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【発明の名称】 電子機器の基板取付装置
【発明者】 【氏名】小林 洋一

【要約】 【課題】専用の蓋部材を別個に用意する必要なしに開口を塞ぐことのできる基板取付装置を提供することにある。

【解決手段】互いに交差する基線に沿って2つの側壁11、12を1枚板から曲げ起こして隅部30を形成したケース10において、隅部30を形成する一方の側壁12には、その隅部30側に上辺から切り込みを入れて、配線基板23の支持台としての切り起こし片32を形成し、他方の側壁11には、その隅部30側に当該隅部よりも長く延在させた張出部を上記一方の側壁12と同一面となる側に折り曲げることで、上記切り起こし片32の形成により明けられる開口を塞ぐ蓋部分33を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに交差する基線に沿って2つの側壁を1枚板から曲げ起こして隅部を形成したケースであって、上記隅部を形成する一方の側壁には、その隅部側に上辺から切り込みを入れて、当該側壁の隅部側の一部を内側に折り曲げることで、配線基板の支持台としての切り起こし片を形成し、一方、上記隅部を形成する他方の側壁には、その隅部側に当該隅部よりも長く延在させた張出部を形成しておき、この張出部を上記一方の側壁と同一面となる側に折り曲げることで、上記切り起こし片の形成により明けられる開口を塞ぐ蓋部分を形成したことを特徴とする電子機器の基板取付装置。
【請求項2】 側壁を1枚板から曲げ起こして形成したケースであって、ケースの非隅部における側壁の一部を上下方向中間部において内側に切り起こすことで、配線基板の支持台としての切り起こし片を形成し、一方、上記切り起こし片を形成した側壁の上辺には、その上辺よりも上方に長く延在させた張出部を形成しておき、この張出部を上記側壁の外側面に重なるように折り曲げることで、上記切り起こし片の形成により明けられる開口を塞ぐ蓋部分を形成したことを特徴とする電子機器の基板取付装置。
【請求項3】 請求項1において、ケースの非隅部における側壁の一部を上下方向中間部において内側に切り起こすことで、配線基板の支持台としての切り起こし片を形成し、一方、上記切り起こし片を形成した側壁の上辺には、その上辺よりも上方に長く延在させた張出部を形成しておき、この張出部を上記側壁の外側面に重なるように折り曲げることで、上記切り起こし片の形成により明けられる開口を塞ぐ蓋部分を形成したことを特徴とする電子機器の基板取付装置。
【請求項4】 請求項1、2又は3において、上記切り起こし片の形成により明けられる開口が、電子機器の電源部の周囲の側壁に形成されていることを特徴とする電子機器の基板取付装置。
【請求項5】 請求項1又は3において、上記隅部を形成する一方の側壁は、これに設けた切り起こし片より隅部側が開放空間部として形成されていることを特徴とする電子機器の基板取付装置。
【発明の詳細な説明】【発明の属する技術分野】 本発明は、電子機器の基板取付装置に関するものである。
【従来の技術】一般に、電子機器のケース内にプリント配線基板を内蔵させようとする場合、基板をケース底から物理的及び電気的に浮かせて配設することが望まれる。かかる要望を満たす基板取付装置の1つとして、従来、図8及び図9に示すように、プリント配線基板をケースの側壁(フレーム)に締結する際に、ケース60の側壁(フレーム)61の一部を長方形の開口62が残る形に内側に切り起こし、その切り起こし片63を支持台として配線基板64をネジ65で締結する構造が採用されている。即ち、図8の如く、ケースの側壁61の一部に、長方形の4辺のうちの下辺(又は上辺)を残し他3辺に切り込みを入れて、側壁61の一部をほぼ水平状態になるように内側に折り曲げることで切り起こし、図9の如く、その切り起こし片63上に配線基板64を載せて支持すると共に、その配線基板64を切り起こし片63上にネジ65で締結している。また、この切り起こし片63を形成することで、ケースの側壁61に開口62ができるため、従来、この開口62を塞ぐ目的で、図10に示すように専用の蓋部材66を別個に用意し、この蓋部材66を開口62に嵌め込んでいる。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した従来の電子機器の基板取付装置では、開口を塞ぐ目的で専用の蓋部材を別個に用意しなければならず、部品点数が多くなると共に、蓋部材を専用蓋として形成しなければならないため、それだけ製造コストがかかる。そこで本発明の目的は、上記課題を解決し、専用の蓋部材を別個に用意する必要なしに開口を塞ぐことのできる基板取付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本願請求項1の発明に係る電子機器の基板取付装置は、互いに交差する基線に沿って2つの側壁を1枚板から曲げ起こして隅部を形成したケースにおいて、上記隅部を形成する一方の側壁には、その隅部側に上辺から切り込みを入れて、当該側壁の隅部側の一部を内側に折り曲げることで、配線基板の支持台としての切り起こし片を形成し、一方、上記隅部を形成する他方の側壁には、その隅部側に当該隅部よりも長く延在させた張出部を形成しておき、この張出部を上記一方の側壁と同一面となる側に折り曲げることで、上記切り起こし片の形成により明けられる開口を塞ぐ蓋部分を形成したことを特徴とするものである。この基板取付装置によれば、ケースの側壁の隅部、つまりコーナー部において、側壁に形成された開口を、同じ1枚板から曲げ起こした蓋部分によって塞ぐことができる。そして、開口が同じ1枚板から曲げ起こした蓋部分によって塞がれることから、従来のように専用の蓋部材を用意し、それを管理する必要がない。また開口が塞がれることにより、側壁に開口がない状態となることから、静電シールド機能が向上でき、フレーム自体の強度も向上するという長所が得られる。本願請求項2の発明に係る電子機器の基板取付装置は、側壁を1枚板から曲げ起こして形成したケースにおいて、ケースの非隅部における側壁の一部を上下方向中間部において内側に切り起こすことで、配線基板の支持台としての切り起こし片を形成し、一方、上記切り起こし片を形成した側壁の上辺には、その上辺よりも上方に長く延在させた張出部を形成しておき、この張出部を上記側壁の外側面に重なるように折り曲げることで、上記切り起こし片の形成により明けられる開口を塞ぐ蓋部分を形成したことを特徴とする。この基板取付装置によれば、ケースの側壁の非隅部、つまり非コーナー部においても、側壁に形成された開口を、同じ1枚板から曲げ起こした蓋部分によって塞ぐことができる。本願請求項3の発明に係る電子機器の基板取付装置は、請求項1において、ケースの非隅部における側壁の一部を上下方向中間部において内側に切り起こすことで、配線基板の支持台としての切り起こし片を形成し、一方、上記切り起こし片を形成した側壁の上辺には、その上辺よりも上方に長く延在させた張出部を形成しておき、この張出部を上記側壁の外側面に重なるように折り曲げることで、上記切り起こし片の形成により明けられる開口を塞ぐ蓋部分を形成したことを特徴とする。この基板取付装置によれば、請求項1の発明の作用効果及び請求項2の発明の作用効果を得ることができる。本願請求項4の発明に係る電子機器の基板取付装置は、請求項1、2又は3において、上記切り起こし片の形成により明けられる開口が、電子機器の電源部の周囲の側壁に形成されていることを特徴とする。この特徴によれば、電子機器の電源部の周囲の側壁に形成されている開口から指を挿入して感電する等の危険を防止することができる。よって、安全規格を、部品点数を削減しつつ、満たすことができる。本願請求項5の発明に係る電子機器の基板取付装置は、請求項1または3において、上記隅部を形成する一方の側壁は、これに設けた切り起こし片より隅部側が開放空間部として形成されていることを特徴とする。この特徴によれば、ケースの隅部を形成する一方の側壁と他方の側壁との重なり部分を少なくして、材料費を節約することができる。
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。図1において、10は長方形の形をした電子機器の金属製ケースであり、内部には、プリント配線基板が、ICチップを含む電子回路22を担持したプリント配線基板21と、その電源部24を担持したプリント配線基板23とに分けて配設されている。ケース10には、1枚板を曲げ起こして全体として上面開放型の収容空間をなすように形成した側壁が設けられている。本実施形態の場合、ケース10には、電源部24を囲んで、正面側の側壁11と、側面側の側壁12と、背面側の側壁13とが具備され、その側面側の側壁12の左右方向両側に隅部30、40が形成されている。このうち第1の隅部30は、正面側の側壁11と側面側の側壁12とを、互いに交差する基線に沿って上記1枚板から曲げ起こされ、また第2の隅部40は、側面側の側壁12と背面側の側壁13とを、互いに交差する基線に沿って上記1枚板から曲げ起こされている。図2に側面側の側壁12の正面図、即ち図1の側方(左側)から見た図を、また図3に電源部を囲むケース部分の上面図を示す。まず、第1の隅部30の側から説明するに、上記第1の隅部30を形成する一方の側壁である側面側の側壁12には、その隅部30側に上辺12aから図2の如く切り込み31を入れて、当該側壁12の隅部30側の一部を内側に折り曲げることで、プリント配線基板23の支持台としての切り起こし片32が形成されている。この場合、図5に示すように、切り起こし片32は切り込み31から第1の隅部30の稜線30aまでの全幅Wに亘って設けられているのではなく、切り起こし片32より隅部30側における区間Dについては、単なる開放空間部として形成されている。一方、上記第1の隅部30を形成する他方の側壁である正面側の側壁11には、その隅部30側に当該隅部よりも長く延在させた張出部(33)を形成しておき、この張出部を、上記一方の側壁である側面側の側壁12と同一面となる側に、図5の如く折り曲げることで、上記切り起こし片32の形成により明けられる開口を塞ぐ蓋部分33を形成している。この蓋部分33は、切り込み31から第1の隅部30の稜線30aまでの全幅Wに亘って、開口を、同じ面一で被うように、開口と相似形に形成されている。次に、第2の隅部40の側についても、同様に、上記第2の隅部40を形成する一方の側壁である側面側の側壁12には、その隅部40側に上辺12bから図2の如く切り込み41を入れて、当該側壁12の隅部40側の一部を図4の如く内側に折り曲げることで、配線基板の支持台としての切り起こし片42が形成されている。この場合、図4に示すように、切り起こし片42は切り込み41から第2の隅部40の稜線40aまでの全幅Wに亘って設けられているのではなく、切り起こし片42より隅部40側の区間Dは、単なる開放空間部として形成されている。一方、上記第2の隅部40を形成する他方の側壁である背面側の側壁13には、その隅部40側に当該隅部よりも長く延在させた張出部(43)を形成しておき、この張出部を、上記一方の側壁である側面側の側壁12と同一面となる側に、図4の如く折り曲げることで、上記切り起こし片の形成により明けられる開口を塞ぐ蓋部分43を形成している。この蓋部分43は、切り込み41から第2の隅部40の稜線40aまでの全幅Wに亘って、開口を、同じ面一で被うように、開口と相似形に形成されている。更に、ケース10の側壁における非隅部、ここでは正面側の側壁11の長手方向中間部には、図7に示すように、その上下方向中間部において側壁11の一部を内側に切り起こすことにより、配線基板の支持台としての切り起こし片52が形成されている。一方、この切り起こし片52を形成した側壁11の上辺11aには、その上辺11aよりも上方に長く延在させた張出部(53)を形成しておき、この張出部を上記側壁の外側面に重なるように逆U字状に折り曲げることで、上記切り起こし片52の形成により明けられる開口54を塞ぐ蓋部分53が形成されている。上記の如く構成されたケース10内には、図3に示すように、上述した3つ切り起こし片32、42及び52と、ケース底に設けた突起から成る支持部55とを支持台として、これらの上に上述のプリント配線基板23の四隅が載置され、図6に示す如く、ネジ56により締結される。上記の基板取付装置によれば、ケース10の側壁の隅部30、40において、側壁12に切り起こし片32、42を形成することでできた開口を、同じ1枚板から曲げ起こした蓋部分33、43によって塞ぐことができる。またケース10の側壁11の隅部以外の領域、つまり非コーナー部においても、側壁11に形成された開口54を、同じ1枚板から曲げ起こした蓋部分53によって塞ぐことができる。従って、従来のように開口を塞ぐ専用の蓋部材を用意し、管理する必要がない。また、安全規格上、一般に電源一次側の基板に対しては、それを囲うフレームに直径5mmφ以上の穴が無いことが要請されるが、かかる要請も容易に満たすことができる。更にまた開口が塞がれることにより、側壁に開口がない状態となることから、静電シールドの機能を向上することができ、フレーム自体の強度も向上するという長所が得られる。
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、ケースの側壁の隅部、つまりコーナー部において、側壁に形成された開口を、同じ1枚板から曲げ起こした蓋部分によって塞ぐことができ、従来のように専用の蓋部材を用意し、管理する必要がない。また開口が塞がれることにより、側壁に開口がない状態となることから、静電シールド機能を向上させることができ、フレーム自体の強度も向上するという長所が得られる。また、ケースの側壁の非隅部、つまり非コーナー部においても、側壁に形成された開口を、同じ1枚板から曲げ起こした蓋部分によって塞ぐことができる。また、電子機器の電源部の周囲の側壁に形成されている開口から指を挿入して感電する等の危険を防止することができる。よって、部品点数を削減しつつ、安全規格を満たすことができる。また、切り起こし片より隅部側を開放空間部として形成することにより、ケースの隅部を形成する一方の側壁と他方の側壁との重なり部分を少なくして、材料費を節約することができる。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成12年5月29日(2000.5.29)
【代理人】 【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
【公開番号】 特開2001−339184(P2001−339184A)
【公開日】 平成13年12月7日(2001.12.7)
【出願番号】 特願2000−157687(P2000−157687)