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【発明の名称】 トラクタの昇降制御装置
【発明者】 【氏名】杉原 陽一

【要約】 【課題】目標耕深の変更にかかわらず高い精度で機械式に自動耕深制御を行えるようにする。

【解決手段】リフトアーム昇降用のポジション制御バルブの調節レバー17を、ポジションレバー20によって上昇側に接当変位させるよう構成し、ロータリ耕耘装置における後カバーの上下揺動を検出するセンサワイヤ36におけるインナワイヤ36aの前端部と調節レバー17とを接当連係する中間リンク機構40を備え、この中間リンク機構40における基準接当状態をオートレバー30によって変更調節して自動耕深制御における耕深設定を行うよう構成し、中間リンク機構40の基準接当状態の変更に伴って、後カバー32の単位揺動量に対する調節レバー17の操作量の比率を変更するように構成してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リフトアーム昇降用のポジション制御バルブの調節レバーを、ポジションレバーによって上昇側に接当変位させるよう構成し、ロータリ耕耘装置における後カバーの上下揺動を検出するセンサワイヤにおけるインナワイヤの前端部と前記調節レバーとを接当連係する中間リンク機構を備え、この中間リンク機構における基準接当状態をオートレバーによって変更調節して自動耕深制御における耕深設定を行うよう構成し、前記中間リンク機構の基準接当状態の変更に伴って、後カバーの単位揺動量に対する調節レバーの操作量の比率を変更するように構成してあることを特徴とするトラクタの昇降制御装置。ことを特徴とするトラクタの昇降制御装置。
【請求項2】 請求項1記載のトラクタの昇降制御装置において、前記オートレバーによる設定耕深が深くなると前記比率が大きくなり、設定耕深が浅くなると前記比率が小さくなるように設定してあることを特徴とするトラクタの昇降制御装置。
【請求項3】 請求項1または2記載のトラクタの昇降制御装置において、前記中間リンク機構を、前記調節レバーに連動連結したバルブ操作レバーと、前記センサワイヤにおけるインナワイヤの前端部を連動連結したカムレバーとを接当連係させるとともに、オートレバーによってバルブ操作レバーの支点をカムレバーに対して位置変更するよう構成してあることを特徴とするトラクタの昇降制御装置。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のトラクタの昇降制御装置において、オートレバーを最深側に操作した状態で、前記中間リンク機機の接当連係が解除される融通を接当連係部位に備えてあることを特徴とするトラクタの昇降制御装置。
【請求項5】 請求項4記載のトラクタの昇降制御装置において、前記カムレバーにき凹部を形成して前記融通を構成してあることを特徴とするトラクタの昇降制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポジション制御弁を利用してロータリ耕耘装置を昇降制御して、耕深を安定維持するよう構成した機械式の昇降制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記昇降制御装置としては、特開平11−4603号公報に開示されたものが知られている。この昇降制御装置は、ロータリ耕耘装置の後カバーの上昇揺動によって引き操作されるセンサワイヤのインナワイヤ先端と、昇降用のポジション制御バルブの調節レバーとを連結するとともに、センサワイヤのアウターワイヤ端部をワイヤ支持アームに支持し、ポジションレバーを調節レバーに干渉しない下降側の限界位置に操作した状態で、自動耕深制御時の目標耕深を設定調節するオートレバーによってワイヤ支持アームを位置変更して、センサワイヤ全体を前後に移動させることで、ポジション制御弁が中立バランスするロータリ耕耘装置の対地高さ、つまり、自動耕深制御における目標耕深を変更調節するよう構成し、また、ポジションレバーを前後に揺動して、下降側に回動付勢された調節レバーを直接に接当操作して人為的にロータリ耕耘装置の高さを変更調節するよう構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】耕深変化を検出する後カバーは、目標耕深が浅い場合には大きく垂れ下がった姿勢で地面に接するので、単位耕深変化に対する後カバーの揺動量は大きく、目標耕深が深い場合には振り上げ姿勢で地面に接するので、単位耕深変化に対して後カバーの揺動量は小さいものとなる。このために、機械式の自動耕深制御構造においては耕深調節範囲の全域において高い精度で自動耕深制御を行うことが困難となっていた。
【0004】本発明は、このような点に着目してなされたものであって、目標耕深の変更にかかわらず高い精度で機械式に自動耕深制御を行えるようにすることを主たる目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔請求項1に係る発明の構成、作用および効果〕
【0006】(構成) 請求項1に係る発明のトラクタの昇降制御装置は、リフトアーム昇降用のポジション制御バルブの調節レバーを、ポジションレバーによって上昇側に接当変位させるよう構成し、ロータリ耕耘装置における後カバーの上下揺動を検出するセンサワイヤにおけるインナワイヤの前端部と前記調節レバーとを接当連係する中間リンク機構を備え、この中間リンク機構における基準接当状態をオートレバーによって変更調節して自動耕深制御における耕深設定を行うよう構成し、前記中間リンク機構の基準接当状態の変更に伴って、後カバーの単位揺動量に対する調節レバーの操作量の比率を変更するように構成してあることを特徴とする。
【0007】(作用) 上記構成によると、基本的にはポジションレバーを操作してポジション制御バルブの調節レバーを位置変更することで、ポジションレバーの操作位置に対応した位置までロータリ耕耘装置を昇降させて位置保持するポジション制御が行われる。
【0008】自動耕深制御を行う時には、ポジションレバーを最深側である前方に大きく操作してポジションレバーがポジション制御バルブの調節レバーに干渉しないようにした状態で、オートレバーを操作して中間リンク機構の基準接当状態を変更し、ポジション制御バルブにおける調節レバーの基準位置を設定して自動耕深制御における目標耕深の設定を行い、実耕深が変化して後カバーが揺動変位すると、これをセンサワイヤなどを用いて調節レバーに伝達することで、目標耕深を修正することで実耕深を、オートレバーで設定された基準耕深に安定させる。
【0009】この場合、オートレバーによって目標耕深が変更されると、これに連動して中間リンク機構の基準接当状態が変更され、後カバーの単位揺動量に対する調節レバーの操作量の比率が変更される。
【0010】(効果) 従って、請求項1に係る発明によると、後カバーの変位をポジション制御バルブに伝達するための中間リンク機構を利用して、昇降制御の感度を目標耕深ごとに任意に設定することができ、精度の高い機械式の自動耕深制御を実行することが可能となった。
【0011】〔請求項2に係る発明の構成、作用および効果〕
【0012】(構成) 請求項2に係る発明のトラクタの昇降制御装置は、請求項1記載の発明において、前記オートレバーによる設定耕深が深くなると前記比率が大きくなり、設定耕深が浅くなると前記比率が小さくなるように設定してあることを特徴とする。
【0013】(作用・効果) 上記構成によると、目標耕深が深い時は後カバーの変位が敏感にポジション制御バルブに伝達されることになり、硬い圃場や粘度質の圃場などでの耕耘作業のように、少しの耕深増大でも大きく負荷が増大するような作業条件下においても、迅速に上昇制御を行うことができ、過負荷によってエンジンストップをもたらすようなことなく、精度の高い自動耕深制御を行うことができるようになった。
【0014】〔請求項3に係る発明の構成、作用および効果〕
【0015】(構成) 請求項3に係る発明のトラクタの昇降制御装置は、請求項1または2記載の発明において、前記中間リンク機構を、前記調節レバーに連動連結したバルブ操作レバーと、前記センサワイヤにおけるインナワイヤの前端部を連動連結したカムレバーとを接当連係させるとともに、オートレバーによってバルブ操作レバーの支点をカムレバーに対して位置変更するよう構成してあることを特徴とする。
【0016】(作用) 上記構成によると、オートレバーによって目標耕深を深い側に設定する時に、カムレバーとバルブ操作レバーとの接当作用部をカムレバーの支点から離すことで、センサワイヤによって揺動されるカムレバーによってバルブ操作レバーが接当揺動操作される際の接当レバー比を大きくし、後カバーの変位によって敏感にバルブ操作レバーを回動させることができる。また、オートレバーによって目標耕深を浅い側に設定する時に、カムレバーとバルブ操作レバーとの接当作用部をカムレバーの支点に近づけることで、センサワイヤによって揺動されるカムレバーによってバルブ操作レバーが接当揺動操作される際の接当レバー比を小さくし、後カバーの変位を鈍感にバルブ操作レバーに伝達することができる。
【0017】(効果) 従って、請求項3に係る発明によると、請求項1または2の発明を好適に実施して、機械式の自動耕深制御を高い精度で行うことができる。
【0018】〔請求項4に係る発明の構成、作用および効果〕
【0019】(構成) 請求項4に係る発明のトラクタの昇降制御装置は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、オートレバーを最深側に操作した状態で、前記中間リンク機機の接当連係が解除される融通を接当連係部位に備えてあることを特徴とする。
【0020】(作用・効果) 上記構成によると、オートレバーを最深側に操作するだけで、センサワイヤとポジション制御バルブとの連係を断って、自動耕深制御を停止することができるので、自動耕深制御を停止するために作業を中断してセンサワイヤの連結を外すような手間が不要となり、作業性を向上するのに有効となる。
【0021】〔請求項5に係る発明の構成、作用および効果〕
【0022】(構成) 請求項5に係る発明のトラクタの昇降制御装置は、請求項4記載の発明において、前記カムレバーに凹部を形成して前記融通を構成してあることを特徴とする。
【0023】(作用 効果) 上記構成によると、自動耕深制御を停止するための融通をカムレバーの形状設定で構成することができ、請求項4の発明を簡単容易に実施することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1に、ロータリ耕耘仕様に構成された農用トラクタの後部側面が示されている。この農用トラクタは、トラクタ本機1の後部に備えた3点リンク機構2に、フック式に係脱するヒッチ装置3を介してロータリ耕耘装置4がワンタッチ脱着可能に連結され、内臓したリフトシリンダ5によって上下揺動可能に油圧駆動されるリフトアーム6で前記3点リンク機構2が駆動昇降されるようになっている。
【0025】図5の制御用油圧回路に示されるように、単動型に構成された前記リフトシリンダ5はポジション制御バルブ7よって作動制御されるものであり、このポジションバルブ7には、主スプール8、下降用バルブ9、リリーフバルブ10、アンロードバルブ11、等が含まれており、リフトシリンダ5とポジション制御バルブ7とは落下速度調整バルブ12を介して接続されている。
【0026】前記ポジション制御バルブ7は、トラクタ本機1における後部ミッションケース13の上部に装備されており、主スプール8の前端に天秤揺動可能に連結リンク14が枢支連結されるとともに、この連結リンク14の両端に、調節レバー軸15の内端に連設した操作ピン15aと、フィードバックレバー軸16の内端に連設した操作ピン16aとがそれぞれ係止連結されている。
【0027】図3に示すように、調節レバー軸15の外端部には調節レバー17が固着されるとともに、フィードバックレバー軸16の外端部とリフトアーム5とが図示しないフィードバックリンクを介して連動連結されており、調節レバー17が回動されて連結リンク14がフィードバックレバー軸16の操作ピン16aとの係止点を中心にして揺動して、主スプール8が上昇側あるいは下降側にシフトされ、リフトシリンダ5を介してリフトアーム6が駆動上昇作動あるいは自重下降作動する。このリフトアーム6が作動すると、その作動がフィードバックリンク機構を介して伝達されてフィードバックレバー軸16の回動に変換され、主スプール8は、連結リンク14を介して逆方向にシフトされ、調節レバー17の回動操作位置に対応した所定の回動位置までフィードバックレバー軸16が回動されると主スプール8は中立に復帰し、昇降作動が停止する。つまり、調節レバー17を任意に回動操作することで、リフトアーム6を調節レバー17に対応した位置にまで昇降させるポジション制御機構が構成されている。
【0028】前記調節レバー17の後側近傍には、人為的に作業高さを設定するポジションレバー20と、自動耕深制御時の目標耕深設定を行うオートレバー30とが、支点a周りに前後揺動可能に配備されており、このポジションレバー20とポジション制御バルブ7の調節レバー17とが、長孔21と連係ロッド22を介して連動連結されている。
【0029】先ず、ポジションレバー31による基本的な昇降操作について説明する。なお、この場合、図3に示すように、オートレバー30は、最前方の「オート切り」位置に操作しておく。
【0030】前記ポジション制御弁7の主スプール8はバネ18によって常に下降方向Dに付勢されており、これに伴って調節レバー17は、図において時計方向に回動付勢されて、前記長孔21の後端が連係ロッド22に係合接当している。従って、ポジションレバー20を後方(図中、反時計方向)に向けて揺動するに連れて、連係ロッド22に係合支持された調節レバー17は付勢力に抗して後方(図中、反時計方向)に回動され、リフトアーム6は調節レバー17に対応した位置まで上昇される。逆に、ポジションレバー20を前方(図中、時計方向)に向けて揺動するに連れて、回動付勢されている調節レバー17はポジションレバー20に追従して回動し、リフトアーム6は調節レバー17に対応した位置まで下降する。なお、ポジションレバー20を、最前方位置に操作した状態では、リフトアーム6の下降に伴うフィードバックにかかわらず、ポジション制御弁7は中立復帰されることなく下降状態のまま維持されるようになっており、リフトアーム6が機械的な下限まで自重下降可能な状態、いわゆるフローティング状態がもたらされる。
【0031】次に、前記オートレバー30による耕深設定構造および自動耕深制御機構について説明する。
【0032】図1中に示すように、前記ロータリ耕耘装置4におけるロータ部4aを上方から覆う耕耘カバー31の後端には、耕耘中の土の飛散を防止するとともに耕耘跡を均平化する後カバー32が、支点b周りに上下揺動可能に装備されている。また、ロータリ耕耘装置4における伝動ケース部4bには支点c周りに前後揺動可能に揺動アーム33が装備されるとともに、この揺動アーム33の下部遊端と後カバー32とに亘って連動リンク34が架設されている。他方、3点リンク機構2の後部には、ヒッチ装置3を介してロータリ耕耘装置4が連結されると、前記揺動アーム33に形成された係合凹部33aに係合連結される連係リンク35が支点d周りに回動可能に装備され、この連係リンク35とポジション制御バルブ7の操作部とがセンサワイヤ36を介して連係されている。
【0033】前記センサワイヤ36はレリーズワイヤが利用され、そのインナワイヤ36aの後端が前記連係リンク35の上方延出部35aに連結されるとともに、アウタワイヤ36bの後端が3点リンク機構2におけるロアリンク2aに固定支持され、また、アウタワイヤ36bの前端がトラクタ本機1のトップリンクブラケット37に固定支持されている。従って、ロータリ耕耘装置4を脱着する際に、センサワイヤ36の脱着操作を行う必要はなく、ロータリ耕耘装置4を脱着するだけで、自動的に揺動アーム34と連係リンク35とが係脱して、後カバー32とポジション制御バルブ8との連係が断続されるようになっている。
【0034】前記センサワイヤ36におけるインナワイヤ36aの前端とポジション制御バルブ7の前記調節レバー17が中間リンク機構40を介して以下のように連係されている。
【0035】前記中間リンク機構40は、トップリンクブラケット37の側面に支点e周りに前後揺動可能に取付けられたカムレバー41と、ミッションケース上部に支点f周りに前後揺動可能に取付けられた作動レバー42と、この作動レバー42の下端に可動支点g周りに揺動可能に支持されたバルブ操作レバー43とから構成されており、前記センサワイヤ36におけるインナワイヤ36aの前端がカムレバー41の上端に連結されるとともに、作動レバー42の上端がロッド44を介して前記オートレバー30に連動連結されている。
【0036】バルブ操作レバー43はV形に形成されており、その後端部に備えたカムフォロアピン43aが、カムレバー41の後端辺に形成されたカム面Sに後方から接当係合されるとともに、バルブ操作レバー43の前端部がロッド45を介してポジション制御バルブ8の調節レバー17に連動連結されている。また、作動レバー42とバルブ操作レバー43とに亘ってねじりバネ46が介装されており、バルブ操作レバー43が常に時計方向に回動付勢され、カムフォロアピン43aがカムレバー41のカム面Sに後方から付勢押圧されるようになっている。また、カムレバー41にもねじりバネ47によってインナワイヤ36aを前方に引き出す方向に回動付勢されている。
【0037】次に、上記構成による自動耕深制御作動、および、その耕深調節作動について説明する。なお、自動耕深制御を行う場合に、基本的には、ポジションレバー20を前方限界の最下降位置にまで操作して、連係ロッドの前端が調節レバー17の長孔の範囲内に位置させることで、がポジションレバー20によって調節レバー1の作動が制約されないようにしておく。
【0038】ロータリ耕耘装置4を大きく上昇させた図3の状態から、オートレバー30を或る耕深位置にセットするとともに、ポジションレバー20を前方限界の最下降位置に操作すると、作動アーム42の前方揺動によって可動支点gが後方に移動し、バルブ操作レバー43の回動支点である可動支点gが後方に変位するとともに、カムフォロアピン43aがカムレバー41のカム面Sに追従することで、バルブ操作レバー43は時計方向に回動し、ロッド45が前方に変位する。これによって調節レバー17が前方、つまり、下降方向Dに操作され、リフトアーム6が下降作動してロータリ耕耘装置4が下降する。
【0039】ロータリ耕耘装置3が下降してゆくと、後カバー34が接地して相対的に持上げられ、これによって連係リンク35が反時計方向に回動されて、センサワイヤ36のインナーワイヤ36aが後方に引かれる。これに伴って中間リンク機構40のカムレバー41が反時計方向に回動されて、バルブ操作レバー43が同方向に接当回動される。従って、バルブ操作レバー43の前端部に連結したロッド45が後方に引き操作されて調節レバー17が上昇方向Uに回動される。これによって、リフトアーム6の上昇に伴うフィードバック操作と調節レバー17の操作とがバランスした状態に到ってポジション制御バルブ7が中立状態となり、ロータリ耕耘装置4の下降作動が停止する。図4はポジション制御バルブ7が中立バランスした状態を示し、この時ロータリ耕耘装置4は、オートレバー30によって設定された目標耕深に維持されることになり、以降は、この状態を基準状態にして自動的に耕深制御が行われる。
【0040】上記基準状態で耕耘作業を行っていて、ロータリ耕耘装置4が目標耕深よりも深くなりかかると、これに伴って後カバー32が持ち上げ揺動されることで、センサワイヤ36のインナワイヤ36aが引き操作されてカムレバー41が反時計方向に回動され、これによってバルブ操作レバー43が反時計方向に回動され、調節レバー17が上昇方向Uに操作されてロータリ耕耘装置4が上昇される。そして、後カバー32が元の姿勢にまで復元すると上昇作動が停止して、元の耕深に戻される。
【0041】また、上記基準状態で耕耘作業を行っていて、ロータリ耕耘装置4が目標耕深よりも浅くなりかかると、これに伴って後カバー32が垂れ下がり揺動することで、センサワイヤ36のインナワイヤ37aが弛められる。ここで、カムレバー41は、ねじりバネ47によって時計方向に回動付勢されているので、上記のようにインナワイヤ36aが弛められると、カムレバー41はインナワイヤ36aの弛みを吸収するように時計方向に回動し、これによってバルブ操作レバー43も時計方向に回動され、調節レバー17が下降方向Dに操作されてロータリ耕耘装置4が下降される。そして、後カバー32が持上げ揺動されて元の姿勢にまで復元すると下降作動が停止して、元の耕深に戻される。
【0042】そして、オートレバー30を後方に調節移動してバルブ操作レバー43の支点である可動支点gを前方に移動させるほど、カムレバー41の安定姿勢が反時計方向に回動した状態となり、インナワイヤ36aが後方に引き出されて後カバー32が振り下がった状態、つまり、浅い耕耘状態が設定されることになる。逆に、オートレバー30を前方に調節移動して可動支点gを後方に移動させるほど、カムレバー41の安定姿勢が時計方向に回動した状態となり、インナワイヤ36aが前方に引き出されて後カバー32が振り上がった状態、つまり、深い耕耘状態が設定されることになるのである。
【0043】ここで、オートレバー30を後方に操作して目標耕深を浅い側に変更するに連れて可動支点gは前方に変位し、このためバルブ操作レバー43のカムフォロアピン43aのカムレバー41に対する作用箇所は支点eに近づき、オートレバー30によってバルブ操作レバー43を接当操作するレバー比が小さくなる。また、オートレバー30を前方に操作して目標耕深を深い側に変更するに連れて可動支点gは後方に変位し、このためバルブ操作レバー43のカムフォロアピン43aのカムレバー41に対する作用箇所は支点eから遠ざかり、オートレバー30によってバルブ操作レバー43を接当操作するレバー比が大きくなる。従って、目標耕深を浅い側に設定している時は、カムレバー41の回動に対してバルブ操作レバー43の回動は鈍感となり、逆に、目標耕深を深い側に設定している時は、カムレバー41の回動に対するバルブ操作レバー43の回動は敏感になる。
【0044】その結果、目標耕深が浅く設定される場合には、単位耕深変化に対して後カバー32の揺動量が大きくなり、目標耕深が深く設定される場合には、単位耕深変化に対して後カバー32の揺動量が小さくなるが、中間リンク機構40におけるレバー比が耕深設定に基づいて上記のように自動的に変更されるので、実耕深の単位量の変化に対するバルブ操作レバー43の作動量を、目標耕深の変更にかかわらず略一定にして制御感度を安定化したり、あるいは、目標耕深が深くなるほど実耕深の単位量の変化に対するバルブ操作レバー43の作動量を大きくして制御感度を敏感にすることができる。
【0045】また、図3中に示すように、オートレバー30を最前方の「オート切り」位置にセットすると、作動レバー42が大きく時計方向に回動されて可動支点gが最大限度後方に移動される。ここで、カムレバー41のカム面Sの上端部には融通形成用の凹部48が形成されており、可動支点gが最大限度後方に移動されて、バルブ操作レバー43のカムフォロアピン43aがカム面Sから外れて前記凹部48に臨む位置にまで移動する。このように、カムフォロアピン43aがカム面Sから外れると、カムレバー41とバルブ操作レバー43との接当連動関係が解除され、後カバー32とポジション制御バルブ7との連係が解除された自動耕深制御オフ状態がもたらされるのである。
【0046】上記自動耕深制御を利用しての耕耘作業中において、一行程の作業走行が終了して畦際に到ると、ポジションレバー20をオートレバー30よりも上昇側に操作することで、調節レバー17をポジションレバー20で直接に上昇側Uに回動させてロータリ耕耘装置4を強制上昇させる。そして、畦際での機体方向転換が終了した後、ポジションレバー20をオートレバー30を越えて最下降位置にまで操作することで、再び元の自動耕深制御状態に復帰して目標耕深まで下降作動させることができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成13年3月28日(2001.3.28)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2002−281807(P2002−281807A)
【公開日】 平成14年10月2日(2002.10.2)
【出願番号】 特願2001−92083(P2001−92083)