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【発明の名称】 電子機器の筐体および電子機器
【発明者】 【氏名】香山 俊

【氏名】小笠原 順一

【氏名】佐野 充邦

【要約】 【課題】軽量化、組立性の向上およびコストダウンを図れるとともに、リサイクルが容易な電子機器の筐体および電子機器を提供すること。

【解決手段】電子機器1の筐体12において、金属製の外側部40と、外側部40の内側に配置される内側部50とを備え、内側部50は、ネジNをねじ込む際にタッピングすることでネジNを固定するためのタッピング部60を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子機器の筐体において、金属製の外側部と、少くとも一部分が前記外側部の内側に配置される内側部と、を備え、前記内側部は、ネジをねじ込む際にタッピングすることで前記ネジを固定するためのタッピング部を有することを特徴とする電子機器の筐体。
【請求項2】 前記外側部はアルミニウム製であり、前記内側部は金属または樹脂製である請求項1に記載の電子機器の筐体。
【請求項3】 前記内側部は樹脂製であり、前記内側部は、別の部分とヒンジ結合するためのヒンジ部を有する請求項1に記載の電子機器の筐体。
【請求項4】 前記外側部と前記内側部が積層されている部分には、前記外側部と前記内側部の互いの位置がずれるのを防止する位置ずれ防止部を有する請求項1に記載の電子機器の筐体。
【請求項5】 前記タッピング部の軸方向の長さが小さい場合には前記タッピング部は前記外側部の金属を絞り成形により作られており、前記タッピング部の軸方向の長さが大きい場合には前記タッピング部は前記内側部の前記樹脂により形成されている請求項1に記載の電子機器の筐体。
【請求項6】 前記タッピング部は、前記ネジをねじ込むためのボス部を有し、前記ボス部に装着されて、前記筐体内の要素と前記外側部を電気的に導通するための導通部材を有する請求項1に記載の電子機器の筐体。
【請求項7】 前記導通部材は、前記ボス部と前記外側部に付勢する付勢部材であり、前記導通部材はスライドすることで前記内側部の前記ボス部に装着される請求項6に記載の電子機器の筐体。
【請求項8】 前記内側部が前記外側部の内面から浮き上がるのを機械的に防止するための浮き上がり防止部を有する請求項1に記載の電子機器の筐体。
【請求項9】 前記浮き上がり防止部は、前記内側部に設けられた凸部と、前記外側部に設けられて前記凸部をはめ込むための穴を有する係止め部と、を有する請求項8に記載の電子機器の筐体。
【請求項10】 前記外側部の前記係止め部を前記外側部の外面側から覆うための覆い部材を有する請求項9に記載の電子機器の筐体。
【請求項11】 電子機器において、前記電子機器の筐体は、金属製の外側部と、少くとも一部分が前記外側部の内側に配置される内側部と、を備え、前記内側部は、ネジをねじ込む際にタッピングすることで前記ネジを固定するためのタッピング部を有することを特徴とする電子機器。
【請求項12】 前記外側部はアルミニウム製であり、前記内側部は金属または樹脂製である請求項11に記載の電子機器。
【請求項13】 前記内側部は樹脂製であり、前記内側部は、別の部分とヒンジ結合するためのヒンジ部を有する請求項11に記載の電子機器。
【請求項14】 前記外側部と前記内側部が積層されている部分には、前記外側部と前記内側部の互いの位置がずれるのを防止する位置ずれ防止部を有する請求項11に記載の電子機器。
【請求項15】 前記タッピング部の軸方向の長さが小さい場合には前記タッピング部は前記外側部の金属を絞り成形により作られており、前記タッピング部の軸方向の長さが大きい場合には前記タッピング部は前記内側部の前記樹脂により形成されている請求項11に記載の電子機器。
【請求項16】 前記タッピング部は、前記ネジをねじ込むためのボス部を有し、前記ボス部に装着されて、前記筐体内の要素と前記外側部を電気的に導通するための導通部材を有する請求項11に記載の電子機器。
【請求項17】 前記導通部材は、前記ボス部と前記外側部に付勢する付勢部材であり、前記導通部材はスライドすることで前記内側部の前記ボス部に装着される請求項16に記載の電子機器。
【請求項18】 前記内側部が前記外側部の内面から浮き上がるのを機械的に防止するための浮き上がり防止部を有する請求項11に記載の電子機器。
【請求項19】 前記浮き上がり防止部は、前記内側部に設けられた凸部と、前記外側部に設けられて前記凸部をはめ込むための穴を有する係止め部と、を有する請求項18に記載の電子機器。
【請求項20】 前記外側部の前記係止め部を前記外側部の外面側から覆うための覆い部材を有する請求項19に記載の電子機器。
【請求項21】 前記樹脂はカーボンファイバーを含む請求項13に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器の筐体および電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器、たとえば携帯型の電子機器の例を挙げると、いわゆるノート型のパーソナルコンピュータ等がある。この種の電子機器の筐体は、たとえばマグネシウム等の金属で作られていたり、あるいはポリカABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)等の樹脂により作られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、マグネシウム等の金属は、加工性に難があり2次加工等で多大な手間がかかってしまい、コストが高いという問題がある。またポリカABSのような樹脂は、電磁的シールドの確保や電気的なグランドを取ることに問題があり、たとえば樹脂で作られた筐体の内面にニッケル等の材料を蒸着で形成する必要がある。このような樹脂で作られている筐体は、リサイクルをする際に蒸着したニッケルと樹脂の分離をすることが困難であるという問題がある。しかも樹脂で作られた筐体は金属で作られた筐体に比べて外観上の高級感が出しにくいという問題がある。また、セルフタップ強度も低いために、ナット等を別ピースで圧入する必要があった。
【0004】樹脂で筐体を形成する場合には、電磁的シールドを確保するために、樹脂の中にカーボンや金属粉を入れるような試みもあるが、このようにカーボンや金属粉を樹脂に混ぜると、樹脂自体の強度が低くなり、樹脂に対してたとえばネジ穴等をセルフタップにより形成することが困難となる。従ってそのような樹脂にはナット等を埋め込んで、そのナットに対してネジをねじ込んで取り付けるようにしなければならず、軽量化が図れず、組立性が悪い。そこで本発明は上記課題を解消し、軽量化、組立性の向上およびコストダウンを図れるとともに、リサイクルが容易な電子機器の筐体および電子機器を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電子機器の筐体において、金属製の外側部と、少くとも一部分が前記外側部の内側に配置される内側部と、を備え、前記内側部は、ネジをねじ込む際にタッピングすることで前記ネジを固定するためのタッピング部を有することを特徴とする電子機器の筐体である。請求項1では、電子機器の筐体は金属製の外側部と内側部を備えている。内側部には、ネジをねじ込むためにタッピングすることでネジを固定するためのタッピング部を有している。これにより、外側部は金属製であるので、外観上の高級感を演出することができるとともに、内側部はネジをねじ込むためのタッピング部を有していることから、ネジを取り付けるだけで必要な要素を筐体内に固定できる。外側部は電磁的シールドを確保でき、内側部のタッピング部がネジを固定できる。外側部の内側に内側の少なくとも一部分が配置されるだけであるので、軽量化とコストダウンが図れ、組立性が良好である。また、外側部と内側部を分けるだけで、各々のリサイクルができる。
【0006】請求項2の発明は、請求項1に記載の電子機器の筐体において、前記外側部はアルミニウム製であり、前記内側部は金属または樹脂製である。請求項2では、外側部は放熱性、加工性および軽量であるアルミニウムにより作られている。内側部は金属または樹脂により作られている。
【0007】請求項3の発明は、請求項1に記載の電子機器の筐体において、前記内側部は樹脂製であり、前記内側部は、別の部分とヒンジ結合するためのヒンジ部を有する。請求項3では、内側部は樹脂により作られており、内側部は別の部分とヒンジ結合するためのヒンジ部を有している。
【0008】請求項4の発明は、請求項1に記載の電子機器の筐体において、前記外側部と前記内側部が積層されている部分には、前記外側部と前記内側部の互いの位置がずれるのを防止する位置ずれ防止部を有する。請求項4では、内側部と外側部が積層されている部分には、内側部と外側部の互いの位置がずれるのを防止する位置ずれ防止部を有している。これにより外側部と内側部は位置ずれを防止することができ、組立性が向上する。
【0009】請求項5の発明は、請求項1に記載の電子機器の筐体において、前記タッピング部の軸方向の長さが小さい場合には前記タッピング部は前記外側部の金属を絞り成形により作られており、前記タッピング部の軸方向の長さが大きい場合には前記タッピング部は前記内側部の前記樹脂により形成されている。請求項5では、内側部のタッピング部の軸方向の長さが小さい場合には、タッピング部は外側部の金属を絞り成形することにより作られている。タッピング部の軸方向の長さが大きい場合には、タッピング部は内側部の樹脂により形成されている。これにより、座ぐり部分が浅くても深くても関係なく形成できる。
【0010】請求項6の発明は、請求項1に記載の電子機器の筐体において、前記タッピング部は、前記ネジをねじ込むためのボス部を有し、前記ボス部に装着されて、前記筐体内の要素と前記外側部を電気的に導通するための導通部材を有する。請求項6では、タッピング部はネジをねじ込むためのボス部を有しており、ボス部と外側部を電気的に導通するための導通部材を有している。これによりネジによりボス部に対して取り付けた筐体内の要素と、外側部との電気的な導通を簡単に図ることができる。
【0011】請求項7の発明は、請求項6に記載の電子機器の筐体において、前記導通部材は、前記ボス部と前記外側部に付勢する付勢部材であり、前記導通部材はスライドすることで前記内側部の前記ボス部に装着される。請求項7では、導通部材はスライドすることで、内側部のボス部に対して簡単に装着することができる。
【0012】請求項8の発明は、請求項1に記載の電子機器の筐体において、前記内側部が前記外側部の内面から浮き上がるのを機械的に防止するための浮き上がり防止部を有する。請求項8では、浮き上がり防止部が、外側部の内面から内側部が浮き上がるのを機械的に防止でき、筐体の外側部と内側部の一体化を図ることができる。
【0013】請求項9の発明は、請求項8に記載の電子機器の筐体において、前記浮き上がり防止部は、前記内側部に設けられた凸部と、前記外側部に設けられて前記凸部をはめ込むための穴を有する係止め部と、を有する。請求項9では、浮き上がり防止部の凹部と、浮き上がり防止部の係止め部により浮き上がり防止を図ることができる。
【0014】請求項10の発明は、請求項9に記載の電子機器の筐体において、前記外側部の前記係止め部を前記外側部の外面側から覆うための覆い部材を有する。請求項10では、外側部の係止め部は、覆い部材により覆うことができるので、外部から係止め部が見えることはなく、外観上の仕上がりをよくすることができる。
【0015】請求項11の発明は、電子機器において、前記電子機器の筐体は、金属製の外側部と、少くとも一部分が前記外側部の内側に配置される内側部と、を備え、前記内側部は、ネジをねじ込む際にタッピングすることで前記ネジを固定するためのタッピング部を有することを特徴とする電子機器である。請求項11では、電子機器の筐体は金属製の外側部と内側部を備えている。内側部には、ネジをねじ込むためにタッピングすることでネジを固定するためのタッピング部を有している。これにより、外側部は金属製であるので、外観上の高級感を演出することができるとともに、内側部はネジをねじ込むためのタッピング部を有していることから、ネジを取り付けるだけで必要な要素を筐体内に固定できる。外側部は電磁的シールドを確保でき、内側部のタッピング部がネジを固定できる。外側部の内側に内側の少なくとも一部分が配置されるだけであるので、軽量化とコストダウンが図れ、組立性が良好である。また、外側部と内側部を分けるだけで、各々のリサイクルができる。
【0016】請求項12の発明は、請求項11に記載の電子機器において、前記外側部はアルミニウム製であり、前記内側部は金属または樹脂製である。請求項12では、外側部は放熱性、加工性および軽量であるアルミニウムにより作られている。内側部は金属または樹脂により作られている。
【0017】請求項13の発明は、請求項11に記載の電子機器において、前記内側部は樹脂製であり、前記内側部は、別の部分とヒンジ結合するためのヒンジ部を有する。請求項13では、内側部は樹脂により作られており、内側部は別の部分とヒンジ結合するためのヒンジ部を有している。
【0018】請求項14の発明は、請求項11に記載の電子機器において、前記外側部と前記内側部が積層されている部分には、前記外側部と前記内側部の互いの位置がずれるのを防止する位置ずれ防止部を有する。請求項14では、内側部と外側部が積層されている部分には、内側部と外側部の互いの位置がずれるのを防止する位置ずれ防止部を有している。これにより外側部と内側部は位置ずれを防止することができ、組立性が向上する。
【0019】請求項15の発明は、請求項11に記載の電子機器において、前記タッピング部の軸方向の長さが小さい場合には前記タッピング部は前記外側部の金属を絞り成形により作られており、前記タッピング部の軸方向の長さが大きい場合には前記タッピング部は前記内側部の前記樹脂により形成されている。請求項15では、内側部のタッピング部の軸方向の長さが小さい場合には、タッピング部は外側部の金属を絞り成形することにより作られている。タッピング部の軸方向の長さが大きい場合には、タッピング部は内側部の樹脂により形成されている。これにより、座ぐり部分が浅くても深くても関係なく形成できる。
【0020】請求項16の発明は、請求項11に記載の電子機器において、前記タッピング部は、前記ネジをねじ込むためのボス部を有し、前記ボス部に装着されて、前記筐体内の要素と前記外側部を電気的に導通するための導通部材を有する。請求項16では、タッピング部はネジをねじ込むためのボス部を有しており、ボス部と外側部を電気的に導通するための導通部材を有している。これによりネジによりボス部に対して取り付けた筐体内の要素と、外側部との電気的な導通を簡単に図ることができる。
【0021】請求項17の発明は、請求項16に記載の電子機器において、前記導通部材は、前記ボス部と前記外側部に付勢する付勢部材であり、前記導通部材はスライドすることで前記内側部の前記ボス部に装着される。請求項17では、導通部材はスライドすることで、内側部のボス部に対して簡単に装着することができる。
【0022】請求項18の発明は、請求項11に記載の電子機器において、前記内側部が前記外側部の内面から浮き上がるのを機械的に防止するための浮き上がり防止部を有する。請求項18では、浮き上がり防止部が、外側部の内面から内側部が浮き上がるのを機械的に防止でき、筐体の外側部と内側部の一体化を図ることができる。
【0023】請求項19の発明は、請求項18に記載の電子機器において、前記浮き上がり防止部は、前記内側部に設けられた凸部と、前記外側部に設けられて前記凸部をはめ込むための穴を有する係止め部と、を有する。請求項19では、浮き上がり防止部の凹部と、浮き上がり防止部の係止め部により浮き上がり防止を図ることができる。
【0024】請求項20の発明は、請求項19に記載の電子機器において、前記外側部の前記係止め部を前記外側部の外面側から覆うための覆い部材を有する。請求項20では、外側部の係止め部は、覆い部材により覆うことができるので、外部から係止め部が見えることはなく、外観上の仕上がりをよくすることができる。
【0025】請求項21の発明は、請求項13に記載の電子機器において、前記樹脂はカーボンファイバーを含む。請求項21では、樹脂にカーボンファイバーを含むことにより、筐体内に装着される電子部品や基板等から発生する電磁放射を外部に漏らさないようにすることができる。また、重量もあまりアップしないという利点がある。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0027】図1は、本発明の電子機器の好ましい実施の形態を示している。この電子機器は、一例として携帯型のコンピュータであり、いわゆるノート型のコンピュータである。このコンピュータ1は、表示部2と本体3を有している。表示部2はたとえば液晶表示パネル2Aを有している。表示部2のヒンジ4は、本体3のヒンジ6に対して連結されており、表示部2は、中心軸CLを中心として、本体3に対してR方向に閉じることができる。
【0028】本体3は、筐体12を有し、この筐体12は上部筐体部分20と下部筐体部分21を有している。上部筐体部分20と下部筐体部分21が重なり合うことで、その内部に必要な電子部品や回路基板および冷却用のファンモータ等を収容している。上部筐体部分20は、キーボード5を有している。図1のヒンジ4,4の間にはバッテリ7が着脱自在に装着されている。図2は、筐体12の上部筐体部分20と下部筐体部分21を分解して概略的に示している。
【0029】図3は、図1に示す筐体12の下部筐体部分21を示す平面図である。下部筐体部分21は、前側部30、後側部32、側部34、もう1つの側部36を有している。後側部32のほぼ両端部には、上述したヒンジ部分4A,4Aが突出して形成されている。各ヒンジ部分4Aは、図2に示すように上部筐体部分20の対応するヒンジ部分11と重なることで、各ヒンジ4を構成している。バッテリ7は、円筒状のバッテリであり、複数回充電可能な2次電池であり、たとえばリチウムイオン電池を用いることができる。
【0030】図3の下部筐体部分21は、概略的には金属製の外側部40と、金属または樹脂製の内側部50を有する二層構造の筐体である。外側部40の内面に対して内側部50の少くとも一部分が重ねて固定されている。外側部40は、金属により作られているが、この金属としては、放熱性、加工性および軽量化を考慮して、たとえばアルミニウムである。
【0031】これに対して内側部50が金属で作られる場合には、放熱性、加工性および軽量化を考慮して、たとえばアルミニウムである。また内側部50を樹脂で作る場合には、加工性等を考慮して、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PA(ポリアセタール)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PEI(ポリエーテルイミド)、PC(ポリカーボネート)、PPO(ポリフェニレンオキサイド)、PPE(ポリフェニレンエーテル)等を採用することができる。しかも、内側部50を樹脂で作る場合には、特に好ましくは、上述した樹脂に対してカーボンファイバーを含有させる。このように樹脂に対してカーボンファイバーを含有させると、図1の筐体12の内部に配置された電子部品やその他の部分からの生じる電磁波を反射して、外部に放出しない優れた効果がある。また重量もアップしないという利点がある。
【0032】上述したように、下部筐体部分21の外側部40が金属により作られているので、下部筐体部分21のほとんどの体裁面を金属のプレスで形成することができるので、たとえ複雑な形状であっても、良好な外観上の体裁面を演出することができる。これに対して、内側部50が外部に対して体裁部分として露出しない場合や、あるいは板バネのような弾性的な保持機能部分を不要とする場合には、内側部50はマグネシウム等の金属をチクソモールド法やダイカストにより成形することも可能である。
【0033】図4は、図3の下部筐体部分21のヒンジ部分4AのF−Fにおける断面構造例を示している。図4ではヒンジ部分4Aと、セルフタッピング部60の付近を示しており、セルフタッピング部60はボス部62を有している。金属製の外側部40は図4では外観を演出するための体裁面を形成しているが、たとえば樹脂で作られた内側部50は、外側部40の内面41に密着して、たとえば必要に応じて接着剤を用いて固定されている。ヒンジ部分4Aおよびセルフタッピング部60は比較的複雑な形状であるので、金属製の外側部40の一部で形成するのではなく、樹脂の内側部50の一部分である。これはヒンジ部4とセルフタッピング部60が他の部位に比べて特に複雑な形状であるので、金属製の外側部40に対してプレスにより形成することが困難である理由からである。
【0034】ヒンジ部4の付近に設けられたセルフタッピング部60はボス部62を有している。このボス部62とヒンジ部分4Aは、内側部50の延長部分52と一体に形成されている。ボス部62に対しては、ネジNをねじ込むことにより、ネジNのおネジのセルフタップ作用によりめネジをボス部62の内周面62Aに形成することができる。このネジNは、下部筐体部分21に対して、図2に示す上部筐体部分20を固定したり、あるいは下部筐体部分21に対してネジNを用いて要素である回路基板あるいはその他の部品を下部筐体部分21のセルフタッピング部60に固定する場合に用いることができる。
【0035】次に、図5は、図3の下部筐体部分21の内側に形成されたB部分の断面図である。図5では、外側部40の内面41に対して内側部50が密着して固定されている。外側部40には穴70が形成されており、この穴70に対応して、内側部50にも穴72とフランジ部73が形成されている。この穴70および穴72に対して、ネジNが挿入されることにより、ネジNの頭部74がフランジ部73に突き当たる。このネジNのおネジは、下部筐体部分21の内部に配置された回路基板のような部材75を、下部筐体部分21に対して固定することができる。図5の例では、内側部50側にネジNの頭部74を止めるためのフランジ部73を形成している。穴72は、必要に応じてネジNのおネジのセルフタップ作用によりめネジを形成してもよい。
【0036】図5において、内側部50と外側部40は、位置ずれ防止部80により、相互の位置がずれないように固定する。すなわち位置ずれ防止部80は、外側部40の凹部81と内側部50の凸部82をかみ合わせることにより、外側部40と内側部50は、中心軸83を中心として位置合わせすることができる。
【0037】図6は、図3の下部筐体部分21のA部分の断面図である。外側部40の内面41には内側部50が密着して固定されている。外側部40の凹部90は、たとえば金属の絞り加工により作られており、この凹部90に対応して内側部50の凹部92を有している。凹部90のセルフタッピング部93は、ネジNのおネジがねじ込まれる時にめネジが形成される部分である。凹部92の穴94はセルフタッピング部93の内径よりも大きい内径を有している。
【0038】外側部40と内側部50は、位置ずれ防止部100により相互に位置ずれするのを防止している。位置ずれ防止部100は、外側部40の凹部90の周囲面101と内側部50の凹部92の周囲面102をかみ合わせるようになっており、外側部40と内側部50は、中心軸95を中心として位置ずれなく一体化することができる。
【0039】図4に示す例では、セルフタッピング部60の軸方向の長さL、すなわちタッピングを施す長さが比較的長く得られる場合には、その強度を確保するために樹脂の内側部50側にセルフタッピング部60を形成している。これに対して、図6に示すようにセルフタッピング部92の長さL1が比較的短い場合には、金属製の外側部40側にセルフタッピング部93を設け、ねじ込みの際の強度を得ている。
【0040】図7は、図3の下部筐体部分21のD部分の断面図である。図7では、外側部40は、曲げ部分110を有しており、この曲げ部分110により、内側部50の端部114を機械的に固定している。すなわち曲げ部分110は、内側部50の端部114をはめ込むことによりワンタッチで機械的にはめ込んで固定することができる。このようなばね性を有する曲げ部分110を、外側部40の複数箇所に設けることにより、内側部50は外側部40の複数箇所の曲げ部分110により確実にワンタッチで固定することができ、外側部40と内側部50を簡単に一体化することができる。
【0041】次に図8は、図3の下部筐体部分21のC部分の断面図である。図8において外側部40は、凹部130を有している。この凹部130は穴131を有している。これに対して内側部50は、外側部40の内面41に密着して固定されている。内側部50は円筒部133を有している。円筒部133の中に、外側部40の凹部130が挿入されている。この凹部130と円筒部133は、外側部40と内側部50の位置ずれ防止部150を形成しており、位置ずれ防止部150により、外側部40と内側部50は、中心線160を中心として位置決めできる。
【0042】内側部50の円筒部133の中には爪状の凸部170が軸160方向に形成されている。この凸部170は、凹部130の穴131にはめ込むことにより、ワンタッチで抜け止めできる。このことから、凸部170は、外側部40と内側部50をワンタッチで一体化して機械的に固定することができる。このことから、凸部170と凹部130の穴131は、外側部40と内側部50のための浮き上がり防止部180を構成している。この浮き上がり防止部180は、内側部50は、外側部40から浮き上がるのを阻止していて、この浮き上がり防止部180は複数か所に設けてよい。図8において外側部40には凹部130が形成されていることから、この凹部130の穴139を閉鎖するために、覆い部材であるシール200を粘着剤により貼り付けることができる。このようにすることでシール200は穴139を隠すことができ、外側部40の外観上の体裁を良り向上させることができる。
【0043】図9は、図3の下部筐体部分21のE部分の断面図である。図9において、外側部40の内面41には内側部50が密着して固定されている。内側部50は、ボス部210を有しており、このボス部210にはアース用の板バネ部材220が取り付けるようになっている。この板バネ部材220は、接点部221と接点部222および中間部223を有している。接点部221は、金属製の外側部40の内面41に対して機械的にかつ電気的に接触している。板バネ部材220の接点部222は、ボス部210の上端部に位置し、メイン基板290のアースランド294に接続されている。中間部223はボス部210の側面に位置している。接点部222とメイン基板290は、ネジ296によりボス部210に固定される。このような板バネ部材220は、A方向にスライドすることにより、ボス部210に対して固定されるとともに、接点部221が外側部40の内面41に電気的に接触する。
【0044】この板バネ部材220は、外側部40と筐体21の内部に配置された要素、たとえば回路基板やその他の部分の電気的な導通を取り、回路基板等の電気的なグランドを外側部40に対して接続して得ることができるものである。このような板バネ部材220は、機械的なカシメや熱溶着あるいは接着等により、外側部40あるいは内側部50の少なくとも一方に固定するようにしても勿論構わない。
【0045】ところで上述した実施の形態では、本発明の電子機器の筐体として、図1に示す電子機器の筐体12の下部筐体部分21を例に挙げているが、これに限らず、上部筐体部分20あるいは表示部2の筐体2Bを同様にして構成することもできる。また電子機器としては、携帯型のコンピュータに限らず、たとえばビデオカメラ、スチルカメラ、携帯電話、携帯ゲーム機、携帯オーディオ機器等を含むものである。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、軽量化、組立性の向上およびコストダウンを図れるとともに、リサイクルが容易である。
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成12年3月17日(2000.3.17)
【代理人】 【識別番号】100096806
【弁理士】
【氏名又は名称】岡▲崎▼ 信太郎 (外1名)
【公開番号】 特開2001−267762(P2001−267762A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−81846(P2000−81846)