| 【発明の名称】 |
制御機器のプログラム作成方法及び装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】唐木 崇行
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| 【要約】 |
【課題】画面上で作成・編集した状態遷移図から制御プログラムを生成し、逆に制御機器から読み出した制御プログラムから状態遷移図を復元するシステムにおいて、状態遷移図の作図自由度を高め、視覚的に制御全体を把握し易くする。
【解決手段】状態シンボル、遷移シンボル及びデータシンボルを用いて画面上で状態遷移図を作成・編集する編集処理部11と、各シンボルの画面上の位置情報を含む座標データを記憶するシンボル情報記憶用メモリ13と、各シンボルに対応させて、動作又は遷移条件を記述した状態プログラムを記憶する状態プログラム記憶用メモリ14と、状態プログラム記憶用メモリ14の記憶内容等に基づいて、制御機器が解釈し実行することができるプログラムコードを生成し記憶する変換処理部19及びプログラム記憶用メモリ21と、シンボル情報記憶用メモリ13に記憶された座標データと、プログラム記憶用メモリ21に記憶されたプログラムコードとを関連付けて格納する補助記憶装置とを備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】制御状態を表す状態シンボルと制御状態間の遷移経路を表す遷移シンボルとを用いて画面上で状態遷移図を作成・編集するステップと、画面上に配置された各シンボルに対応させて、その制御状態で実行する動作又はその遷移条件を記述する状態遷移プログラムを作成するステップと、画面上に配置された複数のシンボル間の関連情報を生成するステップと、前記状態遷移プログラム及び前記シンボル間の関連情報に基づいて、制御機器が解釈し実行することができるプログラムコードを生成するステップと、各シンボルの画面上の位置情報を含む座標データを生成するステップと、前記プログラムコードと前記座標データとを関連付けて格納するステップと、少なくとも前記プログラムコードを前記制御機器に転送するステップとを有する制御機器のプログラム作成方法。 【請求項2】前記状態遷移図を作成・編集するステップが、制御機器から読み出したプログラムコードと、該プログラムコードを生成した際に該プログラムコードに関連付けて格納した座標データとに基づいて、編集可能な状態遷移図を画面上に再現するステップを含んでいることを特徴とする請求項1記載の制御機器のプログラム作成方法。 【請求項3】前記状態遷移図を作成・編集するステップにおいて、前記状態シンボルと前記遷移シンボルに加えて、前記制御状態で実行する動作の記述において指定するデータ領域を表すデータシンボルと、該データシンボルと他のシンボルとを関連付ける関連付けシンボルとを使用することを特徴とする請求項1又は2記載の制御機器のプログラム作成方法。 【請求項4】制御機器のプログラムを作成・編集するプログラム作成装置であって、制御状態を表す状態シンボルと制御状態間の遷移経路を表す遷移シンボルとを用いて画面上で状態遷移図を作成・編集する編集処理部と、各シンボルの画面上の位置情報を含む座標データを記憶するシンボル座標データ用メモリと、画面上に配置された各シンボルに対応させて、その制御状態で実行する動作又はその遷移条件を記述した状態遷移プログラムを記憶する状態遷移プログラム用メモリと、前記座標データと前記状態遷移プログラムとに基づいて状態遷移図を画面上に表示する描画処理部と、画面上に配置された複数のシンボル間の関連情報を生成し記憶するための関連決定処理部及び関連決定データ用メモリと、前記状態遷移プログラム用メモリの記憶内容と前記関連決定データ用メモリの記憶内容とに基づいて、制御機器が解釈し実行することができるプログラムコードを生成し記憶するための変換処理部及びプログラムコード用メモリと、前記シンボル座標データ用メモリに記憶された座標データと、前記プログラムコード用メモリに記憶されたプログラムコードとを関連付けて格納する補助記憶装置と、少なくとも前記プログラムコードを制御機器に転送する送信処理部とを備えている制御機器のプログラム作成装置。 【請求項5】制御機器からプログラムコードを読み出すための受信処理部と、読み出したプログラムコードに関連付けられた座標データを前記補助記憶装置から読み出して前記シンボル座標データ用メモリに記憶させる読み出し処理部と、前記制御機器から読み出したプログラムコードを逆変換して各シンボルに対応する状態遷移プログラムを生成し、状態遷移プログラム用メモリに記憶させる逆変換処理部とを更に備えている請求項4記載の制御機器のプログラム作成装置。 【請求項6】制御状態を表す状態シンボルと制御状態間の遷移経路を表す遷移シンボルとを用いて画面上で状態遷移図を作成・編集するステップと、画面上に配置された各シンボルに対応させて、その制御状態で実行する動作又はその遷移条件を記述する状態遷移プログラムを作成するステップと、画面上に配置された複数のシンボル間の関連情報を生成するステップと、前記状態遷移プログラム及び前記シンボル間の関連情報に基づいて、制御機器が解釈し実行することができるプログラムコードを生成するステップと、各シンボルの画面上の位置情報を含む座標データを生成するステップと、前記プログラムコードと前記座標データとを関連付けて格納するステップと、少なくとも前記プログラムコードを制御機器に転送するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、制御機器のプログラム作成方法及び装置に関し、詳しくは、画面上で状態遷移図を作成・編集することにより、制御機器が解釈し実行することができるプログラムコードを生成する方法と装置に関する。 【0002】 【従来の技術】制御機器のプログラムを作成するに際し、制御プログラムの全体を視覚的に把握する方法として、複数の制御状態間の遷移関係を所定のシンボルを用いて作図する状態遷移図が広く用いられている。例えば、ボックス状の状態シンボルで各制御状態を描き、矢印の遷移シンボルで制御状態間の遷移関係を描く。そして、各制御状態の説明や遷移条件を付記する。 【0003】また、プログラマブルコントローラのような制御機器のプログラムをコンピュータ等の画面上で作成・編集した状態遷移図から自動生成するシステムも実用化されている。このような産業用の制御プログラムの自動生成に適した状態遷移図として、SFC(Sequential Function Chart)が現在は最も一般的である。 【0004】SFCでは、制御状態を表すボックス状の図形シンボルと制御状態間の遷移経路を表す水平又は垂直方向の矢印直線を用いて状態遷移図を作成する。そして、各制御状態で実行する動作をIL(Instruction List)等の言語を用いて記述する。こうして作成された作図情報を含む制御プログラムはプログラマブルコントローラにダウンロードして実行することができる。 【0005】逆に、プログラマブルコントローラにダウンロードされたプログラムをコンピュータ等で読み出して、画面上に状態遷移図を再現し、編集することができる。プログラマブルコントローラの制御プログラムにあっては、現場における調整が不可欠であるため、状態遷移図から制御プログラムを生成するだけではなく、制御プログラムを読み出して現場調整の結果を反映した状態遷移図を復元し、編集する機能を備えていることが望ましい。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のSFCを利用した制御プログラム作成システムでは、状態遷移図の作成・編集(すなわち作図)に関して次のような制限があった。つまり、制御が上から下へ流れる一方向性を前提としている。そして、遷移経路を表すシンボルは、水平又は垂直方向の直線を繋いで描かなければならず、斜めの線は許されない。このような作図上の制限は、上述の現場調整結果を反映した制御プログラムから状態遷移図を復元する機能を実現するための代償と言える。 【0007】つまり、制御機器にダウンロードされたプログラムから状態遷移図を復元するには、そのプログラムに作図情報が含まれていなければならないが、この作図情報は制御機器の動作には不要な情報である。作図の自由度を高くすればするほど、制御機器の動作に必要なプログラムに付加される不要な作図情報の割合が大きくなり、制御機器の内蔵メモリの空き容量が圧迫されることになる。このような理由で、従来のSFCを利用した制御プログラム作成システムでは、状態遷移図を単純化して作図の自由度を低く抑えている。 【0008】このため、制御が一方向に流れない制御プログラム、例えば温度調節のように複数の制御状態間を行き来する制御プログラムの場合は、視覚的に把握しづらい状態遷移図とならざるを得なかった(図6(a)参照)。 【0009】また、従来は座標管理はしておらず、セルでの管理をしているので、逆コンパイルしたときに、各シンボルが初期作画時の配置にならない。 【0010】また、従来のSFCを利用した制御プログラム作成システムでは、制御状態間の関連性は状態遷移のみによって表現される。このため、ある制御状態で書き込んだデータを他の制御状態で参照するといったデータを介した関係が制御状態間にあっても、それを視覚的に把握できるように表現することができなかった。このようなデータを介した制御状態間の関係は制御プログラムでは頻繁に発生するので、これを視覚的に表現する方法が望まれていた。 【0011】本発明は、上記のような従来の問題点に鑑みて為されたものであり、コンピュータ等を用いて画面上で作成・編集した状態遷移図から制御プログラムを生成し、逆に制御機器から読み出した制御プログラムから状態遷移図を復元するシステムにおいて、状態遷移図の作図自由度を高めるとともに、視覚的に制御全体を把握しやすくすることを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明による制御機器のプログラム作成方法は、制御状態を表す状態シンボルと制御状態間の遷移経路を表す遷移シンボルとを用いて画面上で状態遷移図を作成・編集するステップと、画面上に配置された各シンボルに対応させて、その制御状態で実行する動作又はその遷移条件を記述する状態遷移プログラムを作成するステップと、画面上に配置された複数のシンボル間の関連情報を生成するステップと、状態遷移プログラム及びシンボル間の関連情報に基づいて、制御機器が解釈し実行することができるプログラムコードを生成するステップと、各シンボルの画面上の位置情報を含む座標データを生成するステップと、プログラムコードと座標データとを関連付けて格納するステップと、少なくともプログラムコードを制御機器に転送するステップとを備えている。 【0013】上記のようなプログラム作成方法によれば、画面上で作成・編集される状態遷移図を構成する各シンボルの位置情報を含む座標データを生成し、状態遷移図から生成されたプログラムコードと座標データとを関連付けて格納するので、各シンボルの配置、方向等のプロパティを位置情報に含めて保存しておくことができる。この結果、作図の自由度が高くなり、視覚的に把握しやすい状態遷移図を作成することが可能になる。 【0014】好ましくは、状態遷移図を作成・編集するステップが、制御機器から読み出したプログラムコードと、該プログラムコードを生成した際に該プログラムコードに関連付けて格納した座標データとに基づいて、編集可能な状態遷移図を画面上に再現するステップを含んでいる。これにより、従来のSFCを利用した制御プログラム作成システムと同様に、制御機器から読み出したプログラムコードに基づいて、現場調整の結果を反映した状態遷移図を復元し、編集することができる。しかも、以前にプログラムコードを作成した際に作画した視覚的に把握しやすい状態遷移図を復元することができる。 【0015】また、状態遷移図を作成・編集するステップにおいて、状態シンボルと遷移シンボルに加えて、制御状態で実行する動作の記述において指定するデータ領域を表すデータシンボルと、該データシンボルと他のシンボルとを関連付ける関連付けシンボルとを使用することが好ましい。このような構成によれば、データを介した制御状態間の関係を視覚的に把握できる状態遷移図の作成が可能となる。なお、制御状態間の遷移経路を表す遷移シンボルを関連付けシンボルとして兼用してもよい。 【0016】本発明による制御機器のプログラム作成装置は、上記のようなプログラム作成方法を実現するための装置であって、制御状態を表す状態シンボルと制御状態間の遷移経路を表す遷移シンボルとを用いて画面上で状態遷移図を作成・編集する編集処理部と、各シンボルの画面上の位置情報を含む座標データを記憶するシンボル座標データ用メモリと、画面上に配置された各シンボルに対応させて、その制御状態で実行する動作又はその遷移条件を記述した状態遷移プログラムを記憶する状態遷移プログラム用メモリと、前記座標データと前記状態遷移プログラムとに基づいて状態遷移図を画面上に表示する描画処理部と、画面上に配置された複数のシンボル間の関連情報を生成し記憶するための関連決定処理部及び関連決定データ用メモリと、状態遷移プログラム用メモリの記憶内容と関連決定データ用メモリの記憶内容とに基づいて、制御機器が解釈し実行することができるプログラムコードを生成し記憶するための変換処理部及びプログラムコード用メモリと、シンボル座標データ用メモリに記憶された座標データと、プログラムコード用メモリに記憶されたプログラムコードとを関連付けて格納する補助記憶装置と、少なくとも前記プログラムコードを制御機器に転送する送信処理部とを備えている。 【0017】また、制御機器からプログラムコードを読み出すための受信処理部と、読み出したプログラムコードに関連付けられた座標データを補助記憶装置から読み出してシンボル座標データ用メモリに記憶させる読み出し処理部と、制御機器から読み出したプログラムコードを逆変換して各シンボルに対応する状態プログラムを生成し、状態遷移プログラム用メモリに記憶させる逆変換処理部とを更に備えていることが好ましい。 【0018】本発明によるコンピュータ読取り可能な記録媒体は、制御状態を表す状態シンボルと制御状態間の遷移経路を表す遷移シンボルとを用いて画面上で状態遷移図を作成・編集するステップと、画面上に配置された各シンボルに対応させて、その制御状態で実行する動作又はその遷移条件を記述する状態遷移プログラムを作成するステップと、画面上に配置された複数のシンボル間の関連情報を生成するステップと、状態遷移プログラム及びシンボル間の関連情報に基づいて、制御機器が解釈し実行することができるプログラムコードを生成するステップと、各シンボルの画面上の位置情報を含む座標データを生成するステップと、プログラムコードと前記座標データとを関連付けて格納するステップと、少なくとも前記プログラムコードを制御機器に転送するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したものである。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。 【0020】図1は、本発明の実施形態に係る制御機器のプログラム作成支援システムの構成を示すブロック図である。このシステムは、編集処理部11、座標調整処理部12、シンボル情報記憶用メモリ(シンボル座標データ用メモリ)13、状態プログラム記憶用メモリ(状態遷移プログラム用メモリ)14、描画処理部15、ディスプレイ16、関連決定処理部17、関連データ記憶用メモリ(関連決定データ用メモリ)18、変換処理部19、逆変換処理部20、プログラム記憶用メモリ(プログラムコード用メモリ)21、保存処理部22、読み出し処理部23、プログラムファイル24、座標データファイル25、送受信処理部26を備えている。 【0021】このような制御機器のプログラム作成支援システムは、例えばパーソナルコンピュータ(以下、PCと略記する)と専用のソフトウェアによって構成される。この場合、ディスプレイ16はPCのCRT又はLCDディスプレイで構成される。シンボル情報記憶用メモリ13、状態プログラム記憶用メモリ14、関連データ記憶用メモリ18及びプログラム記憶用メモリ21はPCの主メモリ上に備えられる。プログラムファイル24及び座標データファイル25は、ハードディスクドライブ装置のような補助記憶装置内に保存される。また、その他の各処理部は、PCの主メモリにロードされる専用のソフトウェアとPCの中央処理装置(CPU)等の各ハードウェアとで構成される。 【0022】例えば、編集処理部11は、マウス等のポインティングデバイスやキーボードの操作によって、ディスプレイ16上に状態遷移図を作成する処理を行う。送受信処理部26は、PCに備えられたRS−232C、USB等の通信インターフェイスを用いて、プログラマブルコントローラ等のターゲット機器27と通信を行い、ターゲット機器27にプログラムコードをダウンロードし、あるいはターゲット機器27からプログラムコードを読み出す。 【0023】PC上で作動する専用ソフトウェアは、CD−ROM、MO等のリムーバブル記憶媒体に記録されて供給される。そして、PCに接続され、又はPCに内蔵されたCD−ROMドライブ、MOドライブ等の装置によって記憶媒体から専用ソフトウェアが読み出され、補助記憶装置にインストールされる。この後、主メモリ上にロードされて実行される。但し、ネットワークで接続されたサーバから専用ソフトをPCへダウンロードして実行することも可能である。 【0024】以下、図1の各部が実行する処理の詳細を図2から図5のフローチャートに沿って説明する。 【0025】図2は、図1の構成を有するプログラム作成支援システムを用いて画面上で編集した状態遷移図から制御プログラムを生成し、ターゲット機器27にプログラムコードをダウンロードするまでの処理を示すフローチャートである。 【0026】まず、ステップ#101でユーザは編集処理を実行する。つまり、PCのキーボード、マウス等を用いて、ディスプレイ16上で状態遷移図の作成、編集を行う。この処理は、図3のフローチャートを用いて後で詳しく説明するが、編集処理部11及び座標調整処理部12が主として実行する。 【0027】続くステップ#102において、ユーザは所定のツールボタンを押下することにより、プログラム変換を実行する。つまり、状態遷移図を定義するデータのうちの状態プログラムを変換し、ターゲット機器27が解釈し実行することができるプログラムコードを生成する。この処理は、図4のフローチャートを用いて後で詳しく説明するが、関連決定処理部17及び変換処理部19が主として実行する。 【0028】次のステップ#103において、ユーザは所定のツールボタンを押下することにより、プログラム保存を実行する。保存処理部22が起動され、保存処理部22は、ステップ#101で生成された状態遷移図を定義するデータのうちの座標データ及びステップ#102で生成されたプログラムコードを各別のファイル24,25として保存する。 【0029】最後のステップ#104において、ユーザは所定のツールボタンを押下することにより、プログラム転送を行う。送受信処理部26が起動され、送受信処理部26は、ステップ#103でプログラムファイル24に保存されたプログラムコードをターゲット機器27に転送する。ターゲット機器27は、予め搭載しているソフトウェアによって、転送されたプログラムコードを解釈し、実行する。 【0030】図3は、図2のフローチャート中の編集処理(ステップ#101)の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップ#201でシンボルの配置を行う。つまり、各状態を表す状態シンボル(ボックス)、データ領域を表すデータシンボル(ボックス)、及び遷移経路を表す遷移シンボル(矢印)を画面上に配置する。これらのシンボルはマウス等のポインティングデバイスを用いて画面上の任意の位置に配置することができる。但し、制御プログラム全体の流れを視覚的に把握しやすいように配置を工夫することが望ましい。 【0031】配置された各シンボルの座標は、配置操作が終了するたびに、シンボル情報記憶用メモリ13にリスト構造で記憶されていく。新規にシンボルを配置したときはリストに新規要素が追加される。すでに配置されているシンボルの位置を変更したときは、リスト中の対応する要素の座標情報が変更される。すなわち、1つのシンボルとリスト中の1つの要素とが対応している。リストの各要素は、対応するシンボルの座標情報の他に、シンボルのIDや後述するプロパティの情報も有する。 【0032】各シンボルが配置され、シンボル情報記憶用メモリ13のリスト情報が更新されると、座標調整処理部12が起動される。例えば、編集ソフトウェアのユーザ設定において、グリッドスナップの指定が行われている場合は、シンボルの座標が近くのグリッド座標に揃うように調整される。また、遷移シンボルの始点座標と終点座標が近くの状態シンボル又はデータシンボルに接するように調整される。 【0033】次のステップ#202で、画面上に配置された各シンボルのプロパティが設定される。例えば、シンボル上でマウスの右クリックを行うことにより、そのシンボルのプロパティの設定ダイアログが現れる。シンボルのプロパティには、当該シンボル図形の形状、色、線種等が含まれている。また、データシンボルの場合は、データの個数やデータ構造の特徴(例えば、FIFOであるかスタックであるかの区別)等がプロパティに含まれる。すでに配置されているシンボルに対してこれらのプロパティが設定されたときは、シンボル情報記憶用メモリ13のリスト中の対応する要素のプロパティ情報が変更される。 【0034】次のステップ#203において、画面上に配置されている各シンボルに対してプログラムの記述が行われる。例えばシンボル上でマウスのダブルクリックを行うことにより、プログラム記述用のテキストエディタのウィンドゥが現れる。BASIC言語、C言語、ラダー言語等を用いてプログラムを記述することができる。状態シンボルでは、その制御状態で実行する動作を記述する。遷移シンボルでは、その遷移条件を記述する。記述されたプログラムは、シンボルと関連付けられたリスト構造で状態プログラム記憶用メモリ14に記憶されていく。 【0035】上記のような編集操作によって、画面上に表示される状態遷移図に対応するデータがシンボル情報記憶用メモリ13と状態プログラム記憶用メモリ14に記憶される。つまり、シンボル情報記憶用メモリ13には状態遷移図の各シンボルの座標やプロパティが記憶され、状態プログラム記憶用メモリ14には各シンボルに対応するプログラムのテキストデータが記憶される。描画処理部15は、オペレーティングシステムから再表示の要求を受けるたびに、シンボル情報記憶用メモリ13及び状態プログラム記憶用メモリ14の記憶内容にしたがってディスプレイ16上に状態遷移図を再表示する。 【0036】図4は、図2のフローチャート中のプログラム変換(ステップ#102)の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップ#301で関連決定処理部17が起動される。関連決定処理部17は、ユーザが配置した各シンボルの座標情報から制御状態間の遷移関係を決定する。 【0037】例えば、ある遷移シンボルの起点が状態シンボルAに接しており、その終点が別の状態シンボルBに接している場合、関連決定処理部17は、状態シンボルAの制御状態から状態シンボルBの制御状態への遷移が記述されていると判断する。 【0038】また、別の遷移シンボルの起点が状態シンボルAに接しており、その終点がデータシンボルCに接している場合、関連決定処理部17は、状態シンボルAに対応して記述されているプログラム中のデータ書き込み命令はすべてデータシンボルCのデータ領域への書き込みであると判断する。 【0039】更に、別の遷移シンボルの起点がデータシンボルCに接しており、その終点が状態シンボルAに接している場合、関連決定処理部17は、状態シンボルAに対応して記述されているプログラム中のデータ読み出し命令はすべてデータシンボルCのデータ領域からの読み出しであると判断する。 【0040】次のステップ#302において、上記のようにしてシンボル情報記憶用メモリ13の内容から関連決定処理部17が判断した制御状態間の遷移関係は、関連データ記憶用メモリ18に記憶される。 【0041】次のステップ#303では変換処理部19が起動される。変換処理部19は、状態プログラム記憶用メモリ14に記憶されている各シンボルに対応するテキストデータ形式のプログラムソースをあらかじめ定められた形式の中間コードに変換する。また、この中間コードと関連データ記憶用メモリ18に記憶されている制御状態間の遷移関係とに基づいて、ターゲット機器27があらかじめ備えたソフトウェアによって解釈し実行することができる形式のプログラムコードを生成する。生成されたプログラムコードは、ステップ#304において、プログラム記憶用メモリ21に記憶される。 【0042】図2に戻って、上記のような状態遷移図の編集処理(ステップ#101)とプログラム変換(ステップ#102)が終わった後のプログラム保存(ステップ#103)では、保存処理部22は、2つのファイルをPCの補助記憶装置内に生成する。1つはプログラムファイル24であり、これは上記のプログラム記憶用メモリ21の記憶内容がそのまま格納されたものである。他の1つは座標データファイル25であり、これは前述のシンボル情報記憶用メモリ13に記憶されている状態遷移図の各シンボルの座標やプロパティがそのまま格納されたものである。 【0043】上記の2つのファイル24,25は、例えばファイル名のボディ部分を共通とし、拡張子のみを変えることによって関連付けられる。一例として、プログラムファイル24は「TEST.PRG」のファイル名で保存され、座標データファイル25は「TEST.DAT」のファイル名で保存される。 【0044】最後のステップ#104におけるプログラム転送では、送受信処理部26はプログラムファイル24に保存されているプログラムコードのみをターゲット機器27に転送する。この実施形態では、ターゲット機器27の動作に不要な座標データファイル25は転送しない。 【0045】図5は、上記の処理とは逆に、ターゲット機器27のプログラムコードを読み出し、逆変換することによって編集可能な状態遷移図を復元するまでの処理を示すフローチャートである。 【0046】ステップ#401において、ユーザが所定のツールボタンを押下することにより送受信処理部26が起動され、ターゲット機器27からプログラムコードが読み出される。 【0047】ステップ#402において、ターゲット機器27から読み出したプログラムコードをプログラムファイル24として補助記憶装置に格納する。この際、ユーザは、プログラムファイル24のファイル名として、以前に状態遷移図からプログラムファイル24を生成したときに使用したファイル名(上記の例では「TEST.PRG」)を指定する。以前のプログラムファイル24が残っていた場合は、その内容がターゲット機器27から読み出したプログラムコードで上書きされる。 【0048】ターゲット機器27のプログラムコードは、現場での調整作業によって、最初に転送(PCからダウンロード)されたときの内容から変更されている可能性がある。しかし、その変更が座標データファイル25の内容と矛盾を生じないように、変更可能な項目に制限が設けられている。例えば、現場調整のために専用のコンソールが用意され、このコンソールに搭載されたソフトウェアによって、座標データファイル25の内容と矛盾が生じる可能性の有る変更は入力することができないようになっている。例えば、BASIC等で記述された状態プログラムの内容のみが変更可能であるように規制されている。 【0049】次のステップ#403において、ユーザが所定のツールボタンを押下すると、読み出し処理部23が起動され、プログラムファイル24と座標データファイル25が読み出される。プログラムファイル24は上記のステップ#402において生成されたファイルであり、座標データファイル25は、以前に状態遷移図からプログラムファイル24を生成したときに同時に生成されたファイルである。前述のように、プログラムファイル24と座標データファイル25はファイル名のボディ部が同一であり、拡張子のみが異なる。したがって、読み出し処理部23は、同一のファイル名(ボディ部)を有するプログラムファイル24と座標データファイル25を関連付けて読み出すことができる。 【0050】読み出された座標データファイル25のデータはシンボル情報記憶用メモリ13が記憶する(ステップ#404)。また、読み出されたプログラムファイル24のデータはプログラム記憶用メモリ21が記憶する(ステップ#405)。 【0051】次のステップ#406において、逆変換処理部20が起動され、プログラム記憶用メモリ21に記憶されている中間コードからプログラムのテキストデータが生成される。このテキストデータは状態プログラム記憶用メモリ14が記憶する(ステップ#407)。 【0052】このようにして、シンボル情報記憶用メモリ13の記憶データと状態プログラム記憶用メモリ14の記憶データとが編集可能な状態になり、描画処理部15によって状態遷移図がディスプレイ16上に表示される。この際、座標データファイル25は、以前に状態遷移図からプログラムファイル24を生成したときに同時に生成され、保存されていたファイルを使用するので、ユーザが視覚的に分かりやすく配置したシンボルの座標等の情報は破壊されずに、そのまま復元される。他方、プログラムファイル24は、現場調整によって所定の制限内で変更された内容が反映された状態から編集が行われることになる。 【0053】図6(a)及び(b)は、単純な温度制御を例にとって、従来のSFCを用いた状態遷移図と本発明によるプログラム作成支援システムにおける状態遷移図とを比較して示したものである。 【0054】図6(a)の従来のSFCを用いた状態遷移図では、制御が上から下へ一方向にのみ流れるように記述するので、このような複数の制御状態間を行き来する制御プログラムの状態遷移図が視覚的に分かり難くなってしまう。 【0055】これに対して、図6(b)の本発明によるプログラム作成支援システムを用いて作成した状態遷移図では、上述のように、各シンボルの座標データファイル25がプログラムファイル24と関連付けられて保存されるので、図6(a)のような制限が無く、斜めの遷移シンボル(矢印)等を自在に用いて視覚的に分かり易いやすい状態遷移図を作成することができる。つまり、手作業によって紙上に筆記用具で状態遷移図を描く場合のように、視覚的、直感的に分かりやすい状態遷移図を画面上で作成することができる。この状態遷移図から生成したプログラムコードをターゲット機器27にダウンロードした後、現場調整によって一定の制限内でプログラムコードを変更した場合にも、そのプログラムコードを読み出して逆変換して得られたプログラムのテキストデータと、そのプログラムファイル24に関連付けられた座標データファイル25とから、以前に作成した状態遷移図をディスプレイ上に復元して再編集を行うことができる。もちろん、現場調整によって変更されたプログラムの内容が反映された状態からの編集となる。 【0056】図7(a)及び(b)は、不良品の検出と排出が非同期で行われる場合の制御プログラムを作成する場合を例にとって、従来の状態遷移図と本発明によるプログラム作成支援システムにおける状態遷移図とを比較して示したものである。 【0057】図7(a)の従来の状態遷移図では、不良品の検出のための制御プログラムに関する状態遷移図(左側)と不良品の排出のための制御プログラムに関する状態遷移図(右側)とを関連付けて表示する方法が無い。しかし、実際の制御では不良品の検出結果に基づいて不良品の排出が行われるので、不良品の検出処理と不良品の排出処理の間で検出結果データの授受が行われる。 【0058】図7(b)の本発明によるプログラム作成支援システムを用いて作成した状態遷移図では、良/不良判定状態を表すシンボル(ボックス)41と不良品排出状態を表すシンボル(ボックス)42との間にデータ領域(バッファ)を表すデータシンボル(ボックス)43が配置されている。そして、状態シンボル41とデータシンボル43との間、及び、データシンボル43と状態シンボル42との間が遷移シンボル(矢印)44及び45で接続されている。 【0059】この場合の遷移シンボル44及び45は、状態の遷移を表すものではなく、データの移動(又は参照)を表すものであるが、シンボル図形は同じ矢印であり、敢えて区別する必要はない。前述のように、遷移シンボルの始点又は終点がデータシンボルに接しておればデータの移動(書き込み又は読み出し)を表すと判断される。つまり、状態シンボル41に対応して記述されるプログラム中のデータ書き込み命令「Post(Data);」はデータシンボル43のデータ領域に対する書き込みであると判断され、状態シンボル42に対応して記述されるプログラム中のデータ読み出し命令「Get(Data);」はデータシンボル43のデータ領域からの読み出しであると判断される。したがって、図7(a)に示す従来の状態遷移図におけるプログラムのように、「Post(Buf, Data);」及び「Get(Buf, Data);」のように、書き込み先及び読み出し先を記述する必要は無い。 【0060】図7(b)に示す本発明のプログラム作成支援システムを用いて作成した状態遷移図では、良/不良判定状態と不良品排出状態との間に、状態遷移は無いがデータの授受があることが一目でわかる。つまり、制御全体の流れを視覚的に把握しやすくなる。なお、この場合も、図1に示したブロック図の各部が図2から図4のフローチャートに従って、ターゲット機器27が解釈し、実行することができるプログラムコードを状態遷移図のデータから生成し、逆にターゲット機器27から読み出したプログラムコードと座標データファイル25から再編集可能な状態遷移図を復元することができる。 【0061】以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限らず、種々の形態で実施することができる。例えば、上記の実施形態では、プログラムファイルと座標データファイルとを拡張子のみが異なる同一のファイル名で格納することにより、両ファイルを関連付けたが、関連付けの方法はこれに限らず、種々考えられる。例えば共通フォルダに両ファイルを格納することによって関連付けてもよい。この場合は両ファイルのファイル名が異なっていてよい。あるいは、両ファイルに共通の暗号コードを含ませてもよい。更には、両ファイルを1つのファイルにまとめて格納してもよいし、両ファイルをターゲット機器に転送してもよい。 【0062】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明の制御機器のプログラム作成方法及び装置によれば、画面上で作成・編集される状態遷移図を構成する各シンボルの位置情報を含む座標データを生成し、状態遷移図から生成されたプログラムコードと座標データとを関連付けて格納するので、各シンボルの配置、方向等のプロパティを位置情報に含めて保存しておくことができる。この結果、作図の自由度が高くなり、視覚的に把握しやすい状態遷移図を作成することが可能になる。 【0063】また、状態シンボルと遷移シンボルに加えて、制御状態で実行する動作の記述において指定するデータ領域を表すデータシンボルを使用することにより、データを介した制御状態間の関係を視覚的に把握できる状態遷移図の作成が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000129253 【氏名又は名称】株式会社キーエンス
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| 【出願日】 |
平成12年4月21日(2000.4.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100106127 【弁理士】 【氏名又は名称】松本 直己
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| 【公開番号】 |
特開2001−306108(P2001−306108A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月2日(2001.11.2) |
| 【出願番号】 |
特願2000−121849(P2000−121849) |
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