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【発明の名称】 キーボード
【発明者】 【氏名】貝嶋 正信

【要約】 【課題】キーを操作しながら画面のカーソルを移動させることができるキーボードを提供する。

【解決手段】キーボード1は、下面2bが滑らかな凸状に形成されている。キーボード1の内部には、キーボード1の上面2aの鉛直線に対する傾きを検出する傾き角度検出部材9が設けられている。この傾き角度検出部材9は、ケースに回転自在に保持された球状体と、この球状体を覆うように形成された電極取付部材と、この電極取付部材に取り付けられた複数の固定電極と、球状体に取り付けられ、球状体の回転に伴い複数の固定電極と順次当接する可動電極と、球状体の下部に取付られた重り19とから構成されている。固定電極にはそれぞれ抵抗が接続され、可動電極が当接すると、その抵抗に電流が流れる。その電流値に基づいてキーボード1の傾き角度および傾き方向を検出し、検出結果をカーソル信号に変換する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上面が平面状に形成され、下面が滑らかな凸面に形成されたケースと、前記ケースの上面に設けられた複数のデータ入力用のキーと、前記ケースの上面中央部の内側に設けられ、前記ケース上面の鉛直線に対する傾きを検出する傾き角度検出部材と、前記傾き角度検出部材によって検出された傾き角度を電気信号に変換する角度検出回路と、を具備してなるキーボード。
【請求項2】 前記傾き角度検出部材は、前記ケースに回転自在に保持された球状体と、前記球状体を覆うように形成された電極取付部材と、前記電極取付部材に取り付けられた複数の固定電極と、前記球状体に取り付けられ、前記球状体の回転に伴い前記複数の固定電極と順次当接する可動電極と、前記球状体の下部に取付られた重りとからなる請求項1に記載のキーボード。
【請求項3】 前記角度検出回路は、前記各固定電極に各々接続された抵抗と、前記抵抗を流れる電流を検出する電流検出回路とからなる請求項1に記載のキーボード。
【請求項4】 前記角度検出回路は、前記電流検出回路の検出出力をディジタル信号に変換する変換回路と、前記変換回路の出力を、コンピュータのカーソルを移動させるカーソル信号に変換するカーソル信号発生回路とをさらに具備することを特徴とする請求項3に記載のキーボード。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、データ入力の機能に加えて、マウスの機能をも併せ持つキーボードに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、パーソナルコンピュータやワークステーション等においては、ディスプレイにカーソルが表示され、そのカーソルをマウスやトラックボールによって移動させながらデータ入力を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、マウスやトラックボールを操作するためには、通常、右手をそのために使用しなければならず、このため、マウスやトラックボールを操作している間はキー操作ができなくなり、データ入力速度が低下する問題がある。この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、キーを操作しながら画面のカーソルを移動させることができるキーボードを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、上面が平面状に形成され、下面が滑らかな凸面に形成されたケースと、前記ケースの上面に設けられた複数のデータ入力用のキーと、前記ケースの上面中央部の内側に設けられ、前記ケース上面の鉛直線に対する傾きを検出する傾き角度検出部材と、前記傾き角度検出部材によって検出された傾き角度を電気信号に変換する角度検出回路とを具備することを特徴とする。また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のキーボードにおいて、前記傾き角度検出部材を、前記ケースに回転自在に保持された球状体と、前記球状体を覆うように形成された電極取付部材と、前記電極取付部材に取り付けられた複数の固定電極と、前記球状体に取り付けられ、前記球状体の回転に伴い前記複数の固定電極と順次当接する可動電極と、前記球状体の下部に取付られた重りとから構成したことを特徴とする。
【0005】また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のキーボードにおいて、前記角度検出回路を、前記各固定電極に各々接続された抵抗と、前記抵抗を流れる電流を検出する電流検出回路とから構成したことを特徴とする。また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のキーボードにおいて、前記角度検出回路が、前記電流検出回路の検出出力をディジタル信号に変換する変換回路と、前記変換回路の出力を、コンピュータのカーソルを移動させるカーソル信号に変換するカーソル信号発生回路とをさらに具備することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、この発明の一実施の形態について説明する。図1はこの発明の一実施形態によるキーボード1の構成を示す斜視図である。この図において、符号2は、上面2aが平面状に形成され、下面2bが滑らかな凸状に形成されたケースであり、上面2aにアルファベットキー3、テンキー4、ファンクションキー5が各々設けられていると共に、右奥部にマウススイッチ6a〜6cが設けられている。ここで、マウススイッチ6a〜6cとは、公知のマウスに設けられている1〜3個のスイッチと同じ機能を果たすスイッチである。
【0007】図2は図1におけるII−II線断面図である。この図に示すように、ケース2の内部であって、上面中央部の内側には、ケース2の上面2aの鉛直線に対する傾きを検出する傾き角度検出部材9が設けられている。図3はこの傾き角度検出部材9の拡大図である。この図において、10はケース2の枠体11に取り付けられたドーム状の電極取付部材であり、その周面には多数の電極12,12・・・が内面から接触可能に取り付けられている。図4は電極取付部材10を内側から見た図であり、この図に示すように、電極取付部材10には多数の電極12が放射状に取り付けられている。ここで、電極12−a1、12−a2・・・が一列に配置された電極であり、電極12−a1が最も内側に位置している。同様に、電極12−b1、12−b2・・・、電極12−c1、12−c2・・・等もそれぞれ一列状に配置された電極であり、電極12−b1、12−c1・・・が最も内側に位置している電極である。
【0008】上述した電極取付部材10の内部には、電極取付部材10と僅かの隙間を空けて球状体13が回転自在に配置されている。この球状体13の上端部には、小半球状の電極14が取り付けられており、この電極14が、球状体13の回転に伴い、電極12,12・・・と順次接触するようになっている。球状体13の下部には、上述した電極14と導通する電極15が球状体13を覆うように取り付けられており、一方、電極取付部材10の下端部には上記電極15と当接する電極16が取り付けられている。また、球状体13の下端部には、ひも又は棒など18が取り付けられ、このひも又は棒など18の下端に重り19が取り付けられている。
【0009】次に、図5は上述した傾き角度検出部材9によって検出されたケース上面2aの傾き角度を電気信号に変換する角度検出回路21の構成を示す回路図である。この図に示すように、上述した電極12−a1、12−a2・・・には各々、値R1,R2,R3・・・(R1>R2>R3・・・)の抵抗の各一端が接続され、これらの抵抗の他端が共通接続されて電流検出器23aの一端に接続され、電流検出器23aの他端が直流電源端子24に接続されている。同様に、電極12−b1、12−b2・・・には各々、上記と同じ値R1,R2,R3・・・の抵抗の各一端が接続され、これらの抵抗の他端が共通接続されて電流検出器23bの一端に接続され、電流検出器23bの他端が直流電源端子24に接続されている。電極12−c1、12−c2・・・、12−d1、12−d2・・・、12−e1、12−e2・・・等にも同様に値がR1,R2・・・の抵抗が接続され、抵抗の共通接続点が電流検出器を介して直流電源端子24に接続されている。また、電極14が接地されている。
【0010】そして、上述した電流検出器23a、23b・・・の各検出出力がA/D(アナログ/ディジタル)変換器25へ供給される。A/D変換器25は、常時、電流検出器23a、23b・・・の各出力を順次ディジタルデータに変換し、カーソル信号発生回路26へ出力する。カーソル信号発生回路26は、A/D変換器25の出力データに基づいて、現在、電極14が多数の電極12のどの電極に接触しているかを検出する。すなわち、例えば、いま、電極14が電極12−1bに接触していたとすると、電流検出器23bのみが「0」以外の値を示し、他の電流検出器の出力はいずれも「0」となる。したがって、カーソル信号発生回路26は、現在、「0」以外の値を示している電流検出器23bから電極14が接触している電極12の列を検出することができる。また、検出した列のどの電極12に電極14が接触しているかは、電極に接続されている抵抗の値R1、R2・・・がそれぞれ異なることから、電流検出器23bが出力する電流値から検出することができる。
【0011】そして、カーソル信号発生回路26は、検出結果に基づいてカーソル信号Cを形成する。すなわち、電極14が接触している電極12の列をカーソル移動方向を示す方向信号に変換し、また、電流検出器23の出力を移動速度信号に変換し、これら方向信号、移動速度信号をカーソル信号Cとして、キーボード1が接続されているコンピュータへ出力する。
【0012】次に、上記構成によるキーボード1の動作を説明する。まず、キーボード1の上面2aを水平に保った状態においては、電極14が電極取付部材10のほぼ中央部の電極12が設けられていない位置に接触する。この場合、電流検出器23a、23b・・・の各出力はいずれも「0」となり、したがって、カーソル信号発生回路26からカーソル信号Cが出力されることはない。
【0013】次に、操作者が、図6(イ)に示すように、キーボード1を奥側に傾けたとする。この場合、電極14が、まず、電極12−a1に接触する。これにより、カーソル信号発生回路26からカーソルを上方へ、最小速度で移動することを指示するカーソル信号Cが出力される。この結果、図6(イ)に示すように、コンピュータの画面においてカーソルがゆっくり上方へ移動する。次に、キーボード1をさらに奥側に傾けると、電極14が、電極12−a2に接触する。これにより、カーソル信号発生回路26からカーソルを上方へ、最小から第2段目の速度で移動することを指示するカーソル信号Cが出力される。これにより、コンピュータの画面においてカーソルがさらに上方へ移動する。このように、キーボード1の奥側への傾き角度を大にすればするほど、カーソルが高速で画面上方へ移動する。そして、キーボード1を水平に戻すと、カーソル信号Cが零となり、画面のカーソルが停止する。
【0014】次に、図6(ロ)に示すように、キーボード1を手前側に傾けると、電極14が、まず、電極12−c1に接触する。これにより、カーソル信号発生回路26からカーソルを下方へ、最小速度で移動することを指示するカーソル信号Cが出力される。この結果、図6(ロ)に示すように、コンピュータの画面においてカーソルが下方へ移動する。そして、傾き角度をより急にすると、さらに早い速度でカーソルが下方へ移動する。同様に、キーボード1を図6(ハ)に示すように、右側に傾けると、カーソルが右方向に移動し、図6(ニ)に示すように左側に傾けると、カーソルが左方へ移動する。
【0015】なお、上述した角度検出回路21に代えて、図7に示す角度検出回路31を用いてもよい。この角度検出回路31においては、複数の値Rの抵抗がシリーズ接続され、そのシリーズ接続回路の一端が電極12−a1に接続され、各抵抗−抵抗接続点が電極12−a2、12−a3・・・に順次接続され、他端が値Raの抵抗を介して直流電源端子24に接続されている。電極12−b1、12−b2・・・、12−c1、12−c2・・・、等の各電極についても同様に、値Rの抵抗のシリーズ接続回路が接続され、そのシリーズ接続回路の他端が値Raの抵抗を介して直流電源端子24に接続されている。そして、各シリーズ接続回路の他端と値Raの抵抗との接続点の電圧がA/D変換器25へ印加される。
【0016】上記の構成によれば、値Raの抵抗が図5の電流検出器23a、23b・・・として機能している。また、電極14が電極12−a1に接続される時値Raの抵抗に流れる電流が最小となり、電極14が電極12−a2、12−a3・・・に接続されるに従って値Raの抵抗に流れる電流が大となる。したがって、この角度検出回路31によっても図5の回路と全く同様の機能を達成することができる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、上面が平面状に形成され、下面が滑らかな凸面に形成されたケースと、ケースの上面に設けられた複数のデータ入力用のキーと、ケースの上面中央部の内側に設けられ、ケース上面の鉛直線に対する傾きを検出する傾き角度検出部材と、傾き角度検出部材によって検出された傾き角度を電気信号に変換する角度検出回路とを具備しているので、キーを操作しながら、同時に画面のカーソルを移動させることができるキーボードを提供することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
【出願日】 平成12年4月26日(2000.4.26)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
【公開番号】 特開2001−306219(P2001−306219A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−126584(P2000−126584)