| 【発明の名称】 |
予測システム、予測方法および記録媒体 |
| 【発明者】 |
【氏名】親本 俊憲
【氏名】柳田 克巳
【氏名】新井 一彦
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| 【要約】 |
【課題】作業において危険作業に至る工程を時系列的な作業手順や作業環境の変化の連鎖と捕らえ、その因果関係を時系列的に解析し、危険作業を予測する予測システム、予測方法、および記録媒体。
【解決手段】解析対象となる作業手順の分解と前後関係の整理を行い(ステップ101)、災害の要因を抽出し、それらの因果関係を整理し(ステップ102)、これらの作業と災害要因とを結合させ(ステップ103)、それらをペトリネットで表現する(ステップ104)。ペトリネットを用いて作業に関するシミュレーションを行い(ステップ106)、作業方法や作業環境等の改善を行い(ステップ108)、所定の安全性を満足するまで処理を繰り返す。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業工程を時系列的に分解、抽出する作業抽出手段と、災害要因を抽出する要因抽出手段と、作業抽出手段で抽出した作業工程と要因抽出手段で抽出した要因を用いて、ペトリネットを作成する作成手段と、前記ペトリネットを用いて作業における危険を予測する予測手段と、を具備することを特徴とする予測システム。 【請求項2】 前記ペトリネットはプレース、アーク、トランジション、トークンで表現され、プレースは前記作業工程や要因を示し、トランジションは前記作業工程や要因による状態変化を示し、アークは前記プレースとトランジションとを結合し、前記予測手段は、トークンが各プレースを移動することによって危険を予測することを特徴とする請求項1記載の予測システム。 【請求項3】 前記プレースから複数のトランジションに分岐する場合、各トランジションが起こりうる確率を設定し、前記予測手段で作業の危険が予測された場合、前記確率を変えることによって危険を取り除くことを特徴とする請求項2記載の予測システム。 【請求項4】 前記予測手段は危険に至るまでの時間を算出するものであり、危険に至るまでの時間が所定の値より短い場合に、作業工程を改善して、危険に至るまでの時間を長くすることを特徴とする請求項1記載の予測システム。 【請求項5】 作業工程を時系列的に分解、抽出する作業抽出工程と、災害要因を抽出する要因抽出工程と、作業抽出手段で抽出した作業工程と要因抽出工程で抽出した要因を用いて、ペトリネットを作成する作成工程と、前記ペトリネットを用いて作業における危険を予測する予測工程と、を具備することを特徴とする予測方法。 【請求項6】 前記ペトリネットはプレース、アーク、トランジション、トークンで表現され、プレースは前記作業工程や要因を示し、トランジションは前記作業工程や要因による状態変化を示し、アークは前記プレースとトランジションとを結合し、前記予測工程は、トークンが各プレースを移動することによって危険を予測することを特徴とする請求項5記載の予測方法。 【請求項7】 前記プレースから複数のトランジションに分岐する場合、各トランジションが起こりうる確率を設定し、前記予測工程で作業の危険が予測された場合、前記確率を変えることによって危険を取り除くことを特徴とする請求項6記載の予測方法。 【請求項8】 前記予測工程は危険に至るまでの時間を算出するものであり、危険に至るまでの時間が所定の値より短い場合に、作業工程を改善して、危険に至るまでの時間を長くすることを特徴とする請求項5記載の予測方法。 【請求項9】 作業工程を時系列的に分解、抽出する作業抽出手段と、災害要因を抽出する要因抽出手段と、作業抽出手段で抽出した作業工程と要因抽出手段で抽出した要因を用いて、ペトリネットを作成する作成手段と、前記ペトリネットを用いて作業における危険を予測する予測手段と、を具備する予測システムの一部又は全部としてコンピュータを動作させるプログラムを記録した記録媒体。 【請求項10】 前記ペトリネットはプレース、アーク、トランジション、トークンで表現され、プレースは前記作業工程や要因を示し、トランジションは前記作業工程や要因による状態変化を示し、アークは前記プレースとトランジションとを結合し、前記予測手段は、トークンが各プレースを移動することによって危険を予測することを特徴とする請求項9記載の記録媒体。 【請求項11】 前記プレースから複数のトランジションに分岐する場合、各トランジションが起こりうる確率を設定することを特徴とする請求項10記載の記録媒体。 【請求項12】 前記予測手段は危険に至るまでの時間を算出することを特徴とする請求項9記載の記録媒体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、建設作業における作業工程や作業条件から予め危険作業を予測する予測システム、予測方法、及びコンピュータを予測システムとして動作させるためのプログラムを記録した記録媒体に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、建設作業における危険作業の予測は、過去の災害事例に基づいた経験的判断によるものが主体であり、定量的方法による予測はあまり行われていない。従って、危険作業や災害の予知は作業時の作業者の経験等に頼ることが多かった。また、建設以外の分野では災害の原因分析や危険度の評価等を行う解析方法が適用される場合もあった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような解析方法では解析対象であるシステムの構成や状態が変化することは考慮されておらず、建設工事のように時間の推移とともに作業環境が変化し、その変化を考慮して作業の安全性を解析することは困難であるという問題があった。また、作業者の経験による危険予測でもこのような作業環境の変化に対応し、作業全体を通した中での危険作業を予測することは困難である。 【0004】本発明は、このような問題を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、危険作業に至る工程を時系列的な作業手順や作業環境の変化の連鎖と捕らえ、その因果関係を時系列的に解析し、危険作業を予測する予測システム、予測方法、及び記録媒体を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】前述した目的を達成するために第1の発明は、作業工程を時系列的に分解、抽出する作業抽出手段と、災害要因を抽出する要因抽出手段と、作業抽出手段で抽出した作業工程と要因抽出手段で抽出した要因を用いて、ペトリネットを作成する作成手段と、前記ペトリネットを用いて作業における危険を予測する予測手段と、を具備することを特徴とする予測システムである。 【0006】第2の発明は、作業工程を時系列的に分解、抽出する作業抽出工程と、災害要因を抽出する要因抽出工程と、作業抽出手段で抽出した作業工程と要因抽出工程で抽出した要因を用いて、ペトリネットを作成する作成工程と、前記ペトリネットを用いて作業における危険を予測する予測工程と、を具備することを特徴とする予測方法である。 【0007】第3の発明は、作業工程を時系列的に分解、抽出する作業抽出手段と、災害要因を抽出する要因抽出手段と、作業抽出手段で抽出した作業工程と要因抽出手段で抽出した要因を用いて、ペトリネットを作成する作成手段と、前記ペトリネットを用いて作業における危険を予測する予測手段と、を具備する予測システムの一部又は全部としてコンピュータを動作させるプログラムを記録した記録媒体である。 【0008】 【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る予測システム1のハードウェアの概略構成図であり、図2は予測システム1の処理手順を示すフローチャートである。予測システム1の解析対象となる作業は建設作業である。 【0009】図1に示すように、予測システム1はコンピュータ3、作業データベース5、災害要因データベース7、CD−ROM9等から構成される。コンピュータ3は後述するペトリネットを用いて危険作業や災害等を予測する処理を行う。 【0010】作業データベース5は作業手順やその前後関係等の作業に関するデータを保持する。災害要因データベース7は、作業中に起こりうる災害や危険作業の要因等に関するデータを保持するものである。これらの作業データベース5、災害要因データベース7に保持されたデータを用いて、ペトリネットが作成され、コンピュータ3によって処理される。 【0011】CD−ROM9はコンピュータ3が行う危険予測処理のプログラム等を記録するものである。次に、図2に示す予測システム1による危険予測の処理について説明する。 【0012】解析対象となる作業手順の分解と前後関係の整理を行い(ステップ101)、その中で起こりうる危険作業、即ち災害の要因を抽出し、作業と要因との因果関係を整理する(ステップ102)。 【0013】ステップ101やステップ102で抽出した作業と災害要因とを結合させ(ステップ103)、それらをペトリネットで表現する(ステップ104)。ペトリネットはシステムをモデル化して評価するための有効なツールである。ペトリネットに関する詳細な説明は後に行う。 【0014】次に、ペトリネット中の状態遷移確率を決定し(ステップ105)、ペトリネットを用いて作業に関するシミュレーションを行い、各作業の災害発生確率や災害に至るまでの時間等を算出し(ステップ106)、所定の安全性を満足したら(ステップ107)シミュレーションを終了する。 【0015】ステップ107において所定の安全性を満足しない場合、即ち危険作業や災害が高い確率で起こりうる場合には、作業方法や作業環境等の改善を行い(ステップ108)、その改善点を考慮してペトリネットで再モデル化を行い(ステップ104)、所定の安全性を満たすまで処理を繰り返す。 【0016】次に、具体的な作業を例に図2に示すシステムの処理を説明する。ここで、解析対象の作業として梁型枠の解体作業を例にとる。 【0017】(ステップ101)対象となる作業の作業手順を分解し、その前後関係の整理を行う。例えば、梁型枠の解体作業の場合、以下のように作業を抽出し、作業順を整理する。 【0018】作業1:スラブ上から足場へ昇降する。 作業2:釘抜き作業を行う。 作業3:小運搬作業を行う。 作業4:バールによるパネル剥がしを行う。 作業5:手によるパネル剥がしを行う。 作業6:足場からスラブ上に移動する。 【0019】以上の作業の中から、作業が行われる場所や作業名、作業による状態変化、作業にかかる時間等を抽出して整理する。抽出した作業に関するデータは作業データベース5に保持することも可能である。 【0020】(ステップ102)次に、対象作業において起こりうる災害要因を抽出し、それが何故起こるかや起こったらどうなるか等の因果関係を整理する。例えば、足場上の作業中に「足元に不要材がある」場合、作業者が不要材上に乗る。不要材に乗って足元が滑り、バランスを崩す。バランスを崩してスラブ上に落下する。となり、ヒヤリハットとなったり、落下の状態によっては重大災害に至ることがある。これらの抽出し整理した要因や因果関係も災害要因データベース7等に保持される。 【0021】(ステップ103)ステップ101で抽出された作業手順とステップ102で抽出された災害要因とを結合させる。例えば、上述の「足元に不要材があり」、落下に至るのは、作業場所として足場上であるため、足場に昇った後に起こりうる危険作業である。 【0022】(ステップ104からステップ108)次に、ステップ103の処理結果をペトリネットで表現する。図3は、梁型枠の解体作業における危険予測のペトリネットをモデル化した図である。図3に示すペトリネットモデルの詳細な説明を行う前に、ペトリネットモデルについて説明する。 【0023】図4はペトリネットを構成する要素を示す図である。ペトリネットは、プレース33−1、33−2、アーク37−1、37−1、トランジション35、トークン39で構成される。プレース33−1、33−2は条件を示し、トランジション35は事象や状態変化を示す。 【0024】アーク37−1はプレース33−1からトランジション35への結合を、アーク37−2はトランジション35からプレース33−2への結合を示す。トークン39はプレース33−1の中に配置され、トランジション35即ち事象が起こることによって、プレース33−2に移動する。事象や状態変化が起こることを「トランジションが発火する」という。図5はトランジション35が発火した後のペトリネットの状態を示す図である。 【0025】このトランジション35の発火条件には以下に示すような規則がある。図6、図7、図8は発火条件を説明するための図である。図6に示すように、トランジションTaを発火させるためには入力側のプレースPa、Pbの両方にトークンが存在しなければならない。即ち、条件Pa、Pbの両方がそろったときにトランジションTaが発火し、事象Taが起こる。 【0026】また、図7に示す発火条件は、トランジションTa、Tbがある確率で起こりうる場合を示すものである。この確率を状態遷移確率という。図8はトランジションTa、トランジションTbのうち、いずれかが発火した場合にプレースPaの状態に移ることをいう。 【0027】以上説明したペトリネット及びその発火条件を用いて、図3に示す梁型枠の解体作業の危険予測のペトリネットモデルを説明する。図3において、Pはプレースを示し、作業名や作業の状態を示すものである。また、Tはトランジションであり、状態変化の要因を示すものである。図中の数字は作業時間(分)を示す。 【0028】プレースP1にあるトークンは、トランジションT1「足場への昇降開始」が発火すると、スラブ上(P1)から昇降(P2)に移動し、トランジションT2「足場への昇降終了」が発火すると、足場上(P3)に移動する。ここで、トークンが移動するということは、作業が行われ、状態が変化することを示す。 【0029】次に、トランジションT3「作業開始」が発火し、釘抜き(P4)作業を行い、トランジションT4「小運搬開始」の発火で小運搬(P5)作業を行う。次に、トランジションT5「バールによるパネル剥がしを開始」が発火し、パネル剥がし(P6)作業が行われる。 【0030】このとき、プレースP6の作業が順調に行われ、トランジションT6「手によるパネル剥がしが開始される」場合と、トランジションT10「バールが外れる」場合のどちらかが所定の状態遷移確率で起こりうる。この状態遷移確率は、作業環境等を考慮して決定され(ステップ105)、入力される。この状態遷移確率をデータベース化し、保持することも可能である。 【0031】トランジションT6「手によるパネル剥がしが開始される」が発火すると、手によりパネルが剥がされ(P7)、トランジションT7「パネル剥がし終了」が発火すると、パネルを置き(P8)、次の施工箇所があればトークンを新たに与え、次の施工箇所移動し(P11)、作業を開始する。 【0032】また、次の施工箇所がなければ、作業者は足場から降りて(P9)、トランジションT9「足場昇降終了」が発火すると、スラブ上に戻る(P10)。 【0033】前述のトランジションT10「バールが外れる」が発火した場合、バールがはずれても作業を続けられる場合(P21)と反動を受ける場合(P12)がある。プレースP21に至れば、トランジションT12「次作業開始」が発火し、手によるパネルはがし(P7)に至る。 【0034】また、反動を受けた場合(P12)、さらに脚立作業である場合(P13:この場合新たにトークンが与えられる)、トランジションT11「不安定な状態」が発火し、以降に説明するバランスを崩す状態(P16)に至る。即ち、図6に示す発火条件に従って、P12とP13の両方にトークンがそろって、T11が発火することとなり、ここでは「脚立上の作業で、かつ、反動を受けた場合にバランスを崩して転落する」ことを示す。 【0035】次に、災害要因の一因として足場上に不要材がある場合を考える。不要材があるという条件に対してプレースP14を設定し、新たにトークンを配置する。この場合、トランジションT13「不要材に作業者が乗る」とトランジションT17「乗らない」のいずれかが所定の状態遷移確率で発火する。T17が発火した場合、災害には至らない。 【0036】トランジションT13が発火した場合、作業者は不要材上に乗り(P15)、トランジションT14「足元が滑る」とトランジションT18「滑らない」のいずれかが所定の確率で発火する。T18が発火した場合は、災害には至らない。 【0037】トランジションT14が発火した場合、或いは前述の脚立作業やバールが外れたことによる反動を受けることで不安定になった場合、作業者はバランスを崩し(P16)、所定の確率でトランジションT19「落下しない」が発火する。T19が発火した場合、作業は継続され(P18)、トランジションT21「次作業への移行」が発火する。 【0038】トランジションT21が発火して次作業への移行が行われると、災害要因「足元に不要材がある(P14)」に戻るとともに、一方で次作業への準備を行い(P20)、トランジションT12「次作業開始」が発火する。こうして、次作業である手によるパネル剥がし(P7)に移行する。 【0039】また、作業者がバランスを崩し(P16)、新たにトークンが与えられる、手すりの不備(P19)という条件がともに加わった場合に、トランジションT15「落下する」が所定の確率で発火する。T15が発火した場合、作業者は足場からスラブ上に落下し(P17)、トランジションT16「許容負荷」が所定の確率で発火すれば、「ヒヤリハット」に至り、トランジションT20「身体への過負荷」が発火した場合、「重大災害」となる。 【0040】ステップ106では、上記のようなシミュレーションを行い、「ヒヤリハット」や「重大災害」に至る確率や時間を算出する。 【0041】例えば、「ヒヤリハット」に至る確率の算出について以下に説明する。ここで、足場の不要材に乗る(T13が発火する)確率が「a」、足元が滑る(T14が発火する)確率が「b」、バールが外れて反動を受けて不安定になる(T11が発火する)確率が「c」、足場から落下するが許容負荷である(T16が発火する)確率が「d」、足場から落下する(T15)確率が「e」であるとする。 【0042】図6から図8に示す発火条件を考慮し、上記の確率から「ヒヤリハット」に至る確率を算出すると、「(a×b+c)×d×e」となる。 【0043】以上のようなシミュレーションの結果、「重大災害」や「ヒヤリハット」に至る確率が所定の閾値等より大きい場合は、図3に示すペトリネットにおいて、災害につながるアークが多く出ている作業をなくす、或いは災害につながる確率を減少させるように作業環境を変えるなどして、改善する(ステップ108)。 【0044】例えば、図3に示す作業では、「バールによるパネル剥がし」(P6)においてバールが外れた場合に反動を受けて、落下事故につながる場合がある。従って、この確率が大きい場合は、バールが外れないような防止策を取ったり、バールによるパネル剥がし作業を取りやめるなどして、作業改善を行い、再度シミュレーションを行うことが可能である。 【0045】このように、作業改善を行い、状態遷移確率を変えたり、プレースやトランジションを追加、削除するなどして図3に示すペトリネットの再構築を行い、シミュレーションを実行することを繰り返して、「重大災害」や「ヒヤリハット」に至る確率が閾値よりも小さくなれば、危険作業予測の処理を終了する。 【0046】次に、ステップ106において災害に至るまでの時間を算出した場合について説明する。図9は異なる作業条件で「重大災害」に至るまでの平均時間を算出した結果を示す図である。 【0047】図3に示すペトリネットを用いて、終了条件となる「重大災害」に至るシミュレーションを繰り返し(図9に示す例で100回繰り返す)行い、「重大災害」に至るまでの平均時間を求める。例えば、作業条件1は「脚立と足場板を使用する場合」であり、「重大災害」に至るまでの平均時間は「t1」である。 【0048】次に、作業条件2として「脚立と足場板を使用し、更に不要材がある場合」についてシミュレーションを繰り返し、「重大災害」に至るまでの平均時間「t2」を求める。 【0049】ここで、作業条件2は作業条件1に比べて、「重大災害」に至るまでの時間が短いことが判る。この「重大災害」に至るまでの平均時間を長くするように、ステップ107では、作業方法を変えるなどする。 【0050】例えば、作業条件3として、「脚立+足場板」の代わりに「ローリングタワーを使用する場合」について、「重大災害」に至るまでの平均時間t3を計算する。この結果t3>t1>t2となり、「ローリングタワーを使用する場合」の方が、「脚立と足場板を使用する場合」に比べて、作業の安全性が高いことが判る。こうして、所定以上の安全性が得られれば(ステップ107)、作業改善ができたものとしてシミュレーションを終了する。 【0051】また、図9に示す「ローリングタワーを使用する場合」についても、スパンLや階高Hを変えるなどしてシミュレーションを行う。例えば、作業条件3は「H=3000(mm)、L=4000(mm)」、作業条件4は「H=4000(mm)、L=6000(mm)」として計算を行うと、平均時間はt3>t4となる。 【0052】以上の説明では、「重大災害」を例に説明したが、「ヒヤリハット」に至る時間も同様に計算できる。このように、危険作業の予測システム1を用いれば、事前に「重大災害」や「ヒヤリハット」に至る時間を計算でき、その時間を引き延ばすように作業改善をお行うことができる。 【0053】以上のように、本システムを用いれば、事前に危険作業を予測することができ、危険要因を取り除くことが可能である。また、作業時に大幅な作業環境の変化等が発生した場合でも、本システムによるシミュレーションを行うことで、作業環境の変化による危険作業を事前に予測することが可能であり、作業の安全を保障できる。 【0054】尚、図2の処理の全部または一部はコンピュータで行うことができ、そのプログラムをCD−ROM等の記録媒体に保持できる。尚、本実施の形態では梁型枠の解体作業を例にあげたが、本システムはあらゆる建設作業、又は建設作業以外の作業の危険予測を行うことも可能である。特に、実際の建設作業は様々な作業が組み合わされるため、本システムを用いて作業の前に危険作業を予測することは非常に効果が大きい。 【0055】 【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明によれば、危険作業に至る工程を時系列的な作業手順や作業環境の変化の連鎖と捕らえ、その因果関係を時系列的に解析し、危険作業を予測することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001373 【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月7日(2000.6.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096091 【弁理士】 【氏名又は名称】井上 誠一
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| 【公開番号】 |
特開2001−351057(P2001−351057A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月21日(2001.12.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−170203(P2000−170203) |
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