| 【発明の名称】 |
作業機のセンサ零点補正装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】梅本 享
【氏名】福本 俊也
【氏名】仲井 章平
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| 【要約】 |
【課題】常に動くトラクタでも角速度センサを精度良く零点補正して、角速度センサと傾斜センサとによる応答性と精度の良いローリング制御を実現する。
【解決手段】傾斜センサ15と廉価な角速度センサ23とに基づいて、耕耘装置4のローリング制御手段24を設けたトラクタにおいて、角速度センサ23で検出されるサンプリング出力値の複数を記憶する記憶手段25と、記憶された複数のサンプリング出力値から演算処理して平均値を零点とする零点制御手段26と、機体21の姿勢安定度の高低を判別する判別手段Hとを備え、機体21の姿勢安定度が高いと零点制御手段26を作動させ、機体21の姿勢安定度低いときには零点制御手段26を作動させない補正手段28を制御装置22に設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 対地作業装置をローリング自在に走行機体に連結し、前記対地作業装置を前記走行機体に対してローリング駆動するアクチュエータと、前記走行機体又は前記対地作業装置の左右傾斜角度を検出する傾斜センサと、前記走行機体又は前記対地作業装置の左右傾斜方向の角速度を検出する角速度センサとを備えるとともに、前記傾斜センサと前記角速度センサとの双方の検出値に基づいて、前記対地作業装置の左右方向姿勢が設定角度に維持されるように前記アクチュエータを作動させるローリング制御手段を設けてある作業機のセンサ零点補正装置であって、前記角速度センサによって検出されるサンプリング出力値の複数を記憶するとともに、その記憶された複数のサンプリング出力値に基づいて演算処理された平均値を零点とする零点制御手段と、前記走行機体の姿勢安定度の高い低いを判別する判別手段とを備え、前記走行機体の姿勢安定度が所定の安定度よりも高いときには前記零点制御手段を作動させ、前記走行機体の姿勢安定度が所定の安定度未満であるときには前記零点制御手段を作動させないように機能する補正手段を設けてある作業機のセンサ零点補正装置。 【請求項2】 前記判別手段が、前記走行機体の走行速度を検出する車速センサであり、前記補正手段は、走行速度が所定値以上であるときには前記零点制御手段を作動させ、走行速度が所定値未満であるときには前記零点制御手段を作動させないように機能するものに構成されている請求項1に記載の作業機のセンサ零点補正装置。 【請求項3】 前記判別手段が、走行用クラッチ又は走行用変速機構であり、前記補正手段は、前記走行用クラッチが切り又は前記走行用変速機構が所定の変速位置よりも低速側に操作されているときには前記零点制御手段を作動させ、前記走行用クラッチが入り又は前記走行用変速機構が所定の変速位置にあるとき、及び所定の変速位置よりも高速側に操作されているときには前記零点制御手段を作動させないように機能するものに構成されている請求項1に記載の作業機のセンサ零点補正装置。 【請求項4】 前記判別手段が、走行の発進及び停止を司る発停操作手段であり、前記補正手段は、前記発停操作手段が停止操作されてから第1所定時間が経過した後であり、かつ、その後に前記発停操作手段が発進操作されたときから第2所定時間遡ったときまでの間である安定時間域では前記零点制御手段を作動させ、前記安定時間域以外のときには前記零点制御手段を作動させないように機能するものに構成されている請求項1に記載の作業機のセンサ零点補正装置。 【請求項5】 前記判別手段が前記角速度センサであり、前記補正手段は、前記角速度センサの出力値が所定値以下であるときには前記零点制御手段を作動させ、前記角速度センサの出力値が所定値より大きいときには前記零点制御手段を作動させないように機能するものに構成されている請求項1に記載の作業機のセンサ零点補正装置。 【請求項6】 前記判別手段が前記傾斜センサであり、前記補正手段は、前記傾斜センサの出力値が所定値以下であるときには前記零点制御手段を作動させ、前記傾斜センサの出力値が所定値より大きいときには前記零点制御手段を作動させないように機能するものに構成されている請求項1に記載の作業機のセンサ零点補正装置。 【請求項7】 前記判別手段が、走行に関するアクチュエータ以外の非走行用アクチュエータであり、前記補正手段は、前記非走行用アクチュエータが作動していないときには前記零点制御手段を作動させ、前記非走行用アクチュエータが作動しているときには前記零点制御手段を作動させないように機能するものに構成されている請求項1に記載の作業機のセンサ零点補正装置。 【請求項8】 前記判別手段が、操向輪の切れ角を検出する切れ角センサであり、前記補正手段は、操向輪の切れ角が所定角度以下であるときには前記零点制御手段を作動させ、前記操向輪の切れ角が所定角度より大であるときには前記零点制御手段を作動させないように機能するものに構成されている請求項1に記載の作業機のセンサ零点補正装置。 【請求項9】 前記判別手段が、前記走行機体又は前記対地作業装置を操るアクチュエータに対する操作手段であり、前記補正手段は、前記操作手段に前記アクチュエータを作動させるための操作入力が無いときには前記零点制御手段を作動させ、前記操作手段に前記アクチュエータを作動させるための操作入力が有るときには前記零点制御手段を作動させないように機能するものに構成されている請求項1に記載の作業機のセンサ零点補正装置。 【請求項10】 前記走行機体の走行速度を検出する車速センサを設け、走行速度が速いほど前記所定値を大きくし、走行速度が遅いほど前記所定値を小さくする第1閾値変更手段を設けてある請求項5又は6に記載の作業機のセンサ零点補正装置。 【請求項11】 前記走行機体の走行速度を検出する車速センサを設け、走行速度が速いほど前記所定値を小さくし、走行速度が遅いほど前記所定値を大きくする第2閾値変更手段を設けてある請求項8に記載の作業機のセンサ零点補正装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタ、田植機、直藩機といった作業機のセンサ零点補正装置に係り、詳しくは、温度やその他の諸条件変化によってドリフトする角速度センサの零点を、作業機の作動中においても正確に求めることができる技術に関するものである。 【0002】 【従来の技術】トラクタ等の作業機における対地作業装置のローリング制御においては、作業装置の変位検出手段として傾斜センサと角速度センサとの双方のセンサを用いることにより、応答性が良く、誤作動も先ず無い正確で精度の良い制御作動を行えることが知られている。 【0003】即ち、特開平2−216412号公報にて示されたように、重錘と、この重錘の揺動量を検出するポテンショメータ等から成る傾斜センサ(低速度反応センサ)、及び光式ジャイロ等で成る角速度センサ(高速度反応センサ)の双方のセンサを用いてローリング制御装置を構成したものである。これにより、慣性の影響を受けず、応答性に優れる角速度センサと、検出時点での絶対傾斜角は検出できない角速度センサの欠点を補う傾斜センサとを組み合わせて、ダンパーやフィルターを設けること無く正確迅速にローリング制御が行え、対地作業精度の向上を図ることができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】即ち、振動式等のジャイロセンサによる角速度出力dθj/dtを積分することにより、センサ筐体の横揺れの影響を受けない傾斜角度変化θjを得ることができる。但し、ジャイロセンサは角度変化しか検知できないので、絶対角度の検知には傾斜センサが必要である。車体が十分長時間停止すると実際の傾斜角θはθrに収束して傾斜センサの値がトラクタの傾斜角度として出力される。車体が傾斜変化すると実際の傾斜角θにθjが加算され、横揺れの影響を受けない応答の良い傾斜角度を検出することができる。 【0005】ところが、上記のように2種のセンサによるローリング制御においても、依然として解決すべき問題があった。それは、角速度センサは温度変化等によって零点(基準電圧等)が容易にドリフトすることであり、そうなると正確なローリング制御が行えなくなる。例えば、ジャイロセンサは角速度を基準電圧からの偏差として出力するが、基準電圧には固体差や温度変化があるため、前述の角速度出力dθj/dtは常に大きな誤差を含んでおり、傾斜角度変化θjを得るための積分処理によって誤差が蓄積し、実際の傾斜角θが時間と共にずれて行くのである(図3参照)。 【0006】基準電圧を固体差に対応させるには、機体静止時の電圧を平均して基準電圧に置き換える処理を行えば良く、加えてその処理を定期的に行えば温度変化にも対応させることができる。しかしながら、トラクタのような作業機は連続作業が多くて静止時間を確保できないので、前述のような処理が非常に困難であった。 【0007】本発明の目的は、トラクタのように常に作動している状態の作業機でも、温度変化等によってドリフトする角速度センサの零点補正を精度良く行えるようにして、角速度センサと傾斜センサとを用いた応答性及び精度の良いローリング制御を実質的に実現できるようにする点にある。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1の構成は、対地作業装置をローリング自在に走行機体に連結し、対地作業装置を走行機体に対してローリング駆動するアクチュエータと、走行機体又は対地作業装置の左右傾斜角度を検出する傾斜センサと、走行機体又は対地作業装置の左右傾斜方向の角速度を検出する角速度センサとを備えるとともに、傾斜センサと角速度センサとの双方の検出値に基づいて、対地作業装置の左右方向姿勢が設定角度に維持されるようにアクチュエータを作動させるローリング制御手段を設けてある作業機のセンサ零点補正装置であって、角速度センサによって検出されるサンプリング出力値の複数を記憶するとともに、その記憶された複数のサンプリング出力値に基づいて演算処理された平均値を零点とする零点制御手段と、走行機体の姿勢安定度の高い低いを判別する判別手段とを備え、走行機体の姿勢安定度が所定の安定度よりも高いときには零点制御手段を作動させ、走行機体の姿勢安定度が所定の安定度未満であるときには零点制御手段を作動させないように機能する補正手段を設けてあることを特徴とする。 【0009】前述したように、トラクタ等の作業機は基本的に不整地を走行するものであるから、静止時のサンプリング出力値を平均化して精度の良い零点を求めることは先ず不可能である。しかしながら、走行機体が常に左右にローリングしているとは言え、一方向に回転(即ち横転)するということは無く、常に水平姿勢に向けて復帰しつつ左右傾斜しているとともに、地面状況によっては殆どローリングや左右傾斜すること無く走行するとか、作業によっては極低速走行することになって、安定した姿勢を暫く保てるという場合がある。 【0010】故に、作業中であっても、作業機の姿勢が比較的安定していればサンプリングによる零点補正が可能であるといえる。この考えに基づいて想起された請求項1の構成によれば、補正手段の機能により、走行機体の姿勢安定度が所定の安定度よりも高いときには零点制御手段が作動し、走行機体の姿勢安定度が所定の安定度未満であるときには零点制御手段を作動しないように制御されるので、走行中や耕耘中のトラクタや代掻き中の田植機といった対地作業中の作業機であっても、姿勢が安定化した時点で自動的に零点補正されるようになり、角速度センサと傾斜センサとによる精度に優れるローリング制御が可能になる。 【0011】請求項2の構成は、請求項1の構成において、判別手段が、走行機体の走行速度を検出する車速センサであり、補正手段は、走行速度が所定値以上であるときには零点制御手段を作動させ、走行速度が所定値未満であるときには零点制御手段を作動させないように機能するものに構成されていることを特徴とするものである。 【0012】請求項2の構成によれば、走行機体の姿勢安定度の高い低いを判別する判別手段を車速センサとしたものである。荒れ地を作業走行している場合であっても、走行速度が十分遅ければ、単位時間当たりの横揺れ等の姿勢変化が小さく(穏やか)、姿勢安定度が高いと言えるから、サンプリング時間に対する姿勢変化が実質的にない又は殆どないこととなり、平均化による角速度センサの零点補正を行うことが可能になる。そして、走行速度が所定速度以上になれば横揺れ等の姿勢変化が大きい又は生じ易いという状態、即ち姿勢安定度が低くなるので、この場合にはサンプリング出力値の変動が大きくなるので補正制御が行われないようになる。 【0013】請求項3の構成は、請求項1の構成において、判別手段が、走行用クラッチ又は走行用変速機構であり、補正手段は、走行用クラッチが切り又は走行用変速機構が所定の変速位置よりも低速側に操作されているときには零点制御手段を作動させ、走行用クラッチが入り又は走行用変速機構が所定の変速位置にあるとき、及び所定の変速位置よりも高速側に操作されているときには零点制御手段を作動させないように機能するものに構成されていることを特徴とするものである。 【0014】請求項3の構成によれば、走行機体の姿勢安定度の高い低いを判別する判別手段を走行用クラッチ又は走行用変速機構としたものである。走行用クラッチが切りであるとか、走行用変速機構が伝動遮断状態又は低速伝動状態に操作されているときは、機体が走行していないか又は極低速での走行状態であって、横揺れ等がなく又は殆どなく走行機体の姿勢安定度が高いと言えるから、サンプリング時間に対する姿勢変化が実質的にない又は殆どないこととなり、平均化による角速度センサの零点補正を行うことが可能になる。 【0015】そして、走行用クラッチが入りであるとか、走行用変速機構が伝動状態又は所定の変速段より高速側の変速段に操作されているときは、機体が走行している又は比較的速く走行している状態であって、横揺れ等が起き易く姿勢安定度が低いと言えるから、この場合にはサンプリング出力値の変動が大きくなるので補正制御が行われないようになる。 【0016】請求項4の構成は、請求項1の構成において、判別手段が、走行の発進及び停止を司る発停操作手段であり、補正手段は、発停操作手段が停止操作されてから第1所定時間が経過した後であり、かつ、その後に発停操作手段が発進操作されたときから第2所定時間遡ったときまでの間である安定時間域では零点制御手段を作動させ、安定時間域以外のときには零点制御手段を作動させないように機能するものに構成されていることを特徴とする。 【0017】請求項4の構成によれば、次のような作用がある。一般に作業機では、走行用クラッチを切るとか、走行変速機構を中立にするといった停止操作を行っても、即停止するのではなく、慣性によって暫く減速走行してから停止するようになる。そして、発進操作を行っても、即所定速度で走行するのではなく、若干の加速状態を経てから所定速度での走行状態になるから、例えば、走行状態か否かのセンサにおけるセンシング速度に達して、「走行状態である」と判断される時以前でも走行状態が存在すると言える。 【0018】従って、発停操作手段が停止操作されてから第1所定時間が経過した後であり、かつ、その後に発停操作手段が発進操作されたときから第2所定時間遡ったときまでの間である安定時間域では、走行機体が確実に停止又は低速走行状態であること、即ち、姿勢安定状態であって零点制御手段を作動させるに相応しい状況であり、角速度センサの良好な零点補正が行えるようになる。そして、安定時間域以外のときには、走行しているか又は所定速度以上で走行している状態、即ち、姿勢不安定状態であって零点制御手段を作動させるに相応しくない状況であり、零点補正葉行われない。 【0019】請求項5の構成は、請求項1の構成において、判別手段が角速度センサであり、補正手段は、角速度センサの出力値が所定値以下であるときには零点制御手段を作動させ、角速度センサの出力値が所定値より大きいときには零点制御手段を作動させないように機能するものに構成されていることを特徴とするものである。 【0020】請求項5の構成によれば、判別手段が角速度センサを兼用するものであり、その出力値が所定値以下であるときには、横揺れ等がなく又は小さく走行機体の姿勢安定度が高いと言えるから、サンプリング時間に対する姿勢変化が実質的にない又は殆どないこととなり、平均化による角速度センサの零点補正を行うことが可能になる。そして、角速度センサの出力値が所定値より大きいときには、横揺れ等が大きく姿勢安定度が低いと言えるから、この場合にはサンプリング出力値の変動が大きくなるので補正制御が行われないようになる。 【0021】請求項6の構成は、請求項1の構成において、判別手段が傾斜センサであり、補正手段は、傾斜センサの出力値が所定値以下であるときには零点制御手段を作動させ、傾斜センサの出力値が所定値より大きいときには零点制御手段を作動させないように機能するものに構成されていることを特徴とするものである。 【0022】請求項6の構成においては、判別手段が傾斜センサを兼用するものであり、その出力値が所定値以下であるときには、走行機体の姿勢が水平に近い状態のことであって姿勢安定度が高いと言えるから、サンプリング時間に対する姿勢変化が実質的にない又は殆どないこととなり、平均化による角速度センサの零点補正を行うことが可能になる。そして、傾斜センサの出力値が所定値より大きいときには、走行機体ガ大きく傾いているときであって姿勢安定度が低いと言えるから、この場合にはサンプリング出力値の変動が大きくなるので補正制御が行われないようになる。 【0023】請求項7の構成は、請求項1の構成において、判別手段が、走行に関するアクチュエータ以外の非走行用アクチュエータであり、補正手段は、非走行用アクチュエータが作動していないときには零点制御手段を作動させ、非走行用アクチュエータが作動しているときには零点制御手段を作動させないように機能するものに構成されていることを特徴とする。 【0024】請求項7の構成によれば、次のような作用がある。非走行用アクチュエータとしては、作業装置の昇降用油圧シリンダや、ローリング用シリンダ等であるが、そのようなアクチュエータが作動していないときとは、作業装置の姿勢制御を行っていないとき、即ち、姿勢が安定しているときであるから、そのときには零点制御手段を作動させて精度の良い零点補正を行う。そして、非走行用アクチュエータが作動しているときとは、作業装置の姿勢制御を行っているとき、即ち、姿勢が安定していないときであるから、そのときには零点補正されないよう零点制御手段を作動しないのである。 【0025】請求項8の構成は、請求項1の構成において、判別手段が、操向輪の切れ角を検出する切れ角センサであり、補正手段は、操向輪の切れ角が所定角度以下であるときには零点制御手段を作動させ、操向輪の切れ角が所定角度より大であるときには零点制御手段を作動させないように機能するものに構成されていることを特徴とするものである。 【0026】請求項8の構成によれば、判別手段が、操向輪の切れ角を検出する切れ角センサであり、切れ角センサの出力値が所定値以下であるときには、遠心力が小さくて横揺れ等が小さい又は生じ難いという状態、即ち姿勢安定度が高いから、この場合には零点制御手段を作動させて精度良く零点補正を行わせる。そして、切れ角センサの出力値が所定値より大きいときには、遠心力が大きくて横揺れ等が大きい又は生じ易いという状態、即ち姿勢安定度が低いから、この場合には零点補正されないよう零点制御手段を作動しないのである。 【0027】請求項9の構成は、請求項1の構成において、判別手段が、走行機体又は対地作業装置を操るアクチュエータに対する操作手段であり、補正手段は、操作手段にアクチュエータを作動させるための操作入力が無いときには零点制御手段を作動させ、操作手段にアクチュエータを作動させるための操作入力が有るときには零点制御手段を作動させないように機能するものに構成されていることを特徴とするものである。 【0028】請求項9の構成によれば、次のような作用がある。操向用油圧シリンダ等の走行機体を操るアクチュエータや、ローリングシリンダ等の対地作業装置を操るアクチュエータが作動していないときは、機体の姿勢変化が生じない又は生じ難い状態、即ち姿勢安定度が高いから、この場合には零点制御手段を作動させて精度良く零点補正を行わせる。そして、前述のアクチュエータが作動しているときは、機体の姿勢変化が生じている又は生じ易い状態、即ち姿勢安定度が低いから、この場合には零点補正されないよう零点制御手段を作動しないのである。 【0029】請求項10の構成は、請求項5又は6の構成において、走行機体の走行速度を検出する車速センサを設け、走行速度が速いほど所定値を大きくし、走行速度が遅いほど所定値を小さくする第1閾値変更手段を設けてあることを特徴とする。 【0030】請求項10の構成によれば、次のような作用がある。即ち、角速度センサ又は傾斜センサを判別手段とした場合、走行速度が速いときには、地面の小さな起伏や凹凸でも慣性によって検出値は大きくなることから、走行中の殆どが零点補正に相応しくない状況となり、事実上零点補正が不可となる傾向がある。そして、走行速度が遅いときには、地面の起伏や凹凸が比較的大きくても、姿勢変化は穏やかになることから、走行中の殆どが零点補正に相応しい状況となり、いつでも零点補正が行えるような傾向になる。 【0031】しかして、走行速度が速いほど所定値を大きくするようにすれば、零点補正できるに相応しい状況の割合が増えて、実質的に零点補正できるようになる。この場合、姿勢変化が寄り大きい状況での零点補正となって補正精度的には芳しくない状態のものも含まれるようになるが、零点補正の応答速度は素早くなる。そして、走行速度が遅いほど所定値を小さくするようにすれば、零点補正できるに相応しい状況の割合は現象するが、その分姿勢変化のより少ない状況での零点補正となって補正精度は向上するようになる。つまり、速度の速いときには制御の応答性が向上し、速度の遅いときには制御精度が向上するようになる。 【0032】請求項11の構成は、請求項8の構成において、走行機体の走行速度を検出する車速センサを設け、走行速度が速いほど所定値を小さくし、走行速度が遅いほど所定値を大きくする第2閾値変更手段を設けてあることを特徴とする。 【0033】請求項11の構成によれば、次のような作用がある。即ち、切れ角センサを判別手段とした場合、走行速度が速いときには、少しの切れ角でも遠心力は大きくなり、走行機体のロールが大きくなるとともに、走行速度が遅いときには、大なる切れ角でも遠心力は小さくなるから、【0034】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は作業機の一例である農用トラクタの後部を示しており、ミッションケース3に、上下揺動自在なトップリンク1と左右一対のロアリンク2を介して、走行機体21に対してローリング自在にロータリ耕耘装置(対地作業装置の一例)4を連結してある。ミッションケース3の上部に、油圧シリンダ5により上下に揺動駆動される一対のリフトアーム6が備えられ、一対のリフトアーム6とロアリンク2とがリフトロッド7、及び複動型の油圧シリンダ8を介して連結されている。19は左右一対の駆動後輪である。 【0035】図2に示すように、油圧シリンダ5に対する3位置切換式の制御弁16が制御装置22により操作されて、油圧シリンダ5及びリフトアーム6によりロータリ耕耘装置4が昇降駆動される。ローリングシリンダである油圧シリンダ8に対する3位置切換式の制御弁17が制御装置22により操作されて、油圧シリンダ8の伸縮作動によりロータリ耕耘装置4が、油圧シリンダ8とは反対側のロアリンク2との連結点周りにローリング駆動される。 【0036】この農用トラクタは、ロータリ耕耘装置4を地面から設定高さに維持し耕耘深さを設定値に維持する昇降制御手段29、走行機体21に対するロータリ耕耘装置4の高さを設定位置に維持するポジション制御手段30、並びに、水平面に対するロータリ耕耘装置4の左右方向の傾斜角度を設定角度に維持するローリング制御機能が、制御装置22に備えられている。 【0037】図2及び図1に示すように、ロータリ耕耘装置4に上下揺動自在に後部カバー9が備えられ、バネ18により後部カバー9が下方側に付勢されて、ロータリ耕耘装置4に対する後部カバー9の上下揺動角度を検出する耕深センサ10が備えられており、耕深センサ10の検出値が制御装置22に入力されている。これにより昇降制御手段29によって、耕深センサ10の検出値が、走行機体21に設けられたダイヤル操作式でポテンショメータ型式の耕深設定器11の設定耕耘深さとなるように、制御弁16が操作されて、油圧シリンダ5によりロータリ耕耘装置4が自動的に昇降駆動される。 【0038】図2及び図1に示すように、走行機体21に対するリフトアーム6の上下角度を検出する角度センサ13が、リフトアーム6の基部に備えられており、角度センサ13の検出値が制御装置22に入力されている。これによりポジション制御手段30によって、角度センサ13の検出値が走行機体21に設けられたレバー操作式のポジション設定器12の目標値となるように、制御弁16が操作されて、油圧シリンダ5によりリフトアーム6が上下に揺動駆動される。 【0039】前述の昇降制御手段29及びポジション制御手段30において、耕深設定器11の設定耕耘深さに対応する角度センサ13の検出値と、ポジション設定器12の目標値とが比較されて、ポジション設定器12の目標値の方が高い場合、昇降制御手段29及び後述するローリング制御機能が停止して(油圧シリンダ8が停止した状態)、ポジション制御手段30が作動する。これにより、ポジション設定器12の目標値に角度センサ13の検出値が一致するように、制御弁16が操作されて、油圧シリンダ5によりロータリ耕耘装置4が昇降駆動される。従って、ポジション設定器12を操作することにより、耕深設定器11の設定耕耘深さに対応する角度センサ13の検出値よりも高い範囲で、ロータリ耕耘装置4を走行機体21に対して任意の高さに昇降駆動し停止させることができる。 【0040】次にポジション設定器12を下降側に操作して、ポジション設定器12の目標値が、耕深設定器11の設定耕耘深さに対応する角度センサ13の検出値に一致すると(又は低くなると)、ポジション制御手段30が停止し、昇降制御手段29及びローリング制御機能が作動する。これにより、昇降制御手段によって耕深センサ10の検出値が耕深設定器11の設定耕耘深さとなるように、制御弁16が操作されて、油圧シリンダ5によりロータリ耕耘装置4が自動的に昇降駆動される。後述するようにローリング制御機能によって、水平面に対して左右方向に傾斜(又は水平面に平行)した設定角度に、水平面に対するロータリ耕耘装置4の左(右方向の傾斜角度が維持されるように、制御弁17が操作されて、油圧シリンダ8によりロータリ耕耘装置4がローリング駆動される。 【0041】図1、図2に示すように、この農用トラクタでは、水平面に対して左右方向に傾斜(又は水平面に平行)した設定角度に、水平面に対するロータリ耕耘装置4の左右方向の傾斜角度が維持されるように、ロータリ耕耘装置4をローリング駆動するローリング制御手段24を備えてある。ロータリ耕耘装置4の左右方向の設定角度を設定するダイヤル式の傾斜設定器20を備えてあり、これは水平位置から右下り側及び左下り側に、任意に且つ連続的に設定角度を設定及び変更することができるように構成されている。 【0042】即ち、走行機体21の左右傾斜角度を検出する重錘式の傾斜センサ15と、走行機体21の左右傾斜方向の角速度を検出する振動ジャイロ式の角速度センサ23と、油圧シリンダ8の作動位置を検出するストロークセンサ14とを備えてあり、ローリングシリンダ8の作動位置によって機体21に対するロータリ耕耘装置4の左右傾斜角度が検出できるので、傾斜センサ15と角速度センサ23との双方の検出値に基づいて、ロータリ耕耘装置4の左右方向姿勢が傾斜設定器20による設定角度に維持されるように油圧シリンダ8を作動させるローリング制御手段24を制御装置22に設けてある。 【0043】そして、温度等の諸条件によってドリフトする角速度センサ23の零点を時間経過に伴って更新して補正するセンサ零点補正装置Zを設けてある。即ち、角速度センサ23によって検出されるサンプリング出力値の複数を記憶する記憶手段25と、記憶された複数のサンプリング出力値に基づいて演算処理された平均値を零点とする零点制御手段26と、走行機体21の姿勢安定度の高い低いを判別する判別手段Hとを備え、走行機体21の姿勢安定度が所定の安定度よりも高いときには零点制御手段26を作動させ、走行機体21の姿勢安定度が所定の安定度未満であるときには零点制御手段26を作動させないように機能する補正手段28を設けてある。 【0044】図2に示すように、後輪19(図1参照)と前輪31への伝動軸32の回転数を検出して、走行機体21の走行速度を検出する車速センサ27を備えてあり、この車速センサ27と、これの検出情報を処理する判別回路33によって姿勢判別手段Hが構成されている。即ち、走行速度が所定速度よりも速いときには走行機体21の姿勢安定度が低く、走行速度が所定速度以下であるときには走行機体21の姿勢安定度が高いと判断されるようになっている。つまり、角速度センサ23の零点補正は、トラクタの走行速度が所定速度以下のときに行われ、所定速度より速くなると零点補正は保留されるようになる。尚、所定速度は、角速度センサの仕様や種類、トラクタの有効走行速度範囲、ロータリ耕耘装置4の仕様や種類等の各種緒言に基づいて適宜に設定される。 【0045】零点制御手段26と補正手段28との演算処理による第1誤差補償(零点補償)G1は、次のようである。即ち、図3に示すように、平均間隔内で発生するノイズを完全に除去するべく一定間隔平均処理と、適応LPFとを行う。一定間隔平均処理は、1000Hzでサンプリングした10msec分のデータ(10個)を足し算し、データ列aとする。そして、1secごとにデータ列aの平均を計算し、データ列bとする。 【0046】適応LPF(ローパスフィルタ)は、平均処理の度に以下のLPF処理で基準電圧を更新する。 新基準電圧=(1秒間の平均値×α+旧基準電圧×β)÷(α+β) 十分に平滑化することで零点を出力する(現在はα=1、β=199に設定)。但し、α、βは条件によって可変にするものであり、例えば、メインキーON直後や温度上昇時等、基準電圧が変動し易いときはαを大きくして変動への追従性を重視し、変動が安定する条件ではαを小さくして計算の正確さを重視する。又、旋回中や大きな傾斜変化時には処理を中断し、誤った基準電圧を計算しないようにする。 【0047】第1誤差補償G1で全ての誤差を除去することはできないので、さらにセンサの直線性にも誤差があり、積分処理による誤差の蓄積をなくすことはできない。そこで、一旦蓄積された誤差を取り除くため、傾斜設定器20で設定された目標傾斜角θに傾斜センサ15による検出傾斜角θrとの偏差をフィードバックする第2誤差補償G2を行う。ここで、フィードバック係数K2を十分に小さく設定することができれば、機体停止時にθ=θrとなって傾斜センサ15と同等の絶対精度が確保され、傾斜変化時には横揺れの影響を受けない応答性の良い傾斜角度を出力できる。逆にK2が大きいと、θrの補償が効き過ぎて傾斜センサ15の出力値と変わらなくなってしまう。 【0048】ここでK2は蓄積される誤差に応じて設定する必要があるので、精度の良いジャイロセンサを用いるほど、第1誤差補償G1を工夫するほど小さくできる。前述の処理では、0.5%程度で誤差が除去でき、必要性能を満たすに十分小さい値である。しかし、温度変化の激しい条件や、より廉価なジャイロセンサを用いる場合、さらに大きくする必要があり、それによる性能劣化がどの程度になるか評価する必要がある。 【0049】又、K2を可変にすることも望ましい。例えば、停止中や傾斜変化の少ないときはK2を大きくして目標傾斜角θの誤差を速やかに除去し、逆に作業中や傾斜変化の激しいときはK2を小さくして横揺れの影響を抑えて応答性を上げる。さらに、始動直後や温度変化の大きい等ジャイロセンサの誤差が大きくなる条件ではK2を大きくして誤差の除去を重視し、温度が安定したときにはK2を小さくして応答性を重視する。 【0050】参考として、図13〜図15に、台上でトラクタを傾斜させたときの各センサ15,23の検出作動テスト結果を示す。台上テストの概略は、図16に示すように、後輪19,19を乗せる載置台41,41のうちの一方の載置台41を、信号発生装置42と制御装置43と昇降駆動機構44とで成る昇降テスト設備Tによって、所定の周期、昇降量、昇降速度でもって昇降移動させる、というものである。 【0051】図13は、片側の載置台41を2秒間で2度変化するように上昇及び下降させた場合における、傾斜センサ15と角速度センサ23の変化特性を示したものである。これによると、角速度センサ23は殆ど時間遅れなく変化しているとともに、ややずれがあるものの載置台41(即ちトラクタ)とほぼ同じようにローリング動しているに対して、傾斜センサ15は、0.5秒ほどの時間遅れを伴って変化しており、かつ、上昇移動開始時、及び下降移動開始時には慣性によって一時的に逆方向の動きとして検出していることが理解できる。 【0052】図14は、図13の場合よりも明確に昇降速度を速めたものであり、片側の載置台41を0.5秒間で2度変化するように下降及び上昇させた場合における、傾斜センサ15と角速度センサ23の変化特性を示したものである。これによると、傾斜センサ15は、下降並びに上昇開始時に約1度逆方向に出力してしまっているとともに、昇降停止時にもオーバーシュートしている。これに対して角速度センサ23は、やはり載置台41(即ちトラクタ)の動きに追従していることが分かる。角速度センサ23に、若干のオーバーシュートが見られるが、これはおそらくは実際にトラクタ機体21がオーバーシュート(慣性により、下降終了時には後輪19が沈み込み、上昇終了時には飛び上がっている)しているものと思われる。 【0053】図15は、さらに昇降速度を速めたもので、片側の載置台41を0.5秒間で3度変化するように上昇及び下降させた場合における、傾斜センサ15の出力変化特性をラインzで、角速度センサ23の出力変化特性をラインyで、これら両センサ15,23の出力を総合しての本発明によるローリング制御手段24によるストロークセンサ14の出力変化特性(即ちロータリ耕耘装置4の傾斜姿勢)をラインxで、及び従来のストロークセンサの出力をラインwで夫々示してある。 【0054】これにおいても、角速度センサ23は良好な追従性を示すので、絶対傾斜角度の検出として機能する傾斜センサ15の顕著なオーバーシュートに拘らずに、ローリング制御全体としては逆方向に検出することが無く、素早い応答性を発揮して、ロータリ耕耘装置4は常に目標設定角度(水平)の±1度以内に保持されており、従来のローリング制御よりも明らかに優れていることが理解できる。 【0055】〔別実施形態〕センサ零点補正装置Zは、以下《1》〜《9》に記載した構成のものでも良い。これらの別実施形態は、図2に示す本実施形態との相違点のみ説明する。 【0056】《1》図4に示すように、判別手段Hが、走行用クラッチ36を操作するクラッチペダル34の入り切りを検出するクラッチスイッチ35であり、補正手段28は、クラッチペダル34が踏み込まれて走行用クラッチ36が切りとなったときに零点制御手段26を作動させ、クラッチペダル34の踏み込みが解除されて走行用クラッチ33が入りとなったときには零点制御手段26を作動させないように機能するものに構成されている。走行用クラッチ36に代えて、走行用変速機構(図示省略)としても良く、その場合の補正手段28は、走行用変速機構が所定の変速位置よりも低速側に操作されているときには零点制御手段26を作動させ、所定の変速位置にあるとき及び所定の変速位置よりも高速側に操作されているときには零点制御手段26を作動させないように機能する。 【0057】《2》図5に示すように、判別手段Hが、走行用クラッチ36の操作手段(走行の発進及び停止を司る発停操作手段の一例)37であり、補正手段28は、クラッチ操作手段37が停止操作されてから第1所定時間が経過した後であり、かつ、その後に発停操作手段37が発進操作されたときから第2所定時間遡ったときまでの間である安定時間域では零点制御手段26を作動させ、安定時間域以外のときには零点制御手段26を作動させないように機能するものに構成されている。 【0058】第1所定時間を司る第1タイマー38は、クラッチスイッチ35が切りとなった時点から作動し、第2所定時間を司る第2タイマー39は、クラッチスイッチ35が入りとなった時点から作動するようになっている。この場合、零点補正のためのサンプリングは、第1タイマー38の作動開始から、少なくともクラッチスイッチ35が入りとなる時点までの間中続行され、その後に第2タイマー39によるサンプリング終了から第2所定時間遡る時間域のものが削除されるように機能する。 【0059】《3》図6に示すように、判別手段Hが角速度センサ23で兼用させてあり、補正手段28は、角速度センサ23の出力値が所定値以下であるときには零点制御手段26を作動させ、角速度センサ23の出力値が所定値より大きいときには零点制御手段26を作動させないように機能するものに構成されている。 【0060】《4》図7に示すように、判別手段Hが傾斜センサ15であり、補正手段28は、傾斜センサ15の出力値が所定値以下であるときには零点制御手段26を作動させ、傾斜センサ15の出力値が所定値より大きいときには零点制御手段26を作動させないように機能するものに構成されている。 【0061】《5》図8に示すように、判別手段Hが、走行に関するアクチュエータ(操向用のパワーステアリング装置における油圧シリンダや、走行用油圧クラッチのシリンダ等)以外の非走行用アクチュエータの一例であるローリングシリンダ8であり、補正手段28は、ローリングシリンダ8が作動していないときには零点制御手段26を作動させ、ローリングシリンダ8が作動しているときには零点制御手段26を作動させないように機能するものに構成されている。ローリングシリンダ8の作動及び非作動は、ストロークセンサ14の出力をローリング制御用と兼用して制御装置22に入力させることで判断できるようにしてある。 【0062】《6》図9に示すように、判別手段Hが、操向輪31の切れ角を検出する切れ角センサ40であり、補正手段28は、操向輪31の切れ角が所定角度以下であるときには零点制御手段26を作動させ、操向輪31の切れ角が所定角度より大であるときには零点制御手段26を作動させないように機能するものに構成されている。 【0063】《7》図10に示すように、判別手段Hが、ロータリ耕耘装置4を昇降用油圧シリンダ5に対する操作手段、即ち昇降レバー12aであり、補正手段28は、昇降レバー12aに油圧シリンダ5を作動させるための操作入力が無いときには零点制御手段2を作動させ、昇降レバー12aに油圧シリンダ5を作動させるための操作入力が有るときには零点制御手段26を作動させないように機能するものに構成されている。具体的には、ポジション設定器12が判別手段Hを兼用しており、このポジション設定器12が動いていないときにのみ零点制御手段26が作動する。 【0064】《8》図11に示すように、角速度センサ23で判別手段Hを兼用させてある場合(図6参照)において、走行機体21の走行速度を検出する車速センサ27を設け、走行速度が速いほど所定値(角速度センサ23の出力値のうちの、零点制御手段26の作動の有無を判断するための値)を大きくし、走行速度が遅いほど所定値を小さくする第1閾値変更手段45を設けてある。つまり、零点補正が可能となる最大の角速度が、車速センサ27の出力値の大小に比例して大小するようになる手段である。 【0065】《9》図12に示すように、操向輪31の切れ角を検出する切れ角センサ40で判別手段Hが構成されているものにおいて、走行機体21の走行速度を検出する車速センサ27を設け、走行速度が速いほど所定値(切れ角センサ40の出力値のうちの、零点制御手段26の作動の有無を判断するための値)を小さくし、走行速度が遅いほど所定値を大きくする第2閾値変更手段46を設けてある。つまり、零点補正が可能となる最大の切れ角が、車速センサ27の出力値の大小に反比例して大小するようになる手段である。 【0066】《その他》対地作業装置4又は走行機体21の姿勢安定度の高い低いを判別する判別手段Hの他の例としては、対地作業装置4又は機体21の前後傾斜を検出するピッチングセンサや、そのピッチングに関する角速度センサ、対地作業装置4又は機体21の上下方向に関する角速度センサ、アクセルレバー又はペダルの操作量、変速段数(位置)の高低等、種々の変更が可能である。 【0067】 【発明の効果】請求項1に記載の作業機のセンサ零点補正装置では、走行機体の姿勢安定度が所定の安定度よりも高いときには零点制御手段を作動させ、走行機体の姿勢安定度が所定の安定度未満であるときには零点制御手段を作動させないように機能する補正手段を設ける工夫により、元々姿勢変化し易いものである対地作業中の作業機でも、姿勢が安定化した時を見計らって自動的に零点補正されるようになり、廉価な角速度センサと傾斜センサとを用いながら、精度に優れるローリング制御を実現させることができた。 【0068】請求項2に記載の作業機のセンサ零点補正装置では、走行速度の速い遅いによって姿勢変化に差が出ることを利用して判別手段とする工夫により、請求項1の構成による前記効果を奏することができた。 【0069】請求項3に記載の作業機のセンサ零点補正装置では、走行用クラッチ又は走行用変速機構を姿勢安定度の判別手段に用いる工夫により、請求項1の構成による前記効果を奏することができた。 【0070】請求項4に記載の作業機のセンサ零点補正装置では、走行の発進及び停止を司る発停操作手段と、停止時の慣性及び発進時の時差の双方を補正する手段とにより、真に走行が停止しているときに零点補正が行われるようにして、より精度に優れるローリング制御が実現できるようになった。 【0071】請求項5に記載の作業機のセンサ零点補正装置では、角速度センサ出力の大小によって姿勢変化に差が出ることを利用して判別手段とする工夫により、センサの兼用によるコストダウンを図りながら請求項1の構成による前記効果を奏することができた。 【0072】請求項6に記載の作業機のセンサ零点補正装置では、傾斜センサ出力の大小によって姿勢変化に差が出ることを利用して判別手段とする工夫により、センサの兼用によるコストダウンを図りながら請求項1の構成による前記効果を奏することができた。 【0073】請求項7に記載の作業機のセンサ零点補正装置では、対地作業装置昇降用の油圧シリンダ等の非走行用アクチュエータの作動、非作動によって判別手段とする工夫により、センサの兼用によるコストダウンが可能なものとしながら請求項1の構成による前記効果を奏することができた。 【0074】請求項8に記載の作業機のセンサ零点補正装置では、操向輪の切れ角を検出する切れ角センサで姿勢安定度の判別手段とする工夫により、請求項1の構成による前記効果を奏することができた。 【0075】請求項9に記載の作業機のセンサ零点補正装置では、例えば、対地作業装置の昇降レバーといった、走行機体又は対地作業装置を操るアクチュエータに対する操作手段への入力の有無によって姿勢安定度の判別手段とする工夫により、請求項1の構成による前記効果を奏することができた。 【0076】請求項10に記載の作業機のセンサ零点補正装置では、角速度センサ又は傾斜センサによって姿勢安定度の判別手段とするにあたり、そのときの走行速度の高低に比例してセンサ出力の閾値である所定値を大小変化させる工夫により、走行速度の遅いときにはより制御精度に優れるとともに、走行速度の速いときでも応答性に優れる状態でローリング制御が行えるようになった。 【0077】請求項11に記載の作業機のセンサ零点補正装置では、操向輪の切れ角を検出する切れ角センサで姿勢安定度の判別手段とするにあたり、そのときの走行速度の高低に反比例してセンサ出力の閾値である所定値を大小変化させる工夫により、走行速度の高低如何に拘らずに精度の良いローリング制御が行える利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成13年3月1日(2001.3.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2002−253005(P2002−253005A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月10日(2002.9.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−56652(P2001−56652) |
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