| 【発明の名称】 |
芝生面手入れ用刃物および芝生面手入れ用刃物セット |
| 【発明者】 |
【氏名】薮田 定一
|
| 【要約】 |
【課題】1つの刃物でバーチカル作業とスライシング作業とを行なうことができる芝生面手入れ用刃物を提供する。
【解決手段】芝生面手入れ用刃物610は、板状で回転軸心610cを有し、回転軸心610cから放射状に延び、かつ所定の回転方向に沿って湾曲するように延びる複数の突出部621、622、623、624および625を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 芝生の間の枯れかすを除去するバーチカル作業と、芝生面の下に形成された不浸水層を消滅させるスライシング作業とを行なう芝生面手入れ用刃物であって、第1の方向に回転することにより前記バーチカル作業を行ない、かつ、前記第1の方向と逆の第2の方向に回転することにより前記スライシング作業を行なうことが可能な形状を有する芝生面手入れ用刃物。 【請求項2】 板状で回転軸心を有し、前記回転軸心から放射状に延び、かつ所定の回転方向に沿って湾曲するように延びる複数の突出部を備えた、芝生面手入れ用刃物。 【請求項3】 回転軸心に位置する板状の胴部をさらに備え、前記胴部から複数の前記突出部が延びている、請求項2に記載の芝生面手入れ用刃物。 【請求項4】 複数の前記突出部の各々は、前記胴部から放射状に延びる第1の辺と、前記第1の辺に向い合うように位置し、前記胴部から放射状に延びる第2の辺と、前記第1および第2の辺と連なり、前記突出部の先端に位置する第3の辺とを含む、請求項3に記載の芝生面手入れ用刃物。 【請求項5】 前記第1および第2の辺は、所定の曲率で所定の回転方向に沿って湾曲する、請求項4に記載の芝生面手入れ用刃物。 【請求項6】 前記第1の辺が湾曲する曲率半径は前記第2の辺が湾曲する曲率半径よりも大きい、請求項5に記載の芝生面手入れ用刃物。 【請求項7】 前記第3の辺は、前記芝生面手入れ用刃物の外周の円弧上に形成される、請求項4に記載の芝生面手入れ用刃物。 【請求項8】 前記第1の辺と前記第3の辺とが交わる部分に鈍角の突起が形成されている、請求項4に記載の芝生面手入れ用刃物。 【請求項9】 前記第2の辺と前記第3の辺とが交わる部分に鋭角の突起が形成されている、請求項4に記載の芝生面手入れ用刃物。 【請求項10】 前記胴部は、回転軸を受け入れる貫通孔を有する、請求項3に記載の芝生面手入れ用刃物。 【請求項11】 前記突出部は、対向する2つの面を有する基材と、その基材の前記2つの面に接触する表面層とを含み、前記基材は前記表面層より硬い材料で構成されている、請求項2に記載の芝生面手入れ用刃物。 【請求項12】 板状で回転軸心を有し、前記回転軸心から放射状に延び、かつ所定の回転方向に沿って延びる複数の突出部を含む第1および第2の芝生面手入れ用刃物と、前記第1および第2の芝生面手入れ用刃物の前記回転軸心に位置し、所定の方向に延びる回転軸とを備え、前記第1の芝生面手入れ用刃物は、前記回転軸の延びる方向に沿って前記第2の芝生面手入れ用刃物から所定の距離だけ離隔して位置決めされ、前記第1の芝生面手入れ用刃物の前記突出部は前記第2の芝生面手入れ用刃物の前記突出部に対して所定の角度回転した位置に位置決めされている、芝生面手入れ用刃物セット。 【請求項13】 前記第1および第2の芝生面手入れ用刃物の各々は、前記突出部が取付けられる板状の胴部を含み、前記胴部には前記回転軸を受け入れる貫通孔が形成されている、請求項12に記載の芝生面手入れ用刃物セット。 【請求項14】 前記貫通孔は複数の辺を有し、前記第1の芝生面手入れ用刃物の前記貫通孔の特定の辺に対応する前記第1の芝生面手入れ用刃物の特定の突出部は、前記第2の芝生面手入れ用刃物の前記貫通孔の特定の辺に対応する前記第2の芝生面手入れ用刃物の特定の突出部に対して回転方向に沿って所定の角度ずれるように前記各々の胴部の貫通孔に前記回転軸を挿入することにより前記第1および第2の芝生面手入れ用刃物の各々が前記回転軸に対して位置決めされている、請求項13に記載の芝生面手入れ用刃物セット。 【請求項15】 前記第1および第2の芝生面手入れ用刃物は、同一形状を有する、請求項14に記載の芝生面手入れ用刃物セット。 【請求項16】 前記回転軸の断面は正n角形であり、前記第1および第2の芝生面手入れ用刃物は、前記nと異なるm本の前記突出部を有する、請求項14に記載の芝生面手入れ用刃物セット。 【請求項17】 前記nと前記mとは、互いに素である、請求項16に記載の芝生面手入れ用刃物セット。 【請求項18】 前記nは6であり、前記mは5である、請求項16に記載の芝生面手入れ用刃物セット。 【請求項19】 前記nは4であり、前記mは3である、請求項16に記載の芝生面手入れ用刃物セット。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、芝生面手入用刃物に関し、特に、ゴルフ場のグリーン、野球場、サッカー場などの芝生面を手入する刃物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、ゴルフ人口の急増に伴い、ゴルフ場が多く造成されている。一般に、ゴルフ場には芝生が植えられ、この芝生上で競技者がプレーを行なう。 【0003】ゴルフ場では、芝生が枯れないようにさまざまな手入を行なっている。この手入の1つとして、芝生の間に存在する枯れかす(サッチ)を除去する作業がある。芝生が高密度に植えられていると、芝生の間には、成長が不十分で枯れた芝生が存在する。この枯れた芝生が存在すると、芝生表面に隙間がなくなり、健康な芝生まで成長が遅くなる。これを防止するために、この枯れかすを除去する必要がある。 【0004】枯れかすを除去する装置として、従来からバーチカル装置が知られている。バーチカル装置は、通常、トラクタなどに牽引され、トラクタのエンジンを動力としてバーチカル用刃物を回転させる。バーチカル装置は、回転するバーチカル用刃物で芝生面を軽く引っ掻いて芝生面表面の枯れかすを除去するバーチカル作業を行う。このとき、バーチカル装置は、バーチカル装置の進行方向に対して抵抗とならないような方向にバーチカル用刃物を回転させる。バーチカル作業により、芝生面に小さな隙間ができ、水や肥料の浸透が良くなる。その結果、芝生の成長が促進でき、常に緑色の芝生を保つことができる。 【0005】また、芝生面は人に踏まれると固くなり、その表面からの深さが20〜30mmの部分に不透水層(ルートゾーン)が生じる。この不透水層では、人間の体重などによる圧力により芝生の根が複雑に絡み合っており、土のかさ密度も大きくなっている。不透水層が存在すると、芝生の表面に水や肥料を与えてもこれらが不透水層から下へはしみ込まない。その結果、芝生下の深い部分には水や肥料が浸透せず、芝生の成長を害するという問題がある。 【0006】不透水層を消滅させるためには、従来、スライシング装置と呼ばれる装置を用いている。スライシング装置も、通常、トラクタなどに牽引され、トラクタのエンジンを動力として刃物を回転させる。スライシング装置は、回転するスライシング用刃物を不透水層へ差し込み、互いに絡まり合った芝生の根を切断することにより、不透水層を消滅させるスライシング作業を行なう。このとき、スライシング装置は、スライシング装置の進行方向に対して抵抗となるような方向にスライシング用刃物を回転させる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来、ゴルフ場等のメンテナンスでは、バーチカル作業を行なうバーチカル用刃物と、スライシング作業を行なうスライシング用刃物の2つの刃物が必要であった。そのため、2つの刃物の購入費が高くなるという問題があった。 【0008】そこで、この発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであり、この発明の目的は1つの刃物で2つの作業を行なうことができる芝生面手入れ用刃物および芝生面手入れ用刃物セットを提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】この発明に従った芝生面手入れ用刃物は、芝生の間の枯れかすを除去するバーチカル作業と、芝生面の下に形成された不浸水層を消滅させるスライシング作業とを行なう芝生面手入れ用刃物であって、第1の方向に回転することによりバーチカル作業を行ない、かつ、第1の方向と逆の第2の方向に回転することによりスライシング作業を行なうことが可能な形状を有する。ここで、バーチカル作業とは、刃物で芝生面を軽く引っ掻いて芝生面表面の枯れかすを除去する作業をいう。スライシング作業とは、回転するスライシング用刃物を不透水層へ差し込み、互いに絡まり合った芝生の根を切断することにより、不透水層を消滅させる作業をいう。 【0010】このように構成された本発明の芝生面手入れ用刃物では、第1の方向に回転することによりバーチカル作業を行ない、第2の方向に回転することによりスライシング作業を行なうことができる。そのため一つの刃物でバーチカル作業とスライシング作業を行なうことができる芝生面手入れ用刃物を提供することができる。また、需要者にとっては、二つの刃物を購入する場合に比べて刃物の購入コストを低下させることができる。 【0011】この発明に従った芝生面手入れ用刃物は、板状で回転軸心を有する。芝生面手入れ用刃物は、回転軸心から放射状に延び、かつ所定の回転方向に沿って湾曲するように延びる複数の突出部を備える。 【0012】このように構成された芝生面手入れ用刃物では、突出部が回転方向に沿って湾曲するため、湾曲した突出部の外側の辺で芝生の根を切ることによりスライシング作業を行なうことができる。また突出部の先端で芝生面を引っ掻くことにより、バーチカル作業を行なうことができる。その結果、一つの刃物でバーチカル作業とスライシング作業とを行なうことができる芝生面手入れ用刃物を提供することができる。 【0013】好ましくは、芝生面手入れ用刃物は、回転軸心に位置する板状の胴部をさらに備え、胴部から複数の突出部が延びている。この場合、板状の胴部が存在するため、刃物の機械的強度が向上する。 【0014】好ましくは、複数の突出部の各々は、胴部から放射状に延びる第1の辺と、第1の辺に向い合うように位置し、胴部から放射状に延びる第2の辺と、第1および第2の辺と連なり、突出部の先端に位置する第3の辺とを含む。 【0015】好ましくは、第1および第2の辺は、所定の曲率で所定の回転方向に沿って湾曲する。 【0016】好ましくは、第1の辺が湾曲する曲率半径は第2の辺が湾曲する曲率半径よりも大きい。この場合、第1の辺が緩やかに湾曲し、第2の辺が急激に湾曲する。そのため、第1の辺が突出部の外側に位置し、第1の辺によりスライシング作業を行なうことができる。また、第2の辺の先端と第3の辺とでバーチカル作業を行なうことができる。 【0017】好ましくは、第3の辺は、芝生面手入れ用刃物の外周の円弧上に形成される。この場合、突出部の先端を構成する第3の辺が円弧上に形成されるため、芝生面手入れ用刃物がスムーズに回転する。 【0018】好ましくは、第1の辺と第3の辺とが交わる部分に鈍角の突起が形成されている。この場合、この鈍角の突起が芝生面に接触するように芝生面手入れ用刃物を回転させて芝生の絡みあった根を切断することによりスライシング作業を行なうことができる。 【0019】好ましくは、第2の辺と第3の辺とが交わる部分に鋭角の突起が形成されている。この場合、鋭角の突起で芝生面を引っ掻くことにより、バーチカル作業を行なうことができる。 【0020】好ましくは、胴部は、回転軸を受け入れる貫通孔を有する。この場合、貫通孔に回転軸を嵌め合せて刃物を回転させることにより、バーチカル作業およびスライシング作業を行なうことができる。 【0021】好ましくは、突出部は、対向する2つの面を有する基材と、その基材の2つの面に接触する表面層とを含み、基材は表面層より硬い材料で構成されている。この場合、中央に位置する基材が硬く、基材の両側に位置する表面層が柔らかいので、刃物を使用すると、両側が削れやすくなる。その結果、刃先が山形となり、バーチカル作業およびスライシング作業を行ないやすくなる。 【0022】この発明に従った芝生面手入れ用刃物セットは、板状で回転軸心を有し、回転軸心から放射状に延び、かつ所定の回転方向に沿って延びる複数の突出部を含む第1および第2の芝生面手入れ用刃物と、第1および第2の芝生面手入れ用刃物の回転軸心に位置し、所定の方向に延びる回転軸とを備える。第1の芝生面手入れ用刃物は、回転軸の延びる方向に沿って第2の芝生面手入れ用刃物から所定の距離だけ離隔して位置決めされる。第1の芝生面手入れ用刃物の突出部は第2の芝生面手入れ用刃物の突出部に対して所定の角度回転した位置に位置決めされている。 【0023】このように構成された芝生面手入れ用刃物セットでは、第1および第2の芝生面手入れ用刃物の突出部が回転方向に沿って湾曲するため、湾曲した突出部の外側の辺で芝生の根を切ることによりスライシング作業を行なうことができる。また突出部の先端で芝生面を引っ掻くことにより、バーチカル作業を行なうことができる。その結果、一つの刃物セットでバーチカル作業とスライシング作業とを行なうことができる。また、第1の芝生面手入れ用刃物の突出部は第2の芝生面手入れ用刃物の突出部に対して所定の角度回転した位置に位置決めされているので、第1の芝生面手入れ用刃物の突出部が芝生面に接触した後、第2の芝生面手入れ用刃物が所定の角度回転することにより第2の芝生面手入れ用刃物の突出部が芝生面に接触する。そのため、第1の芝生面手入れ用刃物の突出部が芝生面に接触する周期と、第2の芝生面手入れ用刃物の突出部が芝生面に接触する周期とが異なるため、騒音が小さくなる。また、第1の芝生面手入れ用刃物の突出部が芝生面に接触する周期と、第2の芝生面手入れ用刃物の突出部が芝生面に接触する周期とが異なるため、第1および第2の芝生面手入れ用刃物を回転させる回転軸にかかるトルクが一定となる。その結果、動力源および回転軸の寿命が長くなる。 【0024】好ましくは、第1および第2の芝生面手入れ用刃物の各々は、突出部が取付けられる板状の胴部を含み、胴部には回転軸を受け入れる貫通孔が形成されている。この場合、第1および第2の芝生面手入れ用刃物が胴部を有するので、第1および第2の芝生面手入れ用刃物の強度が大きくなる。 【0025】好ましくは、貫通孔は複数の辺を有する。第1の芝生面手入れ用刃物の貫通孔の特定の辺に対応する第1の芝生面手入れ用刃物の特定の突出部が、第2の芝生面手入れ用刃物の貫通孔の特定の辺に対応する第2の芝生面手入れ用刃物の特定の突出部に対して回転方向に沿って所定の角度ずれるように各々の胴部の貫通孔に回転軸を挿入することにより第1および第2の芝生面手入れ用刃物の各々が回転軸に対して位置決めされている。この場合、第1および第2の芝生面手入れ用刃物の貫通孔の特定の辺が互いにずれるようにそれぞれの貫通孔に回転軸を嵌め合せることにより、芝生面手入れ用刃物セットを構成することができる。 【0026】好ましくは、第1および第2の芝生面手入れ用刃物は、同一形状を有する。この場合、第1および第2の芝生面手入れ用刃物を量産することにより、芝生面手入れ用刃物セットの製造コストを低下させることができる。 【0027】好ましくは、回転軸の断面は正n角形であり、第1および第2の芝生面手入れ用刃物は、nと異なるm本の突出部を有する。 【0028】好ましくは、nとmとは、互いに素である。ここで、「互いに素」とは、2つの整数の間に1以外の公約数がないことをいう。たとえば、5と13、20と33などはいずれも互いに素である。 【0029】好ましくは、nは6であり、mは5である。この場合、貫通孔に嵌め合せる回転軸を六角軸とすることができ、回転軸の汎用性が向上する。 【0030】好ましくは、nは4であり、mは3である。この場合、貫通孔に嵌め合せる回転軸を四角軸とすることができ、回転軸の汎用性が向上する。 【0031】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。 【0032】(実施の形態1)図1は、この発明に従った芝生面手入れ用刃物を回転させる芝生面手入装置(バーチスライサ)の斜視図である。図1を参照して、バーチスライサ1はトラクタ500により牽引される。バーチスライサ1は、トラクタ500から延びた3本のリンク棒501、502および503に接続される。この3本のリンク棒501、502および503により、バーチスライサ1は、いわゆる三点リンクヒッチ方式で牽引されることになる。リンク棒501の一方端はトラクタ500に接続され、他方端はバーチスライサ1の上部に回動可能に接続される。リンク棒502および503の一方端はトラクタ500に接続され、他方端はバーチスライサ1の下部に回動可能に接続される。 【0033】バーチスライサ1は、本体フレーム101にさまざまな部材が取付けられることにより構成されている。本体フレーム101の上部には、アーチアーム102が取付けられている。アーチアーム102にはリンク棒501が取付けられる。また、本体フレーム101の上部は本体カバー126で覆われている。本体カバー126は本体フレーム101の上部の全体を覆い本体フレーム101上に載置されたさまざまな駆動機構が露出するのを防ぐ役割を果たす。 【0034】本体カバー126の上には、所定の刃物を上下させるためのクランクハンドル217と、クラッチの切り替えを行なうための回転握り305とが設けられている。このクランクハンドル217と回転握り305とは、いずれも人間が回動させることが可能である。 【0035】本体フレーム101の側面には、縦長のチェーンカバー210が設けられている。チェーンカバー210で囲まれた部分には所定の刃物を回転させる軸に動力を伝達するチェーンが設けられている。チェーンカバー210は、このチェーンが露出するのを防ぐ役割を果たす。 【0036】チェーンカバー210の隣りには、一方向に延びるロックハンドル229が設けられている。このロックハンドル229は、刃物の高さを調整して、その位置で刃物の高さを固定するための役割を果たす。ロックハンドル229は人間が回動させることが可能である。 【0037】図2は、図1で示すバーチスライサ1の側面図である。図2を参照して、バーチスライサ1は、本体を構成し、さまざまなパーツが取付けられるシャーシ機構100と、そのシャーシ機構100に取付けられ、刃物を上下させるための昇降機構200と、刃物を回転させる駆動機構300と、トラクタと駆動機構300の間に設けられ、刃物の回転方向を切り替える動力伝達機構400を有する。 【0038】シャーシ機構100は、本体としての本体フレーム101を有する。本体フレーム101は軽量化のため板金構造をされており、鉄板を板金することにより構成されている。 【0039】本体フレーム101の下部で、トラクタに近い側にはローラ114が取付けられている。また、本体フレーム101の下部で、トラクタに遠い側には、ローラ109が取付けられている。ローラ114は、ローラ軸115に回動可能に取付けられ、このローラ軸115が本体フレーム101に取付けられている。ローラ114は、紙面の手前側から奥方向へ延びるように、かつ紙面と平行な面で分割されて形成されている。ローラ114を分割しているのは、バーチスライサ1がトラクタに牽引されて回転する際の回転をスムーズに行なうためであり、ローラ114を分割することにより、回転時の内輪差を吸収することができる。 【0040】ローラ109はローラ軸110にベアリング(図2では示さず)により回動可能に取付けられており、このローラ軸110は、本体フレーム101に取付けられている。ローラ109および114がバーチスライサ1の重量を支持するため、ローラ109および114は、この荷重に耐えるだけの強度が必要とされる。 【0041】本体フレーム101のトラクタに近い部分には、トラクタから延びるリンク棒と接続されるステイ132が設けられる。ステイ132は、図2で示すものと、さらに、その奥側のもの(ステイ133、図2では示さず)との2つが存在する。ステイ132は、図1で示すリンク棒502に接続される。ステイ132には、リンク棒502と接続するための長穴が設けられており、この長穴に連結ピンを差し込んでリンク棒502に接続される。ステイ132には、バーチスライサ1を牽引するために必要な力が加わるため、この力に耐えることができるように本体フレーム101に溶接により取付けられている。 【0042】本体フレーム101上に接するように、本体カバー126が設けられている。本体カバー126は鉄板を板金して形成されており、本体フレーム101上の機構を覆うような形状とされている。 【0043】本体フレーム101には、トラクタに近い部分にアーチアーム102が取付けられている。アーチアーム102は、円弧形状であり、アーチアーム102の上部は本体カバー126から突出して設けられている。アーチアーム102には、トラクタのリンク棒501と接続されるためのステイ131が取付けられている。ステイ131の先端には長穴が設けられている。この長穴に連結ピンを差し込んでリンク棒501の先端を取付ける。 【0044】所定の刃物を上下方向に移動させるための昇降機構200は、アーム201と、軸受プレート206と、軸受202aおよび202bと、ビーム212と、シャフト231と、クランクハンドル217とを備える。 【0045】アーム201は「L」字状であり、その一方端は本体フレーム101に取付けられる。このアーム201の一方端はローラ軸115と同軸に取付けられ、本体フレーム101に対して回動可能である。アーム201と本体フレーム101との間には、回動の際に発生する摩擦を低減させるためのブッシュ(図2では示さず)が設けられる。そのため、アーム201は、ローラ軸115を中心に所定の範囲だけなめらかに回動することが可能である。 【0046】アーム201の中央部分には、3本の六角ボルト208により軸受プレート206が固定されている。軸受プレート206は、アーム201から遠ざかる方向に延びている。アーム201は厚手の鉄板により構成される。軸受プレート206は厚手の鉄板により構成される。軸受プレート206の部分であってアーム201から離れた部分には、ベアリング(図2では示さず)を介して軸317が取付けられる。軸317の先端には、スプロケット320が取付けられている。 【0047】軸受プレート206はアーム201に固定されているため、アーム201がローラ軸115を中心に回動すると、軸受プレート206もローラ軸115を中心として回動する。 【0048】アーム201の下部には、軸受202aおよび202bが取付けられている。軸受202aおよび202bは分割された構造となっており、上部に位置する軸受202bがアーム201に固定されている。下部に位置する軸受202aは、六角ボルト203により軸受202bに固定されている。軸受202aおよび202bがベアリング(図2では示さず)を挟んで固定する。このベアリングのアウタレースが軸受202aおよび202bで固定され、インナレースが作業軸としての六角刃物軸329とともに回転する。六角刃物軸329は紙面の手前から奥側へ延びるように形成されており、端部以外では六角柱形状である。六角刃物軸329には、複数枚の芝生面手入れ用刃物610が取付けられている。 【0049】アーム201の他方端には、アーム201を上下方向に移動させてローラ軸115を中心に回動させるためのビーム212が設けられている。ビーム212の一方端はアーム201に対して回動可能に取付けられる。ビーム212の他方端はブラケット225を介して昇降ナット223に回動可能に取付けられる。アーム201の他方端は本体フレーム101の長穴130に嵌め合わされており、この長穴130に沿ってアーム201の他方端が自由に動くことができる。昇降ナット223はその内部にねじ山が形成された雌ねじであり、雄ねじであるシャフト231にねじ込まれている。 【0050】ビーム212は、アーム201からブラケット225へ向かって上方向へ延びるとともに、このブラケット225付近で紙面の手前側から奥へ延びる。そして、その先端でビーム212は下方向へ延びて別のアームと接続されている。この別のアームはアーム201と同様の形状であり、アーム201に対して左右対称に取付けられる。この別のアームの他方端はローラ軸115に対して回動可能に取付けられ、その中央部には、六角刃物軸329の他方端を受入れるための軸受が設けられている。つまり、図2で示すアーム201、軸受202a、202b、六角ボルト203に対応した構造が紙面の奥側にも存在し、この2つの軸受により六角刃物軸329が位置決めされている。 【0051】シャフト231は雄ねじにより構成され、その先端がクランクハンドル217に取付けられている。そのため、クランクハンドル217を右方向へ回すとビーム212およびアーム201が上方向へ移動する。クランクハンドル217を左方向へ回すとビーム212およびアーム201が下方向へ移動する。これにより、芝生面手入れ用刃物610が芝生面に食い込む深さを調節することができる。 【0052】駆動機構300は、軸317と、スプロケット320および325と、チェーン324と、回転軸としての六角刃物軸329とを有する。軸317の外周部には、スプロケット320が取付けられている。スプロケット320と噛み合うようにチェーン324が設けられている。チェーン324はまた、スプロケット325と噛み合っている。スプロケット325は、六角刃物軸329の端部と接続されている。 【0053】駆動機構300には、動力源としてのトラクタのエンジンから回転運動が伝達される。この回転運動が動力伝達機構400を介して軸317、スプロケット320、チェーン324、スプロケット325、六角刃物軸329および芝生面手入れ用刃物610の順に伝わる。 【0054】動力伝達機構400は、第1の伝達軸としての入力軸415とクラッチ切り替え軸424とを有する。入力軸415に伝えられた回転運動は駆動機構300を介して六角刃物軸329へ伝達される。動力伝達機構400は、入力軸415の回転を、第1の方向への回転と第2の方向への回転とに変換する。回転を変換するためには、クラッチ切り替え軸424を回動させる必要がある。クラッチ切り替えプレート302および回転握り305を、クラッチ切り替え軸424を中心として回動させることにより動力源からの回転運動を第1の回転方向の回転運動と第2の回転方向の回転運動とに変換することができる。なお、クラッチ切り替えプレート302の中央には、インデックスプランジャ304が設けられている。 【0055】入力軸415は、カップリング機構を介して軸317と接続されている。そのため、入力軸415が回転すると、この回転運動が軸317、スプロケット320、チェーン324、スプロケット325、六角刃物軸329を介して芝生面手入れ用刃物610へ伝達される。 【0056】図3は、この発明に従った芝生面手入れ用刃物の正面図である。図3を参照して、芝生面手入れ用刃物610は、芝生の間の枯れかすを除去するバーチカル作業と、芝生面の下に形成された不透水層を消滅させるスライシング作業とを行なう芝生面手入れ用刃物である。芝生面手入れ用刃物610は、矢印Bで示す第1の方向に回転することによりバーチカル作業を行ない、第1の方向と逆の矢印Cで示す第2の方向に回転することによりスライシング作業を行なうことが可能な形状を有する。 【0057】すなわち、芝生面手入れ用刃物610は、板状であり、回転軸心610cを有する。芝生面手入れ用刃物610は、回転軸心610cから放射状に延び、かつ所定の回転方向に沿って湾曲するように延びる複数の突出部621、622、623、624および625を備える。 【0058】芝生面手入れ用刃物610は、回転軸心610cに位置する板状の胴部615をさらに有する。胴部615から複数の突出部621、622、623、624および625が延びている。 【0059】複数の突出部621、622、623、624および625の各々は、胴部615から放射状に延びる第1の辺621a、622a、623a、624aおよび625aと、第1の辺621a、622a、623a、624aおよび625aに向かい合うように位置し、胴部615から放射状に延びる第2の辺621e、622e、623e、624eおよび625eと、第1の辺621a、622a、623a、624aおよび625aと第2の辺621e、622e、623e、624eおよび625eと連なり、突出部621、622、623、624および625の先端に位置する第3の辺621c、622c、623c、624cおよび625cとを有する。第1の辺621a、622a、623a、624aおよび625aと第2の辺621e、622e、623e、624eおよび625eは、所定の曲率で所定の回転方向に沿って湾曲する。 【0060】第1の辺621a、622a、623a、624aおよび625aが湾曲する曲率半径は、第2の辺621e、622e、623e、624eおよび625eが湾曲する曲率半径よりも大きい。具体的には、第1の辺621a、622a、623a、624aおよび625aが湾曲する曲率半径は140mmであり、第2の辺621e、622e、623e、624eおよび625eが湾曲する曲率半径は80mmである。第3の辺621c、622c、623c、624cおよび625cは、芝生面手入れ用刃物610の外周の円弧上に形成される。 【0061】第1の辺621a、622a、623a、624aおよび625aと第3の辺621c、622c、623c、624cおよび625cとが交わる部分に鈍角の突起621b、622b、623b、624bおよび625bが形成されている。 【0062】第2の辺621e、622e、623e、624eおよび625eと第3の辺621c、622c、623c、624cおよび625cとが交わる部分に鋭角の突起が形成されている。胴部615は、回転軸としての六角刃物軸を受入れる貫通孔611を有する。 【0063】胴部615は、円板形状であり、その中心には、向かい合う辺の長さL1が47mmの貫通孔611が形成されている。胴部615の外径D2は140mmである。胴部615には、直径が4mmの位置決め孔612が設けられている。回転軸心610cから位置決め孔612までの距離L2は50mmである。 【0064】胴部615の形状としては、図3では、円形状のものとしているが、これに限られるものではない。つまり、胴部615は、回転軸心610cを中心に回転するため、スムーズに回転を行なえるような形状であればよい。すなわち、回転軸心610cを中心とした点対称な図形であればよい。そのため、胴部615を、たとえば正五角形、正六角形などの形状とすることができる。 【0065】胴部615の外周部には、突出部621、622、623、624および625が固定されている。第3の辺621c、622c、623c、624cおよび625cは、円弧状であり、その開き角度θ1は24°である。また、隣り合う鈍角の突起621bおよび622bがなす角度θ2は72°である。回転軸心610cと、位置決め孔612と、第2の辺621eの付け根と鈍角の突起622bとが同一直線上に位置する。 【0066】突出部621、622、623、624および625は、胴部615から離れるに従って、矢印Bで示すバーチカル作業の回転方向に沿って湾曲するように延びる。そのため、芝生面手入れ用刃物610が矢印Bで示す方向に回転すると鋭角の突起621d、622d、623d、624dおよび625dが芝生面に食い込むため、芝生の間の枯れかすを引っ掻いて除去することができる。それぞれの突出部621、622、623、624および625は、回転軸心610cを中心として渦巻き状に形成されている。第1の辺621a、622a、623a、624aおよび625aと、第2の辺621e、622e、623e、624eおよび625eと、第3の辺621c、622c、623c、624cおよび625cとに囲まれた領域が突出部621、622、623、624および625となる。 【0067】第1の辺621a、622a、623a、624aおよび625aと、第2の辺621e、622e、623e、624eおよび625eとは、矢印Bで示す回転方向、すなわちバーチカル作業の回転方向に沿って湾曲している。 【0068】芝生面手入れ用刃物610が矢印Bで示す方向に回転すると、第1の辺621a、622a、623a、624aおよび625aと、第2の辺621e、622e、623e、624eおよび625eの先端部分、すなわち第3の辺621c、622c、623c、624cおよび625cに近い部分が先に回転する。 【0069】これに対して、芝生面手入れ用刃物610が矢印Cで示す方向に回転すると、第1の辺621a、622a、623a、624aおよび625aと、第2の辺621e、622e、623e、624eおよび625eの根元部分、すなわち胴部615に近い部分が先に回転する。 【0070】第1の辺621a、622a、623a、624aおよび625aが湾曲しているのは、芝生の根を切りやすくするためである。すなわち、芝生面手入れ用刃物610を矢印Cで示す方向に回転させながら芝生面に接触させると、まず第1の辺621a、622a、623a、624aおよび625aの中央部分が芝生面に接触する。さらに芝生面手入れ用刃物610を矢印Cで示す方向に回転させると、芝生面と第1の辺621a、622a、623a、624aおよび625aとの接触点が、第1の辺621a、622a、623a、624aおよび625aの先端に移動する。このとき、第1の辺621a、622a、623a、624aおよび625aと芝生の根とが摺動することにより芝生の根を切断することができる。 【0071】第2の辺621e、622e、623e、624eおよび625eが湾曲しているのは、鋭角の突起621d、622d、623d、624dおよび625dを形成するためである。 【0072】図4は、図3中の矢印IV−IV線に沿って見た断面を示す図である。図4を参照して、突出部621は、対向する2つの面651aおよび651bを有する基材651と、基材651の2つの面651aおよび651bに接触する表面層652とを含む。基材651は表面層652より固い材料で構成されている。基材651の厚みは0.5mmである。それぞれの表面層652の厚みは1.35mmである。突出部621全体の厚みは3.2mmである。 【0073】図5は、図3中のV−V線に沿って見た断面を示す図である。図5を参照して、第2の辺621eが形成される部分でも、突出部621は、基材651と、基材651の2つの面651aおよび651bに形成された表面層652とにより構成される。図5中の基材651および表面層652は、図4中の基材651および表面層652と同一の材質および寸法で形成される。基材651は、たとえばJIS呼称SK材により構成される。これに対して、表面層652はステンレス鋼により構成される。 【0074】図6は、六角刃物軸を示す斜視図である。図6を参照して、スプロケット325にチェーン324が噛み合う。スプロケット325は六角刃物軸329の一方端部に取付けられる。六角刃物軸329には、ベアリング328bが嵌め合わされる。ベアリング328bとスプロケット325との間にはカラー327が設けられる。スプロケット325は六角ボルト323bを用いてエンドプレート322bにより六角刃物軸329に取付けられる。また、スプロケット325はホロセット326により六角刃物軸329に取付けられる。六角刃物軸329とスプロケット325との間には平行キー330が設けられる。 【0075】六角刃物軸329の他方端部にはカラー331が取付けられる。六角刃物軸329の他方端部にはねじ山が設けられており、このねじ山にねじ孔を有する割りナット332がねじ込まれる。割りナットにはキャップボルト333が取付けられて、割りナット332の内径を小さくしたり大きくしたりすることができる。六角刃物軸329の他方端部にはベアリング328aが取付けられる。このベアリング328aは六角ボルト323aとエンドプレート322aとにより六角刃物軸329に保持される。 【0076】図7は、この発明に従った芝生面手入れ用刃物セットの斜視図である。図7を参照して、この発明に従った芝生面手入れ用刃物セット700は、図3で示した芝生面手入れ用刃物610と同様の芝生面手入れ用刃物710、810、910、1010、1110、1210、1310、1410、1510、1610、および1710を有する。 【0077】すなわち、芝生面手入れ用刃物セット700は、板状で回転軸心を有し、回転軸心から放射状に延びかつ所定の回転方向に沿って延びる複数の突出部621、622、623、624および625ならびに721、722、723、724を含む第1の芝生面手入れ用刃物としての芝生面手入れ用刃物610および第2の芝生面手入れ用刃物としての芝生面手入れ用刃物710と、芝生面手入れ用刃物610および710の回転軸心に位置し、所定の方向に延びる回転軸としての六角刃物軸329とを備える。芝生面手入れ用刃物610は、六角刃物軸329が延びる方向に沿って芝生面手入れ用刃物710から所定の距離だけ離隔して位置決めされる。芝生面手入れ用刃物610の突出部621、622、623および624は芝生面手入れ用刃物710の突出部721、722、723および724に対して所定の角度回転した位置に位置決めされている。同様に、芝生面手入れ用刃物610、710、810、910、1010のそれぞれの突出部は、互いに少しずれた位置に位置決めされている。芝生面手入れ用刃物610の突出部621および622と、芝生面手入れ用刃物1210の突出部1221および1222がそれぞれ回転方向に対してほぼ同じ位置に位置する。 【0078】同様に、芝生面手入れ用刃物710のそれぞれ突出部と芝生面手入れ用刃物1310のそれぞれの突出部とが回転方向に対してほぼ同じ位置に位置する。芝生面手入れ用刃物810のそれぞれの突出部と芝生面手入れ用刃物1410のそれぞれの突出部とがほぼ同じ位置に位置する。芝生面手入れ用刃物910のそれぞれの突出部と芝生面手入れ用刃物1510のそれぞれの突出部とが回転方向に対してほぼ同じ位置に位置する。芝生面手入れ用刃物1010のそれぞれの突出部と芝生面手入れ用刃物1610のそれぞれの突出部とが回転方向に対してほぼ同じ位置に位置する。芝生面手入れ用刃物1110のそれぞれの突出部と芝生面手入れ用刃物1710のそれぞれの突出部とが回転方向に対してほぼ同じ位置に位置する。 【0079】芝生面手入れ用刃物セット700は、図2で示す芝生面手入装置に取付けられる。図2中の六角刃物軸329が図7で示す六角刃物軸329に該当し、芝生面手入れ用刃物セット700は、図2中の矢印BまたはCで示す方向に回転する。 【0080】六角刃物軸329は軸受202aおよび202bにより位置決めされている。それぞれの芝生面手入れ用刃物610〜1710の間には、カラー335が設けられている。芝生面手入れ用刃物610の突出部621の近傍に位置する突出部は芝生面手入れ用刃物710の突出部722である。突出部722の近傍に位置する突出部は、突出部723である。これらの突出部は、隣り合う突出部に対して角度が回転方向に対して12°だけずれている。すなわち、突出部621、722、823、924、1025、1121、1222、1323、1424、1525、1621および1722が螺旋状に配置される。これらの隣り合う突出部は、それぞれ角度が12°だけ回転方向にずれて位置決めされる。同様に、突出部622、723、824、925、1021も螺旋状に位置決めされる。同様に、突出部625、721、822、923、1024、1125、1221、1322、1423、1524、1625および1721も六角刃物軸329の延びる方向に進むにつれて六角刃物軸329に巻付くように、すなわち螺旋状に形成される。 【0081】それぞれの芝生面手入れ用刃物610〜1710の突出部は、芝生面手入れ用刃物610から芝生面手入れ用刃物1710に近づくにつれて、螺旋が時計回りに回転する。しかしながら、回転方向としては、この方向でなく逆の方向としてもよい。また、それぞれの芝生面手入れ用刃物610〜1710は、ほぼ同一の5本刃形状を有する。 【0082】図8は、図7中の矢印VIIIで示す方向から見た芝生面手入れ用刃物セットの正面図である。図8を参照して、芝生面手入れ用刃物セット700の前面には、芝生面手入れ用刃物610が設けられる。芝生面手入れ用刃物610は中心部に位置する胴部615と、胴部615から外周方向に延びる突出部621、622、623、624および625とを有する。 【0083】胴部615は円板形状であり、その中心部には、六角刃物軸329を受入れる貫通孔611が形成されている。貫通孔611は、突出部622に対応した特定の辺611aを有する。突出部621、622、623、624および625の奥側には、芝生面手入れ用刃物710の突出部721、722、723、724および725が位置する。突出部621と突出部721は、回転方向に対して60°ずれている。これは、六角刃物軸329の6本の辺に対応するものである。すなわち、六角刃物軸329のある辺と突出部621が対応するように位置決めされ、その辺と隣り合う辺と突出部721が対応するように位置決めされているからである。すなわち、六角刃物軸329がたとえば四角形となると、突出部621と突出部721とは回転方向に対して角度90°ずれることになる。 【0084】また、突出部621と突出部722とは回転方向に対して角度12°ずれている。これは、1つの芝生面手入れ用刃物に5枚の刃が存在するため、1つの芝生面手入れ用刃物の隣り合う刃のなす角度は72°であり、六角刃物軸329のある辺と隣り合う辺のなす角度が60°であり、この差によるものである。六角刃物軸329に突出部621を嵌め合わせた位置から角度60°反時計回りに回った方向に突出部721を位置決めした状態で芝生面手入れ用刃物を六角刃物軸329に嵌め合わせることにより突出部721、722、723、724および725を有する芝生面手入れ用刃物が位置決めされている。 【0085】突出部721、722、723、724および725の奥側には、突出部821、822、823、824および825を有する芝生面手入れ用刃物が六角刃物軸329に取付けられている。突出部821、822、823、824および825は、突出部725、721、722、723および724に対して回転方向に角度12°ずれている。突出部921、922、923、924および925は、突出部825、821、822、823および824に対して角度12°ずれている。突出部1021、1022、1023、1024および1025は、突出部925、921、922、923および924に対して角度12°ずれている。 【0086】図9は、図7で示す芝生面手入れ用刃物セットを拡大して示す斜視図である。図9を参照して、この発明の実施の形態1に従った芝生面手入れ用刃物セット700は、第1の芝生面手入れ用刃物としての芝生面手入れ用刃物610と、第2の芝生面手入れ用刃物としての芝生面手入れ用刃物710とを有する。芝生面手入れ用刃物610および710の各々は、突出部621、622、623、624および625ならびに721、722、723、724および725が取付けられる板状の胴部を含み、胴部には六角刃物軸329を受入れる貫通孔611および711が形成されている。貫通孔611および711は、複数の辺を有する。貫通孔611の特定の辺611aに対応する芝生面手入れ用刃物610の特定の突出部622が、特定の辺711aに対応する芝生面手入れ用刃物710の特定の突出部722に対して回転方向に沿って所定の角度ずれるように各々の貫通孔611および711に六角刃物軸329を挿入することにより芝生面手入れ用刃物610および710の各々が六角刃物軸329に対して位置決めされている。 【0087】すなわち、まず、六角刃物軸329に芝生面手入れ用刃物610を嵌め合わせる。この時、突出部621は、六角刃物軸329の真上に位置する。その位置から角度60°反時計回りに回った方向に突出部721を位置決めする。この位置で芝生面手入れ用刃物710を六角刃物軸329に嵌め合わせることにより突出部721、722、723、724および725を有する芝生面手入れ用刃物710が位置決めされている。従って、突出部721、722、723、724および725は、突出部621、622、623、624および625に対して回転の位相が角度60°ずれている。 【0088】芝生面手入れ用刃物610および710は、同一形状を有する。六角刃物軸329の断面は正六角形であり、芝生面手入れ用刃物610および710は、5本の突出部を有する。なお、六角刃物軸329の断面を正n角形とした場合には、芝生面手入れ用刃物610および710は、nと異なるm本の突出部を有すればよい。また、mとnとは互いに素である。ここで「互いに素」とは、2つの整数の間に1以外の公約数がないことをいう。たとえば、5と13、20と33などはいずれも互いに素である。nおよびmはさまざまに設定することができるが、刃物軸の汎用性および刃物の製造の容易性を考慮すると、nは4であり、mは3であるか、またはnは6であり、mは5であることが好ましい。 【0089】このように構成された芝生面手入れ用刃物およびそれを用いた芝生面手入れ用刃物セットでは、図3の矢印Bで示す方向に芝生面手入れ用刃物610を回転させることによりバーチカル作業を行ない、矢印Cで示す方向に回転させることによりスライシング作業を行なうことができる。すなわち、バーチカル作業とスライシング作業とを、一つの刃物の回転方向を変えることにより行なうことが可能となる。そのため、1つの刃物で2つの作業を行なえることができるため、従来のように、2つの作業に2つの刃物が必要なくなり経済性が向上する。 【0090】また、図7および図8で示すように、隣り合う芝生面手入れ用刃物の突出部がずれているため、常にいずれかの刃が芝生面と接触している。これにより、切削動力源に常に一定の負荷がかかる。そのため、高い負荷がかかる状態と負荷がかからない状態とを繰返す場合に比べて、切削動力源となるトラクターのエンジンに負担が少なくなり高寿命化に繋がる。 【0091】また、常にどれかの刃物が芝生面に接触しているため、一度に多くの刃物が芝生面に接触する場合に比べて衝撃音が低減する。その結果、低騒音化に寄与することができる。 【0092】特に、貫通孔611の辺の数nと突出部の数mとは互いに素であるため、芝生面手入れ用刃物700において、突出部が少しずつずれて配置される。その結果、nがmの倍数である場合に比べて、突出部がランダムに配置される。そのため、突出部が芝生面に接触していない時間が少なくなり、切削動力源に負荷がかからない時間を少なくすることができる。これにより、一定の負荷を切削動力源に加えることができ、切削動力源の高寿命化を図ることができる。 【0093】また、それぞれの芝生面手入れ用刃物は、同一形状を有し、各々の突出部の位置がずれるように各々の芝生面手入れ用刃物を六角刃物軸に嵌め合わすことで、芝生面手入れ用刃物セット700が構成される。そのため、同一形状の芝生面手入れ用刃物を大量に生産することにより本発明の芝生面手入れ用刃物セットを構成できるため、製造コストを低下させることができる。 【0094】さらに、図4および5で示すように、突出部の中央が硬い材料、両側が柔らかい材料で構成される。その結果、使用するにつれて、両側が削れやすいので中央部が突出して断面が山形となる。その結果、特に芝生の根を切断するスライシング作業を行ないやすくなる。 【0095】以上、本発明について説明したが、ここで示した実施の形態は様々に変形することが可能である。まず、貫通孔の辺の数は、上述したものに限られず、5または7等にしてもよい。さらに突出部の数も、上述したものに限られず、6、7等に設定することができる。また、突出部を構成する材料も上述したものに限られず、通常の刃物の材料を使用することができる。 【0096】今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。 【0097】 【発明の効果】この発明に従えば、バーチカル作業とスライシング作業とを、刃物の回転方向を変えることにより行なうことができる芝生面手入れ用刃物および芝生面手入れ用刃物セットを提供することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】599157930 【氏名又は名称】有限会社 ヤブタ
|
| 【出願日】 |
平成13年1月22日(2001.1.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064746 【弁理士】 【氏名又は名称】深見 久郎 (外3名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−209405(P2002−209405A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月30日(2002.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2001−12655(P2001−12655) |
|