トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 小型電気装置
【発明者】 【氏名】大橋 良弘

【要約】 【課題】電池交換時等に懸念されるシーリングラバーやプリント基板の脱落が確実に防止できる、携帯送信機等の小型電気装置を提供する。

【解決手段】上ケース2および下ケース3を一体化してなり内部に収納空間4を有する筐体1と、開口端の周縁部に上ケース2と下ケース3とに挟持されるフランジ部5aを有し収納空間4内に組み込まれたシーリングラバー5と、このシーリングラバー5に覆われた状態で収納空間4内に組み込まれたプリント基板6と、このプリント基板6を保持して収納空間4内に組み込まれた内ケース7とを備え、内ケース7に設けた被係止部7cを上ケース2に設けた係止部2aに係止させるとともに、これら被係止部7cと係止部2aとの間にシーリングラバー5を介在させる構成とする。これにより、電池交換時などに上ケース2を下ケース3から取り外しても、シーリングラバー5やプリント基板6は上ケース2に一体化されたままで脱落の恐れがなくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下端部が開口している上ケースと上端部が開口している下ケースとを一体化してなり、内部に収納空間を有する筐体と、下端部が開口して該開口端の周縁部に前記上ケースと前記下ケースとに挟持されるフランジ部を有し、前記収納空間内に組み込まれた有底箱形状のシーリングラバーと、前記シーリングラバーに覆われた状態で前記収納空間内に組み込まれたプリント基板と、前記プリント基板を保持した状態で前記収納空間内に組み込まれた内ケースとを備え、前記内ケースに設けた被係止部を前記上ケースに設けた係止部に係止させるとともに、これら被係止部と係止部との間に前記シーリングラバーを介在させたことを特徴とする小型電気装置。
【請求項2】 請求項1の記載において、前記内ケースの底面側に、電源電池を装着するための電池ホルダ部を設けたことを特徴とする小型電気装置。
【請求項3】 請求項1または2の記載において、前記内ケースが、内壁側の爪部で前記プリント基板を保持する弾性片を有するとともに、この弾性片の外壁側に設けた凸部を前記被係止部となして、この被係止部を嵌入させる前記上ケースの凹段部を前記係止部となしたことを特徴とする小型電気装置。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの記載において、前記シーリングラバーの肉薄部分を、前記上ケースの前記係止部と前記内ケースの前記被係止部との間に介在させたことを特徴とする小型電気装置。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの記載において、前記プリント基板にプッシュスイッチが実装されているとともに、前記プッシュスイッチを押圧操作するための操作釦部が前記上ケースの透孔内に配置されており、携帯送信機として使用されることを特徴とする小型電気装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リモートキーレスエントリーの携帯送信機などとして用いられる小型電気装置に係り、特に、その防水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ユーザが車から離れた位置で携帯送信機を操作することにより、車両ドアをロックさせたりアンロックさせるというリモートキーレスエントリーが普及しつつある。このような携帯送信機は、上ケースと下ケースを一体化してなる筐体の内部に、シーリングラバーやプリント基板や電源電池を収納して概略構成されている。シーリングラバーはプリント基板を覆うように配置された有底箱形状のラバー部材で、このシーリングラバーの開口端の周縁部には、上ケースと下ケースとに挟持されるフランジ部が全周にわたって設けられているので、プリント基板は雨滴や埃から保護されることとなる。また、シーリングラバーは緩衝部材としても機能するので、外部からの振動や落下時の衝撃等でプリント基板が損傷する恐れも少なくなっている。プリント基板上にはプッシュスイッチが実装されていて、このプッシュスイッチは、上ケースの透孔内に配置された操作釦部により押圧操作される。
【0003】この種の携帯送信機の一例として、下ケースに設けた蓋体を開閉して電源電池を装着する構成のものも知られているが、かかる構成は蓋体の周囲に隙間を生じて防水性が損なわれる恐れがあるので、最近は、蓋体等の開閉部位を設けない下ケースの内底部に電源電池を装着し、電源電池が消耗した際には上ケースを取り外して電池交換作業を行うように構成したものが一般的である。また、シーリングラバーの内壁部にプリント基板の外周縁部を嵌入させるための溝を設けておくことにより、シーリングラバーとプリント基板を一体化した状態で上ケースに組み込めるようにし、もって組立性の向上を図った従来技術も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、防水性を高めた従来の携帯送信機は、下ケースの内底部に装着されている電源電池の交換時に上ケースを取り外すが、このとき、上ケース側に収納されているシーリングラバーやプリント基板が該上ケースから脱落しやすいという不具合があった。すなわち、上ケースと下ケースを嵌め合わせた状態では、シーリングラバーはフランジ部が強固に挟持されており、プリント基板も上下両ケースにより位置決めされているが、上ケースが単独でシーリングラバーやプリント基板を係止しているわけではないので、上ケースを下ケースから取り外すとシーリングラバーやプリント基板を保持していた係止力は失われてしまい、それゆえ上ケースからシーリングラバーやプリント基板が脱落しやすくなる。したがって、かかる従来品は電池交換時などに、ばらばらになった上ケースとシーリングラバーとプリント基板を元の状態に組み付けるという煩雑な作業を強いられることがあり、脱落したプリント基板に衝撃が加わった場合には実装されている電子部品等が破損する危険性もあった。
【0005】なお、上ケースの内壁部にシーリングラバーやプリント基板を位置決めするための溝や突起が設けられている場合でも、これらは遊嵌状態での位置決めなので脱落を確実に防止することはできない。また、前記従来提案のようにシーリングラバーの内壁部にプリント基板の外周縁部が嵌入させてあっても、シーリングラバーが上ケースから脱落すると落下時の衝撃でプリント基板が外れて損傷する危険性がある。
【0006】本発明はこのような従来技術の課題に鑑みてなされたもので、その目的は、電池交換時等に懸念されるシーリングラバーやプリント基板の脱落が確実に防止できる、携帯送信機等の小型電気装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成するため、本発明の小型電気装置では、下端部が開口している上ケースと上端部が開口している下ケースとを一体化してなり内部に収納空間を有する筐体と、下端部が開口して該開口端の周縁部に前記上ケースと前記下ケースとに挟持されるフランジ部を有し前記収納空間内に組み込まれた有底箱形状のシーリングラバーと、このシーリングラバーに覆われた状態で前記収納空間内に組み込まれたプリント基板と、このプリント基板を保持した状態で前記収納空間内に組み込まれた内ケースとを備え、この内ケースに設けた被係止部を前記上ケースに設けた係止部に係止させるとともに、これら被係止部と係止部との間に前記シーリングラバーを介在させる構成とした。
【0008】このような構成の小型電気装置は、プリント基板を保持する内ケースが上ケースに係止されており、かつ該係止部分においてシーリングラバーが内ケースと上ケースとに挟持されているので、上下両ケースを嵌め合わせていない筐体分割状態でも、上ケースとシーリングラバーと内ケースとプリント基板の四者は一体化されている。したがって、電源電池の交換時などに上ケースを下ケースから取り外した状態にしても、シーリングラバーやプリント基板が上ケースから脱落する心配がなくなって、電池交換作業等を効率よく安全に行うことができる。しかも、シーリングラバーを介して内ケースを上ケースに係止しているので、係止部において防水性が損なわれることがない。
【0009】また、上述した小型電気装置の内ケースの底面側に、電源電池を装着するための電池ホルダ部を設ける構成にしておくと、電池交換時に上ケースを下向きにすれば内ケースの底面を所定の高さの天面となすことができるので、下ケースの内底部に電池ホルダ部が設けてある従来構造に比して電源電池の出し入れが容易になる。
【0010】また、上述した小型電気装置の内ケースが、内壁側の爪部で前記プリント基板を保持する弾性片を有するとともに、この弾性片の外壁側に設けた凸部を前記被係止部となして、この被係止部を嵌入させる上ケースの凹段部を前記係止部となしておけば、製品の組立工程でプリント基板を内ケースに組み付ける際、および内ケースを上ケースに組み付ける際に、前記弾性片の可撓性を利用して作業を円滑に行うことができる。なお、シーリングラバーの肉薄部分が前記被係止部と前記係止部との間に介在するように構成にしてあれば、内ケースを上ケースに組み付ける作業をより円滑に行うことができる。そして、このようにシーリングラバーやプリント基板が上ケースに一体化してあれば、上下両ケースは極めて容易に嵌め合わせることができるので、トータルな組立作業性は良好となる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明による小型電気装置の一実施形態例を図1〜図4を参照しつつ説明する。これらの図に示す小型電気装置はリモートキーレスエントリーの携帯送信機であって、図1は該携帯送信機の一部断面平面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3は図1のB−B線に沿う断面図、図4は該携帯送信機に組み込まれている内ケースの斜視図である。
【0012】図1〜図3に示す携帯送信機は、上ケース2と下ケース3を一体化してなる筐体1の内部に収納空間4が画成されていて、この収納空間4内に、下端部が開口している有底箱形状のシーリングラバー5と、各種電子部品を実装してシーリングラバー5に覆われたプリント基板6と、このプリント基板6を保持して上ケース2に係止された内ケース7と、この内ケース7の底面側に設けられている電池ホルダ部7aに装着された電源電池8とが収納されている。
【0013】シーリングラバー5の開口端の周縁部には、上ケース2と下ケース3とに挟持されるフランジ部5aが全周にわたって設けられているので、プリント基板6は雨滴や埃から保護されている。内ケース7には図4に示すように、上方へ突出して可撓性を有する複数の弾性片7bが設けられており、各弾性片7bの内壁側に形成されている爪部がプリント基板6の外周縁部を係止するようになっている。また、各弾性片7bの外壁側には被係止部である凸部7cが形成されていて、この凸部7cを上ケース2の凹段部2aに嵌入させることにより、内ケース7は上ケース2に係止されている。ただし、対応する凸部7cと凹段部2aとの間にシーリングラバー5の肉薄部分を介在させて、内ケース7と上ケース2とがシーリングラバー5を挟持する構成にしてある。なお、上ケース2の各凹段部2aの背面側には、下ケース3をスナップ嵌合させるための凹所2bが形成されている。一方、内ケース7に保持されたプリント基板6上にはプッシュスイッチ9が実装されていて、シーリングラバー5はプッシュスイッチ9のステムと対向する部位が肉厚な押圧操作部5bとなっており、この押圧操作部5bが上ケース2の透孔2c内に配置されている。そして、ユーザが手指で押圧操作部5bを押し込むことにより、プッシュスイッチ9が押圧操作されるようになっている。
【0014】このように構成された携帯送信機は、プリント基板6を保持する内ケース7が上ケース2に係止されているとともに、この係止部分においてシーリングラバー5が内ケース7と上ケース2とに挟持されているので、上下両ケース2,3を嵌め合わせていない筐体1の分割状態でも、上ケース2とシーリングラバー5と内ケース7とプリント基板6の四者は一体化されている。したがって、電源電池8を交換するために上ケース2を下ケース3から取り外しても、シーリングラバー5やプリント基板6が上ケース2から脱落する心配はなく、電池交換作業を効率よく安全に行うことができる。つまり、従来品の場合、電池交換時に、上ケースから脱落してばらばらになってしまったシーリングラバーやプリント基板を組み直したり、脱落したプリント基板が衝撃で破損する危険性があったが、本実施形態例に示す携帯送信機ではその心配がないので、安心して手際よく電池交換作業を行うことができる。しかも、本実施形態例のように内ケース7の底面側に電池ホルダ部7aが設けてあると、電池交換時に上ケース2を下向きにすれば内ケース7の底面を所定の高さの天面となすことができるので、下ケースの内底部に電池ホルダ部が設けてある従来構造に比して電源電池8の出し入れが容易である。
【0015】また、本実施形態例においては、内ケース7に設けた複数の弾性片7bの内壁側でプリント基板6を保持し、かつ、各弾性片7bの外壁側に設けた凸部7cを対応する凹段部2aに嵌入させることで内ケース7を上ケース2に係止させるようにしてあるので、製品の組立工程でプリント基板6を内ケース7に組み付ける際、および内ケース7を上ケース2に組み付ける際に、各弾性片7bの可撓性を利用して作業を円滑に行うことができる。なお、本実施形態例のようにシーリングラバー5の肉薄部分を凸部7cと凹段部2aとの間に介在させておけば、内ケース7を上ケース2に組み付ける作業をより円滑に行うことができる。しかも、このようにシーリングラバー5やプリント基板6が上ケース2に一体化してあると、上下両ケース2,3をスナップ嵌合等で嵌め合わせるというその後の組立作業が極めて容易に行えるので、トータルな組立作業性は良好といえる。
【0016】
【発明の効果】本発明の小型電気装置は、プリント基板を保持して筐体内に組み込まれる内ケースを備え、この内ケースに設けた被係止部を上ケースに設けた係止部に係止させるとともに、これら被係止部と係止部との間にシーリングラバーを介在させる構成としたので、上下両ケースを嵌め合わせていない筐体分割状態でも、シーリングラバーやプリント基板が上ケースから脱落する心配がない。それゆえ、この防水小型電気装置をリモートキーレスエントリーの携帯送信機などに適用した場合、電源電池の交換時などに上ケースを下ケースから取り外した状態にしても、上ケースとシーリングラバーやプリント基板がばらばらにならないため取扱い性が向上し、プリント基板を落下させて破損させる恐れもなくなって、電池交換作業等を効率よく安全に行うことができる。さらには、シーリングラバーを介して内ケースを上ケースに係止したので、係止部における防水性が損なわれることもない。
【0017】また、内ケースに設けた弾性片の内壁側でプリント基板を保持するとともに、この弾性片の外壁側に設けた凸部を上ケースの凹段部に嵌入させることで内ケースが上ケースに係止されるようにしておけば、製品の組立工程でプリント基板を内ケースに組み付ける際、および内ケースを上ケースに組み付ける際に、前記弾性片の可撓性を利用して作業を円滑に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
【出願日】 平成12年5月29日(2000.5.29)
【代理人】 【識別番号】100078134
【弁理士】
【氏名又は名称】武 顕次郎 (外2名)
【公開番号】 特開2001−339176(P2001−339176A)
【公開日】 平成13年12月7日(2001.12.7)
【出願番号】 特願2000−158859(P2000−158859)