| 【発明の名称】 |
多層配線基板の製造方法及び製造装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】近藤 修司
【氏名】東谷 秀樹
【氏名】仲谷 安広
【氏名】中村 禎志
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| 【要約】 |
【課題】基材に形成した貫通穴に導電性ペーストを充填して表裏の配線層を接続するする多層配線基板において、導電性ペーストの貫通穴内の充填密度を向上させて接続抵抗を小さくかつ安定させる。
【解決手段】両面に離型性フイルム2を備え、貫通穴3を形成した半硬化状のプリプレグシート基材1を、通気性を有するシート8を介して吸引ステージ7上に載置し、スキージ11を用いて基材表面上に導電性ペースト5の塗膜を形成し、その後回転ローラ圧入体12を回転走行させて導電性ペースト5を貫通穴3内に順次圧入充填する。これにより導電性ペーストの高密度充填が可能になる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 両面に離型性フイルムを備えた基材に貫通穴を設ける工程と、前記貫通穴を形成した基材を通気性を有するシートを介して平坦なステージ上に載置する工程と、前記基材の表面上に導電性ペーストを一定厚さに塗布する工程と、回転ローラ圧入体を走行させて前記導電性ペーストを前記基材に設けた貫通穴内へ順次圧入充填する工程とを有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。 【請求項2】 前記通気性を有するシートが更に吸収吸着性を有し、前記導電性ペーストを前記貫通穴内に圧入充填する工程において、前記貫通穴内の導電性ペースト中の余剰の樹脂成分を前記シートに吸着させる請求項1に記載の多層配線基板の製造方法。 【請求項3】 前記導電性ペーストを塗布する工程では、前記基材表面から所定距離だけ離間した塗膜形成装置を走行させて、前記基材表面に一定厚さの導電性ペースト塗膜を形成し、前記回転ローラ圧入体を用いて圧入充填する工程の後に、更に、前記基材表面上に残留した余剰の導電性ペーストを除去回収する工程を有する請求項1に記載の多層配線基板の製造方法。 【請求項4】 前記塗膜形成装置と、前記回転ローラ圧入体と、余剰の導電性ペーストを除去回収する除去回収装置とを、前記ステージ上に載置された前記基材上で順次走行させることにより、導電性ペーストの塗布工程、導電性ペーストの前記貫通穴への圧入充填工程、及び余剰の導電性ペーストの除去回収工程を連続して行なう請求項3に記載の多層配線基板の製造方法。 【請求項5】 前記回転ローラ圧入体と、前記回転ローラ圧入体の前後に高さ位置調整可能に設けられたスキージとを有する走行機構を前記ステージ上で往復走行させ、前記走行機構の往時及び復時のいずれの場合にも、走行方向前方の前記スキージを用いて前記基材表面に一定厚さの導電性ペースト塗膜を形成し、前記回転ローラ圧入体で導電性ペーストを前記貫通穴内へ圧入充填し、走行方向後方の前記スキージを用いて余剰の導電性ペーストを除去回収する請求項3に記載の多層配線基板の製造方法。 【請求項6】 前記基材の表面上に塗布する導電性ペーストの塗布厚さを前記基材厚さと同等若しくはそれ以上の厚さとする請求項1に記載の多層配線基板の製造方法。 【請求項7】 貫通穴を備えた基材を載置する吸引ステージと、前記基材と前記ステージとの間に設置する通気性を有するシートと、前記基材の表面上に導電性ペーストを一定厚さに塗布する塗膜形成装置と、前記導電性ペーストの塗膜上を回転走行して前記貫通穴内に前記導電性ペーストを圧入充填する回転ローラ圧入体と、圧入充填後に前記基材表面上に残留した余剰の導電性ペーストを除去回収する除去回収装置とを備えたことを特徴とする多層配線基板の製造装置。 【請求項8】 前記塗膜形成装置と、前記回転ローラ圧入体と、前記除去回収装置とを、前記ステージ上に載置された前記基材上で順次走行させることにより、導電性ペーストの塗布、導電性ペーストの前記貫通穴への圧入充填、及び余剰の導電性ペーストの除去回収を連続して行なうように構成された請求項7に記載の多層配線基板の製造装置。 【請求項9】 前記回転ローラ圧入体と、前記回転ローラ圧入体の前後に高さ位置調整可能に設けられたスキージとを備えた走行機構が、前記ステージ上で往復走行可能に設置され、前記走行機構の往時及び復時のいずれの場合にも、走行方向前方の前記スキージを前記塗膜形成装置として機能させ、走行方向後方の前記スキージを前記除去回収装置として機能させる請求項7に記載の多層配線基板の製造装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は半導体素子、チップ部品などを搭載し、かつそれらの部品間を相互配線する多層配線基板の製造方法及びその製造装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】電子機器の小型化,高密度化の進展に伴い、産業用、民生用の両分野において、より高密度で多層の配線基板が高い接続信頼性を持って供給されることが要求されるようになってきた。 【0003】その要求に応えて任意の電極を任意の配線パターン位置で層間接続するインナービア接続法、即ち全層IVH(Interstitial Via Hole)構造樹脂多層基板が開発されている。 【0004】以下、同配線基板の製造方法を両面配線基板を例として説明する。 【0005】図7(a)〜(g)は従来の両面配線基板の製造方法を工程順に示した概略断面図である。 【0006】まず、図7(a)に示すようにプリプレグシート(基材)1を用意する。プリプレグシート1としては、例えば芳香族ポリアミド繊維の不織布に熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させた半硬化状態の複合材からなる基材が用いられる。 【0007】次いで、図7(b)に示すように、プリプレグシート1の両面に、プラスチックシート2を仮貼付する。各プラスチックシート2のプリプレグシート1との接着面には、Si系の離型剤が塗布されている。プラスチックシート2としては、例えばポリエチレンテフタレートフィルム(以下PETフィルムと呼称する)を使用することができる。 【0008】次いで、図7(c)に示すように、両面にプラスチックシート2を貼付したプリプレグシート1の所定箇所にレーザ加工法などを利用して複数の貫通穴3を形成する。 【0009】次いで、貫通穴3に導電性ペーストを充填する。導電性ペーストの充填は図7(d)に示す方法で行なう。即ち、平坦な吸引ステージ7上に通気性を有するシート(例えば紙シート)8を敷き、その上に貫通穴3を設けた基材1を載置し減圧吸引して固定する。そして、プラスチックシート2の表面上に導電性ペースト5を供給し、スキージ6を移動させて印刷することで、導電性ペースト5を貫通穴3内に充填する。 【0010】次に、図7(e)に示すようにプリプレグシート1の両面に貼り付けたプラスチックシート2を剥離する。 【0011】そして、図7(f)に示すように、プリプレグシート1の両面に銅箔などの金属箔4を重ね、この状態で熱プレス装置により加熱加圧することで、プリプレグシート1と金属箔4とを接着する。このとき、貫通穴3内に充填された導電性ペースト5により、プリプレグシート1の両面の金属箔4は、所謂ビアホール接続により電気的に接続される。 【0012】その後、図7(g)に示すように、両面の金属箔4を選択的にエッチングし、回路パターン9を形成して、両面配線基板10が得られる。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の導電性ペーストの印刷充填法では、プラスチックシート2上に供給した導電性ペースト5を、スキージ6をプラスチックシート2の表面上を摺動させることで貫通穴3内に充填する。このため、スキージが通過する際に、充填した貫通穴3内の表面近傍の導電性ペーストが若干掻き取られることがある。この結果、図7(d),(e)に示すように、印刷充填後の貫通穴3内の導電性ペースト5の表面部に窪み55が生じて、貫通穴3内に充分な充填がなされないなど、充填量にばらつきが生じる場合があった。従って、この方法により製造した加熱加圧後の両面配線基板10は、貫通穴3内の導電性ペースト5の密度にばらつきを有し、導電性ペースト5を介して接続した表裏の金属箔4の接続抵抗にばらつきが生じる原因になっていた。 【0014】また、導電性ペースト5は、導電性を付与する金属微粒子と、接着剤となる有機材料と、溶剤などの添加物とで構成されており、ペースト状態においては金属微粒子と接着剤等の樹脂成分との容積比は概略50:50である。接続抵抗を小さくし、かつそのばらつきを低減するには、貫通穴3に充填する導電性ペースト5の金属微粒子の密度を上げることが要諦となる。従来の印刷充填法では、基材1の下に通気性を有するシート8を介在させ吸引ステージ7を用い減圧吸引することにより、貫通穴3内の導電性ペースト5中の樹脂成分をシート8に吸着させていた。この方法では導電性ペースト5のうちシート8に接触している部位近傍の樹脂成分しか吸着できず、貫通穴3内の導電性ペースト5の金属微粒子密度を効率よく高めることはできなかった。 【0015】本発明は、上記の従来の課題を解決し、ビアホール内の導電性金属微粒子の密度を向上させ、接続抵抗のばらつきを抑制すると共に、接続抵抗を下げ、接続信頼性を高めた高品質、高性能な配線基板を実現するための多層配線基板の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。 【0016】 【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達成するために以下の構成とする。 【0017】本発明の多層配線基板の製造方法は、両面に離型性フイルムを備えた基材に貫通穴を設ける工程と、前記貫通穴を形成した基材を通気性を有するシートを介して平坦なステージ上に載置する工程と、前記基材の表面上に導電性ペーストを一定厚さに塗布する工程と、回転ローラ圧入体を走行させて前記導電性ペーストを前記基材に設けた貫通穴内へ順次圧入充填する工程とを有することを特徴とする。かかる構成によれば、回転ローラ圧入体を基材方向に所定の圧力を付与しながら走行させることにより、回転ローラ圧入体の押圧力及びローラ外周面と基材表面とが形成する角度による回転押圧力で、貫通穴内に導電性ペーストを順次加圧充填することができる。この結果、充填密度を向上させることにとにより、接続抵抗とそのばらつきをともに小さくすることができ、接続部の安定性に優れた信頼性の高い多層配線基板を提供することができる。 【0018】上記の製造方法において、前記通気性を有するシートが更に吸収吸着性を有し、前記導電性ペーストを前記貫通穴内に圧入充填する工程において、前記貫通穴内の導電性ペースト中の余剰の樹脂成分を前記シートに吸着させることが好ましい。かかる構成によれば、シートが吸引吸着性を有することと、導電性ペーストが圧入充填されることとの相乗効果により、貫通穴内の導電性ペーストの金属微粒子量は相対的に増大し、金属微粒子密度の高いペースト充填とすることができる。 【0019】また、上記の製造方法において、前記導電性ペーストを塗布する工程では、前記基材表面から所定距離だけ離間した塗膜形成装置を走行させて、前記基材表面に一定厚さの導電性ペースト塗膜を形成し、前記回転ローラ圧入体を用いて圧入充填する工程の後に、更に、前記基材表面上に残留した余剰の導電性ペーストを除去回収する工程を有することが好ましい。かかる構成によれば、製造工程の時間短縮及び簡素化に寄与する。ここで、塗膜形成装置としては例えばスキージを用いることができる。なお、本発明においてスキージとは、いわゆるドクターナイフ(又はドクターブレード)等を包含する広義の概念を意味する。 【0020】上記において、前記塗膜形成装置と、前記回転ローラ圧入体と、余剰の導電性ペーストを除去回収する除去回収装置とを、前記ステージ上に載置された前記基材上で順次走行させることにより、導電性ペーストの塗布工程、導電性ペーストの前記貫通穴への圧入充填工程、及び余剰の導電性ペーストの除去回収工程を連続して行なうことが好ましい。かかる構成によれば、導電性ペーストの塗布、充填、回収を一連の連続動作で効率よく行うことができ、導電性ペーストの貫通穴への加圧充填が効率よくなされると共に製造工程の合理化を図ることも容易になる。 【0021】また、上記において、前記回転ローラ圧入体と、前記回転ローラ圧入体の前後に高さ位置調整(更に必要に応じて押圧力調整)可能に設けられたスキージとを有する走行機構を前記ステージ上で往復走行させ、前記走行機構の往時及び復時のいずれの場合にも、走行方向前方の前記スキージを用いて前記基材表面に一定厚さの導電性ペースト塗膜を形成し、前記回転ローラ圧入体で導電性ペーストを前記貫通穴内へ圧入充填し、走行方向後方の前記スキージを用いて余剰の導電性ペーストを除去回収することが好ましい。かかる構成によれば、走行機構の往時と復時にそれぞれペースト充填ができるため、製造時間の短縮化に寄与する。 【0022】また、上記の製造方法において、前記基材の表面上に塗布する導電性ペーストの塗布厚さを前記基材厚さと同等若しくはそれ以上の厚さとすることが好ましい。かかる構成によれば、回転ローラ圧入体による圧入充填時の充填量不足を防ぐことができると共に充填の均一性を確保でき、信頼性の高い多層配線基板を得ることができる。 【0023】また、本発明の多層配線基板の製造装置は、両面に離型性フイルムが貼付され、貫通穴を備えた基材を載置する吸引ステージと、前記基材と前記ステージとの間に設置する通気性(好ましくは更に吸収吸着性)を有するシートと、前記基材の表面上に導電性ペーストを一定厚さに塗布する塗膜形成装置と、前記導電性ペーストの塗膜上を回転走行して前記貫通穴内に前記導電性ペーストを圧入充填する回転ローラ圧入体と、圧入充填後に前記基材表面上に残留した余剰の導電性ペーストを除去回収する除去回収装置とを備えたことを特徴とする。かかる構成によれば、基材の貫通穴内に導電性ペーストを高密度で、均一且つ確実に充填することができるので、接続抵抗とそのばらつきをともに小さくすることができ、接続部の安定性に優れた信頼性の高い多層配線基板を効率よく提供することができる。 【0024】上記の製造装置は、前記塗膜形成装置と、前記回転ローラ圧入体と、前記除去回収装置とを、前記ステージ上に載置された前記基材上で順次走行させることにより、導電性ペーストの塗布、導電性ペーストの前記貫通穴への圧入充填、及び余剰の導電性ペーストの除去回収を連続して行なうように構成されていることが好ましい。かかる構成によれば、被充填基材に対し導電性ペーストの塗布、圧入充填、回収を一連の連続動作で効率よく行なうことができ、製造工程の合理化が可能になる。 【0025】また、上記の製造装置は、前記回転ローラ圧入体と、前記回転ローラ圧入体の前後に高さ位置調整可能に設けられたスキージとを備えた走行機構が、前記ステージ上で往復走行可能に設置され、前記走行機構の往時及び復時のいずれの場合にも、走行方向前方の前記スキージを前記塗膜形成装置として機能させ、走行方向後方の前記スキージを前記除去回収装置として機能させることが好ましい。かかる構成によれば、走行機構の往時及び復時にペースト充填ができるため、製造効率を高めることができる。 【0026】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳しく説明する。 【0027】(実施の形態1)図1(a)〜(e)は本発明の第1の実施の形態における多層配線基板の製造方法の前半の工程を工程順に示した概略断面図である。本実施の形態では全層IVH構造の樹脂多層基板の形成過程の一部である両面配線基板の製造工程を例として説明する。 【0028】まず、図1(a)に示すように、芳香族ポリアミド繊維の不織布に熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させた半硬化状態の基材1の両面に離型性フィルム、例えばPETフィルム2を仮貼着した後、レーザ光等によりPETフィルム2を含めた基材1の所要位置に複数の貫通穴3形成する。PETフィルム2の基材1側の面にはSi系の離型剤が塗布されている。 【0029】次に、貫通穴3を形成した基材1を図1(b)のように、通気性を有するシート(例えば紙シート)8を介して平坦な吸引ステージ7上に載置し、吸引ステージ7の吸引減圧力により基材1をステージ7上に固定保持する。 【0030】次に、基材1の上面側PETフィルム2上に導電性ペースト5の塗膜を形成する。塗膜の形成は図1(c)に示すように、基材1の上面側PETフィルム2上に導電性ペースト5を供給し、塗膜形成用スキージ(塗膜形成装置)11を矢印方向に移動させることにより、上面側PETフィルム2上に均一な厚さの導電性ペースト塗膜5を形成する。このとき、上面側PETフィルム2の表面とスキージ11の下端との間隔を基材1の厚さと同等以上の一定値に保持しながら、スキージ11を移動させるのが好ましい。 【0031】次に、図1(d)に示すように、円筒形状を有する回転ローラ圧入体12を、ステージ7方向(紙面の下方向)に所定の一定荷重を付与しながら、導電性ペースト塗膜5上を矢印方向に回転走行させる。回転ローラ圧入体12の押圧力及びローラ外周面とPETフィルム2表面とが形成する角度により、PETフィルム2上に塗布された導電性ペースト塗膜5は、基材1に形成された貫通穴3内に押し込まれて順次圧入充填され、充填密度の高いペースト充填が行なわれる。 【0032】導電性ペーストの充填後、図1(e)に示すように、ペースト除去回収用スキージ(除去回収装置)14を、その下端をPETフィルム2の表面に略接触させながら矢印方向に移動させることにより、PETフィルム2上に残留した余剰の導電性ペースト5を掻き取り回収する。 【0033】次に、図2(a)に示すように、両面にPETフィルム2が仮貼着され、貫通穴に導電性ペースト5が充填された基材1をステージ7から取り外し、図2(b)に示すように、両面のPETフィルム2を除去する。このとき、図示したように、導電性ペースト5が基材1の表裏面より若干突出した状態の導電性ペースト5充填済み基材1が得られる。 【0034】その後、図2(c)に示すように、基材1の両面に銅箔等の金属箔4を積層し、加熱加圧して硬化処理を施し、基材1と金属箔4とを接着する。 【0035】次に、図2(d)に示すように、金属箔4に対し通常のプリント配線工法により配線パターン9を形成して、基材1の両面に配置された配線パターン9が、導電性ペースト5が形成したインナービアホール56によって層間接続された両面配線基板10が得られる。 【0036】以上の如くして形成した両面配線板10を複数枚積層することにより、樹脂多層配線基板を得ることができる。 【0037】(実施の形態2)つぎに本発明の第2の実施の形態について説明する。 【0038】本実施の形態は、実施の形態1において基材1とステージ7との間に介在させた通気性有するシート8(図1(c)参照)に代えて、通気性を有すると共に、導電性ペースト中の樹脂成分の吸収吸着性に優れたシート(例えば濾紙)を使用する点で、実施の形態1と相違する。 【0039】この結果、実施の形態1と同様に基材1の上面側のPETフィルム2の表面に導電性ペースト塗膜5を形成し、回転ローラ圧入体12により圧入充填を行うと、貫通穴3内に圧入された導電性ペースト5は、金属微粒子に比べて流動性の高い樹脂成分13が押圧力で貫通穴3内より基材1の下面に設置したシート側に押し出され、同シートに吸収吸着される(図1(d),(e)参照)。この結果、本実施の形態では貫通穴3内の導電性ペースト5の金属微粒子密度を相対的にさらに高くすることが出来る。 【0040】本実施形態は、上記以外は実施の形態1と同様であり、重複する説明を省略する。 【0041】(実施の形態3)つぎに本発明の第3の実施の形態について説明する。 【0042】実施の形態1と同様にして、図1(a)に示すような、両面に離型性PETフィルム2が仮貼着され、所定位置に貫通穴3が形成された基材1を得る。 【0043】この基材1を図3に示すように、シート8を介して平坦な吸引ステージ7上に載置し、吸引ステージ7の吸引減圧力により基材1をステージ7上に固定保持する。さらに基材1の上面の貫通穴3が形成されていない外周域に、中央部に開口を有する印刷充填枠体16を圧接する。なお、シート8としては実施の形態1又は実施の形態2で示したシートを使用することができる。 【0044】本実施の形態では、基材1の上面側のPETフィルム2上に導電性ペースト塗布膜を形成し、導電性ペーストを貫通穴3内に圧入充填し、余剰の導電性ペーストを除去回収するという一連の工程を、図3に示した走行機構15を矢印方向に移動させることで行なう。 【0045】走行機構15は、円筒形状を有する回転ローラ圧入体12と、回転ローラ圧入体12の移動方向前方に設けられた塗膜形成用スキージ(塗膜形成装置)11と、回転ローラ圧入体12の移動方向後方に設けられた除去回収用スキージ(除去回収装置)14とを有する。回転ローラ圧入体12は、ステージ7方向(紙面の下方向)に所定の一定荷重を付与しながら、矢印方向に回転走行する。塗膜形成用スキージ11の下端は、上面側PETフィルム2の表面から一定の高さ(好ましくは基材1の厚さと同等以上の高さ)に保持されている。また、除去回収用スキージ14の下端は上面側PETフィルム2の表面と略接触する高さに保持されている。走行機構15は、ステージ7の上面と平行に設置された走行ガイドレール20に沿って移動する。 【0046】走行機構15を紙面左側の印刷充填枠体16上に待避させた状態で、上面側PETフィルム2の紙面左側端部の上に導電性ペースト5を供給する。その後、走行機構15を図3の如く矢印方向へ走行移動させる。すると、塗膜形成用スキージ11の前方に供給された導電性ペースト5は、スキージ11の先端とPETフィルム2とが形成する間隙に対応した一定厚さの導電性ペースト塗膜57として形成される。次いで、塗膜57は回転ローラ圧入体12の押圧力及びローラ外周面とPETフィルム2表面とが形成する角度により、基材1の貫通穴3内に順次圧入充填される。最後に、PETフィルム2表面上に残留する余剰の導電性ペースト58は除去回収用スキージ14により掻き取り除去回収される。以上の結果、基材1の貫通穴3内のみに導電性ペースト5が高密度で充填される。 【0047】この後は、実施の形態1の図2に示した工程と同様の工程を経て、両面配線基板を得る。 【0048】本実施の形態では、導電性ペーストの塗布工程、ローラによる圧入充填工程、及び余剰ペーストの除去回収工程を、連続的に一連の動作として行えるため、ペースト充填の均一性が得られやすく、また加圧充填が簡便に行えなど、製造タクトの短縮さらにはコストの低減にも寄与する。 【0049】なお、本実施の形態では塗膜形成用スキージ11、回転ローラ圧入体12、及び除去回収用スキージ14が走行機構15に一体結合されて連動走行をする例を説明したが、それぞれが個別に順次走行する方式であっても同様の効果を得ることができる。 【0050】(実施の形態4)つぎに本発明の第4の実施の形態について図4〜図6を用いて説明する。 【0051】本実施の形態は実施の形態3と同様に、基材1の上面側のPETフィルム2上に導電性ペーストの塗膜を形成し、導電性ペーストを貫通穴3内に圧入充填し、余剰の導電性ペーストを除去回収するという一連の工程を、走行機構15を移動させることで行なう。本実施の形態が実施の形態3と異なるのは、実施の形態3では走行機構15が図3の矢印方向(即ち、図3の紙面左側から右側)に移動したときにのみ上記一連の工程を行なうことができ、逆方向に移動したときには行なうことができなかったのに対して、本実施の形態では走行機構15が両方向のいずれの方向に移動するときも上記一連の工程を行なうことができる点で相違する。 【0052】即ち、図4に示すように、回転ローラ圧入体12は加圧力付与機構18を介して走行機構15に結合されている。また、回転ローラ圧入体12の前後には導電性ペースト5の塗膜形成用兼除去回収用スキージ11,14が、それぞれスキージ高さ位置制御設定機構17,19を介して走行機構15に結合されている。加圧力付与機構18は、回転ローラ圧入体12が、ステージ7上の基材1の上面側PETフィルム2を所定の圧力で押圧する位置(圧入充填位置)と、上面側PETフィルム2より所定高さに持ち上げられて待避する位置(待避位置)とをとれるように、回転ローラ圧入体12を保持することができる。また、スキージ高さ位置制御設定機構17,19は、スキージ11,14の下端が、上面側PETフィルム2の表面より所定間隙を有する位置(導電性ペースト塗膜形成位置)と、上面側PETフィルム2の表面に略接する位置(導電性ペースト除去回収位置)と、上面側PETフィルム2より所定高さに持ち上げられて待避する位置(待避位置)とをとれるように、スキージ11,14を保持することができる。 【0053】まず、図4に示すように、スキージ高さ位置制御設定機構17によりスキージ11を導電性ペースト塗膜形成位置に、またスキージ高さ位置制御設定機構19によりスキージ14を導電性ペースト除去回収位置にそれぞれ保持する。さらに回転ローラ圧入体12は圧入充填位置に保持されて、加圧力付与機構18によりステージ7方向(紙面の下方向)に所定の一定荷重が付与される。そして、走行機構15を走行ガイドレール20に沿って図4の紙面左端位置の印刷充填枠体16上まで移動させる。 【0054】また、実施の形態1と同様にして、図1(a)に示すような、両面に離型性PETフィルム2が仮貼着され、所定位置に貫通穴3が形成された基材1を図4に示すように、シート8を介して平坦な吸引ステージ7上に載置し、吸引ステージ7の吸引減圧力により基材1をステージ7上に固定保持する。さらに基材1の上面の貫通穴3が形成されていない外周域に、中央部に開口を有する印刷充填枠体16を圧接する。なお、シート8としては実施の形態1又は実施の形態2で示したシートを使用することができる。 【0055】この状態において、上面側PETフィルム2上のスキージ11の走行方向前方に導電性ペースト5を供給し、走行機構15を走行ガイドレール20に沿って矢印方向に走行させる。導電性ペースト5はスキージ11の先端とPETフィルム2とが形成する間隙に対応した膜厚で、PETフィルム2の表面上に導電性ペーストの塗膜57として形成される。次に、塗膜57は回転ローラ圧入体12の押圧力及びローラ外周面とPETフィルム2表面とが形成する角度により、基材1の貫通穴3内に順次圧入充填される。最後に、スキージ14によりPETフィルム2上に残存する余剰の導電性ペースト58が除去回収される。走行機構15を走行させながら上記一連の工程を行ない、走行機構15が図5に示すように右端側の印刷充填枠体16上に到達して印刷充填が完了する。印刷充填を終えた基材1は吸引ステージ7上より取り外される。 【0056】つぎに未充填の新規基材1を再びシート8を介して吸引ステージ7上に設置する。そして、回転ローラ圧入体12及びスキージ11,14を待避位置に持ち上げて、図6の2点鎖線21で示すように、印刷充填枠体16上に回収した導電性ペースト58より右側に走行機構15を移動させる。そして、先の印刷充填では除去回収用スキージとしたスキージ14を導電性ペースト塗膜形成位置に、先の印刷充填で塗膜形成用スキージとしたスキージ11を導電性ペースト除去回収位置に、そして、回転ローラ圧入体12を圧入充填位置に、それぞれ保持する。この状態において、図6に示すように、走行機構15を走行ガイドレール20に沿って矢印方向に復動走行させる。これにより、図4に示す往動時と同様に、導電性ペーストの加圧充填ができる。走行機構15が左端側の印刷充填枠体16上に到達すると印刷充填が完了する。その後、印刷充填を終えた基材1を吸引ステージ7上より取り外し、代わりに未充填の新規基材を設置する。また、回転ローラ圧入体12及びスキージ11,14を待避位置に持ち上げて、回収した導電性ペーストの外側(左側)に回転ローラ走行機構15を移動させ、図4の工程を行なう。 【0057】以上の動作の繰り返しにより走行機構15の往復走行による連続充填が可能となり、生産効率の高い印刷充填ができる。 【0058】なお、充填を終えた基材は、実施の形態1の図2に示した工程と同様の工程を経て、両面配線基板を得る。 【0059】上記本発明の各実施形態は全層IVH構造の樹脂多層基板を形成する工程における、両面配線基板の製造工程を例として説明したが、基材1としてはガラスエポキシ樹脂基板の他に、樹脂フイルム基板、或いはセラミック等の無機材料基板に対しても本発明の技術を適用することは可能であり、本発明と同様の効果を得ることができる。 【0060】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、貫通穴内に均一で高充填密度で導電性ペーストを充填でき、接続信頼性の高いビアホール導体を持った配線基板を形成することが出来る。さらに基材下面に吸収吸着性シートを配置することにより導電性ペーストの余剰樹脂成分を吸着させることができ、貫通穴内の金属微粒子密度をより高めることが可能となり低接続抵抗ビアホールを均質に形成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月1日(1999.12.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095555 【弁理士】 【氏名又は名称】池内 寛幸 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−160684(P2001−160684A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月12日(2001.6.12) |
| 【出願番号】 |
特願平11−342565 |
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