| 【発明の名称】 |
自由曲面加工方法、自由曲面加工装置及び記録媒体 |
| 【発明者】 |
【氏名】大林 陽一郎
【氏名】稲田 久
【氏名】甲斐 聡
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| 【要約】 |
【課題】本発明は工具と加工物との相対位置を検出して、ツールチップを移動させて相対位置制御を行って高精度に加工物に自由曲面を加工する自由曲面加工方法、自由曲面加工装置及び記録媒体を提供する。
【解決手段】加工機10は、3軸制御可能なテーブル11上に加工物12が設置され、工具スピンドル13の回転軸16に連結されたホイール17にチップ位置制御機構20を介してツールチップ18が取り付けられている。Z軸テーブル11には、その先端面に位置測定マークMの設けられた位置測定アーム19が配設されており、工具スピンドル13には位置測定用センサ27が取り付けられている。加工機10は、ツールチップ18と加工物12を相対移動させて切削加工を行う前に、位置測定マークMと位置測定用センサ27との距離dを位置測定用センサ27で測定し、ツールチップ18の位置制御をチップ位置制御機構20で行って、ツールチップ18と加工物12との相対距離を制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】所定の回転半径を有する工具を回転させながら、加工物と前記工具の回転中心との相対位置を制御して、前記回転する工具先端の切削刃で前記加工物を自由曲面形状に加工する自由曲面加工方法において、前記加工に際して、前記工具と前記加工物との相対位置を位置検出手段で検出し、当該位置検出手段の検出結果に基づいて前記工具の前記切削刃と前記加工物との位置ずれを、前記工具先端の前記切削刃の位置を制御する位置制御手段で、修正することを特徴とする自由曲面加工方法。 【請求項2】前記位置制御手段は、圧電素子を利用して前記工具先端の前記切削刃の位置を制御することを特徴とする請求項1記載の自由曲面加工方法。 【請求項3】前記位置制御手段は、蓄電手段を備え、当該蓄電手段から前記圧電素子に電源を供給して、前記工具先端の前記切削刃の位置制御を行うことを特徴とする請求項1記載の自由曲面加工方法。 【請求項4】所定の回転半径を有する工具を回転させながら、加工物と前記工具の回転中心との相対位置を制御して、前記回転する工具先端の切削刃で前記加工物を自由曲面に加工する自由曲面加工装置において、前記加工に際して、前記工具先端の前記切削刃と前記加工物との相対位置を検出する位置検出手段と、前記工具先端の前記切削刃の位置を位置制御する位置制御手段と、前記位置検出手段の検出結果に基づいて前記位置制御手段を介して前記工具先端の前記切削刃と前記加工物との位置ずれを修正する制御手段と、を備えたことを特徴とする自由曲面加工装置。 【請求項5】前記位置制御手段は、圧電素子を利用して前記工具先端の前記切削刃の位置を制御することを特徴とする請求項4記載の自由曲面加工装置。 【請求項6】前記位置制御手段は、蓄電手段を備え、当該蓄電手段から供給される電源で前記圧電素子を駆動して前記工具先端の前記切削刃の位置制御を行うことを特徴とする請求項5記載の自由曲面加工装置。 【請求項7】前記制御手段は、前記自由曲面加工装置の外部に設けられたコンピュータであり、当該コンピュータが、前記位置検出手段の検出信号を取り込んで、前記位置制御手段に位置制御信号を送出し、前記位置制御手段に当該位置制御信号に基づいて、前記工具先端の前記切削刃の位置制御を行わせることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載の自由曲面加工装置。 【請求項8】所定の回転半径を有する工具を回転させながら、加工物と前記工具の回転中心との相対位置を制御して、前記回転する工具先端の切削刃で前記加工物を自由曲面形状に加工する自由曲面加工方法のプログラムを記録する記録媒体であって、前記加工に際して、前記工具と前記加工物との相対位置を位置検出手段で検出し、当該位置検出手段の検出結果に基づいて前記工具の前記切削刃と前記加工物との位置ずれを、前記工具先端の前記切削刃の位置を制御する位置制御手段で、修正する自由曲面加工方法のプログラムを記録することを特徴とする記録媒体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自由曲面加工方法、自由曲面加工装置及び記録媒体に関し、詳細には、工具と加工物との相対位置を検出して、双方の位置修正を行いつつ高精度に加工物に自由曲面を加工する自由曲面加工方法、自由曲面加工装置及び記録媒体に関する。 【0002】 【従来の技術】3次元自由曲面形状の加工においては、一般に、図8に示すように、所定の回転半径を有する円弧形状の切削工具や研削工具等の工具1を回転させながら、加工物2に対して工具1の回転中心を相対的に移動させて、曲面形状を創成している。 【0003】具体的には、工具1は、図示しない3軸制御の加工機のホイール3に着脱可能に取り付けられており、ホイール3に固定された回転軸4を介して所定の回転速度で回転軸4を中心として回転駆動される。加工機は、図示しないX軸テーブル、Y軸テーブル及びZ軸テーブルを備えており、各テーブルは、図示しない制御部により、数値制御データに基づいてX、Y、Z軸の各軸方向に移動制御される。上記加工物2は、例えば、Y軸テーブル上に着脱可能に固定され、加工機は、X軸テーブル、Y軸テーブル及びZ軸テーブルを各軸方向に移動制御することにより、工具1と加工物2との相対位置を3軸制御して、工具1により加工物2に自由曲面を加工する。 【0004】この場合、図9に矢印で示すように、工具1の回転中心をA→B→C→D→Eの順に移動させて、図10に示すように、加工物2の一部分の領域L1を加工し、領域L1の加工を完了すると、次に工具1の位置をY方向に所定ピッチだけ移動させて、同様に領域L2を加工する。この動作を繰り返し行って、加工物2に曲面の加工を行う。 【0005】このような動作の繰り返しを行って加工物2に曲面の加工を行う場合、図11に加工物2のYZ平面で加工の様子を示すように、領域L1を加工した後、領域L2を加工するために工具1をY方向に所定ピッチだけ移動して工具1の加工物2に対するZ方向の位置決めを行って加工を行う。 【0006】すなわち、従来の自由曲面加工方法は、工具と加工物の距離を測定することなく、機械の設定値で工具1と加工物2の位置制御を行って、工具1で加工物2を加工している。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の自由曲面加工方法にあっては、工具と加工物の距離を測定することなく、機械の設定値で工具1と加工物2の位置制御を行って、工具1で加工物2を加工しているため、工具1を機械座標で同じZ座標に移動させたとしても、加工物との相対距離は違ってくることがある。例えば、図11に示すように、領域L1加工における加工物2の基準面Sと工具1の距離dL1と、工具を同じZ座標に対しY方向に所定ピッチだけ移動させた場合の領域L2加工における距離dL2が一致せずに、その結果、加工形状が狂うことがあった。 【0008】すなわち、図12に示すように、加工機のテーブル上に固定した加工物2に測定点Qを設定し、図示しない工具1の取り付けられる加工機6に距離測定用センサ5を取り付けて、工具1をXZ平面上で図12に矢印で示すように移動させて、測定点QにおけるZ方向の距離測定用センサ5の測定点Qに対する距離を測定して、加工機と加工物の位置関係の再現性を調べると、図13に示すような測定結果になる。 【0009】図13から分かるように、機械の設定値では同じ位置に工具1を移動させているにも関わらず、距離が変動していることがわかる。なお、図13において、横軸は、工具1の移動回数を示しており、縦軸は工具1と加工物2の距離、すなわち、距離測定用センサ5と測定点Qとの距離(nm)を示している。 【0010】すなわち、加工機の設定上は同じ位置に工具1を移動させても、加工機の誤差、加工機と加工物2の熱的な変動等によって、工具1と加工物2の距離が変化してしまうという問題がある。 【0011】そこで、請求項1記載の発明は、加工物と工具の回転中心との相対位置を制御して、回転する工具で加工物を自由曲面形状に加工するに際して、工具と加工物との相対位置を検出して、当該検出結果に基づいて工具先端の切削刃と加工物との位置ずれを、工具先端の切削刃の位置を制御する位置制御手段で修正することにより、加工物と工具との相対位置の位置ずれを最小限に抑制し、高精度な加工を行うことのできる自由曲面加工方法を提供することを目的としている。 【0012】請求項2記載の発明は、位置制御手段を、圧電素子を利用して工具先端の切削刃の位置を制御するものとすることにより、従来から既知の技術を応用して工具先端の切削刃の位置制御を行い、加工物と工具との相対位置の位置ずれを安価に最小限に抑制し、高精度な加工を行うことのできる安価な自由曲面加工方法を提供することを目的としている。 【0013】請求項3記載の発明は、位置制御手段を、蓄電手段を備え、当該蓄電手段から圧電素子に電源を供給して、工具先端の切削刃の位置制御を行うものとすることにより、圧電素子に外部から電源を供給することなく、位置制御手段で加工物と工具との相対位置の位置ずれを最小限に抑制し、高精度な加工を行うことのできる自由曲面加工方法を提供することを目的としている。 【0014】請求項4記載の発明は、加工物と工具の回転中心との相対位置を制御して、回転する工具で加工物を自由曲面形状に加工するに際して、工具と加工物との相対位置を検出して、当該検出結果に基づいて工具先端の切削刃と加工物との位置ずれを、工具先端の切削刃の位置を制御する位置制御手段で修正することにより、加工物と工具との相対位置の位置ずれを最小限に抑制し、高精度な加工を行うことのできる自由曲面加工装置を提供することを目的としている。 【0015】請求項5記載の発明は、位置制御手段を、圧電素子を利用して工具先端の切削刃の位置を制御するものとすることにより、従来から既知の技術を応用して工具先端の切削刃の位置制御を行い、加工物と工具との相対位置の位置ずれを安価に最小限に抑制し、高精度な加工を行うことのできる安価な自由曲面加工装置を提供することを目的としている。 【0016】請求項6記載の発明は、位置制御手段を、蓄電手段を備え、当該蓄電手段から圧電素子に電源を供給して、工具先端の切削刃の位置制御を行うものとすることにより、圧電素子に外部から電源を供給することなく、位置制御手段で加工物と工具との相対位置の位置ずれを最小限に抑制し、高精度な加工を行うことのできる自由曲面加工装置を提供することを目的としている。 【0017】請求項7記載の発明は、制御手段として、自由曲面加工装置の外部に設けられたコンピュータを用い、当該コンピュータで、位置検出手段の検出信号を取り込んで、位置制御手段に位置制御信号を送出し、位置制御手段に当該位置制御信号に基づいて、工具先端の切削刃の位置制御を行わせることにより、工具と加工物との相対位置の検出、工具先端の切削刃と加工物との位置ずれの修正及び工具による加工物の加工という一連の工程をコンピュータにより自動化し、作業性を向上させるとともに、より一層高精度な加工を行うことのできる自由曲面加工装置を提供することを目的としている。 【0018】請求項8記載の発明は、加工物と工具の回転中心との相対位置を制御して、回転する工具で加工物を自由曲面形状に加工するに際して、工具と加工物との相対位置を検出して、当該検出結果に基づいて工具先端の切削刃と加工物との位置ずれを、工具先端の切削刃の位置を制御する位置制御手段で修正する自由曲面加工方法のプログラムを読み取り可能な記録媒体に記録することにより、当該記録媒体を読み取り可能な自由曲面加工装置の外部に設けられたコンピュータを用いて読み取らせて、当該コンピュータの接続された自由曲面加工装置で、加工物と工具との相対位置の位置ずれを最小限に抑制し、高精度な加工を行うことのできる自由曲面加工方法のプログラムを記録する記録媒体を提供することを目的としている。 【0019】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の自由曲面加工方法は、所定の回転半径を有する工具を回転させながら、加工物と前記工具の回転中心との相対位置を制御して、前記回転する工具先端の切削刃で前記加工物を自由曲面形状に加工する自由曲面加工方法において、前記加工に際して、前記工具と前記加工物との相対位置を位置検出手段で検出し、当該位置検出手段の検出結果に基づいて前記工具の前記切削刃と前記加工物との位置ずれを、前記工具先端の前記切削刃の位置を制御する位置制御手段で、修正することにより、上記目的を達成している。 【0020】上記構成によれば、加工物と工具の回転中心との相対位置を制御して、回転する工具で加工物を自由曲面形状に加工するに際して、工具と加工物との相対位置を検出して、当該検出結果に基づいて工具先端の切削刃と加工物との位置ずれを、工具先端の切削刃の位置を制御する位置制御手段で修正するので、加工物と工具との相対位置の位置ずれを最小限に抑制することができ、高精度な加工を行うことができる。 【0021】この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記位置制御手段は、圧電素子を利用して前記工具先端の前記切削刃の位置を制御するものであってもよい。 【0022】上記構成によれば、位置制御手段を、圧電素子を利用して工具先端の切削刃の位置を制御するものとしているので、従来から既知の技術を応用して工具先端の切削刃の位置制御を行って、加工物と工具との相対位置の位置ずれを安価に最小限に抑制することができ、高精度な加工を安価に行うことができる。 【0023】また、例えば、請求項3に記載するように、前記位置制御手段は、蓄電手段を備え、当該蓄電手段から前記圧電素子に電源を供給して、前記工具先端の前記切削刃の位置制御を行うものであってもよい。 【0024】上記構成によれば、位置制御手段を、蓄電手段を備え、当該蓄電手段から圧電素子に電源を供給して、工具先端の切削刃の位置制御を行うものとしているので、圧電素子に外部から電源を供給することなく、位置制御手段で加工物と工具との相対位置の位置ずれを最小限に抑制することができ、高精度な加工を行うことができる。 【0025】請求項4記載の発明の自由曲面加工装置は、所定の回転半径を有する工具を回転させながら、加工物と前記工具の回転中心との相対位置を制御して、前記回転する工具先端の切削刃で前記加工物を自由曲面に加工する自由曲面加工装置において、前記加工に際して、前記工具先端の前記切削刃と前記加工物との相対位置を検出する位置検出手段と、前記工具先端の前記切削刃の位置を位置制御する位置制御手段と、前記位置検出手段の検出結果に基づいて前記位置制御手段を介して前記工具先端の前記切削刃と前記加工物との位置ずれを修正する制御手段と、を備えることにより、上記目的を達成している。 【0026】上記構成によれば、加工物と工具の回転中心との相対位置を制御して、回転する工具で加工物を自由曲面形状に加工するに際して、工具と加工物との相対位置を検出して、当該検出結果に基づいて工具先端の切削刃と加工物との位置ずれを、工具先端の切削刃の位置を制御する位置制御手段で修正するので、加工物と工具との相対位置の位置ずれを最小限に抑制することができ、高精度な加工を行うことができる。 【0027】この場合、例えば、請求項5に記載するように、前記位置制御手段は、圧電素子を利用して前記工具先端の前記切削刃の位置を制御するものであってもよい。 【0028】上記構成によれば、位置制御手段を、圧電素子を利用して工具先端の切削刃の位置を制御するものとしているので、従来から既知の技術を応用して工具先端の切削刃の位置制御を行い、加工物と工具との相対位置の位置ずれを安価に最小限に抑制することができ、高精度な加工を安価に行うことができる。 【0029】また、例えば、請求項6に記載するように、前記位置制御手段は、蓄電手段を備え、当該蓄電手段から供給される電源で前記圧電素子を駆動して前記工具先端の前記切削刃の位置制御を行うものであってもよい。 【0030】上記構成によれば、位置制御手段を、蓄電手段を備え、当該蓄電手段から圧電素子に電源を供給して、工具先端の切削刃の位置制御を行うものとしているので、圧電素子に外部から電源を供給することなく、位置制御手段で加工物と工具との相対位置の位置ずれを最小限に抑制することができ、高精度な加工を行うことができる。 【0031】さらに、例えば、請求項7に記載するように、前記制御手段は、前記自由曲面加工装置の外部に設けられたコンピュータであり、当該コンピュータが、前記位置検出手段の検出信号を取り込んで、前記位置制御手段に位置制御信号を送出し、前記位置制御手段に当該位置制御信号に基づいて、前記工具先端の前記切削刃の位置制御を行わせるものであってもよい。 【0032】上記構成によれば、制御手段として、自由曲面加工装置の外部に設けられたコンピュータを用い、当該コンピュータで、位置検出手段の検出信号を取り込んで、位置制御手段に位置制御信号を送出し、位置制御手段に当該位置制御信号に基づいて、工具先端の切削刃の位置制御を行わせるので、工具と加工物との相対位置の検出、工具先端の切削刃と加工物との位置ずれの修正及び工具による加工物の加工という一連の工程をコンピュータにより自動化することができ、作業性を向上させることができるとともに、より一層高精度な加工を行うことができる。 【0033】請求項8記載の発明の記録媒体は、所定の回転半径を有する工具を回転させながら、加工物と前記工具の回転中心との相対位置を制御して、前記回転する工具先端の切削刃で前記加工物を自由曲面形状に加工する自由曲面加工方法のプログラムを記録する記録媒体であって、前記加工に際して、前記工具と前記加工物との相対位置を位置検出手段で検出し、当該位置検出手段の検出結果に基づいて前記工具の前記切削刃と前記加工物との位置ずれを、前記工具先端の前記切削刃の位置を制御する位置制御手段で、修正する自由曲面加工方法のプログラムを記録することにより、上記目的を達成している。 【0034】上記構成によれば、加工物と工具の回転中心との相対位置を制御して、回転する工具で加工物を自由曲面形状に加工するに際して、工具と加工物との相対位置を検出して、当該検出結果に基づいて工具先端の切削刃と加工物との位置ずれを、工具先端の切削刃の位置を制御する位置制御手段で修正する自由曲面加工方法のプログラムを読み取り可能な記録媒体に記録しているので、当該記録媒体を読み取り可能な自由曲面加工装置の外部に設けられたコンピュータを用いて読み取らせて、当該コンピュータの接続された自由曲面加工装置で、加工物と工具との相対位置の位置ずれを最小限に抑制することができ、高精度な加工を行うことができる。 【0035】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。 【0036】図1〜図5は、本発明の自由曲面加工方法、自由曲面加工装置及び記録媒体の第1の実施の形態を示す図であり、図1は、本発明の自由曲面加工方法、自由曲面加工装置及び記録媒体の第1の実施の形態を適用したXYZの3軸制御の加工機10の部分拡大正面図、図2は、図1の加工機10の部分斜視図である。 【0037】図1及び図2において、3軸制御の加工機(自由曲面加工装置)10は、X軸テーブル、Y軸テーブル及びZ軸テーブルを備えており、図1及び図2では、Z軸テーブル11上に加工物12が設置されているものとする。加工機10は、Z軸テーブル11を含む各テーブルを、図示しない制御部により、数値制御データに基づいてX、Y、Z軸の各軸方向に移動制御する。 【0038】加工機10は、工具スピンドル(工具)13が移動テーブル14のアーム15に取り付けられており、工具スピンドル13は、移動テーブル14の移動とアーム15に対するY方向の移動によりX、Y、Z軸の各軸方向に移動可能となっている。 【0039】工具スピンドル13は、その回転軸16にホイール17が固定されており、ホイール17に切削刃であるツールチップ18が着脱可能に取り付けられている。回転軸16は、工具スピンドル13により所定の回転速度で回転駆動される。 【0040】加工機10は、X軸テーブル、Y軸テーブル及びZ軸テーブル11を各軸方向に移動制御することにより、また、ツールチップ18をX、Y、Z軸の各軸方向に移動制御することにより、ツールチップ18と加工物12との相対位置を3軸制御して、ツールチップ18により加工物12に自由曲面を加工する。 【0041】ツールチップ18は、円弧形状に形成されており、図2に矢印で示すように、回転軸16を中心として回転駆動されて、加工物12を切削加工する。 【0042】加工機10は、加工物12の設置されるZ軸テーブル11に、位置測定アーム19が配設されており、位置測定アーム19のツールチップ18側の先端面には、位置測定マークMが設けられている。この位置測定マークMの設けられている位置測定アーム19は、加工物12とその熱的膨張率の値が近い材料で形成されており、加工物12の近くに配設されている。 【0043】上記ツールチップ18は、図3に示すように、チップ位置制御機構(位置制御手段)20を介してホイール17に取り付けられており、チップ位置制御機構20は、圧電素子(例えば、ピエゾ素子等)による微小送り機構等の既存の機構(例えば、旋削盤での微少切り込みにおける工具制御機構)を用いてツールチップ18を加工物12に対して接近する方向及び離隔する方向に移動させてツールチップ18の位置制御を行う。 【0044】チップ位置制御機構20は、スリップリング21にコード22で接続されており、スリップリング21には、図4に示すパーソナルコンピュータ(制御手段:コンピュータ)23にコード24で接続されている。パーソナルコンピュータ23は、コード24、スリップリング21及びコード22を介して、チップ位置制御機構20に電源を供給するとともに、制御信号を送出して、チップ位置制御機構20の動作を制御し、チップ位置制御機構20を介してツールチップ18を制御して、ツールチップ18を加工物12に対して接近する方向及び離隔する方向に移動させてツールチップ18の位置制御を行う。 【0045】また、パーソナルコンピュータ23は、加工機10のコントローラ25にコード26で接続されており、コード26を介して加工機10のコントローラ25との間で信号の授受を行う。そして、本実施の形態の加工方法は、所定の記録媒体、例えば、フロッピーディスク、あるいは、CD(コンパクトディスク:Compact Disc)等に記録された加工方法のプログラムを、加工機10の外部のパーソナルコンピュータ(コンピュータ)23に読み取らせることにより実現することができる。 【0046】一方、加工機10のツールチップ18の近辺、具体的には、工具スピンドル13の加工物12側の面には、図1に示すように、位置測定用センサ27が取り付けられており、位置測定用センサ27は、例えば、反射型フォトインタラプタが用いられている。位置測定用センサ27は、例えば、光を位置測定マークMに照射して、その反射光を受光することにより、位置測定マークMとの距離を測定し、測定結果を加工機10のコントローラ25に出力する。 【0047】加工機10のコントローラ25は、位置測定用センサ27の検出した距離データをコード26を介してパーソナルコンピュータ23に転送し、パーソナルコンピュータ23は、この距離データに基づいてチップ位置制御機構20の動作を制御して、ツールチップ18の位置制御を行う。 【0048】次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態の3軸制御の加工機10は、ツールチップ18側に取り付けた位置測定用センサ27と加工物12側に取り付けた位置測定マークMとの距離を測定して、チップ位置制御機構20の動作を制御して、ツールチップ18と加工物12との相対位置を高精度に制御して加工物12を加工するところにその特徴がある。 【0049】すなわち、加工機10は、自由曲面加工においては、円弧形状のツールチップ18と加工物12を、図9の場合と同様に、A→B→C→D→Eの順に相対的に移動させる。すなわち、加工機10は、ツールチップ18と加工物12を長手方向(X方向)に相対移動させて切削加工を行った後、Z方向に相対移動してツールチップ18と加工物12を離し、X方向に相対移動させてX方向の切削開始位置に戻すとともにY方向に所定ピッチだけ相対移動して、再度Z方向に相対移動してツールチップ18と加工物12を切削加工位置に位置させて次の切削加工を行う。 【0050】ところが、上述のように、単に、ツールチップ18と加工物12を、工具(ツールチップ18)と加工物12の距離を測定することなく、機械の設定値で制御を行うと、加工機10の誤差、加工機10と加工物12の熱的な変動等によって、ツールチップ18と加工物12の距離が変化してしまう。 【0051】そこで、本実施の形態の加工機10は、まず、ツールチップ18と加工物12を相対移動させて切削加工を行う前に、位置測定マークMが配設されている位置である初期位置(図9のAの位置)で位置測定マークMと位置測定用センサ27との距離dを位置測定用センサ27で測定するとともに、当該位置測定を行った際の加工機10の機械座標P(Xp,Yp,Zp)を取得して図示しないコントローラ25のメモリ及びパーソナルコンピュータ23のメモリに記憶する。 【0052】次に、加工機10は、ツールチップ18と加工物12を上記A→B→C→D→Eの順に相対移動させてツールチップ18で加工物12を切削加工した後、ツールチップ18を機械座標の値で上記Pの座標位置に移動させ、再度、位置測定マークMと位置測定用センサ27との距離dを位置測定用センサ27で測定して、このときの測定距離をd’とする。 【0053】この場合、切削加工前と切削加工後においてツールチップ18と加工物12の相対位置がずれて、最初に測定した測定距離dと切削加工後に測定した測定距離d’との間に差δが生じていると、すなわち、d’−d=δ(|δ|>0)であると、加工機10は、この差δだけツールチップ18と加工物12の相対位置を修正制御して、次の切削加工を上記同様に行う。 【0054】加工機10は、このツールチップ18と加工物12の相対位置の修正制御を、図4に示したパーソナルコンピュータ23から相対位置の位置修正に必要な制御信号(位置制御信号)をコード24、スリップリング21及びコード22を介してチップ位置制御機構20に送出し、チップ位置制御機構20は、図5に示すように、この位置制御信号に応じてツールチップ18を修正量である差δだけ加工物12に対して移動させて位置修正する。 【0055】なお、図5においては、差δが正の場合(δ>0)を示しているが、差δが負の場合(δ<0)には、ツールチップ18を図5の場合とは、逆方向に移動させて位置修正する。 【0056】なお、パーソナルコンピュータ23で加工機10を自動制御して、加工物12の加工を自動化するには、以下の手順で行う。 【0057】まず、パーソナルコンピュータ23で加工機10のコントローラ25から工具位置をモニタリングし、位置補正のデータを位置測定用センサ27から取り込む。パーソナルコンピュータ23から加工機10にNCの実行をポーズし、チップ位置制御機構20に位置制御信号を送信してツールチップ18位置を補正する。パーソナルコンピュータ23は、このツールチップ18の位置補正を確認した後、NC実行のポーズを解除する。上記の処理手順を繰り返し行って、切削、測定、補正を自動処理することができる。 【0058】このように、本実施の形態の加工機10は、加工物12と工具スピンドル13の回転中心との相対位置を制御して、回転するツールチップ18で加工物12を自由曲面形状に加工するに際して、工具スピンドル13と加工物12との相対位置を検出して、当該検出結果に基づいて工具先端の切削刃であるツールチップ18と加工物12との位置ずれを、ツールチップ18の位置を制御するチップ位置制御機構20で修正している。 【0059】したがって、加工物12とツールチップ18との相対位置の位置ずれを最小限に抑制することができ、高精度な加工を行うことができる。 【0060】また、本実施の形態の加工機10は、チップ位置制御機構20を、圧電素子を利用してツールチップ18の位置を制御するものを用いている。 【0061】したがって、従来から既知の技術を応用してツールチップ18の位置制御を行って、加工物12とツールチップ18との相対位置の位置ずれを安価に最小限に抑制することができ、高精度な加工を安価に行うことができる。 【0062】さらに、本実施の形態の加工機10は、外部に設けられたパーソナルコンピュータ23を用いて、当該パーソナルコンピュータ23で、位置測定用センサ27の検出信号を取り込んで、チップ位置制御機構20に位置制御信号を送出し、チップ位置制御機構20に当該位置制御信号に基づいて、ツールチップ18の位置制御を行わせている。 【0063】したがって、ツールチップ18と加工物12との相対位置の検出、ツールチップ18と加工物12との位置ずれの修正及びツールチップ18による加工物12の加工という一連の工程をパーソナルコンピュータ23により自動化することができ、作業性を向上させることができるとともに、より一層高精度な加工を行うことができる図6及び図7は、本発明の自由曲面加工方法、自由曲面加工装置及び記録媒体の第2の実施の形態を示す図であり、図6は、本発明の自由曲面加工方法、自由曲面加工装置及び記録媒体の第2の実施の形態を適用したXYZの3軸制御の加工機30の部分拡大正面図、図7は、図6の加工機30の部分拡大斜視図である。 【0064】なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態の加工機10と同様の加工機に適用したものであり、本実施の形態の説明において、上記第1の実施の形態の加工機10と同様の構成部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。そして、この加工方法は、加工機30の読み取り可能な記録媒体に記録された加工方法のプログラムを加工機30に読み取らせることにより実現することができる。 【0065】図6及び図7において、加工機30は、その工具スピンドル13の回転軸16の先端部にホイール17が固定されており、ホイール17には、ツールチップ18が着脱可能に取り付けられている。ツールチップ18は、チップ位置制御機構20を介してホイール17に取り付けられており、チップ位置制御機構20により加工物12との相対位置が微少制御される。 【0066】チップ位置制御機構20は、電源・信号処理機構部31に接続されており、電源・信号処理機構部31は、回転軸16とホイール17の連結部分に回転軸16の周囲を取り巻く状態で配設されている。電源・信号処理機構部31は、図7に示すように、電源部32、信号処理部33及びバランサー34等を備えており、電源部32は、ホイール17の回転バランスを調整するために、複数に分割されて配設されている。信号処理部33は、その側面に受信窓35を有しており、受信窓35には、その内部に、図6に示すリモコン36からの無線信号を受信する受信部、例えば、赤外線受信部が配設されている。 【0067】リモコン36は、ツールチップ18の位置制御を行う位置調整装置、例えば、上記第1の実施の形態のパーソナルコンピュータ23に接続されており、このパーソナルコンピュータ23からの位置制御信号を無線、例えば、赤外線で電源・信号処理機構部31に送信する。 【0068】信号処理部33は、受信した位置制御信号を信号変換して、コード37を介してチップ位置制御機構20に出力する。 【0069】電源部32は、チップ位置制御機構20に必要な電源を供給し、チップ位置制御機構20は、この供給される電源で上記位置制御信号に基づいて圧電素子を駆動して、ツールチップ18の位置を調整する。 【0070】このように本実施の形態の加工機30は、チップ位置制御機構20を、電源・信号処理機構部31を備えたものとし、電源・信号処理機構31の電源部32から電源の供給を受けて、圧電素子を駆動してツールチップ18の位置制御を行っている。 【0071】したがって、圧電素子に外部から電源を供給することなく、加工物12とツールチップ18との相対位置の位置ずれを最小限に抑制することができ、高精度な加工を行うことができる。 【0072】以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。 【0073】例えば、上記各実施の形態においては、ツールチップ18の位置のみを制御して、ツールチップ18と加工物12との位置調整を行っているが、加工物12の位置調整をも行ってツールチップ18と加工物12の相対位置の修正を行うようにしてもよい。 【0074】この場合には、ツールチップ18の位置調整可能な最も細かな移動制御値よりも細かい精度で位置精度の可能なアクチュエータを用いて加工物の位置調整を行ってもよい。 【0075】また、上記各実施の形態においては、ツールチップ18と加工物12との相対距離を測定する位置測定用センサ27として、反射型フォトインタラプタを用いているが、位置測定用センサ27としては、反射型フォトインタラプタに限るものではなく、ツールチップ18と加工物12との相対距離を必要な精度で測定できるものであれば、どのようなものであってもよい。 【0076】 【発明の効果】請求項1記載の発明の自由曲面加工方法によれば、加工物と工具の回転中心との相対位置を制御して、回転する工具で加工物を自由曲面形状に加工するに際して、工具と加工物との相対位置を検出して、当該検出結果に基づいて工具先端の切削刃と加工物との位置ずれを、工具先端の切削刃の位置を制御する位置制御手段で修正するので、加工物と工具との相対位置の位置ずれを最小限に抑制することができ、高精度な加工を行うことができる。 【0077】請求項2記載の発明の自由曲面加工方法によれば、位置制御手段を、圧電素子を利用して工具先端の切削刃の位置を制御するものとしているので、従来から既知の技術を応用して工具先端の切削刃の位置制御を行って、加工物と工具との相対位置の位置ずれを安価に最小限に抑制することができ、高精度な加工を安価に行うことができる。 【0078】請求項3記載の発明の自由曲面加工方法によれば、位置制御手段を、蓄電手段を備え、当該蓄電手段から圧電素子に電源を供給して、工具先端の切削刃の位置制御を行うものとしているので、圧電素子に外部から電源を供給することなく、位置制御手段で加工物と工具との相対位置の位置ずれを最小限に抑制することができ、高精度な加工を行うことができる。 【0079】請求項4記載の発明の自由曲面加工装置によれば、加工物と工具の回転中心との相対位置を制御して、回転する工具で加工物を自由曲面形状に加工するに際して、工具と加工物との相対位置を検出して、当該検出結果に基づいて工具先端の切削刃と加工物との位置ずれを、工具先端の切削刃の位置を制御する位置制御手段で修正するので、加工物と工具との相対位置の位置ずれを最小限に抑制することができ、高精度な加工を行うことができる。 【0080】請求項5記載の発明の自由曲面加工装置によれば、位置制御手段を、圧電素子を利用して工具先端の切削刃の位置を制御するものとしているので、従来から既知の技術を応用して工具先端の切削刃の位置制御を行い、加工物と工具との相対位置の位置ずれを安価に最小限に抑制することができ、高精度な加工を安価に行うことができる。 【0081】請求項6記載の発明の自由曲面加工装置によれば、位置制御手段を、蓄電手段を備え、当該蓄電手段から圧電素子に電源を供給して、工具先端の切削刃の位置制御を行うものとしているので、圧電素子に外部から電源を供給することなく、位置制御手段で加工物と工具との相対位置の位置ずれを最小限に抑制することができ、高精度な加工を行うことができる。 【0082】請求項7記載の発明の自由曲面加工装置によれば、制御手段として、自由曲面加工装置の外部に設けられたコンピュータを用い、当該コンピュータで、位置検出手段の検出信号を取り込んで、位置制御手段に位置制御信号を送出し、位置制御手段に当該位置制御信号に基づいて、工具先端の切削刃の位置制御を行わせるので、工具と加工物との相対位置の検出、工具先端の切削刃と加工物との位置ずれの修正及び工具による加工物の加工という一連の工程をコンピュータにより自動化することができ、作業性を向上させることができるとともに、より一層高精度な加工を行うことができる。 【0083】請求項8記載の発明の記録媒体によれば、加工物と工具の回転中心との相対位置を制御して、回転する工具で加工物を自由曲面形状に加工するに際して、工具と加工物との相対位置を検出して、当該検出結果に基づいて工具先端の切削刃と加工物との位置ずれを、工具先端の切削刃の位置を制御する位置制御手段で修正する自由曲面加工方法のプログラムを読み取り可能な記録媒体に記録しているので、当該記録媒体を読み取り可能な自由曲面加工装置の外部に設けられたコンピュータを用いて読み取らせて、当該コンピュータの接続された自由曲面加工装置で、加工物と工具との相対位置の位置ずれを最小限に抑制することができ、高精度な加工を行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006747 【氏名又は名称】株式会社リコー
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| 【出願日】 |
平成12年3月22日(2000.3.22) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−265413(P2001−265413A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−79720(P2000−79720) |
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