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【発明の名称】 ロータリ耕耘機
【発明者】 【氏名】中島 健一郎

【氏名】平田 光喜

【氏名】前山 達哉

【要約】 【課題】低コストで、かつ溶接歪みの生じないようにしたストッパーを備えたロータリ耕耘機を提供すること。

【解決手段】ロータリ耕耘爪軸18がベアリングケース25に収納されたベアリング27により回転自在に支持され、前記ベアリングケース25がチェーンケース15にベアリングケース取付ボルト26により取り付けられているロータリ耕耘機12において、前記ベアリングケース25から前記ベアリング27が抜け出すのを防止するストッパー37が、前記ベアリングケース取付ボルト26により共締めされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロータリ耕耘爪軸がベアリングケースに収納されたベアリングにより回転自在に支持され、前記ベアリングケースがチェーンケースにベアリングケース取付ボルトにより取り付けられているロータリ耕耘機において、前記ベアリングケースから前記ベアリングが抜け出すのを防止するストッパーが、前記ベアリングケース取付ボルトにより共締めされていることを特徴とするロータリ耕耘機。
【請求項2】 前記ストッパーには、ナットが溶接され、該ナットにベアリングケース取付ボルトが螺合することを特徴とする請求項1記載のロータリ耕耘機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクターに連結されるロータリ耕耘機に関する。
【0002】
【従来の技術】この種、ロータリ耕耘機として、例えば、特開平9−121607号公報に開示のものが公知である。この従来のロータリ耕耘機においては、ロータリ耕耘爪軸の左右両端部が、ベアリングケースに収納されたベアリングにより回転自在に支持され、前記ベアリングケースが、チェーンケースにベアリングケース取付ボルトにより取り付けられている。そして、このベアリングケースに収納されたベアリングの抜け止めを行うストパーが、チェーンケースに溶接で取り付けられていた。
【0003】または、チェーンケース裏板をバーリングして前記ベアリングの抜け止めを行う場合もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記ストッパーをチェーンケースに溶接するものでは、チェーンケース裏板の歪みにより、オイル漏れの原因となり易いという問題があった。また、バーリングする場合は、寸法精度を出すために、リストライク(2度加工)が必要となり、コスト高であった。そこで、本発明は、低コストで、かつ溶接歪みの生じないようにしたストッパーを備えたロータリ耕耘機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。即ち、本発明の特徴とするところは、ロータリ耕耘爪軸がベアリングケースに収納されたベアリングにより回転自在に支持され、前記ベアリングケースがチェーンケースにベアリングケース取付ボルトにより取り付けられているロータリ耕耘機において、前記ベアリングケースから前記ベアリングが抜け出すのを防止するストッパーが、前記ベアリングケース取付ボルトにより共締めされている点にある。
【0006】前記ストッパーには、ナットが溶接され、該ナットにベアリングケース取付ボルトが螺合するのが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。図2において、1はトラクタの車体の後部を構成するミッションケースで、その後部上には左右一対のリフトアーム2を有する作業機昇降用油圧装置3が設けられ、ケース1の後面下部からPTO軸4が突出されている。また、ミッションケース1の後部には3点リンク5が設けられ、この3点リンク5のトップリンク6の前端側は、ミッションケース1に固定のブラケット7に枢支連結され、3点リンク5の左右各ロワーリンク8前端側は、ミッションケース1後部の左右側部に枢支連結され、各ロワーリンク8の前後方向中途部はリフトロッド9を介して左右リフトアーム2に連結されている。
【0008】3点リンク5の後端部には連結枠11が設けられ、この連結枠11を介してロータリ耕耘機12が着脱自在に連結されている。図3に示すように、このロータリ耕耘機12はサイドドライブ式のものであり、左右方向中央部のギヤケース13から、左右両側にサポートアーム14を突設すると共に、左側サポートアーム14の外端にチェーンケース15を、右側サポートアーム14の外端にサイドフレーム16をそれぞれ取付固定してなるロータリ機枠17を備えている。
【0009】このロータリ機枠17の下部で、チェーンケース15とサイドフレーム16との下部間に、左右方向の軸心廻りに回転自在に支架された爪軸18と、該爪軸18上に取付けられた多数の耕耘爪19とからなるロータリ耕耘部20が設けられている。また、ロータリ機枠17にはロータリ耕耘部20を覆うロータリカバー21が設けられている。ロータリカバー21は、耕耘部20の上方を覆う主カバー22と、この主カバー22の後端部に左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支連結された後部カバー23と、耕耘部20の左右両側の後上部を覆う左右一対の側部カバー24とから主構成されている。
【0010】図1に示すように、前記チェーンケース15は、裏板15aと表板15bとからなり、裏板15aと表板15b間にチェーンを収納する空間が形成されている。裏板15aの下部右側には、該裏板15aを貫通して筒状のベアリングケース25が、ベアリングケース取付ボルト26によって取付固定されている。このベアリングケース25に内嵌されたベアリング27に、駆動軸28が挿通されて支持されている。この駆動軸28の右端側にはフランジ29が一体形成され、このフランジ29に、前記爪軸18の左端側に固定のフランジ30が、ボルト31で固定されている。
【0011】前記駆動軸28の左側にはスプロケット32がスプライン嵌合されて抜止めされ、このスプロケット32には、トラクタのPTO軸からロータリのPIC軸に伝動された回転動力が、前記ギヤケース13内のベベルギヤ伝動機構、左側サポートアーム14内の伝動軸、チェーンケース15内上部のスプロケット及びそれに掛装されたチェーン等を経て伝達されるようになっており、これによって爪軸18が耕耘爪19を矢示A方向(図2参照)に回転させるように回転駆動される。
【0012】前記ベアリングケース25の、ベアリング27とフランジ29との間にはオイルシール33が内嵌され、また、駆動軸28の、フランジ29左側には前記オイルシール33を保護するシールカバー33が外嵌されている。また、ベアリングケース25には、チェーンケース15の裏板15aの外面に取付固定するためのリング状の取付壁35が一体形成され、この取付壁35の外周部には前記シールカバー34及び駆動軸28のフランジ29の外周を全周に亘って覆うように保護カバー部36が突出状に一体形成されている。
【0013】この保護カバー部36は、草、わら等が侵入しないようにフランジ29に近接して設けられる。前記ベアリングケース25には、ベアリング27の外輪直径よりも小径の段部が設けられ、ベアリング27の軸方向右側への移動が防止されている。そして、このベアリング27の軸方向左側への移動は、ストッパー37によって防止されている。前記ストッパー37は、リング状に形成され、前記裏板15aの内側に、前記ベアリングケース取付ボルト26によって、共締めされている。この共締め用のナット38が、ストッパー37に溶接などで固定されている。
【0014】尚、このストッパー37は、スポット溶接などにより、裏板15aに仮止めしておけば、ベアリングケース25等の組み付けが容易になる。なお、前記爪軸18上には耕耘爪19を取付固定するための爪取付ブラケット39が溶接固定されている。また、爪軸18の左右端部には、圃場を耕耘する際に、圃場に在る草、わら等の長い茎が耕耘爪19や爪取付ブラケット39に引っ掛かって連れ廻り、爪軸18側からベアリングケース25の保護カバー部36の外周に亘って前記草等の茎が巻付くのを防止するために、該茎を切断する茎巻付防止装置40(図3参照)が設けられている。
【0015】また、圃場を耕耘する際にチェーンケース15の下部が土に接触することから、チェーンケース15の下部には、プロテクタ41が設けられ、このプロテクタ41の後部側下部には、その側面下部及び下面から後方に延出される延出部42が設けられており、この延出部42によって、ロータリカバー21の側部カバー24の前下部と、チェーンケース15の下部の左右方向内方側の面との間に、草等が挟まって該草等を引きずるのを防止でき、該草等が挟まることによる、耕耘振動の発生及び消費馬力の増加を防止できる。
【0016】また、延長部42は、プロテクタ41から側部カバー24に向かうにしたがって該側部カバー24に接近するように設けられ、チェーンケース15後方の草等の流れを良くしている。なお、サイドフレーム16側にも前記プロテクタ41の延長部42と同様のものが装着されている。図2に示すように、ロータリカバー21の上方側には、主カバー22と後部カバー32とに跨がる弾下装置43が左右一対設けられている。この弾下装置43は、弾下ロッド44を有し、この弾下ロッド44の前端部は、前記サポートアーム14に左右軸まわり回動自在に枢着され、後部は、受部材45に軸心方向移動自在に挿通され、止め輪によって抜止めされる。また、弾下ロッド44には圧縮コイルバネ46が套嵌され、このコイルバネ46の後端は受部材45に接当し、前端はストッパ47に接当している。
【0017】受部材45は、後部カバー23の背面に立設されたブラケット48に左右軸廻りに回動自在に支持されている。図4、5に示す如く、前記受部材45の上部には上方突出状の突出部49が形成されると共に、弾下ロッド44に直交する収納凹部50が下方から形成されている。この収納凹部50の弾下ロッド44より上方側には、ロックピン51と、このロックピン51を弾下ロッド44に向けて付勢する第1バネ52とが組込まれている。
【0018】前記ロックピン51は下部の頭部53と、上部の軸部54とからなり、頭部53は下部前面側に傾斜状のガイド面55を有する円柱状に形成されており、弾下ロッド44の上部に軸心方向の適宜間隔をおいて形成された係合孔56に対して挿脱自在である。前記ロックピン51の軸部54は、突出部49から上方に突出しており、この突出部分の上端部に、スプリングピン57によって上方への抜け止めがされた平座金58が設けられ、この平座金58の下面と前記突出部49の上面間に、第2バネ59が介在されている。
【0019】前記第2バネ59の方が第1バネ52より強くされている。従って、ロックピン51は、第2バネ59によって上方に移動し、ロッド44の係合孔56との係合は解除される。前記受部材45の上部には、左右一対のブラケット60が設けられ、該ブラケット60間に、支軸61を介して操作レバー62が前後方向回動自在に取付けられている。この操作レバー62は、側面視がL形に形成され、かつ、左右の側壁63と連結壁64とから断面U字形に形成され、左右の側壁63の縁部が、前記平座金58の上面に当接している。操作レバー62の当接部は、互いに直交する第1当接面65と第2当接面66とから構成され、第1当接面65は、前記支軸61より遠くに位置し、第2当接面66は、支軸61に近く位置している。支軸61を介して当接面とは反対側が手で握る操作部67とされている。
【0020】図4に示す如く、操作レバー62の操作部67を下げると、第1当接面65が平座金58を押圧し、第2バネ59が縮み、第1バネ52が伸び、ロックピン51は降り、後部カバー23を上げていくと自動的にロックする。操作レバー62を上げると、第2当接面66が平座金58に当接することになり、第2バネ59が伸び、第1バネ52が縮んで、ロックピン51が上がろうとするが、後部カバー23の重量でロックピン51とロッド44とがロックされた状態を維持する。そこで、後部カバー23を少し持ち上げると、ロックピン51と係合孔56とのロック状態が解除され、ロックピン51が上がり、後部カバー23を自由に動かすことができる。
【0021】このように、操作レバー62とロックピン51との間に、第2バネ59を介在させて、操作レバー62を操作しても、ロックピン51が直接動かず、ロックピン51のスラスト荷重を抜いたとき、ロックピン51が動くようにしたので、ロックピン51のロック解除が自動的に行われる。図6に示すものは、トラクターのエンジン回転数にかかわらず、ロータリ耕耘機の回転数を任意に設定できるようにしたものである。即ち、図2に示すトラクタのPTO軸4からユニバーサルジョイントを介してロータリ耕耘機に動力を伝達するものでは、PTO軸4の回転数によって爪軸18の回転数が決まっていた。そこで、爪軸18の回転数を任意に設定できるようにしたのが、図6に示すものである。
【0022】即ち、トラクタ側に油圧ポンプ68を設け、ロータリ耕耘機12側に油圧モータ69を設け、両者を油圧ホース70で連結している。前記油圧ポンプ68としては、可変容積型ポンプが使用されている。この油圧ポンプ68は、PTO軸4から動力を得るように取り付けられている。油圧モータ69の出力軸は、ギヤケース13の入力軸に結合されている。油圧ポンプ68の流量を可変とすることにより、爪軸18の回転数を任意に変えることができる。また、トラクターとロータリ耕耘機12とは、油圧ホース70で連結されているので、従来のユニバーサルジョイントで連結するものに比べ、ロータリー耕耘機12のトラクターに対する姿勢の自由度が高くなる。
【0023】図7に示すものは、油圧モータ69の出力軸を爪軸18の軸方向と平行に成るように配置したものであり、チェーンケース15の上部スプロケットに直結されている。なお、本発明は、上記実施の態様に示したものに限定されるものではない。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、ロータリ耕耘爪軸の左右両端部がベアリングケースに収納されたベアリングにより回転自在に支持され、前記ベアリングケースがチェーンケースにベアリングケース取付ボルトにより取り付けられているロータリ耕耘機において、前記ベアリングケースから前記ベアリングが抜け出すのを防止するストッパーが、前記ベアリングケース取付ボルトにより共締めされているので、従来の溶接構造に比べ、チェーンケースの歪みが生じなくなり、油漏れが防止される。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成13年3月26日(2001.3.26)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開2002−281802(P2002−281802A)
【公開日】 平成14年10月2日(2002.10.2)
【出願番号】 特願2001−88618(P2001−88618)