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【発明の名称】 工作機械の放熱装置
【発明者】 【氏名】竹内 章雄

【氏名】赤羽 敏一

【氏名】浦野 正弘

【氏名】池田 昌満

【要約】 【課題】電子部品実装部からの発熱を効率良く放熱した構造とする。

【解決手段】工作機械に関連した駆動を制御する電子部品実装部4Bが収容された収容室20と、収容室20と仕切壁3によって区画され、電子部品実装部4Bのヒートシンクフィン4Aを収容すると共に、外気を流入及び流出させる通気口7A、7Bが対向して形成された通気ダクト室21と、通気ダクト室21内に設けられ、通気口7A、7Bを通じて外気を通気ダクト室21内に強制的に流通させる強制流通手段6とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 工作機械に関連した駆動を制御する電子部品実装部が収容された収容室と、この収容室と仕切壁によって区画され、前記電子部品実装部のヒートシンクフィンを収容すると共に、外気を流入及び流出させる通気口が対向して形成された通気ダクト室と、この通気ダクト室内に設けられ、前記通気口を通じて外気を通気ダクト室内に強制的に流通させる強制流通手段と、を備えていることを特徴とする工作機械の放熱装置。
【請求項2】 前記通気ダクト室が前記収容室と独立した空間を形成しており、収容室との独立状態で収容室内に挿入されていることを特徴とする請求項1記載の工作機械の放熱装置。
【請求項3】 前記通気ダクト室が断熱空間を有した状態で工作機械のコラムに固定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の工作機械の放熱装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はサーボモータ駆動装置などの電気部品を収納し、工作機械に取り付けられる放熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】放電加工機、レーザ加工機、NC旋盤などの工作機機には、3台以上のサーボモータが使用されている。このようなサーボモータを個々に駆動制御するサーボモータ駆動装置は、数値制御装置や他の制御ユニットとー緒に制御箱に収納される。図4は特開平8−118170号公報に記載されたサーボモータ駆動装置を収納した制御箱を示す。
【0003】図4に示すように、制御箱100はその全体を覆う筐体101を備えている。筐体101の前面側にはサーボモータ駆動装置102の電子部品実装部が収容される防塵区画120が形成され、背面側にはサーボモータ駆動装置102のヒートシンクフィン102Aを収納する通気ダクト121が形成されている。筐体101に対し、その前面開口部を塞ぐ蓋部材103と外部カバー104との間には扁平な外気流路122が形成され、蓋部材103と内部カバー105との間には扁平な内気流路123が形成され、天板106と内気ファン取付板107との間にはプレナムチャンバ124が形成されている。又、プレナムチャンバ124の前端と内気流路123の上端は連通されている。
【0004】外気ファン108は外部カバー104の外面に固定され、外気流路122内に外気を導入する。内気ファン109は内気ファン取付板107に取り付けられている。外部カバー104の上下方向の両端には、外気流路122の吸気口104Aと排気口104Bとが穿設され、通気ダクト121の上下面は上通気口101Aと下通気口101Bとによって開放されている。制御箱100は背面の取付足110、スペーサ111、ボルト112により、工作機械のコラム113に固定されるが、制御箱100とコラム113との間には、隙間125が設けられている。
【0005】以上のように構成された制御箱100において、外気ファン108を運転すると、矢印aで示すように、外気は下端の吸気口104Aから外気流路122を経て排気口104Bへ流れる。一方、内気ファン109を運転すると、矢印bで示すように、内気は下向き垂直方向に流れ、サーボモータ駆動装置102を冷却し、防塵区画120下部から内気流路123、プレナムチャンバ124、内気ファン109へと循環する。以上の強制対流により、内気流路123内の空気と外気流路122内の外気とが熱交換される。また、制御箱100の発熱、排気熱は隙間125により熱絶縁され、工作機械のコラム113に熱歪みを生じさせないようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上のような構造においては、サーボモータ駆動装置102のヒートシンクファン102Aの冷却は、通気ダクト121の煙突効果による空気対流しかないため、冷却効率が悪くなっている。従って、サーボモータの他に大容量の主軸モータも備えた工作機械においては、それぞれの駆動装置の発熱を十分に冷やせない問題を有している。また、工作機械のコラム113に制御箱100の発熱を伝えないための隙間125が必要となるため、制御箱100を支持するボルト112、スペーサ111、取付足110などの強度により、制御箱自身を重くすることができない問題点がある。
【0007】本発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、サーボモータ駆動装置や大容量の主軸駆動装置のヒートシンクフィンを収納する区画部位に強制流通手段を備えることにより、各機器の発熱を効率良く行える工作機械の放熱装置を提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、工作機械のコラムに取り付けても、コラムに熱歪みを生じさせない工作機械の放熱装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1の発明は、工作機械に関連した駆動を制御する電子部品実装部が収容された収容室と、この収容室と仕切壁によって区画され、前記電子部品実装部のヒートシンクフィンを収容すると共に、外気を流入及び流出させる通気口が対向して形成された通気ダクト室と、この通気ダクト室内に設けられ、前記通気口を通じて外気を通気ダクト室内に強制的に流通させる強制流通手段と、を備えていることを特徴とする。
【0010】この発明では、強制流通手段が強制的に外気を通気ダクト室内に流通させて通気ダクト室内を放熱させるため、単純な煙突効果以上に熱交換が行われ、ヒートシンクフインの放熱効率を向上させることができる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1記載の発明であって、前記通気ダクト室が前記収容室と独立した空間を形成しており、収容室との独立状態で収容室内に挿入されていることを特徴とする。
【0012】この発明では、通気ダクト室が収容室から独立しており、通気ダクト室の熱が外気との熱交換で放熱されるため、工作機械のコラムなどに直付けしても熱伝導が少なく、工作機械に熱歪みを生じさせない。
【0013】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の発明であって、前記通気ダクト室が断熱空間を有した状態で工作機械のコラムに固定されていることを特徴とする。
【0014】断熱空間を有して工作機械に固定されることにより、通気ダクト室の熱が断熱されるため、工作機械に熱歪みを生じさせることがない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施の形態により具体的に説明する。なお、各実施の形態において、同一の要素は同一の符号を付して対応させてある。
(実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1を示す。この実施の形態は、工作機械(図示省略)に組み込まれている複数のサーボモータを制御するサーボモータ駆動装置の制御箱に対して適用するものであり、制御箱1の筐体2の内部は、仕切壁3により前面側の収容室20と背面側の通気ダクト室21とに区画されている。境界となる仕切壁3には、サーボモータ駆動装置4が取り付けられており、その電子部品実装部4Bが収容室20内に収容され、ヒートシンクフィン4Aが通気ダクト室21内に収容されている。
【0016】通気ダクト室21の上下方向には、上通気口2Aおよび下通気口2Bが対向しており、これらの通気口2A及び2Bにより開放されている。仕切壁3の下方には、通気ファン取付板5が設けられ、通気ファン取付板5には、強制流通手段としての通気ファン6が図中矢印d方向に空気を押し出す向きで取り付けられている。
【0017】以上のように構成された制御箱1において、通気ファン6を運転すると、外気が通気ダクト室21内に導入されて、通気ダクト室21内の空気は矢印dの向きに押し出され、通気ダクト室21内を上方に向かって流れる。この際、通気ダクト21下部の外気は下通気口2Bより吸入される。一方、上方へ流れる空気は、サーボモータ駆動装置4のヒートシンクフィン4Aからの発熱を奪い、熱によりさらに上昇し易くなって、上通気口2Aから外部へ排出される。
【0018】このような構造では、通気ファン6により強制的に吹きつけられる下通気口2Bからの外気により、ヒートシンクフィン4Aは煙突効果による自然冷却に比べて、より好適に冷却され、ヒートシンクフィン4Aの熱により暖められた通気ダクト室21内の空気は上通気口2Aから速やかに排出される。従って、制御箱1内に大容量の主軸モータ駆動装置などの発熱機器が複数個収納した場合でも、十分な放熱効果を得ることができる。
【0019】なお、この実施の形態では、通気ダクト室21内の強制流通手段として、通気ファン6以外を用いても良い。例えば、通気ダクト室21内に液体等の流体を循環させるパイプを配設し、循環ポンプにより流体を循環させた後、通気ダクト室21の外部で放熱させる構造であっても良く、ペルチェ素子などの電気的に熱交換を行う構造であっても良い。
【0020】(実施の形態2)図2および図3は、実施の形態2を示す。この実施の形態では、通気ダクト室21が収容室20と独立した空間を形成するものである。このため、通気ダクト室21は外壁7に包囲されている。この場合、外壁7の前面側は開放されており、この開放部分が仕切壁3に接合されるように通気ダクト室21が収容室20内に挿入される。
【0021】通気ダクト室21の外壁7の上下には、ダクト上通気口7Aおよびダクト下通気口7Bが形成されることにより開放されている。又、通気ダクト室21の全体は、筐体2に形成された上ダクト穴2C、下ダクト穴2Dから突出する形状となっている。
【0022】この実施の形態では、その全体がボルト9によって工作機械のコラム8に固定されるものである。固定に際し、通気ダクト室21が挿入された筐体2の背面に、扁平な断熱空間22が形成されるように行われる。
【0023】以上のように構成された制御箱1において、通気ファン6を運転すると、通気ダクト室21内の空気は矢印dの方向に流れ、熱交換を行う。このとき通気ダクト室21の壁面は内部の温度上昇により熱を持つが、断熱空間22により制御箱1の筐体2にその熱が伝わることがない。従って、工作機械のコラム8に制御箱12を直付けしても、工作機械に熱歪みを生じることがなく、熱の悪影響を及ぼすことがない。
【0024】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、強制流通手段により通気ダクト室内を好適に放熱できるため、複数のサーボモータ駆動装置や、大容量の主軸駆動装置などの発熱源をひとまとめに効率良く冷却することができる。
【0025】請求項2の発明によれば、通気ダクト室が収容室から独立しており、通気ダクト室の熱が外気との熱交換で放熱されるため、熱歪みを生じさせることなく、工作機械のコラムに直に取り付けることができる。
【0026】請求項3の発明によれば、断熱空間を有して工作機械に固定されるため、工作機械に熱歪みを生じさせることがない。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成11年11月24日(1999.11.24)
【代理人】 【識別番号】100069420
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 武
【公開番号】 特開2001−148588(P2001−148588A)
【公開日】 平成13年5月29日(2001.5.29)
【出願番号】 特願平11−332162