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【発明の名称】 トラクタ
【発明者】 【氏名】小野 弘喜

【氏名】向井 仲四郎

【氏名】西川 文顕

【氏名】菰田 洋二

【要約】 【課題】コントローラ間を接続する配線の長寸化、複雑化をなくすと共に制御や操作遅れのない液晶表示付トラクタを提供することを目的とする。

【解決手段】入出力部を有する複数個のコントローラを備えたトラクタであって、作業機の昇降制御や水平制御を行なわせるコントローラと、メータパネル内の液晶表示装置を制御するコントローラとを通信回線を介して接続する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】入出力部を有する複数個のコントローラを備えたトラクタであって、作業機の昇降制御や水平制御を行なわせるコントローラと、メータパネル内の液晶表示装置を制御するコントローラとを通信回線を介して接続したことを特徴とするトラクタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数個のコントローラを有するトラクタに関し、更に詳しくはメータパネル内に液晶表示装置を有するトラクタに関する。
【0002】
【従来の技術】トラクタには機体後部に連結される作業機の左右傾斜姿勢を制御する水平制御装置や作業機の耕深を一定に保つ昇降制御装置をマイコンで制御するものが知られている。一方、トラクタのメータパネル内には種々の計器類やランプ類が組み込まれており、トラクタや作業機の状態をこれらのランプ等で表示するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、制御が複雑化してくると制御の内容に応じて複数のコントローラが必要となり、各コントローラに接続されたセンサやアクチュエータの作動状況をメータパネル内の液晶表示器にフィードバックさせて表示させるとすれば配線が長寸化、複雑化するだけでなく、信号伝達速度も遅くなって制御や操作に支障を来たす恐れが生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記不具合を解消するために提案するものであって、次のような技術的手段を講じた。即ち、入出力部を有する複数個のコントローラを備えたトラクタであって、作業機の昇降制御や水平制御を行なわせるコントローラと、メータパネル内の液晶表示装置を制御するコントローラとを通信回線を介して接続したことを特徴とするトラクタの構成とする。
【0005】
【作用】作業中に作業機が左右に傾斜したり耕深変化が生じると、昇降制御や水平制御を司るコントローラからの指令によりアクチュエータ類が制御されて作業機は適正な作業姿勢に制御される。このとき、各コントローラに接続されたセンサやアクチュエータといった入出力手段の作動信号はメータパネル内に組み込まれた液晶表示装置に伝えられてセンサ情報等が表示される。
【発明の効果】この発明は、入出力部を有する複数個のコントローラを備えたトラクタであって、作業機の昇降制御や水平制御を行なわせるコントローラと、メータパネル内の液晶表示装置を制御するコントローラとを通信回線を介して接続したので、昇降制御や水平制御を司るコントローラに接続されたアクチュエータやセンサからの信号が通信回線を介してメータパネル側のコントローラに伝えられることになり、各コントローラから別々に液晶表示装置までの配線を引く必要がないので配線のトータルの長さが短くて済み、配線が長寸化、複雑化することがなく、無理のない制御が可能となる。また、作業機の昇降制御や水平制御を行なわせるコントローラだけを有する既存のトラクタに、液晶表示装置とこれを制御するコントローラとを追加し、両コントローラを通信回線で結べばランプや計器で作業機の状況を報知する従来型から、マイコンによって制御される液晶表示タイプに簡単に変更できるので、仕様変更にも迅速に対応できる。
【0006】
【実施例】トラクタについて用いるメータパネルにつき説明する。ステアリングハンドル下部のダッシュボード上面に、メータパネル2が取付けられる。このメータパネル2には、中央部にタコメータ3、アワメータ4、及びウインカランプ5等を設け、左側には、水温メータ6や、燃料メータ7等を設け、右側に、液晶表示の文字表示装置1、その表示をリセットするリセットスイッチ8、及び主変速や副変速等の変速位置を示すシフト位置ランプ9等を設ける。又、これらの上部にはモニタランプ10を設けている。
【0007】トラクタの液晶表示による文字表示装置に関する制御回路には、図3のように、液晶表示、タコメータ3の表示等を行うためのコントローラを有するメータBOXに、作業機の昇降制御や水平姿勢制御等を行わせるホストとしてのコントロールボックスC−BOX1を直結し、更に、これらのコントローラに対して、変速制御用のコントローラC−BOX2、及び、フルタイム四WDの切換制御を行うコントローラC−BOX3等を、シンクロナス(同期式)通信ができるように連結し、又、該C−BOX1には、マイコンチェッカの端末、及び、送信すべきデータや制御コード等を管理する作業管理の端末等とアシンクロナス(非同期式)通信できる構成としている。
【0008】各コントロールボックス間の通信は、C−BOX1をホストとして、他のメータBOX,C−BOX2,C−BOX3の各コントロールボックスとの間で送、受信されるもので、各メータBOX,C−BOX2,C−BOX3からの情報の吸い上げや、マイコンチェッカ等からの指示による各コントローラへの指示を行う。
【0009】これら各コントローラを有する回路は、図4〜図7の表に示されるが、C−BOX1からメータBOXへの送信要求及びデータ送信の主な情報は、表1のように、C−BOX1のセンサエラーや制御モード、耕深セット値、C−BOX2の一般情報やシフト位置(目標値)等であり、メータBOXからC−BOX1へのデータ送信の主な情報は、表2のように車輪の回転数、動力取出軸PTOの回転数、及びメータ情報等である。
【0010】

【0011】

【0012】又、C−BOX1からC−BOX2へ送信する情報は、制御モード(データの送信要求やアクチュエータの出力要求)であり、出力要求の情報は、表3のように、昇圧ソレノイド出力、シフト出力、その他の出力等がある。C−BOX2からC−BOX1への送信データは、表4のように、エンジンの回転数、車輪の回転数、一般情報、シフト位置、及びセンサ入力等である。
【0013】

【0014】

【0015】又、C−BOX1からC−BOX3へ送信する情報は、制御モード(データの送信要求やアクチュエータの出力要求)であり、C−BOX3からC−BOX1への送信データは、表5のように、入力回転数、出力軸回転数、ステアリングハンドルの切れ角センサや、C−BOX3入力情報等である。
【0016】

【0017】上記のような制御回路において、液晶表示装置に関する作用は、図2の流れに従って行われる。前記メータパネル2の液晶による文字表示装置1の画面には、スタンダード画面として、右側半分の上位置に車速(km/h)を表示し、この下位置にPTO軸の回転数(rpm)を表示し、左側半分に耕深設定値を表示するように各表示エリアを設ける。
【0018】このスタンダード画面におけるメータ表示形式には、次のようなA、B、Cの三種類のタイプがある(図8)。Aタイプ:車速とPTO軸回転数のみ表示される。車速が車輪回転センサによる検出パルスによって、車速換算して表示される(500msec毎に)。表示範囲は1〜14.9km/hとし、1km/h未満の検出時は、単に「シャソク」と表示する。これは、低回転での表示のチラツキをおさえオペレータに違和感を与えない為の措置である。又、PTO回転が、PTO回転センサ検出パルスより、換算して表示される(例えば500msec毎に)。表示は、100rpm以上を検出に応じて表示し、100rpm未満は、単に「PTO」と表示する。
【0019】Bタイプ:車速とPTO軸の回転数とは、Aタイプと同じである。耕深設定については、C−BOX1から送信されるデータにもとづいて表示する(図9)。
Cタイプ:C−BOX1より送信されるシフト位置データにより表示を変更する。シフト位置がH速時には、変速シフト位置の変更検出によるエンジン定格回転での車速を点滅表示し、車速パルスにより、1km/h以上検出により、Aタイプ表示に切換える。シフト位置がLL、L、M速時には、変速シフト位置によるエンジン定格回転での車速を表示する。PTO軸の回転数表示はAタイプと同じである。耕深設定についてもBタイプと同じである。
【0020】このような、各タイプA、B、Cの判定は、電源投入後3秒以内において、C−BOX1からの通信アクセスの有無等によって行われる。C−BOX1からの通信アクセスがないものはAタイプ、C−BOX1からの通信アクセスがあり、通信データ内のCーBOX2情報有・無が無しのものはBタイプ、又、C−BOX1からの通信アクセスがあり、通信データ内のC−BOX2情報有・無が有りのものはCタイプとなる。なお、表示画面は、第1回通信完了まではAタイプで表示し、完了後に移行する。
【0021】割込画面として文字表示装置1に表示される事項として、スタート時に表示されるもの、運転中に表示されるもの、異常表示されるもの等がある。このうちスタート時に表示されるものは、図10D〜Gで、諸条件にもとづき表示され、条件が解除されるまで点滅表示する。これらの事項は、表示に従って、オペレータを指導する。
【0022】運転中に表示されるものとして、図11Hの表示は、フューエルセンサ条件にもとづき表示され、条件が解除されたとき、及び、リセットスイッチが押されるまで点滅表示する。又、この表示時は、表示切換え時一定時間ブザーを出力する。又、図11H−Aの表示は、条件にもとづき、一定時間点滅表示する。又、上記同様に一定時間ブザーを出力する。このような事項は、表示に従って、オペレータを指導する。
【0023】運転中に表示されるものとして、図12I〜Lの表示がある。モード切換スイッチによって判断して、スイッチ入力が変化したとき一定時間表示する。但し、Lの「フルタイムスイッチ?」については、リセットスイッチが押されるまで表示を継続する。これら各表示は、オペレータが確認する。異常表示として、図13M〜Sがあるが、通信により送られてくる異常情報にもとづき表示され、リセットスイッチが押されるか、又は異常状態が解除されるまで表示する。表示は点滅される。この表示もオペレータが確認する。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成4年6月12日(1992.6.12)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−305911(P2002−305911A)
【公開日】 平成14年10月22日(2002.10.22)
【出願番号】 特願2001−359486(P2001−359486)