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【発明の名称】 田植機のマーカ操作装置
【発明者】 【氏名】藤井 健次

【氏名】田中 富穂

【氏名】窪津 誠

【氏名】中川 善清

【氏名】田中 政一

【要約】 【課題】路上や納屋などで不測に線引きマーカが作用姿勢に切り換わることを確実に防止する。

【解決手段】自走本機1に苗植付装置2を昇降自在に連結し、苗植付装置2を駆動昇降する昇降手段を設け、次回植付予定田面に走行指標線Lを形成する作用姿勢と格納姿勢とに切り換え自在な左右一対の線引きマーカ16L,16Rを設け、苗植付装置2の植付昇降範囲を越えての上昇に連動して作用姿勢にある線引きマーカ16L又は16Rを格納姿勢に切り換えて固定する格納手段を設け、作用姿勢に切り換えるべき線引きマーカ16L又は16Rを選択するとともに選択された側の線引きマーカ16L又は16Rに対する固定を解除して作用姿勢に切り換える選択手段を設け、苗植付装置2の接地の検出に基づいて選択された線引きマーカ16L又は16Rを作用姿勢に切り換えるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自走本機の後部に苗植付装置を昇降自在に連結し、この苗植付装置を駆動昇降する昇降手段を設け、左右外方に突出して次回植付予定田面に走行指標線を形成する作用姿勢と左右内方に引退した格納姿勢とに切り換え自在な左右一対の線引きマーカを設け、前記苗植付装置の植付昇降範囲を越えての上昇に連動して前記作用姿勢にある線引きマーカを格納姿勢に切り換えて固定する格納手段を設け、作用姿勢に切り換えるべき線引きマーカを選択するとともに選択された側の線引きマーカに対する固定を解除して作用姿勢に切り換える選択手段を設けてある田植機において、前記選択手段として、前記苗植付装置の接地の検出に基づいて線引きマーカを作用姿勢に切り換える手段を設けてある田植機のマーカ操作装置。
【請求項2】 自走本機の後部に苗植付装置を昇降自在に連結し、この苗植付装置を駆動昇降する昇降手段を設け、左右外方に突出して次回植付予定田面に走行指標線を形成する作用姿勢と左右内方に引退した格納姿勢とに切り換え自在な左右一対の線引きマーカを設け、前記苗植付装置の植付昇降範囲を越えての上昇に連動して前記作用姿勢にある線引きマーカを格納姿勢に切り換えて固定する格納手段を設け、作用姿勢に切り換えるべき線引きマーカを選択するとともに選択された側の線引きマーカに対する固定を解除して作用姿勢に切り換える選択手段を設けてある田植機において、前記選択手段として、枕地での機体旋回用操作又はそれに基づく動作で固定解除すべき線引きマーカを選択するとともに、前記苗植付装置の接地の検出に基づいて線引きマーカを作用姿勢に切り換える手段を設けてある田植機のマーカ操作装置。
【請求項3】 前記苗植付装置が接地センサを備え、この接地センサの接地圧が設定範囲に維持されるように前記昇降手段を制御する昇降制御手段を設け、前記接地センサにより前記苗植付装置の接地を検出するように構成してある請求項1又は2記載の田植機のマーカ操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機のマーカ操作装置で、詳しくは、自走本機の後部に苗植付装置を昇降自在に連結し、この苗植付装置を駆動昇降する昇降手段を設け、左右外方に突出して次回植付予定田面に走行指標線を形成する作用姿勢と左右内方に引退した格納姿勢とに切り換え自在な左右一対の線引きマーカを設け、前記苗植付装置の植付昇降範囲を越えての上昇に連動して前記作用姿勢にある線引きマーカを格納姿勢に切り換えて固定する格納手段を設け、作用姿勢に切り換えるべき線引きマーカを選択するとともに選択された側の線引きマーカに対する固定を解除して作用姿勢に切り換える選択手段を設けてあるものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来では、固定を解除された線引きマーカを苗植付装置の下降に伴い作用姿勢に切り換えるようにしていた。
【0003】また、従来では、作用姿勢に切り換えるべき線引きマーカを人為操作で選択するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技術によるときは次のような欠点があった。
【0005】田植機では、路上や納屋などで苗植付装置を昇降範囲の途中まで下降させて苗植付装置に対するメンテナンスなどを行うことがある。そのような場合、苗植付装置の下降に伴い線引きマーカを作用姿勢に切り換えるようにしてある従来によるときは、線引きマーカに対する固定が解除されていると、線引きマーカが苗植付装置の昇降範囲の途中までの下降に伴い不測に作用姿勢側に切り換わってしまうおそれがあった。
【0006】線引きマーカを人為操作で選択する従来の場合は、線引きマーカの選択が枕地での機体旋回時に行われる関係上、その線引きマーカを選択する操作が旋回操作を阻害し、旋回操作性を低下させていた。
【0007】本発明の目的は、上記従来の欠点を解消する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明による田植機のマーカ操作装置の特徴・作用・効果は次の通りである。
【0009】〔特徴〕自走本機の後部に苗植付装置を昇降自在に連結し、この苗植付装置を駆動昇降する昇降手段を設け、左右外方に突出して次回植付予定田面に走行指標線を形成する作用姿勢と左右内方に引退した格納姿勢とに切り換え自在な左右一対の線引きマーカを設け、前記苗植付装置の植付昇降範囲を越えての上昇に連動して前記作用姿勢にある線引きマーカを格納姿勢に切り換えて固定する格納手段を設け、作用姿勢に切り換えるべき線引きマーカを選択するとともに選択された側の線引きマーカに対する固定を解除して作用姿勢に切り換える選択手段を設けてある田植機において、前記選択手段として、前記苗植付装置の接地の検出に基づいて線引きマーカを作用姿勢に切り換える手段を設けてある点にある。
【0010】〔作用〕苗植付装置の接地の検出に基づいて線引きマーカを作用姿勢に切り換えるようにしてあるから、路上や納屋などで苗植付装置を昇降範囲の途中まで下降させても線引きマーカが作用姿勢側に切り換わることがない。
【0011】〔効果〕従って、路上や納屋などで不測に線引きマーカが作用姿勢側に切り換わることを確実に防止できるようになった。
【0012】請求項2に係る本発明による田植機のマーカ操作装置の特徴・作用・効果は次の通りである。
【0013】〔特徴〕自走本機の後部に苗植付装置を昇降自在に連結し、この苗植付装置を駆動昇降する昇降手段を設け、左右外方に突出して次回植付予定田面に走行指標線を形成する作用姿勢と左右内方に引退した格納姿勢とに切り換え自在な左右一対の線引きマーカを設け、前記苗植付装置の植付昇降範囲を越えての上昇に連動して前記作用姿勢にある線引きマーカを格納姿勢に切り換えて固定する格納手段を設け、作用姿勢に切り換えるべき線引きマーカを選択するとともに選択された側の線引きマーカに対する固定を解除して作用姿勢に切り換える選択手段を設けてある田植機において、前記選択手段として、枕地での機体旋回用操作又はそれに基づく動作で固定解除すべき線引きマーカを選択するとともに、前記苗植付装置の接地の検出に基づいて線引きマーカを作用姿勢に切り換える手段を設けてある点にある。
【0014】〔作用〕枕地でのステアリングハンドル操作や苗植付装置の上昇操作などの機体旋回用操作又はそれに基づく動作で固定解除すべき線引きマーカを選択するようにしてあるから、線引きマーカを選択するための特別な操作が不要である。しかも、苗植付装置の接地の検出に基づいて線引きマーカを作用姿勢に切り換えるようにしてあるから、路上や納屋などで苗植付装置を昇降範囲の途中まで下降させても線引きマーカが作用姿勢側に切り換わることがない。
【0015】〔効果〕従って、枕地での機体旋回操作性を優れたものに維持した状態で作用姿勢に切り換えるべき線引きマーカを選択することができるとともに、路上や納屋などで不測に線引きマーカが作用姿勢側に切り換わることを確実に防止できるようになった。
【0016】請求項3に係る本発明による田植機のマーカ操作装置の特徴・作用・効果は次の通りである。
【0017】〔特徴〕上記請求項1や2に係る本発明による田植機のマーカ操作装置において、前記苗植付装置が接地センサを備え、この接地センサの接地圧が設定範囲に維持されるように前記昇降手段を制御する昇降制御手段を設け、前記接地センサにより前記苗植付装置の接地を検出するように構成してある点にある。
【0018】〔作用〕苗植付装置に備えさせた接地センサの接地圧が設定範囲に維持されるように昇降手段を制御する昇降制御手段を設けてあるから、接地圧を設定範囲に維持することで植付深さをほぼ一定に維持しての良好な植え付けを行える。しかも、その接地センサにより苗植付装置の設置を検出するように構成してあるから、苗植付装置の設置を検出するための特別なセンサが不要である。
【0019】〔効果〕従って、良好な植え付けを行えるとともに、センサの兼用化によるコストダウンを図ることができるようになった。
【0020】
【発明の実施の形態】田植機は、図1に示すように、乗用型の自走本機1の後部に8条植え仕様の苗植付装置2を4連リンク機構3を介して昇降自在に連結し、リフトシリンダ4への圧油供給に伴い前記苗植付装置2を上昇させるとともにリフトシリンダ4からの排油に伴い苗植付装置2を自重で下降させる昇降手段を設け、施肥装置Hを設けて構成されている。
【0021】前記自走本機1は、操向用の左右一対の駆動前輪5と左右一対の駆動後輪6とを備えた機体フレームの前部にエンジン7と搭載し、機体フレームの後部に運転座席8を搭載して構成されており、前記運転座席8の前方には、前記駆動前輪5を操向操作するためのステアリングハンドル9が配置されている。このステアリングハンドル9のハンドルポスト9Aには、図4にも示すように、昇降レバーAが上下揺動自在に装着されており、この昇降レバーAは、上方の上昇位置Uと下方の下降位置Dとの中間の中立位置Nに揺動付勢されている。
【0022】前記苗植付装置2は、図2にも示すように、8枚の苗を左右方向に並べて載置した状態で左右方向に設定ストロークで往復移動する8条仕様の苗のせ台10と、この苗のせ台10の下端部を摺動自在に支持する摺動レール11に形成した苗取出し口12と田面との間で苗のせ台10の移動に連動して上下に循環作動することにより苗のせ台10から1株ずつ取出して田面に植え付ける植付機構13を設け、整地手段を設けて構成されている。
【0023】前記整地手段は、図2に示すように、左右中央2条の植付予定田面を整地するセンターフロート14Aと、中央寄り左右2条の植付予定田面を整地する左右一対のサイドフロート14Bと、左右外側の1条の植付予定田面を整地する左右一対の整地板14Cと、左右両脇に位置して前記サイドフロート14Bで左右外側に押し出された泥土が既植地側に流れ出るのを防止する遊転式の防泥円板14Dとを設けて構成されている。前記センターフロート14Aは、図4に示すように、接地圧の変動に伴い上下に揺動することでその上下揺動位置を接地圧としてポテンショメータ15aを介して出力する接地センサ15を兼用構成している。
【0024】かつ、苗植付装置2は、図4に詳しく示すように、左右外方に突出して次回植付予定田面に走行指標線Lを形成する作用姿勢と左右内方に引退した格納姿勢とに切り換え自在な左右一対の線引きマーカ16L,16Rを備えている。
【0025】そして、田植機は、マイクロプロセッサー利用の制御装置17と、前記苗植付装置2の植付昇降範囲を越えての上昇に連動して前記作用姿勢にある線引きマーカ16L又は16Rを格納姿勢に切り換えて固定する格納手段と、作用姿勢に切り換えるべき線引きマーカ16L又は16Rを選択するとともに選択された側の線引きマーカ16L又は16Rに対する固定を解除して作用姿勢に切り換える選択手段とを備えている。
【0026】前記制御装置17は、図4に示すように、前記昇降レバーAが上昇位置Uに操作されたことが上昇スイッチUSで検出されたとき、前記苗植付装置2を昇降範囲の上限にまで上昇させるように前記昇降手段における前記リフトシリンダ4に対する制御バルブVを制御するとともに、前記苗植付装置2への伝動を断続する電動式の植付クラッチ19を切り作動させ、前記苗植付装置2の上限までの上昇が上限センサ18で検出されたとき前記制御バルブVを昇降停止状態に制御し、前記昇降レバーAが下降位置Dに操作されたことが下降スイッチDSで検出されたとき、前記接地センサ15の接地圧を設定範囲に維持する昇降位置に苗植付装置2を昇降するように前記制御バルブVを制御する昇降制御手段Cを備えている。かつ、制御装置17は、昇降レバーAの2回目の下降位置Dへの操作が下降スイッチDSで検出されたとき、前記植付クラッチ19を入り作動させるものである。
【0027】前記格納手段は、図3の(イ)(ロ)、図4に示すように、前記苗植付装置2の上昇に伴う苗植付装置2と自走本機1との相対変位を利用して引っ張り作動することにより、作用姿勢にある線引きマーカ16L又は16Rを格納姿勢に引き上げる引上げワイヤ20と、前記苗植付装置2を上昇させる4連リンク機構3の揺動に伴い4連リンク機構3に付設のアーム3aにより押圧されて揺動することで前記引上げワイヤ20を引っ張り作動させる引っ張りリンク20aとを設け、前記格納姿勢に引き上げられた線引きマーカ16L,16Rに自動係合して線引きマーカ16L,16Rを格納姿勢に固定するロック爪21を設けて構成されている。なお、線引きマーカ16L,16Rは、ロック爪21による固定を解除された状態での苗植付装置2の下降に伴い作用姿勢に切り換わるものである。
【0028】前記選択手段は、図5に示すように、枕地での機体旋回用操作で固定解除すべき線引きマーカ16L又は16Rを選択するとともに、前記接地センサ15による苗植付装置2の接地の検出に基づいて線引きマーカ16L,16Rを作用姿勢に切り換える手段であって、具体的には、図4に示すように、前記各ロック爪21を解除作動させるソレノイドなど電動式のアクチュエータ22を設け、前記昇降レバーAが上昇位置Uに操作される毎に作動させるべきアクチュエータ22を選択する、つまり、通電すべきアクチュエータ22を選択する切換スイッチ手段23と、前記接地センサ15で接地が検出されることによりオンして選択されたアクチュエータ22に対する電源回路を成立させる接地スイッチ手段24とを前記制御装置17に設けて構成されている。
【0029】従って、この実施の形態では、図5に示すように、枕地での機体旋回のための苗植付装置2の上昇操作、つまり、昇降レバーAの上昇位置Uへの操作に伴い旋回外側の線引きマーカ16L又は16Rに対するロック爪21を解除させる側に切換スイッチ手段23が切り換わり、旋回後の苗植付装置2の接地に伴い接地スイッチ手段24がオンすることで選択された側の線引きマーカ16L又は16Rが作用姿勢に切り換わるのである。
【0030】前記自走本機1の前部には、エンジンボンネット30上部に沿った姿勢の走行照準具31が装着されており、この走行照準具31の上端部には、前記接地センサ15で接地が検出されている状態で、前記植付クラッチ19の入り作動がクラッチセンサ32で検出されていないとき、植付クラッチ19の入り操作忘れと判断して点灯するクラッチ入れ忘れ警報ランプ33が装着されている。
【0031】前記施肥装置Hは、図1、図2に示すように、自走本機1に肥料を貯留するとともに植え付けに連動して肥料を繰り出す肥料ホッパーHaを搭載し、走行に伴い田面のうち植付部の横脇に施肥用の溝を形成するとともに送られてきた肥料をその溝に供給する作溝器Hbを前記苗植付装置2に装着し、電動モータHcで駆動されて繰り出し肥料を前記作溝器HbにホースHdを介して空気圧搬送するための風を発生するブロアHeを設けて構成されている。
【0032】〔別実施形態〕上記実施の形態では、昇降レバーAの上昇操作動を機体旋回用操作として線引きマーカ16L,16Rを自動選択するようにしたが、苗植付装置2の上昇動作を機体旋回用操作に基づく動作として線引きマーカ16L,16Rを自動選択するようにして実施しても良い。
【0033】上記実施の形態では、線引きマーカ16L,16Rを自動選択するようにしたが、昇降レバーAを前後にも操作可能に構成し、この昇降レバーAの前方への操作動で左の線引きマーカ16Lを選択し、後方への操作動で右の線引きマーカ16Rを選択するといった具合に線引きマーカ16L,16Rを人為選択するようにして実施しても良い。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成13年2月26日(2001.2.26)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2002−247902(P2002−247902A)
【公開日】 平成14年9月3日(2002.9.3)
【出願番号】 特願2001−50363(P2001−50363)