| 【発明の名称】 |
窓材及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】飯田 博文
【氏名】北田 明
【氏名】石田 哲夫
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| 【要約】 |
【課題】従来の電子レンジの窓に設けられていたパンチングメタルを廃止し、視認性の高い網状部材を採用可能な電磁波遮蔽機能を有する窓材を提供する。
【解決手段】窓材1は電磁波遮蔽機能を有する網状部材2と、その両面に形成されたシリコーンゴム層3a,3bと、2枚の透明板4a,4bとを備えている。網状部材2はその周縁部2aがシリコーンゴム層3a,3bからはみ出した状態に形成されている。網状部材2としては金網が使用され、透明板4a,4bにはガラス板が使用されている。シリコーンゴム層3a,3bは予めシート状に成形されたシリコーン樹脂を硬化させることによって形成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電磁波遮蔽機能を有する金網等の網状部材と、その両面に形成されたシリコーンゴム層と、該シリコーンゴム層によって前記網状部材に対して一定の間隔を隔てて並設される2枚のガラス等の透明板とを備えてなり、さらに前記シリコーンゴム層は前記網状部材及び前記透明板に密着接合されていることを特徴とする窓材。 【請求項2】 前記シリコーンゴム層は予めシート状に成形されたシリコーン樹脂を硬化させることによって形成されることを特徴とする請求項1に記載の窓材。 【請求項3】 前記シリコーンゴム層は可視光の透過率が85%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の窓材。 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の窓材の製造方法であって、2枚のガラス等の透明板各々に予めシート状に成形されたシリコーン樹脂を圧着させた後、シリコーン樹脂を介して前記2枚の透明板と前記網状部材とを減圧下、圧着することを特徴とする窓材の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は窓材及びその製造方法に係り、詳しくは電子レンジの窓の窓材のように、内部で発生した電磁波が外部に洩れ出るのを防止しつつ、内部を観察可能な窓に使用される窓材及びその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図3に示すように、電子レンジ21の扉22にはレンジ内の調理の進行状況を見るために窓23が設けられている。従来、電子レンジ21内で発生した電磁波が前記窓23から外部へ洩れ出ることを防ぐため、図4に示すように、窓23において扉22の内面側にパンチングメタル24が配設されている。窓23はパンチングメタル24の前方側(電子レンジ21の前側)に配設され、かつその周縁がパンチングメタル24の周縁部24aと、扉カバー25とにて挟まれたアウターガラス26と、パンチングメタル24の板面部24bとパンチングメタル24の後方側に重ねて固定されたインナーガラス27とにて構成されている。インナーガラス27はパンチングメタル24の板面部24bの中央部に固着され、パンチングメタル24のみにて支持されている。また、アウターガラス26とインナーガラス27との間に間隔Wが空き、窓23の内部は中空の状態となっている。パンチングメタル24は自身とインナーガラス27とを支持するのに必要な強度を有する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、前記パンチングメタル24は強度及び製造上の制約から開口率が低く、視認性が悪いものであった。視認性を良くするためパンチングメタルに代えて金網を使用した場合は、強度が低く、変形し易いという欠点があり、実用的とは言えなかった。また、電子レンジに限らず、反応装置等においても電磁波が発生する内部の状態を目視で観察可能とするには電磁波遮蔽機能を有する窓材が必要となる。 【0004】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は従来の電子レンジの窓に設けられていたパンチングメタルを廃止し、視認性の高い金網等の網状部材を採用可能な電磁波遮蔽機能を有する窓材及びその製造方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、電磁波遮蔽機能を有する金網等の網状部材と、その両面に形成されたシリコーンゴム層と、該シリコーンゴム層によって前記網状部材に対して一定の間隔を隔てて並設される2枚のガラス等の透明板とを備えてなり、さらに前記シリコーンゴム層は前記網状部材及び前記透明板に密着接合されている。 【0006】従って、この発明では電磁波遮蔽機能を有する金網等の網状部材は、両面に形成されたシリコーンゴム層を介して透明板に密着接合されているため、従来のパンチングメタルを使用した窓材と異なり、自身及びガラスを支持するための剛性(強度)を必要としない。そのため、網状部材の開口率を高くでき、窓材を通して窓の内部を観察する際の視認性が良くなる。従って、この発明の窓材を電子レンジの窓材として使用した場合は、窓から電子レンジ内部の調理品を観察する際、よく見える。また、網状部材はシリコーンゴム層に挟持されているため、窓材の製造工程中において網状部材の変形が防止される。 【0007】請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記シリコーンゴム層は予めシート状に成形されたシリコーン樹脂を硬化させることによって形成される。従って、この発明の窓材は、製造時に網状部材の両面にシリコーンゴム層を形成する作業がシリコーンゴムを塗布する方法に比較して簡単になる。 【0008】請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記シリコーンゴム層は可視光の透過率が85%以上である。従って、この発明では、窓材を通した視認性がより向上する。 【0009】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の窓材の製造方法であって、2枚のガラス等の透明板各々に予めシート状に成形されたシリコーン樹脂を圧着させた後、シリコーン樹脂を介して前記2枚の透明板と前記網状部材とを減圧下、圧着する。従って、この発明では、窓材を簡単に効率良く製造できる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明を電子レンジ用の窓材に具体化した一実施の形態を説明する。図1に示すように、窓材1は電磁波遮蔽機能(電磁波の洩れを防止する機能)を有する網状部材2と、その両面に形成されたシリコーンゴム層3a,3bと、シリコーンゴム層3a,3bによって網状部材2に対して一定の間隔を隔てて並設された2枚の透明板4a,4bとを備えている。網状部材2はその周縁部2aがシリコーンゴム層3a,3bからはみ出した状態に形成されている。 【0011】網状部材2としては金網(金属メッシュ)が使用され、透明板4a,4bにはガラス板が使用されている。透明板4a,4bの厚さは従来の電子レンジ用窓材のアウターガラス及びインナーガラスとほぼ同様な厚さに設定されている。 【0012】シリコーンゴム層3a,3bは予めシート状に成形されたシリコーン樹脂を硬化させることによって形成される。シリコーン樹脂としては室温硬化型シリコーン樹脂、加熱硬化型シリコーン樹脂のいずれも使用でき、好適にはジメチルシロキサンを主なモノマー成分としたポリジメチルシロキサンを主成分とした組成物からなるものが使用される。 【0013】ジメチルシロキサンを主なモノマー成分としたポリジメチルシロキサンにおける他のモノマー成分としては、メチル基の一つ又は2つ(末端については一つ乃至三つ)をビニル基、フェニル基、(長鎖)アルキル基、フルオロアルキル基、ヒドロキシル基(=シラノール基)、アミノ基、グリシジル基、アルコキシ基、塩素、水素等で置換したモノマーが使用できる。 【0014】シリコーン単独では成し得ない特性、例えば加工性、耐熱性、機械物性、接着性、難燃性、信頼性等を補助する目的でポリジメチルシロキサン以外の充填剤、加硫剤、特性向上剤等の成分を添加してもよい。 【0015】充填剤としては、例えばシリカ、けいそう土、石英粉、炭酸カルシウム、シリコーンレジン等が用いられる。また、加硫剤としては、例えば有機過酸化物、変成シラン、変成シロキサン、アルコキシシラン、白金化合物等が用いられる。また、特性向上剤としての加工助剤として、例えば末端シラノール基あるいは末端アルコキシ基含有低粘度シリコーンオイル・シリコーンレジン、シラン化合物が用いられる。同じく耐熱性向上剤として、例えば鉄、ニッケル等の金属酸化物、金属有機酸塩が用いられ、加硫戻り防止剤として、例えば酸化カルシウム、酸化バリウム等の酸受容体が用いられる。また、難燃性付与剤として、例えば白金化合物、酸化鉄、酸化チタンが用いられ、接着性向上剤として、例えばシランカップリング剤が用いられる。 【0016】シリコーンゴムの可視光線透過率(JIS K7105 の全光線透過率)の好ましい範囲は、良透過性による視認性等の点から、85%以上であり、より好ましくは90%以上である。 【0017】シリコーンゴム層3a,3bの厚みは耐熱性、透明性を損なわない範囲で選択できるが、0.1〜3mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5〜1mmの範囲である。 【0018】シリコーンゴム層3a,3bは透明板4a,4b及び網状部材2と密着接合しているため、開口率の高い網状部材2の形状維持に充分な強度を確保することが可能であり、シリコーンゴム自体も高透明性であるため、視認性の高い窓材1が得られる。また、シリコーンゴムの耐熱性及び耐衝撃性に優れるという特性から窓材1の安全性も従来のものより向上する。 【0019】次に電子レンジの扉に対する窓材1の取付方法を説明する。図2(a)は電子レンジの扉の部分模式断面図である。窓材1は図2(a)に示す取付構造により電子レンジの扉10に取り付けられる。扉10は窓11が形成された枠部12を備え、窓11を覆うように窓材1が取り付けられている。枠部12は扉カバー13と、その内側に配設された窓材保持体14と、窓材保持体14と一体に形成されたシーラ板15と、窓材挟持片16と、留め具17と、カバー18とで構成されている。窓材保持体14及び窓材挟持片16は金属製である。留め具17にはネジが使用されている。 【0020】窓材保持体14は扉カバー13に対して電子レンジの前面側と側面側とにおいて内側から当接するように、前方当接部14aと側方当接部14bとを備え、側方当接部14bと反対側、即ち窓11側に支持部14c及び挟持部14dを備えている。窓材挟持片16は留め具17により窓材保持体14に固定された際、窓材保持体14の支持部14c及び挟持部14dと対向する状態で配置される支持部16a及び挟持部16bを備えている。図2(b)に示すように、窓材挟持片16の支持部16aには、留め具17を挿通する箇所に爪部16cが切り起こしにより形成されるとともに、孔16dが形成されている。爪部16cの存在により、留め具17の装着時に爪部16cがネジの谷に食い込み、留め具17による締め付けが確実になされるそして、窓材1は、網状部材2の周縁部2aが両支持部14c,16a間に配置され、透明板4a,4bが両挟持部14d,16bに挟持された状態で、両支持部14c,16a及び網状部材2を貫通する留め具17により窓材保持体14及び窓材挟持片16間に固定される。周縁部2aは窓材保持体14に接触する状態に保持される。 【0021】次に窓材1の製造方法を説明する。窓材1を製造する際は、先ず予めシート状に成形されたシリコーン樹脂を2枚の透明板4a,4b(必要によっては貼り合わせ面に硬化触媒を塗布した透明板)各々にロール圧着等によって貼り合わせる。その後、前記2枚の透明板4a,4bをシリコーン樹脂が網状部材2に接する向きにして網状部材2の両面から減圧状態で圧着させる。場合によっては圧着時に加熱してもよい。 【0022】圧着時の圧力は面圧(試料に加わる圧力)で49×104 Pa〜294×104 Paの範囲が好ましく、より好ましくは98×104 Pa〜196×104 Paの範囲である。圧力が低すぎるとシリコーン樹脂と透明板4a,4b及び網状部材2との密着性が悪くなり、圧力が高すぎると透明板4a,4bに破損が生じる。なお、面圧は1kgf/cm2 =9.8×104 Paで換算した。 【0023】(実施例)以下、実施例により窓材の製造方法をさらに詳しく説明する。厚み3.2mm、幅154.5mm、長さ280.5mmの耐熱ガラス板2枚の片面に白金系の硬化触媒溶液を塗布した。その2枚の耐熱ガラス板の硬化触媒塗布面各々に、前記耐熱ガラス板と同じ寸法にカットした、予め厚み0.5mmのシート状に成形した付加型の室温硬化型シリコーン樹脂をロール圧着した。次に耐熱ガラス板より面積の大きいメッシュ40の金網の両側に、前記の耐熱ガラス板を室温硬化型シリコーン樹脂が金網に接する向きにセットし、真空プレス機を使用して室温下、面圧98×104 Pa(試料に加わる圧力)でプレスした。この貼り合わせ物を室温下、24時間以上保管することによって、室温硬化型シリコーン樹脂を硬化させ、視認性に優れた電子レンジ用窓材を得た。 【0024】この実施の形態では次の効果を有する。 (1) 電磁波遮蔽機能を有する網状部材2の両面にシリコーンゴム層3a,3bを形成し、各シリコーンゴム層3a,3bの外側に透明板4a,4bを設け、シリコーンゴム層3a,3bを網状部材2及び透明板4a,4bに密着接合させて窓材1が形成されている。従って、電子レンジの窓の窓材に使用すると、従来のパンチングメタルを使用した窓材に比較して視認性が高くなり、窓から電子レンジ内部の調理品を観察する際、よく見える。 【0025】(2) 透明板4a,4bとしてガラス板が使用されているため、オーブンレンジのように単なる加熱機能のみを備えた単機能の電子レンジに比較して調理時に内部温度が高くなる場合にも使用できる。特に耐熱ガラス板を使用した場合は、より耐熱性が向上する。 【0026】(3) シリコーンゴム層3a,3bは予めシート状に成形されたシリコーン樹脂を硬化させることによって形成される。従って、網状部材2の両面にシリコーンゴムを塗布してシリコーンゴム層を形成する方法に比較して製造工程が簡単になる。 【0027】(4) シリコーンゴム層3a,3bは可視光の透過率が85%以上に形成されている。従って、窓材1を通した視認性がより向上する。 (5) 網状部材2に金網が使用され、周縁部2aが金属製の窓材保持体14に接触する状態で扉10に取り付けられるため、窓材1を扉10に取り付けることにより自動的に金網(網状部材2)が接地(アース)され、金網あるいはその付近の部材への帯電を防止することができる。 【0028】実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。 ○ 透明板4a,4bの材質はガラスが好ましいが、ガラス以外に耐熱性を有する透明な素材、例えばポリカーボネートを採用してもよい。また、窓11を覆う際に、内側に配置される透明板4aにガラス板を使用し、外側に位置する透明板4bにガラス以外の材質(例えばポリカーボネート)の板を使用してもよい。 【0029】○ 透明板4a,4bとして貼り合わせガラスを使用する。貼り合わせガラスは、複数のガラス層、ガラス層と樹脂層との組合せ、複数の樹脂層のいずれの構成でもよい。 【0030】○ 網状部材2は金網(金属メッシュ)が好ましいが、金網以外に電磁波の遮断能力を有する素材、例えばカーボン繊維にて形成された網を採用することも可能である。 【0031】○ 網状部材2は線材を編んだものに限らず、シリコーンゴム層3a,3bで挟まれた状態において線材が異なる方向に配列された状態に保持された構成でよい。 【0032】○ 窓材1は電子レンジの窓に限らず、電磁波が発生する内部の状態を目視で観察するための窓を有する反応装置等の機器の窓に使用してもよい。 ○ 窓材1の取付け方法は前記実施の形態の構造に限らず、適宜の方法を使用してよい。 【0033】前記実施の形態から把握できる請求項記載以外の技術的思想(発明)について、以下にその効果とともに記載する。 (1) 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記網状部材は金属製でその周縁部がシリコーンゴム層よりはみ出すように形成されている。この場合、窓材を電子レンジの扉に取り付ける際、前記周縁部を接地することにより金網を簡単に接地でき、金網あるいはその付近の部材への帯電を防止することができる。 【0034】(2) 請求項1〜請求項3及び(1)のいずれかに記載の窓材を窓に使用した電子レンジ。この場合、パンチングメタルを備えた窓材を使用した従来の電子レンジに比較して、窓材を通しての視認性が高くなり、窓から電子レンジ内部の調理品を観察する際、よく見える。 【0035】 【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項3に記載の発明によれば、従来の電子レンジの窓に設けられていたパンチングメタルを廃止し、視認性の高い金網等の網状部材を電磁波遮蔽材として採用することができる。 【0036】請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜請求項3に記載の窓材を効率良く製造できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006172 【氏名又は名称】三菱樹脂株式会社 【識別番号】591005534 【氏名又は名称】郷商事株式会社 【識別番号】500074202 【氏名又は名称】日産パッキング株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月7日(2000.6.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068755 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−352193(P2001−352193A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月21日(2001.12.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−170861(P2000−170861) |
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