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【発明の名称】 ファンを有する電気装置
【発明者】 【氏名】岩崎 静夫

【要約】 【課題】オーディオ装置等の電気装置において、電子回路装置を強制冷却するためのファンを筐体の外周面に配置すると、コネクタの配置の自由度が低下し、更に騒音問題が発生する。

【解決手段】電子回路装置3が収容された筐体2の中にファン4を配置する。ファン4を通る空気通路を形成するために第1及び第2のダクト16,17を設ける。筐体2の背面に吸気孔14と排気口15及びコネクタ6,7を配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷却する必要性を有する電気回路装置と、前記電気回路装置を余裕を有して収容しており、且つ前記電子回路装置を冷却するための空気の通路を形成するための吸気孔及び排気孔を有している筐体と、外部回路に接続することができるように前記筐体に設けられ且つ前記電子回路装置に接続されているコネクタと、前記吸気孔から前記排気孔への空気の流れを強制的に生じさせるように前記筐体の中に配置されたファンとを備えていることを特徴とする電気装置。
【請求項2】 前記筐体は箱型であって、互いに対向する平面形状が四角形状の第1及び第2の主面と、互いに対向する第1及び第2の側面と、前記第1及び第2の側面の両側に配置された第3及び第4の側面とを有し、前記吸気孔は前記第1の側面の一方の端側領域に配置されており、前記排気孔は前記第1の側面の他方の端側領域に配置されており、前記コネクタは前記第1の側面の前記吸気孔と前記排気孔との間の領域に配置されていることを特徴とする請求項1記載の電気装置。
【請求項3】 前記筐体は空気通路を形成するためのダクトを有することを特徴とする請求項1又は2記載の電気装置。
【請求項4】 前記筐体は、前記第3の側面に沿って前記第2の側面側から前記第1の側面側に延び且つ前記吸気孔に連通している第1のダクトと、前記第4の側面に沿って前記第2の側面から前記第1の側面側に延び且つ前記排気孔に連通している第2のダクトと、前記第1及び第2のダクトの間に配置された電子回路装置の収容部とを有し、前記第1及び第2のダクトと前記収容部とのそれぞれの境界壁に開口が設けられ、前記ファンは前記第1のダクトの空気を前記収容部の中に吸引するように配置されていることを特徴とする請求項2記載の電気装置。
【請求項5】 前記筐体は、前記第3の側面に沿って前記第2の側面側から前記第1の側面側に延び且つ前記吸気孔に連通している第1のダクトと、前記第4の側面に沿って前記第2の側面側から前記第1の側面側に延び且つ前記排気孔に連通している第2のダクトと、前記第1及び第2のダクトの間に配置された電子回路装置の収容部とを有し、前記第1及び第2のダクトと前記収容部とのそれぞれの境界壁に開口が設けられ、前記ファンは前記収容部の空気を前記第2のダクトに排出するように配置されていることを特徴とする請求項2記載の電気装置。
【請求項6】 前記筐体は、前記電子回路装置を収容するための升型本体部とこの本体部を覆うカバーとから成り、前記本体部は、前記筐体の前記第2の主面の中央部を構成するための平面形状四角形の主面板と、前記主面板に対して直角方向に延び且つ互いに対向している第1及び第2の側面板と、前記第1及び第2の側面板の間において前記主面板に対して直角方向に延び且つ互いに対向している第3及び第4の側面板とを有し、前記カバーは、前記本体部の開放面を覆う主面部と前記本体部の前記第3の側面板を前記第1のダクトを形成するように覆う第1のダクト形成部と、前記本体部の前記第4の側面板を前記第2のダクトを形成するように覆う第2のダクト形成部とを有することを特徴とする請求項4又は5記載の電気装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術的分野】本発明は、ファンによって強制的に冷却することが必要な半導体装置、プリント回路基板装置等の電子回路装置を有する電気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】冷却の必要がある例えば半導体装置等の電子部品を含む電子回路装置を収容している箱型の筐体の側面に排気用ファンを配置した構造の電気装置が知られている。この構造の電気装置においては、筐体中の発熱体である電子回路装置で暖められた空気が強制的に排気され、電子回路装置を冷却することができる。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】ところで、筐体の外周面にファンを配置すると、ファンの占有面積が比較的に大きいので、筐体の外周面に外部回路接続用コネクタを配置する時に、コネクタの配置の自由度を妨害する。特に、コネクタとファンとの両方を筐体の外部から目立たない背面に配置する場合には、ファンによってコネクタの配置に大きな制約が生じる。また、ファンを筐体の外周面に配置すると、必然的に騒音が大きくなる。
【0004】そこで、本発明の目的は、筐体の外周面におけるコネクタの配置の自由度が大きく且つ騒音の小さいファン付電気装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、上記目的を達成するための本発明は、冷却する必要性を有する電子回路装置と、前記電子回路装置を余裕を有して収容しており、且つ前記電子回路装置を冷却するための空気の通路を形成するための吸気孔及び排気孔を有している筐体と、外部回路に接続することができるように前記筐体に設けられ且つ前記電子回路装置に接続されているコネクタと、前記吸気孔から前記排気孔への空気の流れを強制的に生じさせるように前記筐体の中に配置されたファンとを備えていることを特徴とする電気装置に係わるものである。
【0006】なお、請求項2に示すように箱型筐体の1つの側面に吸気孔と排気孔とコネクタとを配置することが望ましい。また、請求項3に示すようにダクトを設けることが望ましい。また、請求項4に示すように筐体の対の側面に沿って第1及び第2のダクトを設けることが望ましい。また、請求項5に示すようにダクトと収容部との境界の開口にファンを配置することが望ましい。また、請求項6に示すように升型本体部とカバーとの組み合せによって第1及び第2のダクトを有する筐体を構成することが望ましい。なお、本発明において電気回路装置とは、半導体素子等の電子部品又は電子部品を含む回路装置を意味する。
【0007】
【発明の効果】各請求項の発明によれば、ファンが筐体の中に配置されているので、筐体の側面にファン取付領域を設けることが不要になり、コネクタの配置可能面積及びコネクタ配置の自由度が大きくなり、コネクタの理想的配置又は多数のコネクタの配置が可能になる。また、ファンを筐体の中に配置するので、ファンによる騒音を軽減することができる。また、請求項2の発明によれば、1つの側面にコネクタ、吸気孔及び排気孔が配置されるので、外観を良くなり且つ電気装置の配置の自由度が大きくなる。また、吸気孔と排気孔とがコネクタによって離間されるので、筐体の内部に空気通路を理想的に形成することができる。また、請求項3,4、5及び6の発明によれば、電子回路装置を冷却するための空気の流れをダクトによって良好に形成することができる。また、請求項6の発明にとれば、升型本体部とカバーとの組み合せによってダクトを容易に形成することができる。
【0008】
【実施形態】次に、図1〜図8を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0009】
【第1の実施形態】図1〜図6は、オーディオシステムに使用するための複数のオ−ディオ機器の相互間の中継を行うための中継装置から成る電気装置1を示す。この電気装置1は、大別して筐体2に収容された電子回路装置3と、冷却用ファン4と、電源スイッチ5と、多数の第1及び第2の型式のコネクタ6、7とから成る。なお、図1及び図2においては、筺体2がこれを構成する金属板の厚みを省略して示されている。
【0010】概略的にブロックで示されている電気回路装置としての電子回路装置3は、半導体素子、コンデンサ、抵抗等を伴った回路基板から成り、冷却することが必要なものである。電子回路装置3は電源スイッチ5と第1及び第2の型式コネクタ6、7とに接続されている。ファン4は電源スイッチ5を介して第2の型式のコネクタの1つに接続されている。
【0011】電気装置1の外囲体又は容器としての筐体2は、略直方体形状の箱型であって、第1及び第2の主面8,9と、第1、第2、第3及び第4の側面10,11,12,13とを有する。平面形状四角形の第1及び第2の主面8,9は所定の間隔有して互いに対向配置されている。第1及び第2の側面10,11は第1及び第2の主面8,9に対して直角に延びており、互いに対向配置されている。第1及び第2の側面10,11に対して直角に配置された第3及び第4の側面12,13は互いに対向している。この電気装置1を使用する時には、一般的には第1の側面10が背面、第2の主面11が前面となるように配置される。
【0012】電源スイッチ5は、図1に示すように筐体1の前面となる第2の側面11に配置されている。多数の第1及び第2の型式のコネクタ6,7は、図2及び図4に示すように背面となる第1の側面10の中央領域に配置されている。なお、第1の型式のコネクタ6は端子ピン構造に形成され、第2の型式のコネクタ7はコンセント構造に形成されている。
【0013】第1の側面10には、縦長のスリット状の吸気孔14及び排気孔15が設けられている。吸気孔14はコネクタ6,7と第3の側面13との間に配置され、排気孔15はコネクタ6,7と第4の側面13との間に配置されている。
【0014】筐体2は、大別して第3の側面12に沿って延びる第1のダクト16と、第4の側面13に沿って延びる第2のダクト17と、第1及び第2のダクト部16,17の間の電子回路装置収容部18とを有する。第1のダクト16の一端に吸気孔14が配置され、第1のダクト部の他端は第2の側面11で閉塞されている。第2のダクト17の一端に排気孔15が配置され、第2のダクト17の他端は第2の側面11で閉塞されている。吸気孔14に連通している第1のダクト16及び排気孔15に連通している第2のダクト17は電子回路装置3の冷却のための空気通路を形成する。
【0015】筐体2は、図7から明らかなように電子回路装置3を収容するための升型の本体部19とこの本体部19を覆うカバー部20との組み合せで構成されている。電子回路装置3の収容体又はシャーシとしての本体部19は、金属板を升型に折り曲げ加工したものであって、平面形状四角形の主面板としての底面板21とこの底面板21から直角に立上っている第1、第2、第3及び第4の側面板22,23,24,25とから成る。電子回路装置3は底面板21に固着されている。図7の第1の側面板22は筐体2の第1の側面10を形成するためのものであり、最終的にはこの外周面にコネクタ6,7が取付けられる。しかし、図7ではコネクタ6,7の取付け前の状態で第1の側面板22が示されている。コネクタ6,7の取付け時には第1の側面板22に取付孔が形成される。第1の側面板22に対向している第2の側面板23は筐体2の前面となる第2の側面11を形成するものであり、第3及び第4の側面板24,25の相互間隔よりも横長に形成されている。即ち、第1及び第2のダクト16,17の一方の端を閉塞することができるように第2の側面板23が形成されている。この第2の側面板23には電源スイッチ5が取付けられている。第1及び第2の側面板22,23に対して直角に延び且つ互いに対向している第3及び第4の側面板24,25は第1及び第2のダクト16,17と収容部18との境界壁として使用されるものであり、空気通路を形成するための第1及び第2の開口26,27を有する。また、第3及び第4の側面板24,25は水平方向に延びている折り曲げ部28,29を有し、ここにはカバー部20の上側を固定するための複数のネジ30を螺合させる複数の雌ネジ即ちネジ孔31が設けられている。また、底面板21にはカバー部20の下側を固定するための複数のネジ32を螺合させるための複数の雌ネジ即ちネジ孔33が設けられている。
【00016】カバー20は金属板を折り曲げ加工したものであって、中央の主カバー部20aと第1及び第2のダクト形成部20b、20cとから成る。これ等は互いに連続されている主面板34と第1及び第2の側面板35,36と第1及び第2の低面板37,38とで構成されている。カバー20の主面板34は天板とも呼ぶことができるものであって、筐体2の第1の主面8を形成する。従って、カバー20の主面板34は本体部19の第3及び第4の側面板24,25の間隔よりも長い幅を有する。この主面板34の幅は本体部19の第2の側面板23の幅とほぼ同一である。カバー20の第1及び第2の側面板35,36は筐体2の第3及び第4の側面12,13を形成する。カバー20の第1及び第4の底面板37,38は筐体2の第2の主面9の一部を形成する。カバー20の主面板34の中央領域は本体部19の開放面を覆う主カバー部20aを構成する。また、カバー20の第1の側面板35と第1の底面板37と主面板34の一方の端領域とによって第1のダクト形成部20bが形成されている。カバー20の第2の側面板36と第2の底面板38と主面板34の他方の端領域とによって第2のダクト形成部20cが形成されている。カバー20の主面板34の一方及び他方の端領域に複数のネジ30を挿通するための複数の貫通孔39が形成されている。第1及び第2の底面板37,38には複数のネジ32を挿通するための複数の貫通孔40が形成されている。
【0017】図3に概略的に示すように、羽根4aとこれを回転するためのモ−タ4bとから成るファン4は本体部19の第3の側面板24の開口26に一致するように本体部19の内側に固着される。カバー20は電子回路装置3とファン4が取付けられた本体部19を覆うように配置され、本体部19に対して複数のネジ30、32で固定されている。カバー20はこの両側にコ字状の第1及び第2のダクト形成部20b、20cを有するので、本体部19とカバー20とを組み立てると、第1及び第2のダクト16,17が必然的に得られ、且つ電子回路装置3を空間を有して囲む収容部18が得られる。
【0018】この電気装置1の使用時にファン4を吸気するように駆動すると、図3で矢印で示すように吸気孔14、第1のダクト16、ファン4、収容部18、第2のダクト17及び排気孔15の経路の空気の通路が形成され、発熱体である電子回路装置3の強制冷却が可能になる。
【0019】本実施形態は次の効果を有する。
(1) ファン4を筐体2の内部に配置したので、筐体2の外周面にファン4のための面積を確保することが不要になり、筐体2の外周面に対するコネクタ6、7の配置の自由度が大きくなる。
(2) 筐体2の背面となる第1の側面10にはファン4が配置されず、吸気孔14と排気孔15のみが配置されているので、コネクタ6,7の配置面積を十分に確保することができ、コネクタ6,7の配置の自由度が大きくなり、コネクタ6,7に対する外部回路装置の接続の操作性が良いように、コネクタ6,7を理想的に配置することができる。
(3) 筐体2の背面側となる第1の側面10に、コネクタ6、7、吸気孔14及び排気孔15を配置するので、筐体2の前面側から見た外観が良くなる。また、他の機器との組み合せの自由度を大きくすることができる。
(4) ファン4が筐体2の内部に配置されているので、ファン4から発生するノイズが外部へ出るのを抑制することができ、低騒音化を図ることができる。
(5) 第1及び第2ダクト16,17を設けたので、電子回路装置3の近くの空気の流れを良くすることができ、良好な冷却効果を得ることができる。
(6) 本体部19とカバー20との組み合せによって第1及び第2のダクト16,17を得る構成であるので、単純な構成でダクト16,17を容易に得ることができる。
【0020】
【第2の実施形態】次に、図8を参照して第2の実施形態を説明する。但し、図8において図1〜図7と実質的に同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。図8の電気装置1aは、ファン4の取付位置を第2のダクト15側に変え、この他は第1の実施形態と同一に構成したものである。即ち、図8では第4の側面板25の開口27に排気可能にファン4が配置されている。即ち、図8では電子回路装置3が収容されている部分の空気が第2のダクト15に強制的に排気されている。この様に構成しても第1の実施形態と同一の効果を得ることができる。
【0021】
【変形例】本発明は上述の実施形態に限定されるものでなく、例えば次の変形が可能なものである。
(1) 1つの電子回路装置3の代りに、複数の電子回路装置又は電子部品を収容部18に配置することができる。
(2) 電子回路装置は比較的大きな電流が流れる半導体素子等の電子部品のみであってもよい。
(3) 第1及び第2のダクト14,15の第2の側面11側を閉塞しないで開放することができる。
(4) 第2の側面11に電源スイッチ5以外の操作スイッチ又はコネクタを配置することができる。
【出願人】 【識別番号】000003676
【氏名又は名称】ティアック株式会社
【出願日】 平成12年9月22日(2000.9.22)
【代理人】 【識別番号】100072154
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 則次
【公開番号】 特開2001−244681(P2001−244681A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−289511(P2000−289511)