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【発明の名称】 ロータリ耕耘機の残耕処理装置
【発明者】 【氏名】中島 健一郎

【氏名】平田 光喜

【氏名】前山 達哉

【氏名】安宮 久勝

【氏名】大西 健司

【氏名】大野 貴章

【氏名】大西 直樹

【要約】 【課題】隣接耕を行ったとき既耕耘部分に溝が造成されるのを防止する残耕処理装置である。

【解決手段】ロータリ耕耘部2の外側方に装着される残耕処理用の処理爪21は後退角を有して爪軸13の後方に設けている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 横軸廻りに回転する爪軸(13)に耕耘爪(14)を備えて構成したロータリ耕耘部(2)とこの耕耘部(2)の外側未耕地を処理する処理体(21)を備えているロータリ耕耘機の残耕処理装置において、前記処理体(21)は前記爪軸(13)の軸心より作業進行方向とは逆の後方側に装着されていることを特徴とするロータリ耕耘機の残耕処理装置。
【請求項2】 横軸廻りに回転する爪軸(13)に耕耘爪(14)を備えて構成したロータリ耕耘部(2)とこの耕耘部(2)の外側未耕地を処理する処理体(21)を備えているロータリ耕耘機の残耕処理装置において、前記処理体(21)は未耕地部分の耕土等をロータリ耕耘部(2)側へ移動する作用部分(21C)を備え、この作用部分(21C)が前記爪軸(13)の軸心より作業進行方向とは逆の後方側に位置していることを特徴とするロータリ耕耘機の残耕処理装置。
【請求項3】 横軸廻りに回転する爪軸(13)に耕耘爪(14)を備えて構成したロータリ耕耘部(2)とこの耕耘部(2)を覆う後部カバー体(16)と前記耕耘部(2)の外側未耕地を処理する処理体(21)を備えているロータリ耕耘機の残耕処理装置において、前記処理体(21)は未耕地部分の耕土等をロータリ耕耘部(2)側へ移動する作用部分(21C)を備え、この作用部分(21C)が前記ロータリ耕耘部(2)の外周軌跡(2A)と前記後部カバー体(16)との間に位置されていることを特徴とするロータリ耕耘機の残耕処理装置。
【請求項4】 横軸廻りに回転する爪軸(13)に耕耘爪(14)を備えて構成したロータリ耕耘部(2)とこの耕耘部(2)の外側未耕地を処理する処理体(21)を備えているロータリ耕耘機の残耕処理装置において、前記処理体(21)は未耕地部分を縦切りする刃身部(21A)を後退角を有して備え、該刃身部(21A)の先端部分又は未耕地部分の耕土等をロータリ耕耘部(2)側へ移動する作用部分(21C)が前記ロータリ耕耘部(2)の外周軌跡(2A)の径外位置にあることを特徴とするロータリ耕耘機の残耕処理装置。
【請求項5】 横軸廻りに回転する爪軸(13)に耕耘爪(14)を備えて構成したロータリ耕耘部(2)とこの耕耘部(2)の外側未耕地を処理する処理体(21)を備えているロータリ耕耘機の残耕処理装置において、前記処理体(21)の先端部分又は未耕地部分の耕土等をロータリ耕耘部(2)側へ移動する作用部分(21C)が前記爪軸(13)の軸心より作業進行方向とは逆の後方側でロータリ耕耘部(2)の外周軌跡(2A)より径内位置にあることを特徴とするロータリ耕耘機の残耕処理装置。
【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のロータリ耕耘機の残耕処理装置において、処理体(21)は、ロータリ機枠(6)における側枠部への取付部(21D)と刃身部(21A)とを備え、前記取付部(21D)に対して刃身部(21A)が外側方へ位置すべく左右方向の折れ部(21E)を備えていることを特徴とするロータリ耕耘機の残耕処理装置。
【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のロータリ耕耘機の残耕処理装置において、耕耘爪(14)の刃縁と処理体(21)の刃縁とを異にしていることを特徴とするロータリ耕耘機の残耕処理装置。
【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のロータリ耕耘機の残耕処理装置において、正・背面視においてロータリ機枠(6)における側枠部の側面と処理体(21)の側面とが略々一致されていることを特徴とするロータリ耕耘機の残耕処理装置。
【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のロータリ耕耘機の残耕処理装置において、処理体(21)は使用状態と非使用状態とに切り換え得るように装着されていることを特徴とするロータリ耕耘機の残耕処理装置。
【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のロータリ耕耘機の残耕処理装置において、処理体(21)は取付角度又は取付位置を上下方向で調節自在として装着されていることを特徴とするロータリ耕耘機の残耕処理装置。
【請求項11】 横軸廻りに回転する爪軸(13)に耕耘爪(14)を備えて構成したロータリ耕耘部(2)とこの耕耘部(2)の外側未耕地を処理する処理体(21)とロータリ耕耘部(2)の高さ位置を設定する後ゲージ体(20A)とを備えているロータリ耕耘機の残耕処理装置において、前記処理体(21)と後ゲージ体(20A)とで土盛成形(畦立成形)するように構成されていることを特徴とするロータリ耕耘機の残耕処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータリ耕耘機(ロータリ耕耘装置)の残耕処理装置に係り、より具体的には、土寄せが少なく、草・藁等の絡みつきも少ない、仕上がりの良い畦際残耕処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ロータリ耕耘機(ロータリ耕耘装置)で圃場を耕耘するとき、耕耘幅は一定であるためロータリ耕耘部の外側方に未耕地部分が発生し、これを手作業等で耕耘するのは大変面倒であるし、また、手間を要していた。このため、特開平10−84702号公報(従来例の1)、特開平11−28004号公報(従来例の2)、特開平11−196605号公報(従来例の3)等の技術が提案されている。
【0003】従来例の1は、「ロータリ耕耘装置の一側の外側部に残耕処理爪を配置した残耕処理装置において、残耕処理爪をロータリ耕耘装置の耕耘爪と同種の爪で形成し、該残耕処理爪の取付位置を、耕耘爪軸よりも所定寸法前方で、所定寸法上方に設定したことを特徴とする耕耘装置の残耕処理装置」であった。従来例の2は、「複数の回転式耕耘爪を取り付けた耕耘パイプの左右端部を伝動ケース又は支え板等の側枠下端部間に回転自在に軸装し、これら側枠の内少なくとも一方の外方前下部にホルダーを配設し、該ホルダーに、残耕処理爪の突出下端部が進行方向後方側に後退角を有しながら、さらに、耕耘爪の回転掘削軌跡外径近傍に位置するように、残耕処理爪の基端部を取り付けることを特徴としたロータリ耕耘具の残耕処理装置」であった。
【0004】従来例の3は、「複数の耕耘爪を備えた回転自在の爪軸の延出端部を軸受ホルダーによって回動可能に軸支し、該軸受ホルダーには爪固定ブラケットを回転かつ固定可能に設け、該爪固定ブラケットに畦際処理爪を取着したことを特徴とする畦際処理爪の取付構造」であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来例の1〜3のそれぞれはそれなりに有用ではあるけれども、次のような共通の課題がある。すなわち、残耕処理爪又は畦際処理爪(以下、これらを総称して処理体という)が、ロータリ耕耘部の前方側でしかもその回転軌跡内に配置していることから、当該処理体について後退角をもって配設したとしても草・藁等の長尺異物が絡み易く、この処理体に絡む(未耕地部分上にある長尺異物)量が多くなると、これをロータリ耕耘部の耕耘爪で切断等するとしても、この耕耘爪に長尺異物が絡んで耕耘負荷に悪影響を与えるだけでなく仕上りが悪くなるおそれがあった。
【0006】また、処理体による未耕地(畦際)部分の掘削土量が多くなって、これをロータリ耕耘部に移動して砕土することになると、これが耕耘負荷(消費馬力)の増大の要因となるし、未耕地部分を掘削すると、隣接耕耘作業のとき、既耕地に溝を作ってしまうという課題があった。本発明は、未耕地部分の手作業による手直しをなくす等の残耕処理の基本的課題を解消し、従来例の1〜3が有する前述した共通の課題を解消することができるロータリ耕耘機(ロータリ作業機、ロータリ耕耘装置という場合もある)の残耕処理装置を提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、横軸廻りに回転する爪軸13に耕耘爪14を備えて構成したロータリ耕耘部2とこの耕耘部2の外側未耕地を処理する処理体21を備えているロータリ耕耘機の残耕処理装置において、前述の目的を達成するために、次の技術的手段を講じている。すなわち、請求項1に係る本発明はのロータリ耕耘機(ロータリ作業機)の残耕処理装置は、前記処理体21は前記爪軸13の軸心より作業進行方向とは逆の後方側に装着されていることを特徴とするものである。
【0008】このような構成を採用したことにより、ロータリ耕耘部2をダウンカット方向に回転駆動してその耕耘爪14を圃場に打込んで耕耘作業を行う。このとき、耕耘部2の外側方においては耕耘作用がないので未耕地であり、この未耕地は処理体21によって処理することになる。この処理体21は作業進行方向とは逆の後方側に装着されているのでこの処理体21の前側に草・藁等が絡んだとしても、この草・藁等は耕耘爪14の打込み部位よりも後方にあることから、耕耘爪14での切断等は少なく、また、処理体21で切削等した未耕地部分の耕土等がロータリ耕耘部2に移動する量も少なく、ここに、未耕地部分を処理しながらもロータリ耕耘部2の負担増を招くことがなく、未耕地部分において処理体21が突き刺り等していることによって、耕耘爪14によるダウンカットを確実にして作業精度が向上するし、隣接耕耘作業のときは、既耕地(ロータリ耕耘部2で耕した部分)に溝を作るようなことがなくなる。
【0009】また、前記処理体21は未耕地部分の耕土等をロータリ耕耘部2側へ移動する作用部分21Cを備え、この作用部分21Cが前記爪軸13の軸心より作業進行方向とは逆の後方側に位置していることが推奨される(請求項2)。更に、横軸廻りに回転する爪軸13に耕耘爪14を備えて構成したロータリ耕耘部2とこの耕耘部2を覆う後部カバー体16と前記耕耘部2の外側未耕地を処理する処理体21を備えているロータリ耕耘機の残耕処理装置において、前述の目的を達成するために、次の技術的手段を講じている。
【0010】すなわち、前記処理体21は未耕地部分の耕土等をロータリ耕耘部2側へ移動する作用部分21Cを備え、この作用部分21Cが前記ロータリ耕耘部2の外周軌跡2Aと前記後部カバー体16との間に位置されていることを特徴とするものである(請求項3)。また、前記処理体21は未耕地部分を縦切りする刃身部21Aを後退角を有して備え、該刃身部21Aの先端部分又は未耕地部分の耕土等をロータリ耕耘部2側へ移動する作用部分21Cが前記ロータリ耕耘部2の外周軌跡2Aの径外位置にあることが推奨される(請求項4)。
【0011】更に、前記処理体21の先端部分又は未耕地部分の耕土等をロータリ耕耘部2側へ移動する作用部分21Cが前記爪軸13の軸心より作業進行方向とは逆の後方側でロータリ耕耘部2の外周軌跡2Aより径内位置にあることが推奨される(請求項5)。また、前述した請求項1〜5のいずれかにおいて、前記処理体21は、ロータリ機枠6における側枠部への取付部21Dと刃身部21Aとを備え、前記取付部21Dに対して刃身部21Aが外側方へ位置すべく左右方向の折れ部21Eを備えていることが推奨される(請求項6)。
【0012】更に、前述した請求項1〜6のいずれかにおいて、前記耕耘爪14の刃縁と処理体21の刃縁とを異にしていることが推奨される(請求項7)。また、前述した請求項1〜7のいずれかにおいて、正・背面視においてロータリ機枠6における側枠部の側面と処理体21の側面とが略々一致されていることが推奨される(請求項8)。更に、前述した請求項1〜8のいずれかにおいて、前記処理体21は使用状態と非使用状態とに切り換え得るように装着されていることが推奨される(請求項9)。
【0013】また、前述した請求項1〜9のいずれかにおいて、処理体21は取付角度又は取付位置を上下方向で調節自在として装着されていることが推奨される(請求項10)。更に、横軸廻りに回転する爪軸13に耕耘爪14を備えて構成したロータリ耕耘部2とこの耕耘部2の外側未耕地を処理する処理体21とロータリ耕耘部2の高さ位置を設定する後ゲージ体20Aとを備えているロータリ耕耘機の残耕処理装置において、前記処理体21と後ゲージ体20Aとで土盛成形(畦立成形)するように構成されていることが推奨される(請求項11)。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、走行車1の一例である車輪形トラクタの後方に、サイドドライブ形のロータリ耕耘部2を有するロータリ作業機(ロータリ耕耘機、ロータリ装置)3を、2点リンク4を介して油圧装置5のリフトアーム5Aとリフトロッド5Bにより昇降自在に装着した全体側面図を示し、図2はロータリ作業機3の背面図を示している。
【0015】この図1・2において、ロータリ機枠6はその中央部に動力受入軸7を前方に突出して内部にベベルギヤ伝動体を有する伝動ケース8を備え、この伝動ケース8の左右から外方にそれぞれサポートアーム9を突出し、この左右のサポートアーム9の突出端に側部伝動ケース10とサイドフレーム11とを固着して下方に延設し、側部伝動ケース10とサイドフレーム11との対向する下部に、軸受12を介して爪軸13を水平軸心廻りに回転自在として軸架し、この爪軸13にナタ爪で例示する刃縁部14Bと反転部14Cを有する耕耘爪14の多数を植設することでロータリ耕耘部2を構成している。
【0016】このロータリ耕耘部2はトラクタのPTO軸7Aと動力受入軸(PIC軸)7とをジョイント軸で連動連結し、伝動ケース8内のベベルギヤ伝動体、一方のサポートアーム9に内挿した伝動軸、側部伝動ケース10に内有した巻掛伝動体を経由して爪軸13をこの軸心廻りで図1の矢示Aのようにダウンカット方向に回転駆動するようになっている。ロータリ耕耘部2は側部伝動ケース10とサイドフレーム11間に架設されて固定された上部カバー体15とこの上部カバー体15の後尾にヒンジ金物(蝶番等)を介して上下動可能に連結された後部カバー体16と左右のサイドカバー体17とで構成した耕耘カバー装置18で覆われており、後部カバー体16はロッドとこのロッドに巻回したコイルバネとからなる弾持手段19によって均平部(接地尾端)が対地方向に付勢されており、ロータリ耕耘部2等は後2輪装置で例示するゲージ体(左右一対の尾輪)20Aを有するゲージ装置20で支持されている。
【0017】ロータリ耕耘部2の外側未耕地(畦際部分を含む)を処理するための処理体21が、側部伝動ケース10およびサイドフレーム11にそれぞれ備えられている。ただし、処理体21は左右にそれぞれ備えることなく、左右のいずれか一方に備えることができ、この一方に備えたときは、ロータリ耕耘機1がサイドドライブ方式のときであると側部伝動ケース10側の重量(質量)が大きくこれが要因で図1の矢示Dの方向に進行するとき、やや蛇行することがあるので、サイドフレーム11側に処理体21を備えてこの処理体21の抵抗で進行Dするときの直進性を確保することが望ましい。
【0018】処理体21は図1でナタ爪で例示されており、爪軸13の軸心より作業進行方向Dとは逆の後方側に装着されている。図3および図4を参照すると、本発明に係る残耕処理装置の第1の実施形態が示してある。図3および図4において、ロータリ機枠6を構成するサイドフレーム11の外面下部に取付台22がボルト等の締結具23によって取着されており、該取付台22の下部で爪軸13より後方側に箱形の取付筒24が固設されている。
【0019】ナタ爪で例示する処理体21は未耕地を縦切りする弯曲した刃身部21Aに刃縁部21Bを有し、基部の取付台21Dが取付筒24に挿通されてボルト等の締結具25で着脱自在に取着され、刃縁部21Bが後退角を有して刃身部21Aの先端に反転部である作用部分21Cが刃縁部21Bの縦切りに続いて未耕地を横切りしてこの耕土を内側(耕耘部2側)に移動するように形成されている。図3および図4の実施形態では作用部分21Cが爪軸13の軸心より作業進行方向Dとは逆の後方側に位置されていてロータリ耕耘部2の回転軌跡2Aよりやや径外位置に当該作用部分21Cが位置している。
【0020】また、締結具25を弛めて使用状態(図3の実線)にある処理体21の取付部21Dを取付筒24から引抜き、この取り外した処理体21を図3の鎖線(仮想線)で示すように上下反転して取付筒24に取付部21Dを上方から差し込み締結具25を締め付ける。ここに、処理体21は使用状態と非使用状態とに切り換え得るように装着され、このように構成することによって、処理体21の紛失等を防止できるのである。
【0021】なお、図3において、非使用状態の処理体21の作用部分21Cを後方側にして取付筒24に装着しているが、作用部分21Cを前方側として取付筒24に装着しても構わない。図4において、ロータリ耕耘部2を構成する耕耘爪14は、ナタ爪、L形爪等にすることが可能であり、爪軸13の外端部(両端部)の耕耘爪14については図示のように変形爪14Aを採用することが軸受12下方の部分を耕耘できることから望ましい。
【0022】また、処理体(残耕処理爪)21については、取付部21Dと刃身部21Aの連設(連接)部位に、左右方向の折れ部21Eが形成されており、ここに、取付部21Dが内側(耕耘部2側)で刃身部21Aが外側方に位置し、作用部21Cによる未耕地部分の処理幅(残耕部分を切削反転する作業幅)が広く(増幅)できるとともに、取付部21Dが内側にあってサイドフレーム11より外方に突出しないことから、締結具25の損傷等を防止することができる。図5および図6は本発明に係る残耕処理装置の第2の実施形態の主要部について側面視と背面視を示している。
【0023】図3で示すように、ナタ爪で例示する耕耘爪14と処理爪21はその刃縁部の曲線(弯曲率)を同じ若しくはほぼ同じとすることができるが、図5で示すように、両爪14、21における刃縁部の曲線を異にすることもできる。両刃14、21の刃縁部の曲率を異にする態様として、耕耘爪14は矢示A方向の回転駆動による打込みでその刃縁部14Bにて縦切りし、反転部14Cにて縦切りするものであることから、耕耘に最適な打込み角によって設定され、一方、処理爪21は作業進行方向Dによる牽引によって未耕地部分の縦切りおよび横切りを行うものであることから、牽引抵抗を少なくすることが望ましい。
【0024】これ故、処理爪21については、ロータリ機枠6に装着した状態で緩やかにねかせ得るような曲率にすることによって牽引抵抗を少なくできて有利となる。また、刃縁部21Bの曲率とともに刃身部21Aの長さ(未耕地部分の切削深さ)の大小においても牽引抵抗に影響を及ぼす(切削深さが大きいと牽引抵抗は大となる)ことから、図5および図6で例示した処理体21については、耕耘刃14よりも刃身部21Aの長さが短いナタ爪が採用されており、刃身部21Aの先端部分、すなわち、作用部分21Cがロータリ耕耘部2の回転軌跡2Aよりも径内位置に設定されている。
【0025】また、図6で示すように、処理体(処理爪)21はその刃身部21Aが直平部(折れ部21Eのない刃身部21A)とされている。従って、図5および図6に示す第2の実施形態においては、図3および図4に示した第1の実施形態に比較して、牽引抵抗を抑えた下での未耕地部分の残耕処理ができる。なお、図5および図6において、処理体21が第1の実施形態と異なるだけであるので、第1の実施形態と共通する部分は共通符号を付している。
【0026】但し、第2の実施形態における処理体21については、図4で示している折れ部21Eを有する所謂増幅処理体であっても構わない。図7および図8は、本発明に係る残耕処理装置の第3の実施形態を示している。なお、この第3の実施形態は前述した第1の実施形態の構成、作用と共通する部分は共通符号を付し、以下、相違点について主に説明する。この図7および図8に例示した第3の実施形態においては、処理体21の取付角度(後退角)又は取付位置を上下方向(作用部分21Cの深さ方向)で調節自在(調整自在)としたものである。
【0027】図7は、ロータリ機枠6であるサイドフレーム11の外側面にボルト等の締結具23によって着脱自在に装着される取付台22を、上下方向に位置調整自在としたものであり、これによって、処理体21の作用部分21Cまでの深さを大小に変更して未耕地部分の土質等の硬軟に対応できるようにしたものである。具体的には取付台22に締結具23の挿通孔23Aを高さ方向(上下方向)の長孔に形成して、締結具23の締結弛緩によって挿通孔23Aにおける長孔の範囲内で無段階に上下位置を調整自在にしたものである。
【0028】なお、挿通孔23Aを高さ方向の間隔を有するものとすれば、高さ方向に有段(孔間隔の高さで)にて調整することもできる。また、図7で示すように伸縮シリンダ若しくは電動モータによるネジ棒の正逆転等によるアクチュエータ(作動体)26を備えることによって、その高さ調整作業の容易化を図ることができる。なお、作動体26については、走行車(トラクタ)1側に制御部を備えることによって遠隔操作にすることができる。
【0029】更に、挿通孔23Aについてはサイドフレーム11側に長孔(ネジ孔)を形成したり、高さ方向に間隔を有する取付孔(ネジ孔)を形成することも可能であり、このときは挿通孔23Aは単孔でよい。図8は処理体21の取付角度(後退角度)を調節自在にしたものであり、取付筒24が取付台22に対して支軸(横軸)27に回動乃至揺動自在として装着されており、取付筒24は支軸27廻りで伸縮シリンダで例示するアクチュエータ(作動体)28によって回動乃至揺動され、ここに、取付筒24に処理体21が装着されているので、処理体21の後退角が大小に調節されて、未耕地部分の作用深さが結果として調整されるのである。
【0030】なお、図8のアクチュエータ28は電動モータの正逆転で軸心廻りに回転するネジ棒を利用してネジ送りで取付筒24を回動乃至揺動するものであっても良く、油圧シリンダ、電動モータは走行車1の制御部によって遠隔操作することが可能となる。また、図8においては締結具25と支軸27とを共通軸心上に備えることもできるし、両者を共用した締結具とすることもできる。更に、第3の実施形態は、前述した第2の実施形態に採用可能である。
【0031】図9は、第4の実施形態を示し、基本構成と作用は前述した第1の実施形態と共通するので共通部分は共通符号を付し、以下、相違点について説明する。図9において、取付台22に取付筒24が支軸27廻りで回動乃至揺動自在に装着されており、この取付筒24は圧縮コイルバネで示す弾性体29によって図9では支軸廻りに反時計針方向に付勢されていてストッパ30によって位置決めされている。前記取付筒24に処理体21の基部が嵌挿されて締結具25にて支持されているので、処理体21の刃縁部21Bおよび作用部分21Cにおいて未耕地部分を切削等処理するとき、牽引抵抗(切削抵抗)が過大になると、取付筒24が支軸27廻りに回動して弾性体29を縮み方向に圧縮し、これによって過大(異常)負荷を回避して処理体21の折損、変形等を防止しており、ここに、弾性体29は処理体21のダンパー(負荷緩衝作用)として機能し、負荷が解除されると、弾性体29によって処理体21は旧位の初期設定位置に復帰する。
【0032】従って、この第4の実施形態によれば、未耕地部分に砂礫、埋石等の局所硬質部等があって、処理体21がこれに遭遇したとしても、該処理体21の変形、折損等がなくなり、耐久性が保障されるのである。なお、図8を参照して示したアクチュエータ28が、油圧、空気等の流体シリンダであるときには、この流体がショックアブソーバー(ダンパー)として機能できるので、弾性体29と同様に作用できる。図10は本発明の第5の実施形態を示し、基本構成と作用は前述した第1の実施形態と共通するので共通部分は共通符号を付し、以下、相違点について説明する。
【0033】図10で示した第5の実施形態においては耕耘カバー装置18が爪軸13の軸心廻りで前後に矢符Cで示すように回動自在(回動位置は固定解除自在)であり、これによって、圃場の硬軟による耕深の大小に対応するようになっている。本実施形態では、取付筒24を側部カバー体17に固着し、爪軸13の軸心とする円弧孔31Aを有する基台31をサイドフレーム11より延設し、締結具25を円弧孔31Aに挿通して締結弛緩することで処理体21が耕耘カバー装置18とともに相対位置を変えることなく追従するようにしたものである。
【0034】図11及び図12は処理体21の他の有用な実施形態であり、図11では下端(先端)にチゼルで例示する作用部分21Cを有する帯板状のサブソイラーによる処理体21を取付筒24によってロータリ機枠6側に着脱自在に装着したものであり、図12は作用部分21Cを自転するディスク(円板角を有するコールタ)で構成したものを示している。図11及び図12は処理体21の形態を異にするだけであり、その他の構成は第1〜5の実施形態を採用でき、これ故、共通部分は共通符号を付して説明は省略する。
【0035】図13は第6の実施形態を示し、基本構成と作用は前述の第1の実施形態をと共通するので共通部分は共通符号を示し、以下、相違点について説明する。図13においては、処理体21の作用部分21Cをロータリ耕耘部2の回転軌跡2Aと後部カバー体16の間に位置させたものであり、これによれば、作用部分21Cが後方であって未耕地部分に突入しているので、耕耘爪14による打込み作用点から作用部分21Cが後方で大きな間隔をおいていることから、耕耘部2による耕耘作業が安定するし、また、作用部分21Cにて移動された未耕地の耕土が耕耘部2外となり、これ故、耕耘部2の負荷に悪影響を与えることもない。
【0036】一方、耕耘部2外に耕土が移動してきても後部カバー体16の接地部16Aにて鎮圧するので作業(耕耘)精度の低下を招くこともない。なお、第1〜6の実施形態における処理体21はこの側面が正・背面視においてロータリ機枠6における側枠の側面と略々一致されていることにできる。更に、図14(1)(2)に示す第7の実施形態は、前述した第1〜6の実施形態において、処理体21と後ゲージ体20Aとで未耕地部分の残耕をなくし、当該部分に土盛成形(畦立成形)Eにするように構成したものであり、処理体21の作用部分21Cによる作溝と盛土で片培土(土の内方移動)し、ゲージ体20Aで他方の片培土(土の外方移動)で土盛するのである。
【0037】これ故、図1〜7の実施形態における処理体21の作用部分は、培土器、鋤、プラウ等とすることも可能である。以上の各実施形態において、リンク装着手段は2点リンクの他、3点リンクであっても良く、ロータリ耕耘機は、センタードライブ方式であっても良い。また、耕耘爪14については、ナタ爪、普通爪、L形爪、広幅爪等任意である。
【0038】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、未耕地の耕土移動、草等の絡みつきが少なく仕上りが良好な残耕処理装置を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成13年2月13日(2001.2.13)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開2002−238306(P2002−238306A)
【公開日】 平成14年8月27日(2002.8.27)
【出願番号】 特願2001−36058(P2001−36058)