すことができ、重ね植えや補植えをなくすことができる。 【0037】請求項2記載の発明によれば、トレース部の圃場面からの高さを調節自在な調節機構により、前記トレース部を圃場面に接する線引き姿勢と、圃場面よりも上方に位置するトレース姿勢とに調節自在としたので、圃場条件により線引マーカが使用できない場合等には、トレース姿勢にして隣接する既植苗列に沿って機体を走行すれば、適切な隣接条間が保たれ、また、移植開始前に枕地を走行するときは、線引き姿勢にして植え終り位置に線引きすることで、重ね植えや補植えをなくすことができる。 【0038】請求項3記載の発明によれば、前記調節機構を、運転席の手元操作部にて操作可能としたことで、例えばオペレータは降車することなく、運転席の座席シートに座ったままで容易に調整作業を行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月23日(2001.5.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082337 【弁理士】 【氏名又は名称】近島 一夫 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−335710(P2002−335710A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月26日(2002.11.26) |
| 【出願番号】 |
特願2001−154603(P2001−154603) |
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