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【発明の名称】 プログラマブルコントローラ
【発明者】 【氏名】内山 良一

【要約】 【課題】サージを抑制すると共に、信号の応答速度の遅れが出来るだけ小さいことがプログラマブルコントローラのユーザにとって最も重要なことである。このバランスを考慮したサージの抑制が要求される。

【解決手段】負荷を駆動する駆動素子のゲートに与える電圧の変化速度を可変にする互いに値の異なるCR定数を持つ遅延回路を複数個備え、サージレベルを検出し、そのサージレベルがある値以下となりかつ最も出力信号の遅れの小さいCR定数を持つ遅延回路を選択し、接続する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】制御対象となる装置を制御する出力信号を発行する演算制御部と、前記出力信号を複数の端子の1つにスイッチングするスイッチ回路と、前記端子にそれぞれ接続され互いに値の異なる複数の前記出力信号の変化速度を遅らせる素子を含む出力遅延回路と、前記出力遅延回路の制御を受け前記制御対象となる装置の負荷を制御する負荷制御回路と、サージをモニタしサージレベルがある決められた範囲内かを判定する判定回路と、前記判定回路の出力を受けサージレベルがある決められた範囲に入るよう前記スイッチ回路のスイッチングの切り替えを制御するスイッチ制御回路とを備えたことを特徴とするプログラマブルコントローラ。
【請求項2】前記スイッチ制御回路は、前記スイッチ回路をサージレベルが前記ある決められた範囲に入って、且つ前記出力信号の変化速度をを最も少なく遅らせる端子にスイッチングするよう制御することを特徴とする請求項1記載のプログラマブルコントローラ。
【請求項3】前記出力制御回路は一端が前記スイッチ回路の前記端子のそれぞれに接続され他端がコンデンサに接続された互いに抵抗値の異なる抵抗器を含むことを特徴とする請求項1記載のプログラマブルコントローラ。
【請求項4】制御対象となる装置を制御する出力信号を発行する演算制御部と、前記出力信号を複数の端子の1つにスイッチングするスイッチ回路と、前記端子にそれぞれ接続され互いに値の異なる複数の前記出力信号の変化速度を遅らせる素子を含む出力遅延回路と、前記出力遅延回路の制御を受け前記制御対象となる装置の負荷を制御する負荷制御回路と、前記演算制御部にあって前記スイッチ回路の接続先の端子を指定する制御プログラムを備えたことを特徴とするプログラマブルコントローラ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大きなサージを発生する誘導負荷を駆動するのに適したプログラマブルコントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来方式について、図1、図2により以下説明する。図1にプログラマブルコントローラの出力回路の回路構成例及び出力回路に例えば電磁弁などの誘導負荷を接続した例を示す。演算制御部(図示せず)からのプログラムコントローラが制御対象を制御するための出力信号1が出力信号を絶縁して外部へ伝えるフォトカプラ2に与えられる。フォトカプラ2からの出力信号はこれを電流増幅し、外部の負荷をON/OFF駆動するトランジスタ3に与えられる。トランジスタ3は外部の負荷を駆動する。外部では駆動しようとする誘導負荷4とこの誘導負荷4を動かすための電源5が接続されている。
【0003】図2に演算制御部からの出力信号1の波形Aと誘導負荷をON/OFFする信号6の波形Bのそれぞれのタイムチャートを示す。図示のように、信号1がOFFからONに変化するときは、誘導負荷はOFFからONに特段の波形の乱れなく動作するが、信号1がONからOFFに変化する時は、誘導負荷が接続されている場合では逆起電力が発生し、大きなサージ7を発生する。これは誘導負荷のインダクタンスが大きければ大きい程サージは大きく、且つノイズが大きいものとなる。
【0004】このサージに起因するノイズは、出力回路の出力端子よりプログラマブルコントローラの内部に入り込み、プログラマブルコントローラの内部の制御回路が最悪の場合には誤動作に至ってしまう。このとき、フォトカプラ2によりノイズは低減されるが十分ではない。さらに、このノイズは外部へ出るか、負荷の電源5に入るかして悪影響をもたらす。
【0005】この対処として、従来では、誘導負荷4に並列にコンデンサと抵抗器が直列に構成されたサージキラー8を接続し、誘導負荷4から発生するサージを吸収し、抑える方法、あるいは出力部の出力端子部にダイオードを設け、ここでサージをカットする方法が知られている。
【0006】しかし、誘導負荷のインダクタンスが大きくなるにつれて、サージレベルやエネルギーが大きくなり、従来の方法ではサージの吸収やカットには限界があるため、大きい誘導負荷に対しては、コントローラ内部への侵入を抑えきれず、誤動作の可能性がある。
【0007】更に、特開平6−291631号公報に記載のように駆動素子のゲートに選択的に抵抗を入れ抵抗値を変化させ、ゲート電圧の増加あるいは減少させる速度を遅くして、ノイズ並びにサージ電圧を抑制する方法がある。この方法ではサージ電圧を抑制する効果はあるが、信号の応答速度が遅くなると言う特性が付随する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のサージキラーの挿入では、比較的大きな誘導負荷のON/OFF駆動に伴い発生するサージを抑えきれず、その効果は十分ではない。
【0009】プログラマブルコントローラには種々の負荷が接続され、それが誘導負荷である場合にもそのインダクタンスの大きさはさまざまである。一方、サージが抑制されればそれで良いものではなく、信号の応答速度の遅れ(以下単に遅れという)が出来るだけ小さいことがプログラマブルコントローラのユーザにとって最も重要なことである。先に述べた駆動素子に抵抗を接続しそれを変化させる方法では遅れとのバランスが考慮されていず、単にサージの低減について述べられている。更に、プログラマブルコントローラのユーザの使用環境や、装置のノイズ対策の度合いなどから、ユーザによっては遅れを重視する場合もあるし、サージによるノイズを重視する場合もある。従来の技術では、このようなユーザの設計思想を反映することが出来なかった。
【0010】従って、本発明の目的は、遅延とのバランスを考慮しながら誘導負荷から発生するサージを抑えるプログラマブルコントローラを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】負荷を駆動する駆動素子のゲートに与える電圧の変化速度を可変にする互いに値の異なるCR定数を持つ回路を複数個備え、一方サージレベルを検出し、サージレベルがある値以下となる最も遅れの小さいCR定数を持つ回路を選択し、接続する。また、ユーザによりプログラマブルコントローラの制御プログラムにあるCR定数を持つ回路を指定する情報を組み込むことも出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】図4により、本発明の原理を説明する。従来では、図2に示すように、負荷がON→OFFに変化した時、サージ7が発生していた。これは誘導負荷の逆起電力の原理で発生するもので、ON→OFFの切り替わる速度が速いほど、サージレベルが大きくなる。従って、このON→OFFの切り替わる速度をどんどん遅くしてゆくと(図4の例ではAのSW−1 → SW−4)、図4のBの波形に示すように、サージレベルが小さくなる。
【0013】本発明は、負荷で発生するサージレベルを検出し、サージが図4のBのサージ検出レベル50以下になるように、このSW−1〜SW−4を切替え、自動的に調整するものである。なお、またユーザがユーザの設計思想に基づいてプログラマブルコントローラの制御プログラムによってSWの一つを指定することも可能である。
【0014】この原理を応用した一実施例を以下に説明する。図3に、本発明の実施例を示す。図で演算制御部100は制御のための一般のプログラムと本実施例でのスイッチを指定するプログラムを含む制御プログラムと、出力IC9と、詳細を後述するSWIC切り替え制御部19とを有する。演算制御部100の演算結果21を出力する時、この出力は出力IC9の出力ポート22に出力される。この出力信号10は出力回路200に与えられ、外部へと出力される。なお、図示していないがプログラマブルコントローラは入力回路も備えており、出力対象から得られる情報を合わせて制御プログラムで演算を行なう。更に、入力回路からは上記の本実施例でのスイッチの指定の入力も出来る。
【0015】次に、出力回路200について詳述する。スイッチ機能内蔵IC12は出力IC9のポート22から出力される演算出力である出力信号10を入力とし、出力ICのポート23から与えられる制御信号に従って、出力信号10を複数の(本実施例では4個の)端子のいずれかにスイッチングする。4個は例であってより精密な制御を望む場合は数を増やしても良い。これらの端子はそれぞれ抵抗値の異なる4種類の抵抗器13(R1〜R4、R1が最も抵抗値が低く、R4が最も抵抗値が高い)の1つに接続される。抵抗器13の他端は共通にコンデンサ15に接続されており、抵抗器13とコンデンサ15で出力遅延回路が構成されている。FET14はコンデンサ15の電圧を電流に変換する働きをする。一方、出力信号10がOFFからONに切り替わるときは信号はダイオード11を通って抵抗値はほとんどなく遅延時間なしでFET14に与えられるように構成されている。FET14はさらにフォトカプラ2に接続され、フォトカプラ2の出力は従来と同様に出力用トランジスタ3のゲートに与えられ、出力用トランジスタ3により外部負荷4のON/OFFが制御される。
【0016】本実施例ではサージ電圧がフォトカプラ24でモニタされ、コンデンサ25によりサージピークホールド信号16が得られる。サージピークホールド信号16は比較器17である電圧、すなわち、図4でのサージ検出レベル50に当たる電圧と比較され、サージピークホールド信号16がサージ検出レベル50より高いとき“1”、低いとき“0”となる比較器出力信号18が出力される。比較器出力信号18はSWIC切り替え制御部19に入力される。SWIC切り替え制御部19の出力は出力IC9のポート23に与えられる。
【0017】次に、出力信号10がONからOFFへ変化した場合の動作を説明する。プログラマブルコントローラに負荷4を接続したときの初期の状態では、スイッチ機能内蔵IC12では出力信号1は抵抗値が最も低いR1の端子にスイッチングされている。このときサージがどの程度大きいかは制御対象となる誘導負荷のインダクタンスの大きさによる。このときのサージレベルによって、前述の構成に従い、SWIC切り替え制御部19に入力される比較器出力信号18の値が決まる。もし、これが“0”であれば既に、サージレベルはサージ検出レベル50より小さく悪影響を与えないレベルであるとされるから、スイッチ機能内蔵IC12でのそのスイッチング状態を維持させる。比較器出力信号の値が“1”であればサージレベルはサージ検出レベル50を超えていることを示すから、SWIC切り替え制御部19は出力IC9のポート23を通してスイッチ機能内蔵IC12に次に抵抗値の高いR2にスイッチングさせる。こうすることにより、出力信号10の変化の速度がより遅くなるからサージレベルは下がる。以下同様にして、比較器出力信号18の値が“0”となるまでスイッチ機能内蔵IC12に、より高い抵抗値を持つ端子に切り替えさせる。この信号が“0”であることを検出した時点で、スイッチ機能内蔵IC12での切替えは変更せず、固定し、維持する。以上の動作で、負荷にて発生するサージが基準値以下になり、且つ出力信号の遅れは最小限になるように制御ができる。
【0018】以上が自動制御によるサージレベルの制御である。以下に、上記実施例と同じ出力信号の遅延回路及びスイッチング回路を使った他の実施例を説明する。
【0019】ユーザによって、サージレベルを重視するか、出力信号の切り替え速度を重視するかは異なる。サージレベルを重視する場合には近くにノイズに弱い装置がある環境で使用する場合やサージキラーなどを使っていない場合などがある。また、出力信号の切り替え速度を重視する場合は、即応性が厳しく求められる制御対象装置を扱う場合や、ノイズ対策の必要性の少ない環境で使用する場合などである。
【0020】制御プログラムの中にスイッチ機能内蔵ICでのスイッチングをユーザが指定する部分を設ける。これを符号20で表す。ここであるスイッチング(例えば、R2につながる端子2との接続)を指定するとこれが出力ICのポート23に与えられ指定されたスイッチングがスイッチ機能内蔵IC12内で行なわれる。上記実施例では2つのラダー回路で4つの端子を選択しているが、1つの端子に1つのラダー回路を対応させてもよい。ポート23では制御プログラムからのスイッチングの指定がある場合はそれをSWIC切り替え制御部19からの信号に優先させる。以上の実施例ではユーザの要求に合致した出力信号の遅れと、サージレベルの大きさが実現出来る。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、適正な出力信号の遅れで、プログラマブルコントローラの出力に接続された誘導負荷より発生するサージを抑えることの出来るプログラマブルコントローラが実現できる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成12年4月18日(2000.4.18)
【代理人】 【識別番号】100068504
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男 (外2名)
【公開番号】 特開2001−306109(P2001−306109A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−122366(P2000−122366)