| 【発明の名称】 |
接着シート、接着シートを用いた回路基板及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 武
【氏名】留河 悟
【氏名】小川 立夫
【氏名】越後 文雄
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| 【要約】 |
【課題】絶縁体層の接着強度を向上させ、優れた信頼性を実現する回路基板に用いる接着シート、回路基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】接着シート404は、コアシートとその両面に接着剤層403が形成されるとともに、前記コアシートの部分のみを貫通し、接着剤層403の接着剤を流入させるための空洞の貫通孔402を具備しており、金属箔405等を重ね合わせ加熱加圧して積層すると同時に接着シート404の空洞の貫通孔402に接着剤層403の接着剤を流入させて接着剤層403と貫通孔402の中の接着剤とが連続体を形成して優れた接着性を発現する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コアシートの少なくとも一方の面に接着剤層が形成された接着シートであって、前記コアシートのみを貫通するとともに、前記接着剤層の接着剤が流入する空洞の貫通孔を具備していることを特徴とする接着シート。 【請求項2】 コアシートの少なくとも一方の面に接着剤層が形成された接着シートであって、前記コアシートと接着剤層とを貫通するとともに、前記接着剤層の接着剤が流入する空洞の貫通孔を具備していることを特徴とする接着シート。 【請求項3】 コアシートの少なくとも一方の面に接着剤層が形成された接着シートであって、前記コアシート部分のみを貫通するとともに、前記接着剤層の接着剤が流入して該接着剤層との連続体が形成された貫通孔を具備していることを特徴とする接着シート。 【請求項4】 配線層と絶縁体層とを備えた回路基板であって、前記絶縁体層の内の少なくとも1つの絶縁体層は、隣接する絶縁体層および配線層の少なくとも一方と接着剤層を介して接着されたシート状絶縁体層であり、前記シート状絶縁体層は、貫通孔を備えるとともに、該貫通孔には、前記接着剤層の接着剤が流入して、前記接着剤層と前記貫通孔に流入した接着剤とが連続体を形成していることを特徴とする回路基板。 【請求項5】 2層以上の配線層と絶縁体層とを備えるとともに、前記配線層同士を電気的に接続するビアを備えた回路基板であって、前記絶縁体層の内少なくとも1つの絶縁体層は、隣接する絶縁体層および配線層の少なくとも一方と接着剤層を介して接着されたシート状絶縁体層であり、前記シート状絶縁体層は、貫通孔を備えるとともに、該貫通孔には、前記接着剤層の接着剤が流入して、前記接着剤層と前記貫通孔に流入した接着剤とが連続体を形成しており、前記シート状絶縁体層に形成されたビアが導電性フィラーを含有していることを特徴とする回路基板。 【請求項6】 前記請求項1および前記請求項2の少なくとも一方の接着シートと、配線層および金属箔の少なくとも一方とを、重ね合わせて加熱加圧して積層すると同時に前記接着シートの空洞の貫通孔に接着剤層の接着剤を流入させる工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。 【請求項7】 前記請求項1および前記請求項2の少なくとも一方の接着シートに導電性フィラーを含有するビアを形成する工程と、前記接着シートと、配線層および金属箔の少なくとも一方とを、重ね合わせ加熱加圧して積層すると同時に接着シートの空洞の貫通孔に接着剤層の接着剤を流入させるとともに、前記ビアを厚み方向に圧縮して導電性フィラー同士を接触させて導電性を発現させる工程と、を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、接着性に優れた接着シート、それを用いた回路基板及びその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、電子機器の小型軽量化、高機能高性能化に伴い、産業用のみならず民生用にも、チップの大きさと同じか僅かに大きい小型の半導体パッケージであるCSP(Chip Scale Package)や複数のベアチップをプリント基板上に搭載し、1つのまとまった機能をもたせてパッケージに収納したものであるMCM(Multi Chip Module)など、LSI等を半導体パッケージ用基板に直接実装した形態の半導体パッケージが広く用いられるようになってきた。これらの半導体パッケージ基板は、安価に供給することが強く要望されており、従来のセラミック基板に代わり、より安価に供給することができる樹脂基板を、半導体パッケージ用基板に好適な基板にする技術開発が行われている。 【0003】半導体パッケージ用基板では、高耐熱、低吸湿、低誘電率の絶縁体層が要求されており、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルム、フッ素樹脂フィルムなどが検討されている。 【0004】例えば、ポリイミドフィルムを用いた半導体パッケージ用基板の技術が公開されている。この基板では、コア基板の上に、ポリイミドフィルム等からなる絶縁体層を形成してなる基板であり、任意の配線層の任意の位置を導電ペーストにより接続できるインナービア接続法すなわち全層IVH(インナービアホール)構造を採用しているため、高密度実装に好適なものであると共に、コア基板上にポリイミドフィルムなどの高耐熱フィルムからなる絶縁層を積層しているため平坦性に優れ、LSI等の半導体チップを直接実装するのに好適な基板である。 【0005】例えば、特開平10−84186号公報には、ポリイミドフィルムを用いた半導体パッケージ用基板の技術が公開されている。この基板では、コア基板の上に、ポリイミドフィルム等からなる絶縁体層を形成してなる基板であり、任意の配線層の任意の位置を導電ペーストにより接続できるインナービア接続法、すなわち全層IVH(インナービアホール)構造を採用しているため、高密度実装に好適なものであると共に、コア基板上にポリイミドフィルムなどの高耐熱フィルムからなる絶縁層を積層しているため平坦性に優れ、LSI等の半導体チップを直接実装するのに好適な基板である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリイミドフィルムは、その表面に接着に寄与する極性のある官能基を持っておらず、本質的に接着しにくいフィルムである。このため、回路基板に用いた場合には、ポリイミドフィルムと他の構成要素、例えば配線層や絶縁体層の界面の接着強度が小さいとう問題があった。特に、通常の室内環境に放置され、ある程度吸湿した状態でSMT実装を行うためにリフロー工程を経ると、リフローの熱履歴で樹脂基板中の水分が急激に膨張して、強度が最も弱い接着部分が破壊してしまうという課題があった。 【0007】このような課題を解決するために、ポリイミドフィルムの表面のプラズマ処理方法や、充分な接着強度を発現できる接着剤の開発等が行われているが、充分解決できていないのが現状であった。このような状況は、ポリイミドフィルムのみならず、低吸湿、低誘電率の絶縁材料として期待される液晶ポリマーフィルムやフッ素樹脂フィルム等の高性能フィルムでも同様で、これら高性能フィルムの接着性を改善する技術が強く望まれていた。 【0008】本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、シート状絶縁体層の接着強度を向上させ、優れた信頼性を実現する半導体パッケージにも好適な回路基板に用いる接着シート、それを用いた回路基板及び回路基板の製造方法を提供することを目的とする。 【0009】 【発明を解決する手段】この課題を解決するために本発明は、コアシートの少なくとも一方の面に接着剤層が形成された接着シートであって、前記コアシートのみを貫通するとともに、前記接着剤層の接着剤が流入する空洞の貫通孔を具備している。 【0010】これにより、コアシートと接着剤層との接着強度が充分でない場合でも接着の過程で空洞の貫通孔に接着剤層の接着剤を流入させることにより、接着剤層と貫通孔の中の接着剤とが連続体を形成して、貫通孔が接着剤を保持する効果により優れた接着性を発現できる接着シートを提供できる。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、コアシートの少なくとも一方の面に接着剤層が形成された接着シートであって、前記コアシートのみを貫通するとともに、前記接着剤層の接着剤が流入する空洞の貫通孔を具備しているものであり、コアシートと接着剤層との接着強度が充分でない場合でも接着の過程で空洞の貫通孔に接着剤層の接着剤を流入させることにより、接着剤層と貫通孔の中の接着剤とが連続体を形成して、貫通孔が接着剤を保持する効果により優れた接着性を発現できる。 【0012】請求項2記載の発明は、コアシートの少なくとも一方の面に接着剤層が形成された接着シートであって、前記コアシートと接着剤層とを貫通するとともに、前記接着剤層の接着剤が流入する空洞の貫通孔を具備しているものであり、コアシートと接着剤層との接着強度が充分でない場合でも接着の過程で空洞の貫通孔に接着剤層の接着剤を流入させることにより、接着剤層と貫通孔の中の接着剤とが連続体を形成して、貫通孔が接着剤を保持する効果により優れた接着性を発現できる。 【0013】請求項3記載の発明は、コアシートの少なくとも一方の面に接着剤層が形成された接着シートであって、前記コアシート部分のみを貫通するとともに、前記接着剤層の接着剤が流入して該接着剤層との連続体が形成された貫通孔を具備しているものであり、コアシートと接着剤層との接着強度が充分でない場合でも、接着剤層と貫通孔の中の接着剤とが連続体を形成して、貫通孔が接着剤を保持する効果により優れた接着性を発現できる。 【0014】本発明の請求項4記載の発明は、配線層と絶縁体層とを備えた回路基板であって、前記絶縁体層の内の少なくとも1つの絶縁体層は、隣接する絶縁体層および配線層の少なくとも一方と接着剤層を介して接着されたシート状絶縁体層であり、前記シート状絶縁体層は、貫通孔を備えるとともに、該貫通孔には、前記接着剤層の接着剤が流入して、前記接着剤層と前記貫通孔に流入した接着剤とが連続体を形成しているものであり、前記シート状絶縁体層が、請求項1ないし3の本発明に係る接着シートよりなるものであるため、隣接する絶縁体層および配線層の少なくとも一方と強固に接着しており、優れた信頼性を具備した回路基板を提供することができる。 【0015】請求項5記載の発明は、2層以上の配線層と絶縁体層とを備えるとともに、前記配線層同士を電気的に接続するビアを備えた回路基板であって、前記絶縁体層の内少なくとも1つの絶縁体層は、隣接する絶縁体層および配線層の少なくとも一方と接着剤層を介して接着されたシート状絶縁体層であり、前記シート状絶縁体層は、貫通孔を備えるとともに、該貫通孔には、前記接着剤層の接着剤が流入して、前記接着剤層と前記貫通孔に流入した接着剤とが連続体を形成しており、前記シート状絶縁体層に形成されたビアが導電性フィラーを含有しているものであり、前記シート状絶縁体層が、請求項1または2の本発明に係る接着シートよりなるものであるため、隣接する絶縁体層および配線層の少なくとも一方と強固に接着しているとともに、接着剤層の接着剤が空洞の貫通孔に流入するために、接着シートが被圧縮性を持ち、導電フィラー同士及び導電フィラーと配線層とを強固に接続することができ、優れた信頼性を具備した回路基板を提供することができる。 【0016】本発明の請求項6記載の発明は、前記請求項1および前記請求項2の少なくとも一方の接着シートと、配線層および金属箔の少なくとも一方とを、重ね合わせて加熱加圧して積層すると同時に前記接着シートの空洞の貫通孔に接着剤層の接着剤を流入させる工程を含むものであり、接着シートと配線層とが強固に接着された高い信頼性の回路基板を容易に製造できる。 【0017】請求項7記載の発明は、前記請求項1および前記請求項2の少なくとも一方の接着シートに導電性フィラーを含有するビアを形成する工程と、前記接着シートと、配線層および金属箔の少なくとも一方とを、重ね合わせ加熱加圧して積層すると同時に接着シートの空洞の貫通孔に接着剤層の接着剤を流入させるとともに、前記ビアを厚み方向に圧縮して導電性フィラー同士を接触させて導電性を発現させる工程とを含むものであり、接着シートと配線層とが強固に接着された高い信頼性を持ち、更に、高い接続信頼性のビアを具備した回路基板を容易に製造できる。 【0018】以下、図面によって本発明の実施の形態に付いて詳細に説明する。 【0019】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1に係る接着シートの断面模式図であり、この実施の形態の接着シートは、コアシート101の部分にのみ貫通孔102が設けられ、コアシート101の両面に接着剤層103が形成されている。なお、本発明の他の実施の形態として、接着剤層103は、コアシート101の片面のみに形成されてもよい。この実施の形態では、貫通孔102には、接着剤は流入しておらず空洞となっている。 【0020】コアシート101の形態に特に限定はないが、回路基板用に用いられる場合は、厚さ4〜100[μm]の熱可塑性および/または熱硬化性樹脂の絶縁フィルムが用いられる。 【0021】このような絶縁フィルムとしては、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルム、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルム、アラミドフィルム、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)などがあげられる。また、機能性のフィラーを、有機樹脂に分散させた機能性複合材料シート(例えばアルミナをエポキシ樹脂に分散させた熱伝導性シート)や、セラミック基板、ガラスエポキシ基板、アラミドエポキシ基板など、フィルム又はシート状の物であれば用途に応じて本実施の形態のコアシートとすることができる。 【0022】接着剤層103の接着剤は、特に限定はなく、コアシートと被接着物とに応じて選択することがてきる。回路基板では、通常エポキシ樹脂系や、ポリイミド系、あるいはイソシアネート系の接着剤を用いることができる。 【0023】接着剤層103の厚みは、空洞の貫通孔102に接着剤を充分に流入させることができる量の厚みを確保できれば特に限定はない。 【0024】貫通孔102の形成方法は、特に限定はないが、回路基板の通常の孔明け法、例えば、ドリルやパンチャーなどの機械加工法、炭酸ガス、YAG、エキシマレーザーなどのレーザー加工法、サンドブラストやプラズマエッチングなどのドライエッチング加工法、あるいは、コアシートが感光性材料の場合は、フォト加工法などコアシートの材質に合わせて選択することができる。また、レーザー加工法、ドライエッチング加工法、フォト加工法では、必要に応じてマスクフィルムを用い貫通孔102を複数同時に形成することもできる。 【0025】また、貫通孔102の形状は、通常前記した加工法では通常円柱又は、円錐台など表面が比較的なめらかなものになるが、表面に凹凸をつけることにより接着剤層103の接着剤が貫通孔102に流入したとき貫通孔102の凹凸部分と接着剤がアンカー効果で強固に接着することができる。このような凹凸の形成方法としては、例えば、コアシートとして、レーザー加工性の良好な(レーザーにより加工されやすい)マトリックス材料にレーザー加工性の悪い(レーザーにより加工されにくい)繊維状フィラーを分散させた複合材料を用い、レーザーでビア加工することで、貫通孔の壁面から繊維状フィラーが突出した、すなわち、凹凸の形成された貫通孔102を得ることができる。このような具体的材料としては、ポリイミドフィルムにガラス繊維を分散させたコンポジットフィルムがあげられる。 【0026】また、シートの一方の表面から他方の表面に貫通している空隙を含んだ多孔質フィルムを本実施の形態のコアシートとして用いることができる。多孔質フィルムの材質には特に限定はないが、ポリイミド多孔質フィルムやPTFE多孔質フィルムなどを用いることができる。 【0027】コアシート101にポリイミドフィルムを用いた場合の実施例1を次に示す。宇部興産製ユーピレックス(商品名)の150mm角:厚み12.5[μm]に、100mm角の領域にレーザー孔加工法(YAGレーザー)で直径5[μm]の貫通孔を20[μm]間隔で形成したコアシートを用意した。 【0028】一方、PETフィルムにシリコン系離型剤を塗布した離型フィルムの離型面にポリイミド系接着剤のTHF(テトラヒドロフラン)溶液(固形分30wt%)をギャップコーターで塗布した後に、120℃で接着剤を乾燥して、半硬化状態の接着剤層を形成したものを用意した。 【0029】次に、孔加工を施したポリイミドフィルムの両面に半硬化状態の接着剤層をPETフィルムが外側になるように重ね80℃、2kgf/cm2の条件で仮圧着して、PETフィルムを剥離して図1のポリイミドフィルム接着シートを得た。 【0030】この実施の形態1の接着シートを用いた後述の回路基板の剥離および接続抵抗を評価するために、実施例1と同様に、実施例2から実施例4として、貫通孔の間隔がそれぞれ、50[μm]、100[μm]、1000[μm]とした接着シートを作製した。 【0031】また、実施例1と同様に、実施例5から実施例7として、直径30[μm]の貫通孔を、それぞれ100[μm]、500[μm]、1000[μm]の間隔で形成した接着シートを作製した。 【0032】さらに、比較例1として、貫通孔加工を施さない接着シートを用意した。 【0033】いずれの実施例1〜7および比較例とも接着剤層の厚みは5[μm]であり、実施例の貫通孔には接着剤が流入していないことを確認した。 【0034】(実施の形態2)図2は、本発明の実施の形態2に係る接着シートの断面模式図であり、この実施の形態の接着シートは、コアシート201の両面に接着剤層203が形成され、コアシート201と接着剤層203とを貫通するように貫通孔202が設けられている。なお、本発明の他の実施の形態として、接着剤層203は、コアシート201の片面のみに形成してもよい。また、貫通孔202は、接着剤が流入しておらず空洞である。 【0035】コアシート201、接着剤層203および貫通孔202に関しては、実施の形態1と同様にすることができる。 【0036】コアシート201にポリイミドフィルムを用いた場合の実施例8を次に示す。 【0037】宇部興産製ユーピレックス(150mm角:厚み12.5[μm])の片面に、ポリイミド系接着剤のTHF溶液(固形分30wt%)をギャップコーターで塗布し、120℃で接着剤を乾燥して、接着剤層が半硬化状態になった片面接着剤層付接着シートを得た。反対面にも同様に接着剤層を塗布して再度乾燥して、両面に接着剤層が形成されたポリイミドフィルム接着シートを得た。 【0038】次に、100mm角の領域にレーザー孔加工法(YAGレーザー)で直径5[μm]の貫通孔を20[μm]間隔で形成した図2の接着シートを得た。 【0039】この実施の形態2の接着シートを用いた後述の回路基板の剥離および接続抵抗を評価するために、実施例8と同様に、実施例9から実施例11として、貫通孔の間隔がそれぞれ、50[μm]、100[μm]、1000[μm]の接着シートを作製した。 【0040】また、実施例8と同様に、実施例12から実施例14として、直径30[μm]の貫通孔をそれぞれ100[μm]、500[μm]、1000[μm]間隔で形成した接着シートを作製した。 【0041】いずれの実施例8〜14も接着剤層の厚みは5[μm]であり、実施例の貫通孔には接着剤が流入していないことを確認した。 【0042】(実施の形態3)図3は、本発明の実施の形態3に係る接着シートの断面模式図であり、この実施の形態の接着シートは、コアシート301の部分にのみ貫通孔302が設けられ、コアシート301の両面に接着剤層303が形成されている。なお、本発明の他の実施の形態として、接着剤層303は、コアシート301の片面のみに形成されてもよい。 【0043】この実施の形態では、上述の実施の形態1,2と異なり、貫通孔302には、接着剤が流入して接着剤層303と連続体を形成している。 【0044】コアシート301、接着剤層303および貫通孔302に関しては、実施の形態1と同様にすることができる。 【0045】コアシート301にポリイミドフィルムを用いた場合の実施例15を次に示す。 【0046】宇部興産製ユーピレックス(150mm角:厚み12.5[μm])を用い、100mm角の領域にレーザー孔加工法(エキシマレーザー)で直径5[μm]の貫通孔を20[μm]間隔で形成したコアシートを得た。次に、ポリイミド系接着剤のTHF溶液(固形分30wt%)をギャップコーターで塗布した後に、120℃で接着剤を乾燥して、半硬化状態にした。反対面にも同様に接着剤層を塗布して再度乾燥して、両面に接着剤層が形成された図3のポリイミドフィルム接着シートを得た。 【0047】この実施の形態3の接着シートは、接着剤層303と貫通孔302内の接着剤とが連続体を形成しているので、貫通孔302が接着剤を保持する効果によって、優れた接着性を発現できる。 【0048】この実施の形態3の接着シートを用いた後述の回路基板の剥離および接続抵抗を評価するために、実施例15と同様に、実施例16から実施例18として、貫通孔の間隔がそれぞれ、50[μm]、100[μm]、1000[μm]とした接着シートを作製した。 【0049】また、実施例15と同様に、実施例19から実施例21として、直径30[μm]の貫通孔をそれぞれ100[μm]、500[μm]、1000[μm]間隔で形成した接着シートを作製した。 【0050】いずれの実施例15〜21も接着剤層の厚みは5[μm]であり、実施例の貫通孔には接着剤が流入していることを確認した。 【0051】(実施の形態4)図4は、本発明の実施の形態4に係る多層の回路基板の断面模式図であり、この実施の形態の多層基板は、コア基板400の両面に1層ずつ上述の実施の形態1から実施の形態3のいずれかの接着シート404を形成して絶縁体層としたものである。 【0052】コア基板400は、用途に応じて選択でき特に限定はなく、例えば、ガラスエポキシ基板やアラミドエポキシ基板などの樹脂基板、セラミック基板、コンポジット基板等用途に応じて選択できる。 【0053】配線層は、銅箔等の金属箔を用いることができる。本発明の構成からは、厚みには制限がないが、通常回路基板用に用いられている35〜3[μm]のものを用いることができる。 【0054】金属箔は、支持基板(キャリア)に金属箔を形成したいわゆるキャリア付き金属箔を用いることができる。キャリア付き金属箔の例としては、アルミキャリアに離型層を介して銅箔が積層されたものなどが市販されている。本発明に実施の形態に用いる場合には、銅箔を塩化鉄水溶液、過硫酸アンモニウム水溶液などでエッチングにより予めパターニングして、配線パターンを絶縁体層に埋設するように積層した後、アルミキャリアを塩酸などでエッチングして除去することができる。 【0055】また、別の配線層の形成方法としては、めっきやスパッタなどの成膜方法で直接絶縁体層上に配線層を形成してもよい。 【0056】次にコア基板400の両面に、上述の実施例1で作製した接着シートを積層した6層基板の実施例22を具体的に説明する。 【0057】まず、所望の回路パターンを持つコア基板を用意する。本実施例では、松下電子部品製樹脂多層基板ALIVHの4層基板を用いた。次に、図5(a)に示されるように、このコア基板400の両面に実施例1で作製したポリイミドフィルム接着シート404を重ね、更にその外側に18[μm]の電解銅箔405を重ね、熱プレスで加熱加圧(100kgf/cm2:200℃:1時間)して、図5(b)に示されるように、コア基板404の両側にポリイミドフィルム絶縁体層404と銅箔405が積層された中間体を得た。 【0058】この加熱加圧によって、接着シート404の空洞の貫通孔402に接着剤層403の接着剤が流入して接着剤層403と貫通孔402内の接着剤とが連続体を形成して、貫通孔402が接着剤を保持する効果により優れた接着性を発現できる。 【0059】次にこの中間体の最表層銅箔のビアを形成する位置をエッチングで除去し、次いで、図5(c)に示されるようにポリイミドフィルムをエキシマレーザーで除去してビア形成用の非貫通孔406を得た。この非貫通孔406に無電解めっきで銅のシード層を形成した後電気めっきでビア壁面に銅を形成して図5(d)に示されるようにビア407を形成した。次に、最表層銅箔に回路パターン408を形成するため不要部分をエッチングにて除去して図4の6層回路基板を得た。 【0060】この実施の形態4の回路基板の剥離および接続抵抗を評価するために、実施例22と同様に、上述の実施例2から実施例21で作製した接着シートを用いて、実施例23から実施例42の6層回路基板を作製した。 【0061】比較例2として、上述の比較例1で作製した接着フィルムを用いた以外は実施例22と同様に6層回路基板を作製した。 【0062】なお、この実施の形態で示した回路基板をコア基板として用いて繰り返し積層することで更に多層の回路基板を作製することができる。 【0063】また、上述の実施の形態1から3の接着シートの両面に銅箔を積層し、熱プレスを行うことで銅張り積層板を作製することができ、銅箔にパターン形成を行いビアを作製することで両面基板を作製することもできる。 【0064】(実施の形態5)図6は、本発明の実施の形態5に係る多層の回路基板の断面模式図であり、この実施の形態の多層基板、コア基板500の両面に1層ずつ上述の実施の形態1または実施の形態2の接着シート504を形成したものである。本実施の形態では、接着シート504に形成されたビア507は、導電性フィラーを含有しており導電性フィラーの接触により電気導通が発現している。 【0065】本実施の形態のビア507は、導電性フィラーを含有する導電性樹脂組成物で構成することができる。 【0066】導電性フィラーは、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、鉛、錫、インジウム、ビスマスから選ばれた少なくとも1種の金属、これらの合金、または混合物からなるフィラーを用いることができる。また、前記した金属・合金、あるいは、アルミナ、シリカなどの酸化物、あるいは有機合成樹脂などからなるボールに前記した金属・合金をコートしたコートフィラーを用いることもできる。 【0067】形状は特に限定される物ではないが、粉体、繊維状フィラー、粉体の造粒体、球状ボールあるいはこれらの混合物などを用いることができる。 【0068】樹脂組成物のバインダーに用いる樹脂としては、液状のエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、フェノールレゾール樹脂などを用いることができる。エポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ基を2つ以上含有したエポキシ樹脂などを使用することができる。 【0069】必要に応じて、ブチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、α−ターピネオール等の溶剤や分散剤などの添加剤を含有させることもできる。 【0070】ビアを構成する材料としては、導電性組成物のみならず、めっき等の湿式プロセスや、スパッタ蒸着などの真空プロセスで形成した金属ビアポストや、金属ボールを充填しても本発明の回路基板のビアとすることができる。 【0071】次に本実施の形態の実施例43について説明する。 【0072】まず、所望の回路パターンを持つコア基板500を用意する。本実施例では、松下電子部品製樹脂多層基板ALIVHの4層基板を用いた。 【0073】一方、図7(a)に示されるように、実施例1で作製したポリイミドフィルム接着シート504の所望の位置に直径150[μm]のビア用貫通孔510を形成し、このビア孔用貫通孔510の位置のみが開口したマスク511を用いて、図7(b)に示されるように導電ペースト509を印刷法で充填した。 【0074】次に、この導電ペーストが充填された接着シートを、図8(a)に示されるようにコア基板500の両側に重ねて、更にその外側に18[μm]の電解銅箔505を重ね熱プレスで加熱加圧(100kgf/cm2:200℃:1時間)して、図8(b)に示されるように、コア基板500の両側にポリイミドフィルム絶縁体層504と銅箔505が積層された中間体を得た。 【0075】この加熱加圧によって、接着シート504の空洞の貫通孔502に接着剤層503の接着剤が流入して接着剤層503と貫通孔502内の接着剤とが連続体を形成して、貫通孔502が接着剤を保持する効果により優れた接着性を発現できる。 【0076】しかも、接着剤層503の接着剤が空洞の貫通孔502に流入するために、接着シート504が被圧縮性を持ち、導電フィラー同士及び導電フィラーと配線層とを強固に接続することができ、優れた接続信頼性を得ることができる。 【0077】次に、この中間体の最表層銅箔505に通常のフォトレジ法で回路パターン508を形成して図6に示される6層回路基板を得た。 【0078】この実施の形態5の回路基板の剥離および接続抵抗を評価するために、実施例43と同様に、実施例2から実施例14で作製した接着シートを用いて実施例44から実施例56の6層回路基板を作製した。 【0079】比較例3として、上述の比較例1で作製した接着フィルムを用いた以外は実施例45と同様に6層回路基板を作製した。 【0080】本実施の形態で示した回路基板をコア基板として用いて繰り返し積層することで更に多層の回路基板を作製することができる。 【0081】また、第1から第2の実施の形態で示した接着シートにビア用貫通孔を形成して導電ペーストを充填した接着シートの両面に銅箔を積層し熱プレスを行うことで銅張り積層板を作製することができ、銅箔にパターン形成を行いビア507を作製することで図9に示される両面基板を作製することもできる。 【0082】また、実施の形態2で示した接着シートを用いる場合は、接着剤を流入させる貫通孔502の所望の部分の貫通孔を、図10に示されるようにビア507として用いることもできる。 【0083】本発明の効果を評価するために、上述の実施例22から実施例56で作製した回路基板と、比較例2,3で作製した回路基板とを、85℃85%RHの環境に168時間放置した後、リフロー耐熱試験(260℃10秒)を行った。評価項目は、本発明の接着シートにより構成された絶縁体層の剥離の発生の有無と、本発明の接着シートにより構成された絶縁体層に形成した500ビア連結のデージーチェーン回路の接続抵抗の変化である。接続抵抗の変化が10%未満の時は○、10%以上の時は×とした。その結果を、下記の表に示す。 【0084】 【表1】
表に示すように、本発明の実施例による回路基板は、絶縁体層の剥離が全く発生せず、接続抵抗の変化も10%未満と非常に小さく、すなわち、信頼性に優れた回路基板であることが判る。本発明の回路基板は、半導体パッケージにも好適である。 【0085】なお、接着シートのコアシートに液晶ポリマーフィルム、アラミドフィルム、PTFEフィルムを使用した場合もポリイミドフィルムと同様に優れた信頼性を具備した回路基板を実現できる。 【0086】 【発明の効果】以上のよう本発明によれば、接着シートを構成するコアシートと接着剤層との接着強度が充分でない場合でも接着剤層と貫通孔内の接着剤との連続体を形成することにより、貫通孔が接着剤を保持する効果により優れた接着性を発現できる。 【0087】また、本発明によれば、絶縁体層を本発明の接着シートで構成することにより、隣接する絶縁体層および配線層の少なくとも一方と強固に接着して優れた信頼性を具備した回路基板を実現できる。 【0088】さらに、被圧縮性の本発明の接着シートで絶縁体層を構成することにより、導電フィラー同士及び導電フィラーと配線層とを強固に接続することができ、優れた接続信頼性のビアを具備した回路基板を実現できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月9日(2000.6.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086737 【弁理士】 【氏名又は名称】岡田 和秀
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| 【公開番号】 |
特開2001−352171(P2001−352171A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月21日(2001.12.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−173201(P2000−173201) |
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