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【発明の名称】 電子機器
【発明者】 【氏名】野口 真吾

【氏名】高橋 彌

【要約】 【課題】ハウジング内において、発熱電子部品から発せられる熱をヒートシンク等によりハウジング外に効率良く放熱することができ、しかも、ケーブルによるヒートシンクへの空気の流入口の閉塞の問題が起こらない電子機器を提供する。

【解決手段】ハウジング1内に、発熱電子部品21から発せられる熱を放熱するヒートシンク3と、排気用ファン4と、ヒートシンク3とファン4との間に設けられるダクト5と、ケーブル8とが備えられ、ダクト5の外面に、ケーブル8をヒートシンク3への空気の流入の妨げとならない位置に保持し得るように同ケーブル8の所要部分が係り止められる係止部55が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジング内に、発熱電子部品から発せられる熱を放熱するヒートシンクと、排気用ファンと、ヒートシンクとファンとの間に設けられるダクトと、ケーブルとが備えられており、ダクトの外面に、ケーブルをヒートシンクへの空気の流入の妨げとならない位置に保持し得るように同ケーブルの所要部分が係り止められる係止部が設けられている、電子機器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パーソナルコンピュータ等の電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】例えば、最近のパーソナルコンピュータは、そのハウジング内においてマザーボードに組み込まれた高性能のCPUから多量の熱が生じ、そのため、熱をハウジング外に効率よく放熱させる装置が不可欠となっている。そのような放熱装置としては、CPUに接続されるヒートシンクと、ハウジング内の空気を強制排出させる排気用ファンとを備えたものが知られている。
【0003】また、パーソナルコンピュータにあっては、ノートブック型やモバイル型といった携帯可能なものはもとより、デスクトップ型、タワー型、オールインワン型といった机上に設置して使用されるものについても、小型化が進められている。そのため、最近のパーソナルコンピュータでは、小型化されたハウジング内において部品が密集し、ハウジング内において空気が流れるスペースが極めて狭くなってきている。
【0004】ハウジング内には、ハードディスクドライブ(以下、「HDD」という。)、フロッピーディスクドライブ(以下、「FDD」という)等の装置も収容されており、これらはケーブルによってマザーボード等に接続されている。ケーブルのうちHDDケーブルやFDDケーブルといったベルト状ケーブルは、特に幅が広いため、ハウジング内での配線具合によってはヒートシンクへの空気の流入口を塞いでしまい、放熱装置による本来の放熱機能を損なうといった事態も起こり得る。
【0005】この発明の目的は、ハウジング内において、発熱電子部品から発せられる熱をヒートシンク等によりハウジング外に効率良く放熱することができ、しかも、ケーブルによるヒートシンクへの空気の流入口の閉塞の問題が起こらない電子機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】この発明による電子機器は、ハウジング内に、発熱電子部品から発せられる熱を放熱するヒートシンクと、排気用ファンと、ヒートシンクとファンとの間に設けられるダクトと、ケーブルとが備えられており、ダクトの外面に、ケーブルをヒートシンクへの空気の流入の妨げとならない位置に保持し得るように同ケーブルの所要部分が係り止められる係止部が設けられているものである。
【0007】このように、ヒートシンクに加えて、排気用ファンとダクトとがハウジング内に備えられていれば、発熱電子部品から発せられる熱をハウジング外に効率良く放熱させることができる。しかも、ダクトの外面には、ケーブルの所要部分が係り止められる係止部が設けられているので、ケーブルをヒートシンクへの空気の流入の妨げとならない位置に確実に保持しておくことができる。したがって、この発明による電子機器によれば、ハウジング内においてケーブルによるヒートシンクへの空気の流入口の閉塞が起こらず、ヒートシンク、排気用ファンおよびダクトが協働して常に本来の放熱効果を発揮することができる。
【0008】また、電子機器の作動中、ヒートシンクは発熱電子部品から多量の熱を受けて放熱するが、ダクトの係止部によってケーブルが上記のような位置に保持されると、同ケーブルは実質的にヒートシンクとは接触しないので、ケーブルの溶解による断線・火災等の問題も起こらない。
【0009】その上、ケーブルの所要部分がダクトの係止部に係り止められることで、ハウジング内におけるケーブルのレイアウトを整列化することもできる。
【0010】さらに、ダクトの係止部にケーブルの所要部分が係り止められることにより、ダクトの安定性も増すため、振動や衝撃が生じた際にダクトがガタツキ難くなる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1および図2は、この発明の実施形態を示すものである。なお、以下の説明において、図1の手前側を後、これと反対側を前といい、前方から後方を見た場合の左右を左右というものとする。
【0012】図1には、デスクトップ型パーソナルコンピュータ本体のハウジング(1)とその内部が一部を省略して示されている。ハウジング(1)内には、マザーボード(2)に組み込まれたCPU(21)から発せられる熱を放熱するヒートシンク(3)と、排気用ファン(4)と、ヒートシンク(3)とファン(4)との間に設けられるダクト(5)と、ケーブル(8)とが備えられている。
【0013】ヒートシンク(3)は、下面がCPU(21)と接するようにマザーボード(2)に取り付けられた基板(31)と、基板(31)の上面に形成された複数の放熱フィン(32)とを備えている。この実施形態のヒートシンク(3)は、所要の横断面形状を有するアルミニウム合金押出形材製の素材を用意し、この素材のフィン形成用被削部を削り起こして舌状の放熱フィン(32)を形成することにより製造されている。もっとも、ヒートシンクの構造や製造方法は、上記に限定されず、押出形材製等、適宜のものを使用することができる。
【0014】排気用ファン(4)は、ファンケース(41)と、ファンケース(41)に収容されたファン本体(42)とを備えており、ハウジング(1)の左側壁に形成された排気口(11)に臨むように配置されている。
【0015】図1に示すように、ダクト(5)は、ヒートシンク(3)の上方からファン(4)に向かって、その長さ中央部で前方にやや屈曲するように左方にのびている。
【0016】図2には、ダクト(5)の詳細が示されている。図2に示すように、ダクト(5)の右端側に下方に開口したダクト入口(51)が形成されていて、このダクト入口(51)から、ヒートシンク(3)の放熱フィン(32)の上部が、ダクト(5)内に挿入されている。ダクト(5)の左端部には、ファン(4)に通じるダクト出口(52)が形成されている。ダクト出口(52)の周縁には、前後両側および下方に張り出したフランジ部(53)が形成されている。ファンケース(41)におけるダクト出口(52)側の前後両側部に、互いに向かい合うように内方に開口した嵌入溝(411)が形成されている。そして、これらの嵌入溝(411)に、ダクト(5)のフランジ部(53)の前後両側部分が嵌め入れられ、それによって、ダクト(5)の左端部がファンケース(41)に取り外し自在に取り付けられている。ダクト(5)の上壁(54)外面の右側部分には、前後に向かう合う横断面倒立L字形の1対の係止部(55)が形成されている。なお、図示は省略したが、ダクト(5)の後壁(56)の右端側部分にダクト固定用フック部が形成され、このフック部がハウジング(1)の後壁に形成された係止孔に係り止められている。
【0017】排気用ファン(4)を作動させると、ハウジング(1)の右側壁および後壁に形成された給気口(12)を通じてハウジング(1)内に流入した空気が、図1に矢印(6)で示すようにヒートシンク(3)の放熱フィン(32)どうしの隙間を通じてダクト入口(51)からダクト(5)内に導入されて内部を流れ、次いで、ダクト出口(52)からファン(4)内部およびハウジング(1)左側壁の排気口(11)を通じてハウジング(1)外に排出されるようになっている。このような空気の流れがハウジング(1)内に形成されることで、CPU(21)から出た多量の熱をハウジング(1)外に効率良く放熱することができる。
【0018】ヒートシンク(3)の前方にHDD(7)が配置され、マザーボード(2)におけるヒートシンク(3)の左斜め後方部分にHDD用端子(22)が配置されている。そして、これら(7)(22)の間にベルト状HDDケーブル(8)が配線されている。このHDDケーブル(8)は、そのHDD(7)側部分においてダクト上壁(54)の右端側部分に沿うように斜めに折り返され、その両縁部の長さ中央部分がダクト上壁(54)外面の1対の係止部(55)に係り止められ、端子(22)側部分が後方に向かって斜めに折り返されている。このようにして、HDDケーブル(8)は、ヒートシンク(3)への空気の流入の妨げとならない位置に保持されている。したがって、ハウジング(1)内において幅広のHDDケーブル(8)によるヒートシンク(3)への空気の流入口の閉塞が起こらず、ヒートシンク(3)、ファン(4)およびダクト(5)よりなる放熱装置が常にその本来の放熱効果を発揮することができる。また、HDDケーブル(8)は、上記の位置に保持されることで、コンピュータの作動中にヒートシンク(3)から放熱される熱の影響をほとんど受けないので、同ケーブル(8)の溶解による断線や火災が確実に回避される。さらに、図1から明らかなように、HDDケーブル(8)の両縁部の長さ中央部分がダクト(5)の係止部(55)に係り止められることで、ハウジング(1)内における同ケーブル(8)のレイアウトが整列化される。一方、ダクト(5)についても、その係止部(55)にHDDケーブル(8)の一部が係り止められることによって安定性が増し、振動や衝撃が生じた際にもガタツキ難くなる。
【0019】図3は、ダクト(5)に設けられる係止部の変形例を示すものである。図3のダクト(5)では、その上壁(54)外面の右側部分に、前後に向かう合うフック形の2つの係止部(55A)が形成されている。これらの係止部(55A)には、ハウジング(1)内に配線される線状ケーブル(図示略)の所要部分が係り止められるようになっている。
【0020】なお、上記の実施形態はあくまでも一例にすぎず、特許請求の範囲に記載されたこの発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜に変更の上、この発明を実施することは勿論可能である。
【出願人】 【識別番号】000186843
【氏名又は名称】昭和アルミニウム株式会社
【出願日】 平成12年1月6日(2000.1.6)
【代理人】 【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助 (外4名)
【公開番号】 特開2001−196776(P2001−196776A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−942(P2000−942)