| 【発明の名称】 |
電子装置搭載機器 |
| 【発明者】 |
【氏名】今里 雅治
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、CPU内部で使用され高調波成分を含むクロック信号が放熱板からノイズとして放射することを抑制可能な電子装置搭載機器を提供する。
【解決手段】CPU2と放熱板5の間に、電波吸収体4を装着することにより、クロック信号の高調波周波数における1/2波長の長さと、放熱板の長さが一致する場合であっても、ノイズの共振を防止しクロック信号の基本波または高調波信号におけるノイズを抑制する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クロック信号により動作する電子装置が搭載され、さらに、この電子装置に放熱手段が設けられた電子装置搭載機器において、前記電子装置と前記放熱手段の間に前記クロック信号の高調波周波数による共振を抑制するための電波吸収体が装着され、かつ、この電波吸収体が前記放熱手段における装着面の1/3以上を覆うことを特徴とする電子装置搭載機器。 【請求項2】 クロック信号により動作する電子装置が搭載され、さらに、この電子装置に放熱手段が設けられた電子装置搭載機器において、前記クロック信号の高調波周波数が1GHz以上となる場合に、前記電子装置と前記放熱手段の間に前記クロック信号の高調波周波数による共振を抑制するための電波吸収体が装着され、かつ、この電波吸収体の厚さを0.5mm以上としたことを特徴とする電子装置搭載機器。 【請求項3】 クロック信号により動作する電子装置が搭載され、さらに、この電子装置に放熱手段が設けられた電子装置搭載機器において、前記クロック信号の高調波周波数が1GHz以上となる場合に、前記電子装置と前記放熱手段の間に前記クロック信号の高調波周波数による共振を抑制するための電波吸収体が装着され、かつ、この電波吸収体が前記放熱手段における装着面の1/3以上を覆うとともに、この電波吸収体の厚さを0.5mm以上としたことを特徴とする電子装置搭載機器。 【請求項4】 上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子装置搭載機器において、前記電波吸収体を前記放熱手段における装着面の中央部に装着したことを特徴とする電子装置搭載機器。 【請求項5】 上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子装置搭載機器において、複数個の前記電子装置に対して、一つの前記電波吸収体を設けたことを特徴とする電子装置搭載機器。 【請求項6】 上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電子装置搭載機器において、前記電波吸収体を矩形平板状とし、かつ、共振によるノイズの増加に応じて前記電波吸収体の幅,長さ及び/又は厚さを決定することを特徴とする電子装置搭載機器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子装置搭載機器に関し、特に、クロック信号により動作する中央演算処理装置(適宜、CPUと略称する。)などの電子装置が搭載され、さらに、この電子装置の動作電流により発生する熱を放散するための放熱手段が設けられた電子装置搭載機器に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、記憶,制御,演算などを行う単一チップから構成される電子装置(例えば、CPU)が搭載された電子装置搭載機器(例えば、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの情報処理機器)は、高速処理を行なうほど大きな電力を消費してきた。このため、CPUなどの電子装置には、発熱により許容温度を超えないように放熱手段が設けられてきた。 【0003】このように放熱手段の設けられた電子装置が搭載された電子装置搭載機器について、図面を参照して説明する。図6は、従来例における電子装置搭載機器の要部の概略拡大側面図を示している。同図において、電子装置搭載機器は、CPU2がプリント基板1にコネクタ3を介して搭載してあり、CPU2の上面には、放熱板50と放熱部60とからなる放熱手段を設けた構造としてある。 【0004】ここで、放熱手段は、矩形平板状の放熱板50と多数の柱を上方に向かって突設した放熱部60とを一体成形したアルミニウムからなるヒートシンクとした。このように放熱手段を設けることにより、電子装置搭載機器は、CPU2の発生熱を主に放熱部60から放熱することができ、CPU2の温度条件を満足させることができた。 【0005】なお、放熱手段の形状については、例えば、ノートブック型パソコンにおいては、薄形化の要求を満足するため放熱部60を板状としたものがあり、上述した形状に限定するものではない。 【0006】また、年々、電子装置搭載機器は、処理速度を向上させるべくCPUの演算処理周波数が高くなってきており、このため、CPUの発熱量が増加し、放熱手段はこの増加した発熱量を放散するために大型化している。特に、ノートブック型パソコンは、処理速度が向上し、かつ、薄形化されることにより、放熱板としてプリント基板のケーシング(大型化した放熱板)が使用されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところが、電子装置搭載機器は、CPUのクロック信号が用いられており、高周波のクロック信号が使用されると、CPUに設けられた放熱手段などからノイズが放射されるといった問題があった。特に、ノートブック型パソコンにおいては、処理速度の向上や薄形化されることにより、放熱板による共振によってノイズが増大するといった問題があった。次に、この問題について、図面を参照して説明する。 【0008】図7は、従来例における電子装置搭載機器の放熱板の共振状態のモデル図を示している。同図において、長手寸法“L1”の放熱板5に、ノイズの電流“Io”曲線(図中、点線で示してある。)と、同じくノイズの電圧“Vo”曲線(図中、実線で示してある。)を示している。 【0009】ここで、ノートブック型パソコンでは、冷却手段として、薄形化の要請により柱状の放熱部を設けず、放熱板5を大きくすることで放熱面積を確保する場合があることから、例えば、放熱板5の寸法“L1”の長さを15cmと仮定する。また、図示してないが、放熱板5の下面に装着されたCPUのクロック信号の基本波周波数を100MHzとし、この10倍の高調波周波数(1GHzの信号成分)があると仮定する。 【0010】上記の仮定においては、1GHzの信号が静電結合により放熱板5へ伝導した場合に、ノイズの1/2波長の長さは約15cmとなり、放熱板5の長さ15cmと一致するので、このノイズは共振する。具体的には、放熱板5の両端が開放であることから、両端で電圧最大“Vo”となり、放熱板5の中央部において電流最大“Io”となる状態で共振する。つまり、放熱板5が長さ15cmの場合には、1GHzで共振回路を構成し、放熱板5が半波長空中線として作用し、1GHzのノイズが大きくなる。 【0011】このように、クロック信号は、基本波周波数の信号以外に整数倍の高調波周波数の信号成分を含んでいるので、CPU内部で使用され、高調波周波数の信号成分を含むクロック信号は、放熱板へ静電結合により伝導し、放熱板からノイズとして放射される。そして、このクロック信号と放熱板とが共振状態となる場合には、極めて強いノイズが放射され、このノイズ量によっては、情報処理機器で規定されるノイズ規格値を満足できなくなる場合があるといった問題があった。 【0012】本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、クロック信号により動作するCPUなどの電子装置の放熱手段からのノイズ放射を抑制し、ノイズ放射規格値を満足する電子装置搭載機器の提供を目的とする。 【0013】なお、上記課題に関連する技術として、特開平11−121976号において、集積回路の上に、パテ,電磁波吸収体,金属板,誘電体及び放熱体を積層した放熱構造が提案されている。この技術は、集積回路の上に金属板および放熱体が積層されており、ノイズ放射を抑制できる技術ではあるものの、金属板と放熱体の寸法が回路で使用する信号に依存せずに決定されることから、金属板と放熱体の寸法が使用信号成分または使用信号の高調波成分の1/2波長と一致する場合に、共振によるノイズの増加をまねくという問題があり、この場合の解決手段が提案されておらず、上記課題を解決することはできない。 【0014】また、上記課題に関連する技術として、特開平11−50029号において、電子部品及び放熱板間の接合面を電磁波吸収接着剤により結合した電磁波吸収放熱型電子部品が提案されている。この技術は、電子部品と放熱板の間に電磁波吸収接着剤を設けることにより、ノイズ放射を抑制することができるが、放熱板の寸法が回路で使用する信号に依存せずに決定されることから、放熱板の寸法が使用信号成分または使用信号の高調波成分の1/2波長と一致する場合に、共振を引き起こし、さらに適切な電磁波吸収接着剤形状を決定されないことから、電磁波吸収報熱型電子部品の大型化という問題があり、これらの課題を解決することはできない。 【0015】また、上記課題に関連する技術として、特許公報第2828059号において、第一のヒートシンクの周縁部とプリント基板の間に、EMIガスケットが挟まれたヒートシンクの実装構造が提案されている。この技術は、EMIガスケットを設けることにより、ノイズ放射を抑制することができるが、ヒートシンクの寸法が回路で使用する信号に依存せずに決定されることから、ヒートシンクの寸法が使用信号成分または使用信号の高調波成分の1/2波長と一致する場合に、共振によるノイズの増加をまねくという問題があり、上記課題を解決することはできない。 【0016】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明における請求項1記載の電子装置搭載機器は、クロック信号により動作する電子装置が搭載され、さらに、この電子装置に放熱手段が設けられた電子装置搭載機器において、前記電子装置と前記放熱手段の間に前記クロック信号の高調波周波数による共振を抑制するための電波吸収体が装着され、かつ、この電波吸収体が前記放熱手段における装着面の1/3以上を覆う構成としてある。 【0017】このように、電子装置と放熱手段の間に電波吸収体が装着され、かつ、電波吸収体が放熱手段における装着面の1/3以上を覆うことにより、放熱手段の寸法がクロック信号成分またはクロック信号の高調波成分の1/2波長と一致する場合であっても、共振によるノイズの増加をまねくことなくノイズ放射を抑制することができる。したがって、電子装置搭載機器に対して、情報処理機器における放射ノイズ規格値が規定されている場合であっても、規格値以下のノイズとすることのできる電子装置搭載機器を提供できる。また、放熱手段を共振しないように設計する必要がなくなるので、設計時間の短縮および製品開発の納期短縮を行なうことができる。 【0018】本発明における請求項2記載の電子装置搭載機器は、クロック信号により動作する電子装置が搭載され、さらに、この電子装置に放熱手段が設けられた電子装置搭載機器において、前記クロック信号の高調波周波数が1GHz以上となる場合に、前記電子装置と前記放熱手段の間に前記クロック信号の高調波周波数による共振を抑制するための電波吸収体が装着され、かつ、この電波吸収体の厚さを0.5mm以上とした構成としてある。 【0019】このように、電波吸収体の厚さを0.5mm以上とすることにより、効率的にノイズ放射を抑制することができる。 【0020】本発明における請求項3記載の電子装置搭載機器は、クロック信号により動作する電子装置が搭載され、さらに、この電子装置に放熱手段が設けられた電子装置搭載機器において、前記クロック信号の高調波周波数が1GHz以上となる場合に、前記電子装置と前記放熱手段の間に前記クロック信号の高調波周波数による共振を抑制するための電波吸収体が装着され、かつ、この電波吸収体が前記放熱手段における装着面の1/3以上を覆うとともに、この電波吸収体の厚さを0.5mm以上とした構成としてある。 【0021】このように、電子装置と放熱手段の間に電波吸収体が装着され、かつ、電波吸収体が放熱手段における装着面の1/3以上を覆うとともに、この電波吸収体の厚さを0.5mm以上とすることにより、放熱手段の寸法がクロック信号成分またはクロック信号の高調波成分の1/2波長と一致する場合であっても、共振によるノイズの増加をまねくことなくノイズ放射を十分抑制することができる。 【0022】請求項4記載の発明は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子装置搭載機器において、前記電波吸収体を前記放熱手段における装着面の中央部に装着した構成としてある。 【0023】このようにすることにより、放熱板における共振状態の電流を効率良く低減できるので、ノイズを効果的に抑制できる。 【0024】請求項5記載の発明は、上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子装置搭載機器において、複数個の前記電子装置に対して、一つの前記電波吸収体を設けた構成としてある。 【0025】これにより、例えば、CPUとキャッシュメモリに対して、一つの電波吸収体で対応することができ、電波吸収体のコスト低減のみならず、電子装置搭載機器の小型化・軽量化を行なうことができる。 【0026】請求項6記載の発明は、上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電子装置搭載機器において、前記電波吸収体を矩形平板状とし、かつ、共振によるノイズの増加に応じて前記電波吸収体の幅,長さ及び/又は厚さを決定する構成としてある。 【0027】このように、電波吸収体の幅,長さ及び/又は厚さを共振によるノイズの増加量に応じて決定すると、不必要に大きな電波吸収体を装着しなくてすむので、電子装置搭載機器の小型化・軽量化を行なうことができる。 【0028】 【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態に係る電子装置搭載機器について、図面を参照して説明する。先ず、本発明の第一実施形態に係る電子装置搭載機器について説明する。 【0029】「第一実施形態」図1は、第一実施形態における電子装置搭載機器の要部の概略拡大側面図を示している。同図において、電子装置搭載機器は、電子装置としてのCPU2がプリント基板1にコネクタ3を介して搭載してあり、CPU2の上面に、放熱板5の下面全面を覆う電波吸収体4および、放熱板5と放熱部6とからなる放熱手段を設けた構造としてある。 【0030】放熱手段は、矩形平板状の放熱板5と多数の柱が上方に突設された放熱部6からなる構造としてあり、放熱手段は、一般的に、矩形平板状の放熱板5と多数の柱を上方に向かって突設した放熱部6とを一体成形した構造が採用されており、また、材質については、アルミニウムなどの熱伝達率の高い材質としてある。 【0031】電波吸収体4は、磁性体を含む材料からなり、CPU2と放熱板5の間に装着され、かつ、放熱板5の装着面の全面を覆う形状としてある。ここで、電波吸収体4の装着方法としては、図示してないが、一般的に、シリコーンでCPU2と放熱板5に接着する方法や、CPU2と放熱板5に挟んで放熱板5をプリント基板1に螺着する方法などがあるが、本発明においては、装着方法については特に限定するものではない。 【0032】また、放熱手段の形状については、上述した形状に限定するものではなく、例えば、ノートブック型パソコンにおいては、薄形化の要求を満足するため放熱部6を板状としても良いことは勿論である。その他の構造については、従来例における電子装置搭載機器と同様としてある。 【0033】次に、上述した構造を有する電子装置搭載機器の作用について説明する。CPU2の処理動作は、複数の回路において実施され、各回路が同期動作するためにクロック回路および高周波のクロック信号が用いられる。また、このクロック信号は、基本波周波数信号以外に整数倍の高調波周波数の信号成分を含んでいる。つまり、図1において、CPU2内部で使用され、高調波成分を含むクロック信号は、放熱板5への静電結合により伝導し、放熱板5及び放熱部6からノイズとして放射される。 【0034】ここで、放熱板5は、図2に示すように、矩形平板状としてあり、横幅、縦幅をそれぞれ、寸法“L1”、寸法“W”とすると、この寸法“L1”および寸法“W”をCPU2が使用するクロック信号またはクロック信号の高調波成分の1/2波長の長さと一致させない方が好ましいことは勿論であるが、電子装置搭載機器の小型化の要望や、設計における納期短縮や設計労力を改善する観点から、一致を避けることができない場合がある。 【0035】例えば、高調波成分を含むクロック信号の基本波周波数が100MHzのクロック信号であり、この10倍の高調波周波数(1GHz)の信号成分があるときに、放熱板5の寸法“L1”を、放熱能力および小型化などの制約から15cmとする場合がある。 【0036】このような場合であっても、電子装置搭載機器は、CPU2と放熱板5との間に電波吸収体4が設置されているため、高調波周波数の1/2波長の長さ(約15cm)と放熱板5の寸法“L1(15cm)”が一致することによる共振ノイズを抑制することができる。 【0037】このように、第一実施形態においては、放熱板5とCPU2の間に電波吸収体4を装着してあるので、ノイズが放熱板5と共振する条件を満たしている場合であっても、図7に示した電流“Io”を低減することができるので、ノイズを抑制することができる。 【0038】また、図1においては、電波吸収体4は、放熱板5の下面全面に装着してあるが、これに限定するものではない。つまり、本発明者は、試験により、放熱板5が共振現象を伴ったノイズ放射を行なう場合であっても、放熱板5の装着面の1/3以上を電波吸収体4で覆うことにより、ノイズ放射を効果的にほぼ抑制することができること確認した。 【0039】次に、この試験の一例として、放熱板5の装着面の1/3を覆う形状の電波吸収体4(厚さ0.6mm)によるノイズ抑制効果について、図面を参照して説明する。図3は、第一実施形態における電子装置搭載機器の共振による放射ノイズ増加特性を示している。同図において、測定周波数を700MHzから1.4GHzの範囲とし、放熱手段が無い場合のノイズ放射量を0dBとした上で、1GHz付近に共振特性を持つ放熱板5のみを設けたときの放射ノイズ増加量および放熱板5と電波吸収体4を設けたときの放射ノイズ増加量の測定結果を、放射ノイズ増加特性として示している。 【0040】同図より、放熱板5が有る場合(図中、点線で示してある。)の放射ノイズ増加特性は、放熱板5の存在により放射ノイズが最大約20dB増加した。これに対し、放熱板5に電波吸収体を設置した場合(図中、実線で示してある。)の放射ノイズ特性は、電波吸収体の吸収効果により、ノイズ増加量が、放熱板が無い場合のレベルまで抑制された。また、図示してないが、放熱板5の装着面の1/4を電波吸収体4で覆ったときは、共振によるノイズ放射を放熱板が無い場合のレベルまで抑制することができなかった。また、放熱板5の装着面の1/2および1/1を電波吸収体4で覆ったときは、覆う面積が広くなると共振によるノイズ放射をより抑制することができた。 【0041】また、上述の放射ノイズ増加量の測定と同一条件における、電波吸収体4の厚さを変化させた場合のノイズ低減特性(測定周波数は、約0.92GHzとした。)について、図面を参照して説明する。図4は、第一実施形態における電子装置搭載機器の電波吸収体の厚さに対するノイズ低減特性を示している。同図において、横軸を電波吸収体の厚さ、縦軸をノイズ低減量(dB)として、電波吸収体の厚さを0mmから1.0mmまで変化させた場合のノイズ低減量を示している。 【0042】同図より、電波吸収体無しの0dBから、0.25mm厚み時に約13dB、0.5mm厚み時に約19dB、1mm厚み時に約24dBのノイズ低減効果があった。また、図示してないが、測定周波数を1GHz以上とした場合においても、ほぼ同様の測定結果を得た。この測定結果より、クロック信号の高調波周波数が1GHz以上の場合には、電波吸収体の厚さを0.5mm以上とすることによって、電波吸収体のノイズ抑制効果を効率良く発揮させることができる。具体的には、この厚さが0.5mm未満のときは、共振によるノイズ放射を放熱板が無い場合のレベルまで抑制することができなく、また、0.5mmより厚くなるほどノイズをより抑制することができる。 【0043】また、より好ましくは、電波吸収体の厚さを1.0mm以上とすると良く、これにより、よりノイズを抑制することができる。したがって、共振によるノイズが大きいときには、電波吸収体をより厚くすることにより、放射ノイズを効果的に抑制することができる。また、共振によるノイズが小さいときには、不必要な厚さの電波吸収体を装着することなく、電子装置搭載機器を小型化・軽量化することができる。 【0044】これにより、電子装置搭載機器を小型化・軽量化するために、電波吸収体4の形状が制約される際には、放熱板5の装着面の1/3を覆う形状まで電波吸収体4を小さくすることができ、特に、小型化・軽量化・薄形化の競争が激しいノートブック型パソコンにおいては、ノイズを抑制しつつ小型化・軽量化・薄形化を実施した製品を開発できる。 【0045】また、一般的に、電波吸収体4は矩形平板状であることから、共振によるノイズの増加量をさらに低減したい場合には、幅,長さ及び/又は厚さをノイズの増加量に応じて大きくすることによりノイズの放射を抑制することができ、これにより、ノイズ抑制の要求と電子装置搭載機器の小型化・軽量化の要求をバランス良く達成することができる。 【0046】また、好ましくは、電波吸収体4を小さくする場合には、放熱板5の中央部に電波吸収体4を装着すると良く、このようにすることにより、図7に示した共振状態の電流“Io”を効率良く低減できるので、ノイズを効果的に抑制できる。 【0047】上述した第一実施形態における電子装置搭載機器は、電波吸収体をCPUと放熱板の間に装着し、かつ、幅,長さ及び/又は厚さを可変したり、または、電波吸収体を共振の防止位置に装着することにより、ノイズを抑制することができるとともに、電子装置搭載機器を小型化・軽量化することができる。 【0048】次に、本発明の第二実施形態に係る電子装置搭載機器について説明する。 「第二実施形態」図5は、第二実施形態における電子装置搭載機器の要部の概略拡大側面図を示している。同図において、電子装置搭載機器は、二個のCPU2aがプリント基板1aにコネクタ3aを介して搭載してあり、双方のCPU2aの上面には、一つの電波吸収体4aおよび、放熱板5aと放熱部6aとからなる一つの放熱手段を設けた構造としてある。 【0049】ここで、電波吸収体4aは、放熱板5aの装着面の全面を覆う形状としてある。なお、その他の構造は、第一実施形態における電子装置搭載機器と同様としてある。 【0050】次に、第二実施形態における電子装置搭載機器の作用について説明する。この電子装置搭載機器は、電波吸収体4aがプリント基板1a上に搭載された二つのCPU2aに対して作用して、第一実施形態の電子装置搭載機器と同様に、高調波成分を含むクロック信号が、放熱板5aへの静電結合により伝導し、放熱板5a及び放熱部6aからノイズとして放射されることを効果的に抑制することができる。 【0051】具体的には、連設された二つのCPU2a間で、同一のクロック信号が使用され、例えば、クロック信号(基本波周波数は、100MHzである。)の10倍の高調波周波数(1GHz)を有する信号成分があり、かつ、放熱板5aの寸法“L2”が15cmとなる場合であっても、二つのCPU2aと放熱板5aとの間に電波吸収体4aが装着されているので、第一実施形態の電子装置搭載機器と同様に、ノイズ共振は発生しない。 【0052】また、電子装置搭載機器は、二つのCPU2aに限定するものではなく、一方のCPU2aの代わりに、例えば、キャッシュメモリを使用することもできる。したがって、例えば、個別仕様に対応するためにCPUとキャッシュメモリが搭載されたサブカードに対して、ノイズの抑制および小型化・薄形化・軽量化を実施することができる。また、この電子装置搭載機器は、二個のCPU2aに対して、電波吸収体4aおよび放熱板5aを共用化することにより、製造原価を低減することができる。なお、その他の作用については、第一実施形態における電子装置搭載機器と同様である。 【0053】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、電子装置搭載機器は、電子装置と放熱板との間に、放熱板の装着面1/3以上を覆う電波吸収体を装着することにより、電子装置から放熱板に静電結合により伝導する高調波成分を含む信号が放熱板と共振する条件を満たす場合であっても、電波吸収体による共振抑制効果により、放熱板からノイズが放射されることを効果的に防止することができる。したがって、電子装置搭載機器は、情報処理機器で規定される放射ノイズ規格値を満足することができる。また、本発明によれば、ノイズ放射を抑制しつつ、電波吸収体の幅,長さ及び厚さを最適化することにより、小型化・薄形化・軽量化された電子装置搭載機器を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004237 【氏名又は名称】日本電気株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月22日(1999.12.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086759 【弁理士】 【氏名又は名称】渡辺 喜平
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| 【公開番号】 |
特開2001−185893(P2001−185893A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月6日(2001.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−365626 |
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