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【発明の名称】 電子部品の放熱構造
【発明者】 【氏名】谷邉 範夫

【要約】 【課題】放熱効果の改善された電子部品の放熱構造を提供する。

【解決手段】高周波電力増幅器10が筐体16に収容され、筐体16は蛇行細管ヒートパイプ20を介して放熱部材18に接合される。筐体16は切削加工時の熱歪みにより、隙間Cを生じうるが、取り付け時の圧着によるヒートパイプ20の変形によって、ヒートパイプ20は隙間Cの形状に倣った形状に変化し、隙間Cが解消され、ヒートパイプ20は反りを生じた溝部16dとY方向全面にわたって密接される。ヒートパイプ20の外面に被覆された軟質めっき22が圧着によって軟化変形し、流動することによって、隙間Cをさらに確実に閉塞する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子部品を、少なくとも一面が良熱伝導性材料からなる筐体内に収容し、該一面の外側に放熱部材を設け、該電子部品から発生する熱を該筐体を介して該放熱部材から放熱する電子部品の放熱構造において、該筐体と該放熱部材との間に、蛇行細管からなるヒートパイプが設けられ、該ヒートパイプは、該筐体と該放熱部材の間で圧着されて扁平に変形していることを特徴とする電子部品の放熱構造。
【請求項2】 電子部品を、少なくとも一面が良熱伝導性材料からなる筐体内に収容し、該一面の外側に放熱部材を設け、該電子部品から発生する熱を該筐体を介して該放熱部材から放熱する電子部品の放熱構造において、該筐体と該放熱部材との間に、並列に複数のヒートパイプが設けられ、該ヒートパイプは、該筐体と該放熱部材の間で圧着されて扁平に変形していることを特徴とする電子部品の放熱構造。
【請求項3】 前記ヒートパイプは、前記筐体と前記放熱部材との間に取り付けるに先立ち、予め少なくとも一部が軟質はんだで被覆されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品の放熱構造。
【請求項4】 前記蛇行細管からなるヒートパイプは、主にターン部と直管部とから構成され、該ターン部が該直管部より細径に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子部品の放熱構造。
【請求項5】 前記蛇行細管からなるヒートパイプは、前記電子部品を収容するために形成された前記筐体の電子部品収容部よりも広幅に設けられ、該筐体は該蛇行細管ヒートパイプの広幅部分に対応して拡張部をさらに形成していることを特徴とする請求項1記載の電子部品の放熱構造。
【請求項6】 前記筐体と前記放熱部材の間に、圧着による前記蛇行細管からなるヒートパイプの変形量を調整するためのスペーサ部材を設けていることを特徴とする請求項1記載の電子部品の放熱構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の放熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器、移動体通信機器、放送機器等の電子機器のデジタル化、広帯域化、大容量化が進展している。これに伴い、これらの電子機器に用いられる電子部品の回路の高集積化、信号増幅器の低歪み化要求に応えるべく、大電力信号部分にも多数の半導体素子を実装することが求められている。この場合、電子機器の小型化は必至であり、このため、半導体素子から発生する熱を小型の放熱装置を用いて効率的に除去することが必要とされる。
【0003】特に、今後の情報化社会では、移動体通信(CDMA)の一層の利用拡大が期待されており、この場合、基地局の電力増幅部は信号の線形性と低歪み化の要請から大きなバックオフを取った領域で使用されるために、電力効率が非常に悪い。このため、電力増幅部からの発熱量は従来のものとは比較にならないほどに大きくなっており、効率的な放熱構造を設ける必要性がより大きい。
【0004】これらの電子部品の放熱構造として、通常、良熱伝導性材料からなるフィン付き放熱部材等が電子部品に密着して設けられる。
【0005】例えば、上記した基地局の電力増幅部として用いられる高周波電力増幅器9の場合、一例として、図1〜図3に示すように構成される。
【0006】同軸コネクタ8aから入力された高周波信号は、回路基板1aに実装された図示しないインピーダンス変換回路、バイアス回路等を介して半導体素子(FET)2aに伝送され、所定のレベルに増幅される。増幅後の信号は、回路基板1bに実装された図示しない分配回路で分岐されてそれぞれ半導体素子(FET)2b、2cに伝送され、所定のレベルに増幅される。増幅後の信号は、回路基板1cに実装された図示しない合成回路で合成され、同軸コネクタ8bおよび図示しない同軸ケーブルを介して、図示しないアンテナに伝送される。
【0007】この高周波電力増幅器9は、動作時に、最終段である2個の半導体素子2b、2cにおいて大きな発熱を生じる。また、最終段の駆動段となる半導体素子2aにおいても発熱を生じ、これらの半導体素子2a〜cにおいて局部的に集中して発生する熱の合計量は、高周波電力増幅器9における総発熱量の大半、例えば、90%程度を占める。
【0008】発生した熱を取り除くために、半導体素子2a〜2c等を実装した回路基板1a〜1cは、例えば、良熱伝導性を有するアルミニウム合金等の材料からなる筐体3の内部に収容される。この場合、3つの回路基板1a〜1cが平面的に配置されているため、筐体3は底面3aの面積の広い箱型状に形成されている。筐体3は、底面3aの外側に、熱伝導性の、例えば、シリコンコンパウンド4が塗布され、多数のフィン5aを設けた放熱部材5が取り付けられる。そして、半導体素子2a〜2c等から発生した熱は、筐体3を介して放熱部材5から放熱される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した従来の高周波電力増幅器9の場合、相対的に狭小な平面を有する半導体素子2a〜2cから発生した熱は、主に、相対的に広大な平面を有する筐体3の全体に熱伝導(熱拡散)された後、筐体3の平面の各部位において放熱部材5に熱伝達され、またその残余の熱は、筐体3の平面の各部位において放熱部材5に直接に熱伝達された後、相対的に広大な平面を有する放熱部材5の全体に熱伝導(熱拡散)され、最終的に、放熱部材5の全面から多数のフィン5aを介して放熱される。このため、相対的に広大な平面を有する筐体3あるいは放熱部材5の内部における熱伝導(熱拡散)が十分に行われず、放熱部材5の性能を十分に引き出すに至らないという不具合がある。
【0010】また、上記した従来の高周波電力増幅器9の場合、筐体3は、アルミニウム合金からなる厚板素材を切削加工して箱型状に形成するとともに、その内部に回路基板1a〜1cを収容するための凹部3bが形成されるが、その切削加工の際に、厚板素材の内面と外面との冷却速度の違いによって熱応力が残留し、加工後、その熱応力が開放されると、外面が収縮して反りを生じ、筐体3の底面3a表面と放熱部材5の上面との間に隙間Cを生じることがある(図4参照)。この隙間Cは接触熱抵抗(部材間の接触部に存在する伝熱抵抗)となり、放熱効果をさらに阻害する。
【0011】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、放熱効果の改善された電子部品の放熱構造を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電子部品の放熱構造は、電子部品を、少なくとも一面が良熱伝導性材料からなる筐体内に収容し、該一面の外側に放熱部材を設け、該電子部品から発生する熱を該筐体を介して該放熱部材から放熱する電子部品の放熱構造において、該筐体と該放熱部材との間に、蛇行細管からなるヒートパイプが設けられ、 該ヒートパイプは、該筐体と該放熱部材の間で圧着されて扁平に変形していることを特徴とする(請求項1に係る発明)。
【0013】これにより、電子部品の狭小な平面を持つ半導体素子等の発熱源から発生する熱が筐体の平面上に拡散する過程で平面上の熱分布に偏りを生じたときに、筐体と放熱部材の間に蛇行細管からなるヒートパイプを設けることで、熱分布の偏りを駆動源としてヒートパイプの作業媒体が流動し、ヒートパイプの全体に熱が均一に効率的に拡散されるため、ヒートパイプを介して放熱部材の平面上の各部位に熱が均一かつ効率的に伝達され、放熱部材の機能を十分に発揮して、良好な放熱効果を得ることができる。また、ヒートパイプが筐体と放熱部材の間の隙間形状に倣って筐体および放熱部材に密接するため、部材間の隙間として存在していた接触熱抵抗箇所が解消され、より良好に熱伝達が図られる。
【0014】この場合、前記蛇行細管からなるヒートパイプは、主にターン部と直管部とから構成され、該ターン部が該直管部より細径に形成されていると(請求項4に係る発明)、ターン部の変形等を防止するのに必要な所定の曲率半径を確保しつつターン部を介して隣接する直管部間の距離を小さくすることができるため、ヒートパイプのそれぞれの直管部が相互に確実に密着して整列され、接触熱抵抗箇所が解消され、より良好な熱伝達効果を得ることができる。
【0015】また、この場合、前記蛇行細管からなるヒートパイプは、前記電子部品を収容するために形成された前記筐体の電子部品収容部よりも広幅に設けられ、該筐体は該蛇行細管ヒートパイプの広幅部分に対応して拡張部をさらに形成していると(請求項5に係る発明)、より好適である。ここで、広幅とは、平面上の四方のうち対向する2方向に広い場合および四方すべての方向に広い場合の双方をいう。
【0016】また、この場合、前記筐体と前記放熱部材の間に、圧着による前記蛇行細管からなるヒートパイプの変形量を調整するためのスペーサ部材を設けていると(請求項6に係る発明)、ヒートパイプの変形量を所望の値に調整することができて好適である。また、筐体を放熱部材に組付ける際に、誤って、例えば、締結部材を締め付けすぎて蛇行細管ヒートパイプを圧潰するおそれもない。ここで、スペーサ部材は、筐体等とは格別に独立した部材として設けてもよく、また、筐体等の一部として設けてもよい。
【0017】また、本発明に係る電子部品の放熱構造において、上記蛇行細管からなるヒートパイプに代えて、並列に複数のヒートパイプを設けてもよい(請求項2に係る発明)。
【0018】また、本発明に係る電子部品の放熱構造において、前記ヒートパイプは、前記筐体と前記放熱部材との間に取り付けるに先立ち、予め少なくとも一部が軟質はんだで被覆されていると(請求項3に係る発明)、ヒートパイプが筐体と放熱部材の間で圧着されたときに、軟質はんだが軟化変形して流動し、接触熱抵抗箇所としての隙間がより確実に解消され、筐体と放熱部材の間においてより良好な熱伝達効果を得ることができる。ここで、軟質はんだとは、軟化点が93〜183℃の範囲のはんだ金属をいう。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係る電子部品の放熱構造の好適な実施の形態(以下、本実施の形態例という。)について、電子部品として従来例で説明した高周波電力増幅器を例にとって、図を参照して、以下に説明する。なお、従来例と同一の構成要素については、重複する説明を省略することがある。
【0020】本実施の形態例に係る電子部品の放熱構造について、図5の高周波電力増幅器の平面図、図6の高周波電力増幅器の断面図、図7の高周波電力増幅器の右側面図および図8の蛇行細管ヒートパイプの平面図を参照して説明する。
【0021】高周波電力増幅器10は、回路基板12a〜12c、半導体素子(FET)14a〜14cおよび各回路基板12a〜12c上に実装される図示しない各回路から構成され、さらに、高周波電力増幅器10は、同軸コネクタ11a等に接続される(図5参照)。従来例で説明したように、高周波電力増幅器10は、動作時において、半導体素子14a〜14cが主要な発熱源となる。
【0022】放熱構造として、従来例と同様に、筐体16および放熱部材18が設けられるとともに、さらに、筐体16と放熱部材18との間に蛇行細管からなるヒートパイプ(伝熱クッションプレート:以下、単にヒートパイプという。)20が設けられる。
【0023】筐体16は、高周波電力増幅器10を収容する電子部品収容部としての凹部16aが高周波電力増幅器10の形状に合わせて形成されている。なお、凹部16aの一部に複数の突設部16bが形成され、この突設部16bが半導体素子14a〜14cと密着されて、回路基板12a〜12cよりも図6中上方(Z1方向)に浮いた状態で配置される半導体素子14a〜14cと筐体16との密着性が確保されている。また、従来例と異なり、図5中Y方向両側にそれぞれ幅ΔWの幅広部(拡張部)16hが設けられている。そして、筐体16の底面(底部)16cの外側、すなわち、凹部16aの形成される側の反対側には、凹部16aの幅W1よりも大きな幅W2の溝部16dが形成されている(図6、図7参照)。なお、図6中、参照符号17は、回路基板12a〜12cおよび半導体素子14a〜14cを閉塞するための筐体16の蓋体を示す。
【0024】上記のように構成される筐体16は、例えば、アルミニウム合金等の良熱伝導性を有する材料からなる厚板素材(素材)を用い、切削加工により凹部16aおよび溝部16dが設けられるとともに、ほぼ箱型状に形成される。
【0025】放熱部材18は、従来例で説明したものと同様に、多数のフィン18aが設けられ、この場合、アルミニウム材料を用いて形成される(図7参照)。
【0026】ヒートパイプ20は、16本の直管部(クッション伝熱管部)20aと、隣接する直管部20a、20aをつなぐ曲管状のターン部(折り曲げ部)20bとから略構成され、それらの最端部E1、E2はヘッダ部20cにより接続されて循環ラインを形成している(図8参照)。ヘッダ部20cにはヒートパイプ20内に作動媒体を導入するための導入口20dが設けられている。なお、上記したように、筐体16に幅広部16hが設けられることによって溝部16eの幅W2が大きく形成されているため、後述するようにこの溝部16eに収容されるヒートパイプ20は、高周波電力増幅器10の平面寸法に関わらず、図8中、Y方向の幅寸法が大きく形成されたものを用いることができ、放熱効率を向上させることができる。この場合、Y方向に代えてあるいはY方向とともにX方向に幅寸法を大きくしてもよい。
【0027】ヒートパイプ20の作動媒体として、例えば、水を用いる。この場合、密封状態において気液混層状態に維持するために減圧条件とする。したがって、高温側に接した液状の水(液状の作動媒体)は受熱することにより気化し、一方、低温側に接した水蒸気(気体状の作動媒体)は放熱することにより液化する。そして、この層変化および密度変化を伴う水の流動によって、図7中、ヒートパイプ20の上下間(Z方向)で熱が伝達される。このとき、ヒートパイプ20の高温側の平面の熱分布に偏りがあると、この熱分布の偏りが駆動源となって、例えば、高温点側に位置した水が気化して低温点側に移動し(例えば、図8中、矢印方向に流動)、ヒートパイプ20の、図8中、X、Y方向の平面の全面にわったって均一かつ迅速に熱が拡散される。ヒートパイプ20の高温側の平面の熱分布が均一、すなわち、平面の各部位において温度が均一化されると水の平面上における流動は停止する。そして、ヒートパイプ20全面の各部位から均一に効率的に熱が放出される。なお、図8では、説明の便宜上、水が矢印の一方向に流動してヒートパイプ20内を循環するように模式的(絵画的に)に示しているが、ミクロ的にはヒートパイプ20の各部位において双方向に流動する。但し、この場合、ヒートパイプの端部を閉止する構造とすると、端部近傍での水の流動が不充分となるため、上記のように循環構造とすることが好適である。
【0028】上記のように構成されるヒートパイプ20は、良熱伝導性を有し、かつ伸展性に優れる、例えば、アルミニウムを材料とした、例えば、1〜2mmφ程度のパイプを用いて、隣接する直管部20a、20aが整列するようにして形成される。このとき、ターン部20bは、隣接する直管部20a、20aが密接して整列するように、例えば、0.5〜1.0mmφ程度に径を細く加工して折り曲げることによって形成される。なお、ヒートパイプ20の肉厚は、例えば、0.1mm程度である。
【0029】高周波電力増幅器10を収容した筐体16に上記ヒートパイプ20および放熱部材18を取り付ける方法について、以下説明する。
【0030】ヒートパイプ20は、取り付けに際し、予め、直管部20aの外面が、例えば、軟化点が117℃のIn−Sn系等の軟質はんだ22で被覆されるとともに、隣接する直管部20a、20a間が軟質はんだ22で接合されている。ここで、軟質はんだ22は、In−Sn系等に限ることなく、軟化点が93〜183℃の範囲内のものであれば、好適に用いることができる。
【0031】そして、予め放熱部材18を配置した状態で放熱部材18の上面の所定の位置に蛇行細管ヒートパイプを位置決めし、配置する(図8参照)。ついで、ヒートパイプ20が筐体16の溝部16dに収まるように、筐体16を位置決めし、配置する。最後に、ボルト止め等の方法で、ヒートパイプ20を挟持した状態で筐体16と放熱部材18とを固定する(図6、図7参照)。
【0032】このとき、溝部16dの側壁16eは、スペーサ部材として作用する。すなわち、側壁16eの高さHは、ヒートパイプ20の直径Dの原寸法D1よりも小さく形成されており、したがって、筐体16と放熱部材20とを固定した際に、ヒートパイプ20が圧着されて、直径Dが高さHと同一寸法になるように扁平に変形する。このため、側壁16eの高さHを適宜変更することにより、ヒートパイプ20の直径Dの変化量を容易に所望の値に調整することができる。また、ボルト止め等の方法で筐体16と放熱部材20とを固定する際に、誤って、締め付けすぎてヒートパイプ20を圧潰するおそれもない。
【0033】従来例で説明したように、筐体16は切削加工時の熱歪みにより、図9に示すように底面16の幅方向(図9中、Y方向)の中央部が上方(Z1方向)に反って、底面と放熱部材の上面との間に隙間Cを生じうるが、取り付け時のヒートパイプ20の変形によって、ヒートパイプ20は隙間Cの形状に倣った形状に変化し、隙間Cが解消される。すなわち、ヒートパイプ20の、図9中、Y方向両端部の直管部20a−1は、直径Dが原寸法D1に比べて大幅に縮小され、一方、Y方向中央部の直管部20a−2は、例えば、直径Dが原寸法D1とほぼ同一な程度にほとんど変形を生じないことによって、ヒートパイプ20は反りを生じた溝部16dとY方向全面にわたって密接される。このとき、ヒートパイプ20の外面に被覆された軟質めっき22が圧着によって軟化変形し、流動することによって、隙間Cをさらに確実に閉塞する。これにより、接触熱抵抗となっていた隙間Cが解消されることによって、筐体16、ヒートパイプ20および放熱部材18が密着して一体化される。
【0034】上記のように構成される本実施の形態例に係る高周波電力増幅器10の放熱構造によれば、高周波電力増幅器10使用時に、狭小な平面を有する半導体素子14a〜14cから集中的に発生する熱は、突設部16bを介して筐体16に伝達され、筐体16の幅広な平面に拡散するが、このとき、熱拡散が不充分で筐体16の平面に熱分布の偏りを生じる過程では、この熱分布の偏りを駆動源として、ヒートパイプ20の水が層変化および密度変化して流動し、熱がヒートパイプ20の全面に効率的に伝達される。
【0035】そして、筐体16からヒートパイプ20に伝達された熱は、ヒートパイプ20全面の各部位において、放熱部材18の全面に均一かつ効率的に伝達される。そして、放熱部材18の全面に多数設けられたフィン18aから効率よく放熱が行われ、高周波電力増幅器10の温度上昇が抑制される。
【0036】以上説明した実施例の蛇行細管からなるヒートパイプ20に代えて、複数本のヒートパイプを並列に配置しても、上記した効果を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】請求項1に係る電子部品の放熱構造によれば、電子部品を収容する筐体と放熱部材との間に蛇行細管からなるヒートパイプが設けられ、ヒートパイプは、筐体と該放熱部材の間で圧着されて扁平に変形し、また、請求項2に係る電子部品の放熱構造によれば、蛇行細管からなるヒートパイプに代えて、並列に複数のヒートパイプを設けているため、ヒートパイプを介して放熱部材の平面上の各部位に熱が均一かつ効率的に伝達され、また、部材間の隙間が解消されることにより良好に熱伝達が図られ、放熱部材の機能を十分に発揮して、良好な放熱効果を得ることができる。
【0038】また、請求項3記載の電子部品の放熱構造によれば、ヒートパイプは、筐体と放熱部材との間に取り付けるに先立ち、予め少なくとも一部が軟質はんだで被覆されているため、接触熱抵抗箇所としての隙間がより一層解消され、筐体と放熱部材の間においてより良好な熱伝達効果を得ることができる。
【0039】また、請求項4記載の電子部品の放熱構造によれば、蛇行細管からなるヒートパイプは、ターン部が直管部より細径に形成されてなるため、直管部が相互により確実に密着して整列され、接触熱抵抗箇所が解消され、より良好な熱伝達効果を得ることができる。
【0040】また、請求項5記載の電子部品の放熱構造によれば、蛇行細管からなるヒートパイプは、筐体の電子部品収容部よりも広幅に設けられ、筐体は蛇行細管ヒートパイプの広幅部分に対応して拡張部をさらに形成してなるため、より好適である。
【0041】また、請求項6記載の電子部品の放熱構造によれば、筐体と放熱部材の間に、圧着による蛇行細管からなるヒートパイプの変形量を調整するためのスペーサ部材を設けてなるため、変形量を所望の値に調整することができ、また、ヒートパイプを圧潰するおそれがなく、好適である。
【出願人】 【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
【出願日】 平成12年3月15日(2000.3.15)
【代理人】 【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
【公開番号】 特開2001−267772(P2001−267772A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−72701(P2000−72701)