| 【発明の名称】 |
位置指令値作成装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 幸宏
【氏名】毒島 明
【氏名】渡辺 一雄
|
| 【要約】 |
【課題】分配処理と加減速処理の処理内容を変更せずに位置指令値の出力周期を短くすること。
【解決手段】予めサンプリング周期を定めておき、分配処理により、目標移動量と目標速度とに基づいてサンプリング周期毎の制御対象の分配移動量を決定し、加減速処理により、前記分配移動量と制御対象の加速及び減速データとに基づいて前記サンプリング周期毎の制御対象の移動量を決定するようにしておく。そして、前記加減速処理を各サンプリング周期毎に実行し、前記分配処理を各サンプリング周期に振り分けて実行することによって、サンプリング周期の短縮を図る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 予めサンプリング周期を定めておき、分配処理により、目標移動量と目標速度とに基づいてサンプリング周期毎の制御対象の分配移動量を決定し、加減速処理により、前記分配移動量と制御対象の加速及び減速データとに基づいて前記サンプリング周期毎の制御対象の移動量を決定するようにして、前記加減速処理を前記サンプリング周期毎に実行し、前記分配処理を各サンプリング周期に振り分けて実行することにより、サンプリング周期の短縮を図ることを特徴とする位置指令値作成装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、サーボ制御装置における位置指令値作成装置に関する。 【0002】 【従来の技術】サーボ制御装置、例えばプリント基板穴明け加工機のテーブル等を駆動するサーボ制御装置におけるサンプリング制御においては、CPUにより、サンプリング周期毎に指令値を作成し、この指令値をサーボ制御部に対して出力する必要がある。 【0003】図4は分配処理と加減速処理の概念を示す図であり、(a)は分配処理の結果を、(b)は加減速処理の結果を示している。 【0004】サンプリング制御では、後述する手順に従って、予めサンプリング周期を定めておく。そして、加工開始時の最初(1番目)のサンプリング周期では、先ず、移動開始点の座標と移動終了点の座標とから2点間の距離を求める。次に、求めた距離を指定された速度で等速移動するとして、必要とするサンプリング周期の数(図4ではs1〜s9の9個)を求める。 【0005】そして、求めたサンプリング周期の数に、予め指定される加減速に用いるサンプリング周期の数を加える。すなわち、例えば、5サンプリング周期目(サンプリング周期s5)で等速移動をするように指定された場合は、同図に示すように、加速期間である1〜4番目のサンプリング周期に対応する4個のサンプリング周期を減速期間(図のサンプリング周期s10〜s13)として付加する。ここまでの処理を分配処理という。 【0006】次に、分配処理で求めた分配移動量を、加工機の移動加速度又は加減速時間を考慮して、各サンプリング周期における実際の移動量を求め、目標座標を演算する(この処理を加減速処理という。)。図示の場合、サンプリング周期s5〜s9の分配移動量がmであるとすると、サンプリング周期s1とs13ではm/5、s2とs12では2m/5、s3とs11では3m/5、s4とs10では4m/5だけ移動する。 【0007】次に、サンプリング周期の決定手順について説明する。例えば、分配処理に要する時間が最長1.2ms、加減速処理に要する時間が最長0.5msであるとする。最初の(1番目の)サンプリング周期s1では、分配処理と加減速処理を行なうから、両者の和である1.7msが必要である。サンプリング周期s2以降では、最初のサンプリング周期で求めた分配移動量に基づいて加減速処理だけを行う。そこで、上記の場合は、サンプリング周期を、1.7msよりも長い、例えば2msに設定する。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、きめ細かな位置制御を実現するためには、位置指令値の出力周期、すなわちサンプリング周期を短くする必要がある。例えば、複数のCPUを並列にして演算させたり、演算処理速度が速いCPUを採用すると、位置指令値を作成する時間、すなわちサンプリング周期を短くできる。しかし、演算処理速度が速いCPUは高価であり、複数のCPUを用いる場合は、回路の構成が複雑になるだけでなく、回路の調整も複雑になる。 【0009】図5は、各サンプリング周期におけるCPUの演算内容を示す図である。同図から明らかなように、サンプリング周期s2以降、CPUの演算時間には余裕がある。 【0010】本発明の目的は、CPUの演算速度を変えることなく、しかもサンプリング周期を短くして、きめ細かな位置制御を行うことができる位置指令値作成装置を提供するにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明は、位置指令値作成装置を、以下のように構成する。すなわち、予めサンプリング周期を定めておき、分配処理により、目標移動量と目標速度とに基づいてサンプリング周期毎の制御対象の分配移動量を決定し、加減速処理により、前記分配移動量と制御対象の加速及び減速データとに基づいて前記サンプリング周期毎の制御対象の移動量を決定するようにして、前記加減速処理を前記サンプリング周期毎に実行し、前記分配処理を各サンプリング周期に振り分けて実行することにより、サンプリング周期の短縮を図る。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係る位置指令値作成装置について、図面を用いて以下説明する。図1は、本発明の実施形態に係る位置指令値作成装置を適用したサーボ制御装置の構成図である。31は後述するCPU33に指示コマンドを指示する上位制御装置である。32は所定の周期毎に割込を発生させるタイマー発生部である。33は分配処理および加減速処理を実行するCPUであり、内部に記憶エリア33Rを備えている。記憶エリア33Rは8,000個程度の、分配処理で得られたデータを記憶することができる。34はCPU33からの位置指令値によりモータを制御するサーボ制御部である。35はモータである。 【0013】図2は、本発明の実施形態に係る位置指令値作成処理のフロチャートである。以下、点A→B→C→Dにおいて順に穴を加工する場合について、テーブルの移動処理手順を説明する。 【0014】CPU33は、上位制御装置31から加工開始指令を受けると、図2(1)に示す分配処理を開始する。すなわち、先ず、未処理のデータがあるかどうかを確認し(手順S10)、未処理のデータがない場合は手順S10の処理を行ない、未処理のデータがある場合は手順S20の処理を行なう。手順S20では、記憶エリア33Rに空きがあるかどうかを確認する。加工開始時は、未処理のデータがあり、かつ記憶エリア33Rには何も記憶されていない。 【0015】そこで、点Aを始点とし、点Bを終点とする区間ABの分配処理を実行し(手順S30)、その結果を記憶エリア33Rに格納する(手順S40)。そして、区間ABの分配処理が終了すると、CPU33は、記憶エリア33Rに空きがある限り、引き続き区間BCの分配処理を行ない、区間BCの分配処理が終了すると、さらに区間CDの分配処理を行なう。 【0016】タイマー発生部32は、CPU33に対して、サンプリング周期毎に割込み信号を出力する。CPU33は、割込み信号を受けると、分配処理を中断して、図2(2)に示す加減速処理を実行する。加減速処理では、記憶エリア33Rにデータがあるかどうかを確認し(手順S60)、データがある場合は、記憶エリア33Rからデータを取り出して加減速処理を実行し、その結果を位置指令値としてサーボ制御部34に出力してから(手順S70)、割込みを終了する。 【0017】また、手順S60において記憶エリア33Rにデータがない場合(移動開始時に分配処理が終了していない場合、または区間CDの分配処理が終了している場合)は、直ちに割込みを終了する。なお、記憶エリア33Rのデータは、リング状に記憶され、1番目のデータを取り出すと、2番目のデータが1番目に移動するようになっている。 【0018】次に、本発明におけるCPUの演算内容を説明する。図3は各サンプリング周期におけるCPUの演算内容を示す図である。なお、上記従来の場合と同様に、分配処理に要する時間は最長1.2ms、また、加減速処理に要する時間は最長0.5msである。また、サンプリング周期は1ms(従来の1/2)である。 【0019】分配処理に要する時間が1.2msであるから、加工開始時指令を受けて(時刻0)から最初の1msは、区間ABの分配処理だけを行なう。1msが経過すると割込み処理が入るが、分配処理が終了していないため、直ちに区間ABの分配処理に戻る。そして、タイミング周期T2の残りの0.8msは、記憶エリア33Rに空きがあることを確認後、区間BCの分配処理を開始する。2msが経過すると割込み処理が入る。 【0020】そこで、最初の0.5msで加減速処理を行ない、残りの0.5msは区間BCの分配処理を行なう。そして、以下同様に、割込み処理が入る毎に加減速処理を行い、残りの時間で次以降の区間の分配処理を行なう。この結果、分配処理は各サンプリング周期内で処理される。したがって、分配処理および加減速処理に要する時間が従来と同じでも、サンプリング周期を短くできる。 【0021】以上説明したように、従来技術では、分配処理を最初のサンプリング周期で処理していたために、分配処理時間と加減速処理時間の和の時間でサンプリング周期が決定されていた。これに対し、本発明では、分配処理を複数または総てのサンプリング周期に分けて処理するから、サンプリング周期を、従来よりも短くすることができる。 【0022】そして、例えばプリント基板に穴明け加工をする場合、加工が開始されると数千ないし数万の穴を続けて加工する、すなわち数千ないし数万の区間が連続するが、加工機の加工開始直後の区間(上記の区間AB)を除き、以後の区間の分配処理をそれ以前の区間で完了させるから、分配処理に要する時間がサンプリング周期よりも長くても、実用上加工機が停止することはない。 【0023】以上説明したように、本発明は、分配処理と加減速処理の処理内容を変更せずに位置指令値の出力期間を短くする方法であり、加減速処理を所定の回数実行する間に分配処理を1回実行するものである。 【0024】 【発明の効果】本発明では、予めサンプリング周期を定めておき、分配処理により、目標移動量と目標速度とに基づいてサンプリング周期毎の制御対象の分配移動量を決定し、加減速処理により、分配移動量と制御対象の加速及び減速データとに基づいてサンプリング周期毎の制御対象の移動量を決定するようにしておき、加減速処理を前記サンプリング周期毎に実行し、分配処理を各サンプリング周期に振り分けて実行するから、CPUの演算速度が同じであっても、サンプリング周期の短縮を図ることができる。したがって、きめ細かな位置制御を行うことができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000233332 【氏名又は名称】日立ビアメカニクス株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年3月22日(2000.3.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078134 【弁理士】 【氏名又は名称】武 顕次郎
|
| 【公開番号】 |
特開2001−265415(P2001−265415A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−80757(P2000−80757) |
|