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【発明の名称】 情報収集システム
【発明者】 【氏名】黒川 努

【氏名】井上 真一

【要約】 【課題】水処理設備等の所定の制御処理を実行する各種の設備の稼働情報を収集してその設備の稼働状態を管理するに好適な情報収集システムを提供する。

【解決手段】複数の水処理設備10と、これらの設備の稼働状態をそれぞれ管理する管理センタ20とからなり、各水処理設備は通信衛星30を指向するアンテナ11を備え、センシング手段により求められる当該水処理設備の稼働情報を通信衛星を介して管理センタに通知する衛星通信手段12を備える。また管理センタが収集した稼働情報により示される稼働状態と、水処理設備を運転するに有用な情報をインターネット33を介して配信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の制御処理を実行する複数の設備と、これらの設備の稼働状態をそれぞれ管理する管理センタとからなり、前記各設備は、当該設備の稼働情報を求めるセンシング手段と、通信衛星を指向するアンテナを備え、前記センシング手段により求められた稼働情報を上記通信衛星を介して前記管理センタに通知する衛星通信手段とを備えることを特徴とする情報収集システム。
【請求項2】 前記管理センタは、前記通信衛星を介して収集した各設備の稼働情報に従ってその稼働状態をそれぞれモニタすると共に、これらの設備に向けて各設備を運転するに有用な情報を提示する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報収集システム。
【請求項3】 前記設備は、水処理設備である請求項1に記載の情報収集システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビルの屋上に設置される冷却塔に代表される水処理設備等の、所定の制御処理を実行する各種の設備の稼働情報を収集してその設備の稼働状態を管理するに好適な情報収集システムに関する。
【0002】
【関連する背景技術】ビル管理設備の1つに、専ら、ビルの屋上に設置される冷却塔がある。この種の冷却塔はビル内における空調設備の一部をなし、水を熱交換媒体として通流させながら空調用の冷却媒体を冷却する役割を担う。このような冷却塔に代表される水処理設備においては、水に含まれる各種の不純物等によって、その配管内にスライムやスケールが発生したり、処理水中の塩イオン濃度が上昇することがある。そこで従来より水処理設備の稼働状態に応じて、適宜、その水処理対象水系にスケール除去剤等の水処理薬剤を注入(薬注)することが行われている。特に水処理設備に組み込んだ各種センサにより求められる水質等の情報に従って、その薬注を自動制御することも行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのような水処理設備を有効に機能させるには、その稼働状態を定常的にモニタ(監視)し、異常の発生時には速やかに対処することが重要である。しかしながらこの種の水処理設備は、上述したようにビルの屋上等の高所に設けられることが多いので、その稼働状態を個々に定常的に監視することが困難である。そこで水処理設備が設けられた複数の現場と、基地局である情報(管理)センタとを電話回線等を介して回線接続し、各現場における設備の稼働状態を示す情報を基地局に収集することで、これらの各設備を統括的に監視することが試みられている。
【0004】しかしながら水処理設備が設けられる各種の現場のそれぞれに、その情報収集の為の電話回線を敷設するには多大な経費が嵩むことが否めない。この点、携帯電話機等の無線通信回線を利用して情報収集することも考えられるが、一般的にビルの屋上等の高所にあっては電波状況が悪い等の問題がある。しかも水処理設備が設けられる現場が、携帯電話機のサービス対象エリアに位置するとは限らない。
【0005】本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、ビルの屋上に設置される冷却塔に代表される水処理設備等の、所定の制御処理を実行する各種の設備の稼働情報を確実に収集してその設備の稼働状態を管理するに好適な情報収集システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成するべく本発明に係る情報収集システムは、例えば水処理設備等に代表される所定の制御処理を実行する複数の設備と、これらの設備の稼働状態をそれぞれ管理する管理センタとからなるものであって、前記各設備は、当該設備の稼働情報を求めるセンシング手段と、通信衛星を指向するアンテナを備え、前記センシング手段により求められた稼働情報を上記通信衛星を介して前記管理センタに通知する衛星通信手段とを備えることを特徴としている。
【0007】即ち、本発明に係る情報収集システムは、冷却塔に代表される水処理設備等がビルの屋上等の高所に設置される場合であっても、その上方が開放された空間(天空)であることに着目してなされており、地球をとりまく数多くの通信衛星を有効に利用することにより、各種設備が設けられた現場の如何に拘わらずグローバルにその稼働情報を収集して上記各設備の稼働状態をそれぞれ管理するようにしたことを特徴としている。
【0008】また本発明に係る情報収集システムは請求項2に記載するように、前述した如く通信衛星を介して各設備の稼働情報を収集してその稼働状態を管理する前記管理センタにおいて、特にこれらの各設備に向けて当該設備を運転するに有用な情報を、例えばインターネットを介して提示する手段を備えることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る情報収集システムについて、冷却塔を備えた水処理設備の稼働情報を収集するシステムを例に説明する。図1はこの実施形態に係る情報収集システムの概略的なシステム構成を示す図で、10はビルの屋上等に設置される冷却塔やボイラ等の水処理設備であり、20はこの水処理設備10の稼働状態を管理する管理センタである。尚、管理センタ20は、複数の水処理設備10をそれぞれ個別に管理するものであって、これらの各水処理設備10はそれぞれ独立に稼働して、その処理対象水系に対して薬注する等の所定の制御処理を実行する。
【0010】水処理設備10は、基本的には当該設備10の処理対象水系おける後述する各種の水質や、薬注の制御処理状況等の稼働情報を検出するセンシング手段(図示せず)を備えている。更に水処理設備10には、通信衛星30を指向するアンテナ11が設けられており、このアンテナ11から通信衛星30を介して前記センシング手段により求められた稼働情報を前記管理センタ10に対して通知する衛星通信手段(通信端末)12が設けられている。
【0011】尚、通信衛星30を介して各水処理設備10から通知される稼働情報は、例えば通信衛星30の作動とその通信を管理・制御する地上局31を介して管理センタ20に取り込まれる。つまり各水処理設備10が通信衛星10を介して管理センタ20に対して発呼したとき、該通信衛星30からその地上局31を介して水処理設備10と管理センタ20とが回線接続され、この衛星通信回線を介して水処理設備10の稼働情報が管理センタ20に送られるようになっている。
【0012】このようにして通信衛星30を介して複数の水処理設備10から、その稼働情報をそれぞれ収集する管理センタ20は、基本的には収集した稼働情報を解析して、その水処理設備10の稼働状態をモニタ(監視)する機能を備える。そして解析して求められる水処理設備10の稼働状態から、当該水処理設備10の異常が検出された場合には、例えばデータベース21を参照してその異常状態に対する対処の仕方等の情報を求め、後述するように該当水処理設備10に対して通知する機能を備える。
【0013】ちなみに上記データベース21は、例えば各水処理設備10の設備仕様やその具体的な施工内容を示す設備情報、また各水処理設備10からそれぞれ収集した過去の稼働情報、更には過去に生じた異常発生時の現象とその対処法等の事例を蓄積したものである。そして管理センタ20に設けられた予知・予防対策処理機能22は、上述した如く解析された水処理設備10の稼働状態に従って上記データベース21を参照する等して、その後に発生すると見込まれる(予想される)水処理装置10の稼働状態を予知したり、異常事態の発生を防止する上での対処法(予防策)を求める等の機能を果たす。
【0014】具体的には管理センタ20においては、図2にその概念を示すように通信衛星30を介して水処理設備10からその稼働状態を示す情報Aを収集する。この情報Aは、設備の機能を示す情報として、タイマー薬注およびバッチ薬注の機能が正常に働いているか否かの情報、またモニタすべき設備情報として、実際の薬注量や設備の運転時間、処理水の電気伝導度、処理水に対するブロー量、更にはその給水量等からなる。また処理水中のポリマー濃度や塩化物イオン濃度、スライムセンサやスケールセンサを用いて求められるスライム量やスケール量、更には処理水の汚れの度合いを示すΔT(LTD)等のに情報からなる。
【0015】そして管理センタ20においては、このようにして収集した水処理設備10の稼働情報Aに従い、予めデータベース21に蓄積されている当該水処理設備10の設備情報B、および過去の稼働状態を示す情報や種々の事例等の情報Cを参照することで当該水処理設備10の稼働状態(運転状態)を判定する。そしてこの稼働状態に基づいて当該水処理設備10のその後の稼働状態の変化を予知し、また予知した稼働状態に不具合が認められるときには、その予防策を求める等の処理Dを実行する。また水処理設備10の稼働状態(運転状態)に不具合が認められる場合には、この不具合に対する対策法等を求める(処理D)ものとなっている。
【0016】このような水処理設備10にとって有用な情報、つまり該水処理設備10を効率的に信頼性良く運転する上で有用な情報は、例えばその時点での稼働状態を示す情報を含み、水処理設備10の制御処理を最適に実行する上での操作指令等の情報と共にWEB情報として作成される(処理E)。そしてこのWEB情報は、例えばインターネット33を介して前記各水処理設備10に提供される。これに対して各水処理設備10においては、或いは各水処理設備10をそれぞれ保守・管理する現場においては、適宜、インターネット33を介して管理センタ20が有するWEBサイトをアクセスし、予め割り当てられたID情報を入力することによって、上述したWEB情報によって示される自己設備の稼働状態を示す情報や、当該設備を効率的に信頼性良く運転するに有用な情報を取得し得るようになっている。
【0017】かくしてこのように構成された情報収集システムによれば、設置場所が互いに異なる複数の水処理設備10の稼働情報を通信衛星30を介して管理センタ20に収集し、各水処理設備10をそれぞれ効率的に信頼性良く運転する上での各水処理設備10にとって有用な情報をインターネット33を介して配信サービスするので、各水処理設備10からのデータ収集と各水処理設備10に対する情報提供とを効率的に行うことができる。
【0018】従って複数の水処理設備10に対して、地域毎にその保守・管理を実行するメンテナンス要員が配置されるような場合、そのメインテナンス要員が待機するサービスステーション等においてはインターネット33を通すことで当該サービスステーションが受け持つ水処理設備10の稼働状況を簡易にモニタすることが可能となる。そして水処理設備10に異常が発生した場合や、異常発生の虞がある場合には、その水処理設備10が設けられた現場に速やかに出向いて迅速に対処することが可能となる。
【0019】また各水処理設備10のそれぞれの稼働状態については、管理センタ20においてデータベース21を参照する等して詳細にモニタされており、その稼働状態を示す情報やその運転に有用な情報はインターネット33を通して個々のサービスセンタに提供されるので、各サービスステーションにおいてはデータベース21等を備えることなしに水処理設備10を保守・管理する上で必要な情報を容易に取得することができる。しかも水処理設備10とサービスステーションとの間で、その稼働状態を監視する為の通信回線を個々に敷設し、また稼働状態を監視するためのハードウェアを設置する必要がないので、各サービスステーションの設備コストやその稼働コスト等を大幅に低減することができる等の効果が奏せられる。
【0020】換言すれば各サービスステーションにおいては、インターネット端末(例えばパーソナルコンピュータ)を備えるだけで、当該サービスステーションが保守・管理を受け持つ水処理設備10の稼働状況をそれぞれ効果的に把握することが可能となる。そして管理センタ20からの通知を受ける等して、水処理設備10の保守・点検等に迅速に出向くことが可能となる等の効果が奏せられる。従って水処理設備10の設置を容易化し、またその水処理設備10の保守・管理を受け持つサービスステーションの設置を容易化し得るので、全体的なシステム構成の簡素化を図ることが可能となる。
【0021】一方、通信回線を形成し得る通信衛星30は地球を中心として数多く周回しており、各水処理設備10はこれらの通信衛星30の1つを捕捉することで管理センタ20との間で通信回線を形成することができる。従って水処理設備10が地球上の如何なる場所に設けらている場合においても、管理センタ20は基本的には通信衛星30を介して該水処理設備10の稼働情報を収集することができる。またインターネット33についても、その通信回線が世界的規模でグローバルに敷設されていることから、水処理設備10を保守・管理するサービスステーションにおいては、比較的容易に当該水処理設備10の稼働状態を上述した如くモニタし、当該水処理設備10が設置されている現場に迅速に赴いて保守・点検サービスを実行することができる。
【0022】これ故、管理センタ20においては、その管理地域を限定することなく、保守契約した水処理設備10の稼働状態のそれぞれを統括的に管理することができる等の効果も奏せられる。この際、各水処理設備10の設備仕様等をデータベース21に登録しておくことで、各水処理設備10の仕様に応じた処置・対策を講じることができるので、各種水処理設備10の仕様の異なりの影響を受けることはない。
【0023】尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば同一のビルの屋上に複数系統の水処理設備10が並列に設けられるような場合、これらの水処理設備10の稼働情報を、それぞれ識別可能に統合して通信衛星30を介して管理センタ20に通知するように構成することも可能である。またここでは冷却塔を備えた水処理設備10を例に説明したが、ボイラ系の水処理設備であっても良く、更には淡水化プラント等の水処理設備を管理するような場合にも同様に適用することができる。更には水処理設備以外の設備を管理する場合にも同様に適用可能なことは言うまでもない。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、所定の制御処理を実行する複数の設備の稼働状態を示す情報を通信衛星を介して管理センタに収集して、これらの設備の稼働状態をそれぞれ管理するので、上記設備の設置場所に拘わることなく、当該設備の稼働情報を確実に収集することができる。
【0025】そしてその稼働状態を示す情報や、設備の運転に有用な情報をインターネットを介して配信するので、各設備を保守・管理するサービスステーションに対して簡易にして確実に適切な管理情報を与えることができ、全体的なシステム構成の簡易化を図ることができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【出願人】 【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
【出願日】 平成12年3月17日(2000.3.17)
【代理人】 【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
【公開番号】 特開2001−265427(P2001−265427A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−75964(P2000−75964)