トップ :: H 電気 :: H04 電気通信技術

【発明の名称】 アオリ撮影機能を有するデジタルスチルカメラ
【発明者】 【氏名】庄野 鉄司

【要約】 【課題】デジタルスチルカメラにおいて、カメラを大型化させずに、アオリ撮影時における被写体の写る範囲の移動が少ない傾斜アオリ撮影を可能にした、デジタルスチルカメラを得ることを目的とする。

【解決手段】撮像レンズ18を、光軸を固定してカメラボディ10に設け、カメラボディに対し、撮像素子11を撮像レンズの光軸と直交する平面に対して傾動可能にした傾斜アオリ機構15を設けたデジタルスチルカメラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 撮像レンズを透過した被写体の光学情報を撮像素子に入射させて電気情報に変換するデジタルスチルカメラにおいて、上記撮像レンズを、光軸を固定してカメラボディに設け、上記カメラボディに、上記撮像素子を該撮像レンズの光軸と直交する平面に対して傾動可能にした傾斜アオリ機構を設けたことを特徴とするアオリ撮影機能を有するデジタルスチルカメラ。
【請求項2】 請求項1記載のデジタルスチルカメラにおいて、前記傾斜アオリ機構は、撮像素子の撮像面と撮影レンズの光軸との交点を回転中心として、撮像素子を回転移動させる機構であるアオリ撮影機能を有するデジタルスチルカメラ。
【請求項3】 請求項2記載のアオリ撮影機能を有するデジタルスチルカメラにおいて、前記撮像素子を回転移動させる傾斜アオリ機構は、撮像素子を保持し、撮像素子の撮像面と撮影レンズの光軸との交点を中心とする球状の凸面を有する撮像素子保持部材と;この凸面と等しい中心と半径を有する球状の凹面を有する台座と;を有し、前記撮像素子保持部材の凸面が前記台座の凹面に沿って移動することにより前記撮像素子が回転移動をするアオリ撮影機能を有するデジタルスチルカメラ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【技術分野】本発明は、アオリ撮影機能を有するデジタルスチルカメラに関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】従来、銀塩フィルムカメラでのアオリ撮影は、フィルムを固定したカメラボディに対し撮影レンズを移動させて行っていた。具体的には、銀塩フィルムカメラの傾斜アオリ撮影機能は、撮影光軸に直交する面に対して傾いた被写体面全体にピントを合わせる撮影機能として知られ、カメラボディに支持されたフィルムに直交する方向に対し、撮影レンズの光軸を傾けることで行われている。理論的には、シャインプルーフの原理に従い、フィルム面の延長面と、被写体面の延長面と、レンズ面の延長面とを一線で交わらせることにより、傾斜した被写体面の全面にピントを合わせることができる。
【0003】このアオリ撮影機能は、具体的には、撮影レンズを固定したレンズ取り付け板をカメラボディに対して傾ける機構が不可欠であり、複雑な構成を必要とするため、カメラの大型化が避けられない。また、デジタルカメラでアオリ撮影を行うには、この撮影レンズを傾ける機構をそのまま用いると、撮像素子はフィルム面に比べて小さいため、被写体の写る範囲が大きく移動しやすいという問題が生じる。
【0004】
【発明の目的】本発明は、デジタルスチルカメラにおいて、カメラを大型化させずに、アオリ撮影時における被写体の写る範囲の移動が少ない傾斜アオリ撮影を可能にした、デジタルスチルカメラを得ることを目的とする。
【0005】
【発明の概要】従来の銀塩フィルムカメラでのアオリ撮影は、フィルムを固定したカメラボディに対し撮影レンズを移動させて行っている。しかし、撮像レンズを透過した被写体の光学情報を撮像素子に入射させて電気情報に変換するデジタルスチルカメラでは、撮像素子が小さいので、撮像素子を傾けて同様のアオリ撮影を行うことが可能である。
【0006】本発明は、以上の着眼に基づいてなされたもので、デジタルスチルカメラにおいて、撮像レンズを、光軸を固定してカメラボディに設け、カメラボディに対し、撮像素子を撮像レンズの光軸と直交する平面に対して傾動可能にした傾斜アオリ機構を設けたことを特徴としている。
【0007】この傾斜アオリ機構は、撮像素子の撮像面と撮影レンズの光軸との交点を回転中心として、撮像素子を回転移動させる機構とするとよい。この回転移動は、前記回転中心を中心とする球状回転でもよく、前記回転中心を含む回転軸を中心とする円筒状回転でもよい。
【0008】撮像素子を回転移動させる機構は、撮像素子を保持し、撮像素子の撮像面と撮影レンズの光軸との交点を回転中心とする球状の凸面を有する撮像素子保持部材と;この凸面と等しい中心と半径を有する球状の凹面を有する台座と;を有し、撮像素子保持部材の凸面が、台座の凹面に沿って移動することにより、撮像素子が回転移動をする機構とするとよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるアオリ撮影機能を有するデジタルスチルカメラの実施例を、図を参照して説明する。図3に本デジタルスチルカメラの撮像系を示す。被写体像を撮影レンズ18によって撮像素子11上に結像し、この光学像を撮像素子11によって画像信号に変換する。システムコントロール回路24は、操作スイッチ23によってこの画像信号をLCDファインダ21で観察するファインダモードと、記録素子22に記録する撮影モードを切りかえることができる。
【0010】図2は、本デジタルスチルカメラの概要を示す図である。チルト機構を持たない撮影レンズ18は、その光軸がカメラボディ10に対して固定される状態で、カメラボディ10に支持されている。撮影レンズ18の後方(図の下方)に置かれた撮像素子11は、撮影レンズ18による像が撮像素子11の撮像面(ピント面)19上に結像する位置で、撮像素子戴置台12の前面(図の上方)に固着されている。この撮像素子11による画像は、LCDファインダ21にて観察できるようになっている。撮像素子戴置台12の後面には、光軸20とピント面19との交点を中心とする半径Rの凸球面13が形成されている。スライド台14の前面には、凸球面13と同一の半径Rを有する凹球面15が形成されている。撮像素子戴置台12の凸球面13は、この凹球面15を座として、スライド台14の凹球面15に沿って移動可能に保持されている。
【0011】図1は撮像素子11、撮像素子戴置台12、スライド台14の位置関係を示す斜視図である。スライド台14に撮像素子戴置台12を保持する構造は、例えば磁力によって載置台12をスライド台14に吸着し、あるいはばね力により載置台12をスライド台14側に移動付勢する構造が可能である。スライド台14は後面でカメラボディ10に固着されている。スライド台14とカメラボディ10には、カメラ外部まで貫通する穴部16が設けてあり、戴置台12の凸球面13に固定された制御部材17がこの穴部16を通じて外部へ突出している。この制御部材17を介して外部から戴置台12を手動で移動(チルト・スイング)操作することができる。
【0012】撮影には、まずファインダモードで、被写体をLCDファインダ21上で観察する。パースペクティブの補正など、チルト・スイング操作を行う必要があれば、LCDファインダ21を見ながら制御部材17を操作し、撮像素子11を光軸20に対し傾けチルト・スイング操作を行う。撮像素子11はピント面19の中心を回転中心とする回転移動を行うから、ピント面19と光軸20の交点を移動させることなく、上下左右自在な操作が可能である。チルト・スイング操作が終了したら撮影モードで撮影する。
【0013】この実施例では、戴置台12とスライド台14の各面を球面に形成することによって、撮像素子11を球面に沿って回動させる機構としたが、この球面を円筒面に形成し、撮像素子を左右(スイング)あるいは上下方向(チルト)のみに傾動させる機構とすることもできる。
【0014】
【発明の効果】傾斜アオリ操作が可能なデジタルスチルカメラを、簡単な構成によって得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】旭光学工業株式会社
【出願日】 平成11年9月21日(1999.9.21)
【代理人】 【識別番号】100083286
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦夫
【公開番号】 特開2001−94841(P2001−94841A)
【公開日】 平成13年4月6日(2001.4.6)
【出願番号】 特願平11−266542