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【発明の名称】 キーボード発電装置及び情報処理機器
【発明者】 【氏名】矢澤 和明

【氏名】原田 善夫

【要約】 【課題】ノート型パソコン等の情報処理機器を、バッテリーによる電力を必要とすることなく使用できるようにする。

【解決手段】キーボード4のキー16の下に圧電素子21を配置し、キー16を押したときにそのキー16で圧電素子21に圧力を加えることによりこの圧電素子21から発電電力が取り出される構造のキーボード発電装置12を情報処理機器の内部に組み込み、このキーボード発電装置12から供給される電力を電源として情報処理機器を駆動させるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 キーボードの内部に組み込まれる発電装置であって、キーの下に圧電素子を配置し、キーを押したときにそのキーで上記圧電素子に圧力を加えることによりこの圧電素子から発電電力が取り出される構造としたことを特徴とするキーボード発電装置。
【請求項2】 上記圧電素子は、上記キーの押圧力によって撓む弾性可撓部上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキーボード発電装置。
【請求項3】 上記弾性可撓部は、キーボード内部の回路基板の一部に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のキーボード発電装置。
【請求項4】 キーボードのキーの下に圧電素子を配置し、キーを押したときにそのキーで上記圧電素子に圧力を加えることによりこの圧電素子から発電電力が取り出される構造のキーボード発電装置を備え、このキーボード発電装置から供給される電力を電源として駆動するようにしたことを特徴とする情報処理機器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キーボードのキーの押圧力によって発電を行なうキーボード発電装置、及びこのキーボード発電装置を備えた情報処理機器に関する。
【0002】
【従来の技術】情報処理機器として例えばノート型のパソコンにおいては、これを外出先等で使用する場合、内蔵のバッテリー(蓄電池)を電源として駆動させるようにしている。
【0003】この場合、現在用いられているバッテリーでの駆動時間は、一回の充電につき数時間程度が現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、ノート型のパソコン等を外出先で使用する場合、長時間にわたる使用は不可能であり、また外出先では充電も難しいため、使用時間に大きな制約があった。
【0005】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、ノート型パソコン等の情報処理機器の駆動用電源として新規の発電装置を提供し、上記の問題点を解消することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するものとして本発明は、キーボードの内部に組み込まれる発電装置であって、キーの下に圧電素子を配置し、キーを押したときにそのキーで圧電素子に圧力を加えることによりこの圧電素子から発電電力が取り出される構造のキーボード発電装置を提供するものである。
【0007】そしてこのキーボード発電装置をノート型パソコン等の情報処理機器に組み込み、このキーボード発電装置から供給される電力を電源として情報処理機器を駆動させることにより、情報処理機器は外出先等においてもバッテリーを必要とすることなく使用することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態例について詳細に説明する。図1は情報処理機器の一例としてノート型のパソコン(パーソナルコンピュータ)1を示しており、2はパソコン本体、3はディスプレイ部である。
【0009】パソコン本体2の上面側には文字や記号などを入力するためのキーボード4が配設され、一方ディスプレイ部3の正面には画像を表示するLCD(液晶表示パネル)5が設けられており、このディスプレイ部5はパソコン本体2に対し折り畳み自在に構成されている。
【0010】パソコン本体2は、図2のようにCPU(中央処理装置)6、ハードディスクドライブ装置7、メモリ(RAM)8、キーボードコントローラ9、LCDコントローラ10などが内部のマザーボード11に実装され、あるいは接続されて構成されている。尚、この他にもパソコン本体2には、必要に応じてフロッピーディスクドライブ装置やCD−ROM装置、モデム装置などが内部に組み込まれ、あるいは外部から接続されるようになっている。
【0011】そしてこのノート型パソコン1においては、キーボード4の部分の内部に本発明によるキーボード発電装置が組み込まれており、このキーボード発電装置から供給される電力を電源としてパソコン全体が駆動されるようになっている。
【0012】即ちこのキーボード発電装置は、キーボード4のキーを押す力によって発電が行なわれるもので、図3に示す如くこのキーボード発電装置12で発電された電力は蓄電回路13のコンデンサ(あるいは蓄電池)に蓄えられ、電圧制御回路14を介してマザーボード11の電源回路に供給される。
【0013】図4に本発明によるキーボード発電装置12の具体的な構成例を示す。図において16はキーボード4のキーであり、このキー16の直下にはスイッチユニット17が設けられている。キー16はその中心部から下方に延設されるロッド16aの部分においてスイッチユニット17に上下方向に移動可能に支持されている。
【0014】スイッチユニット17はキーボードベースの回路基板18上に固定されているもので、その内部にはスイッチ機構及びスプリング機構が組み込まれており、即ちキー16を指で押すとスイッチ機構によって電気的スイッチングが行なわれ、指を離すとスプリング機構によってキー16が元の高さ位置に弾性的に復帰されるようになっている。
【0015】そしてこの構成において本例では、キー16のロッド16aと回路基板18との間に本発明によるキーボード発電装置12が構成されている。
【0016】即ち、本例においてはキー16のロッド16aの下端部16bがスイッチユニット17から突出し、これに対応して回路基板18側には圧電素子21が配置されている。
【0017】この場合、図5及び図6に示す如く回路基板18にコ字形の溝19を形成することによってこの溝19に囲まれた部分を弾性可撓部20とし、この弾性可撓部20上の先端に圧電素子21を接着または接合によって取り付けた構造としてある。またこの圧電素子21の接続配線は回路基板18上にスイッチ配線と並存してプリント(印刷)により形成するようにする。
【0018】そして以上の如く構成されるキーボード発電装置12において、図4(A)に示す通常の状態からキーボード4のキー16を押すと、図4(B)に示すようにキー16のロッド16aの下端部16bが圧電素子21を押してこれに圧力を加える状態となる。圧電素子21は圧力による歪みを電気に変換する素子であるため、このようにキー16のロッド16aで圧力を加えられることにより起電圧が発生し、これが発電電力として取り出される。
【0019】この発電動作においては、図で明らかなように弾性可撓部20が下方に撓むことにより、圧電素子21に圧力をより確実に加えることができるので、安定した発電電力を得ることができる(弾性可撓部20がない場合、瞬間の圧力のみによる発電となるため、安定した電力が得られない)。
【0020】そしてキー16を押す力を解除し、キー16が図4(A)に示す元の高さ位置に戻ると、圧電素子21に対する圧力が解放されるので、弾性可撓部20も元の状態に戻る。
【0021】この発電動作において圧電素子21は、圧力が加わったときに一度プラスの電圧を発生し、圧力が解放されたときに今度は逆方向の電圧を発生するので、両方を電力として得られる回路構成とすることでより安定した電力を得ることができる。その回路構成例を図7に示す。
【0022】このようにして本例のキーボード発電装置12では、キーボードのキー16を押す力を利用して安定した発電電力が得られるものである。
【0023】そしてこのキーボード発電装置から供給される電力を電源として例えば図1に示す如きノート型パソコン1を駆動させることにより、このノート型パソコン1は外出先等においてもバッテリーを必要とすることなく使用することができる。
【0024】一般にパソコンのキーボードでは数十〜百個程度のキーを有するため、これら全てのキーに本発明によるキーボード発電装置を備えることにより、パソコンの駆動に充分な電力が得られるものである。また、全てのキーでなくとも、使用頻度の高いキー(例えばEnterキー、Spaceキーなど)にのみ本発明によるキーボード発電装置を備えるようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】以上に説明した如く本発明のキーボード発電装置によれば、キーボードのキーを押す力を利用して安定した発電電力を得ることができる。そしてこのキーボード発電装置を備えた情報処理機器は、バッテリーを必要とすることなく使用することができるので、バッテリー切れによる使用時間の制約を受けることがなく、またバッテリーが不要となることで経済的にも大きな効果が期待でき、さらには環境問題にも有効である。
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成11年11月30日(1999.11.30)
【代理人】 【識別番号】100080883
【弁理士】
【氏名又は名称】松隈 秀盛
【公開番号】 特開2001−154783(P2001−154783A)
【公開日】 平成13年6月8日(2001.6.8)
【出願番号】 特願平11−340272