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【発明の名称】 プログラマブルコントローラ
【発明者】 【氏名】冨田 一彰

【要約】 【課題】周辺サービス処理の定時定量実行を保証することにより、ユーザプログラム実行所要時間の如何に拘わらず、円滑なデータ中継を可能としたプログラマブルコントローラを提供する。

【解決手段】ユーザプログラム実行処理とI/Oリフレッシュ処理と周辺サービス処理とを同一のマイクロプロセッサにて実行するプログラマブルコントローラであって、前記ユーザプログラム実行処理とI/Oリフレッシュ処理とを、通常処理によりサイクリックに実行する通常処理手段と、予め定められた周期で割込トリガを発生する割込トリガ発生手段と、前記割込トリガが発生する毎に前記通常処理手段におけるユーザプログラム実行処理を中断し、前記周辺サービス処理を規定の分量だけ割込処理により実行する割込処理手段とを具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ユーザプログラム実行処理とI/Oリフレッシュ処理と周辺サービス処理とを同一のマイクロプロセッサにて実行するプログラマブルコントローラであって、前記ユーザプログラム実行処理とI/Oリフレッシュ処理とを、通常処理によりサイクリックに実行する通常処理手段と、予め定められた周期で割込トリガを発生する割込トリガ発生手段と、前記割込トリガが発生する毎に前記通常処理手段におけるユーザプログラム実行処理を中断し、前記周辺サービス処理を規定の分量だけ割込処理により実行する割込処理手段と、を具備してなるプログラマブルコントローラ。
【請求項2】 割込トリガ発生手段による割込トリガ発生周期を変更する手段を有する請求項1に記載のプログラマブルコントローラ。
【請求項3】 割込処理手段による周辺サービス処理の実行時間を変更する手段を有する請求項1に記載のプログラマブルコントローラ。
【請求項4】 ユーザプログラム実行中に所定の割込マスク命令が読み出されるのに応答して外部からの割込を禁止すると共に、割込マスク解除命令が読み出されるのに応答して外部からの割込禁止を解除する手段を有する請求項1に記載のプログラマブルコントローラ。
【請求項5】 定められた周期が、前回の周辺サービス処理の実行時間と所定のインターバル時間との和により規定される請求項1に記載のプログラマブルコントローラ。
【請求項6】 ユーザプログラム実行処理とI/Oリフレッシュ処理と周辺サービス処理とを同一のマイクロプロセッサにて行うプログラマブルコントローラであって、前記ユーザプログラム実行処理とI/Oリフレッシュ処理と周辺サービス処理とを、通常処理によりサイクリックに実行する第1のモードと、前記ユーザプログラム実行処理とI/Oリフレッシュ処理については通常処理にて実行する一方、前記周辺サービス処理については定時割込処理にて一定周期毎に規定分量づつ実行する第2のモードと、前記第1のモードと前記第2のモードとを切り替えるための手段と、を具備するプログラマブルコントローラ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、FAネットワークにおけるデータ中継器を兼務するプログラマブルコントローラに係り、特に、周辺サービス処理の定時定量実行を保証することにより、例えば、ユーザプログラム実行所要時間の如何に拘わらず、円滑なデータ中継等を可能としたプログラマブルコントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】FAネットワーク内におけるデータ中継器を兼務するプログラマブルコントローラにあっては、上位コンピュータと他のプログラマブルコントローラ等との間にあって、ユーザプログラム実行等の本来の仕事を行いつつも、一方では、周辺サービス処理を実行することにより、常に円滑なデータ転送を保証せねばならない。このデータ転送が滞ると、上位コンピュータにおけるアプリケーションの実行に支障を来す場合がある。
【0003】すなわち、上位コンピュータのアプリケーションにおいては、一般に、各プログラマブルコントローラより一定量のデータを吸い上げる度に、決められた処理を実行するようにプログラムが組まれており、ひとたび吸い上げデータが不足すると、プログラムの実行が先へ進まず、システム全体のデータ処理に悪影響を及ぼす。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来一般のプログラマブルコントローラにおける周辺サービス処理の実行は、図12のフローチャートに示されるように、ユーザプログラム実行処理並びにI/Oリフレッシュ処理の完了を待って行われる。
【0005】同図において、ステップ1201は、各種フラグ更新等を含むイニシャル処理、ステップ1202は、ユーザプログラムの実行モードであるか否かの判定処理、ステップ1203は、実行モードでないときに行われるその他の処理、ステップ1204は、ユーザプログラム実行処理、ステップ1205は、I/Oリフレッシュ処理、ステップ1206は、周辺サービス処理に割り当てられる一回分の実行時間Txを決定する処理、ステップ1207は、ステップ1206で決定された周辺サービス処理の一回分の実行時間Txをタイマにセットする処理、ステップ1208は、一回分の周辺サービス処理の実行、ステップ1209は、一回分の周辺サービス処理に割り当てられた実行時間Txの経過判定処理、ステップ1210は、一回分の周辺サービス処理終了後の後処理をそれぞれ示す。尚、Tx経過判定処理(1209)はタイマ割込の有無をチェックする処理である。
【0006】このように、従来のプログラマブルコントローラにおける周辺サービス処理は、ユーザプログラム実行処理並びにI/Oリフレッシュ処理の完了後に規定分量づつ細切れに行われるため、入出力情報の変化によりユーザプログラム実行所要時間が一時的に長引いたり、あるいは、プログラムの改変などによりユーザプログラム実行所要時間が長くなると、その分だけ周辺サービス処理の実行周期が長くなる結果、データ転送処理等(特殊I/O対応処理等も含む)に支障を来すという問題点があった。
【0007】この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、周辺サービス処理の定時定量実行を保証することにより、例えば、ユーザプログラム実行所要時間の如何に拘わらず、円滑なデータ中継等を可能としたプログラマブルコントローラを提供することにある。
【0008】この発明の他の目的とするところは、周辺サービス処理の実行周期及び/又はその一回分の実行割当時間を任意に変更可能なプログラマブルコントローラを提供することにある。
【0009】この発明の更に他の目的とするところは、ユーザプログラム実行処理、I/Oリフレッシュ処理、周辺サービス処理を順次直列に実行する動作モードと、周辺サービス処理を定時割込により独立の周期で実行する動作モードとを、適宜に切り替えて実行できるプログラマブルコントローラを提供することにある。
【0010】この発明の更に他の目的並びに効果は、以下の明細書の記述並びに図面の内容等を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のプログラマブルコントローラは、ユーザプログラム実行処理とI/Oリフレッシュ処理と周辺サービス処理とを同一のマイクロプロセッサにて実行するプログラマブルコントローラであることを前提としている。
【0012】加えて、本発明のプログラマブルコントローラには、前記ユーザプログラム実行処理とI/Oリフレッシュ処理とを、通常処理によりサイクリックに実行する通常処理手段と、予め定められた周期で割込トリガを発生する割込トリガ発生手段と、前記割込トリガが発生する毎に前記通常処理手段におけるユーザプログラム実行処理を中断し、前記周辺サービス処理を規定の分量だけ割込処理により実行する割込処理手段とが具備されている。
【0013】ここで、『周辺サービス処理』とは、プログラマブルコントローラ本来の機能に必要なユーザプログラム実行処理並びにI/Oリフレッシュ処理以外の処理を意味する。具体的には、例えば、上位パソコンとのデータ通信、特殊I/OやリモートI/Oとの交信処理、FAネットワークにおけるデータ中継処理等が挙げられる。
【0014】また、『規定分量』とあるのは、一連の周辺サービス処理を一括して実行するのではなく、何回かに分けて実行することを意味している。何回に分けて実行するかについては、規定された周辺サービス処理の一回分の実行時間との関係で決定される。一連のサービス処理の総量が多ければ、当然に、分割回数は多くなるであろう。
【0015】また、ここでいう『定められた周期』には、前回の周辺サービス処理の実行時間と所定のインターバル時間との和により規定される周期も含まれる。
【0016】この様な構成によれば、ユーザプログラム実行所要時間の大小等に拘わらず、周辺サービス処理のみを一定周期毎に定量実行することが保証される。すなわち、同一のマイクロプロセッサにおいて、ユーザプログラム実行処理と、I/Oリフレッシュ処理と、定時定量の周辺サービス処理との実行が可能となるから、ユーザプログラム実行所要時間が何らかの理由で長大化したとしても、周辺サービス処理の実行周期が長大化することがなくなり、これにより円滑なデータ転送等が保証されることとなる。
【0017】好ましい実施の形態では、上述のプログラマブルコントローラには、割込トリガ発生手段による割込トリガ発生周期を変更する手段及び/又は割込処理手段による周辺サービス処理の実行時間を変更する手段とが設けられる。
【0018】ここでいう、『変更手段』には、例えばプログラミングコンソール等のプログラマブルコントローラへの接続ツール等も含まれる。一般に、この種のプログラマブルコントローラにおいては、専用のプログラミングコンソール(パソコンのアプリケーションソフトで構成する場合もある)を使用することにより、I/Oメモリやデータメモリ内のデータを設定したり、変更したりすることが可能とされている。
【0019】このような構成によれば、変更手段を介して、周辺サービス処理の実行周期及び/又は実行時間を調整可能となる。これにより、プログラマブルコントローラの適用状況に応じた適切な実行頻度で周辺サービス処理を行うことができる。また、周辺サービス処理の実行時間が長大化することにより他の実行処理に遅れが生ずるといったような場合にあっても、周辺サービス処理の実行時間を適切な値に変更することで、それらの遅れを解消することができる。
【0020】尚、周辺サービス処理の実行時間と所定のインターバル時間との和により周辺サービス処理の実行周期を規定するような場合には、当該所定のインターバルを『変更手段』によって変更することにより、間接的に割込トリガ発生周期を変更可能とすることもできる。
【0021】上述の割込トリガ発生手段による割込トリガ発生周期及び/又は割込手段による周辺サービス処理の実行時間の変更手段は、ユーザプログラム中で使用可能な専用の命令語により実現することもできる。
【0022】ここで、『ユーザプログラム中で使用可能な専用の命令語』とあるのは、そのような命令語を新たに定義することを意味している。この命令語の設計例としては、それが実行されることにより、上述の実行周期データ並びに実行時間データが書き換えられたり、新たに設定されたりする処理を行えるものを挙げることができる。
【0023】このような構成によれば、ユーザは、所定の命令語を使用することにより、ユーザプログラムを介して比較的容易に、周辺サービス処理の周期並びに実行時間の変更を行うことが可能となる。加えて、これらの命令語に実行条件を組み込むことで、ユーザプログラムの実行状況(制御状況)に合わせて、それらの変更を自動的に行わせることが可能となる。
【0024】本発明のプログラマブルコントローラにあっては、ユーザプログラム実行処理とI/Oリフレッシュ処理と周辺サービス処理とを、通常処理によりサイクリックに実行する第1のモードと、ユーザプログラム実行処理とI/Oリフレッシュ処理については通常処理にて実行する一方、前記周辺サービス処理については定時割込処理にて一定周期毎に規定分量づつ実行する第2のモードと、第1のモードと前記第2のモードとを切り替えるための手段とを具備した構成とすることもできる。
【0025】ここでいう『変更手段』についても、例えばプログラミングコンソール等で手動操作する場合と、専用の命令語を使用したユーザプログラムを実行させて行うものとの双方を含めることができる。
【0026】このような構成によれば、プログラマブルコントローラの使用状況に合わせて、適宜に第1のモードと第2のモードとを、変更手段を介して切り替えることができる。すなわち、第2のモードとすれば、周辺サービス処理の定時定量実行を行うことができ、上述のような種々の効果を得ることができる。また、第1のモードとすれば、プログラマブルコントローラ本来の1サイクル毎に、通常通りの周辺サービス処理を実行することもできる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のプログラマブルコントローラのいくつかの好適な実施の一形態を添付図面に従って詳細に説明する。
【0028】本発明のプログラマブルコントローラの適用例が図1に概略的に示されている。
【0029】図1(A)には、FAネットワーク内におけるプログラマブルコントローラへの適用例が示されている。この例では、本発明の適用されたプログラマブルコントローラaは、被制御装置cの制御を担うと共に、下位プログラマブルコントローラPLC1,PLC2,PLC3からそれぞれ送られてくるデータを取り入れ、上位装置bに転送するデータ中継器としての役割を兼務している。
【0030】図1(B)には、PID制御を担うプログラマブルコントローラへの適用例が示されている。この例では、本発明の適用されたプログラマブルコントローラa´は、被制御装置cを制御すると共に、下位プログラマブルコントローラPLC1,PLC2からそれぞれ送られてくるデータに基づいて、特殊I/O装置dを制御する役割を兼務している。
【0031】本発明のプログラマブルコントローラは、例えば、上述のようなデータ中継器やPID制御装置としての使用に特に好適とされるものである。尚、これらの用途は一例であって、本発明のプログラマブルコントローラの用途をこれらの範囲に限定するものではない。
【0032】本発明のプログラマブルコントローラ全体のシステム構成が図2のブロック図に示されている。同図に示されるように、このプログラマブルコントローラは、CPUユニット1と、各種被制御機器のためのI/Oユニット2と、PID制御等による特殊被制御機器のための特殊I/Oユニット3と、他のPLCや上位装置との通信を担う通信ユニット4とを少なくとも具備している。尚、符号5が付されているのはデータバスであり、符号6が付されているのは通信用シリアルバスである。
【0033】また、CPUユニット1は、マイクロプロセッサ(MPU)11と、ワークメモリ12と、I/Oメモリ13と、システムプログラムメモリ14と、ユーザプログラムメモリ15とを具備している。
【0034】CPUユニット1は、マイクロプロセッサ11を主体として構成されており、システムプログラムメモリ14に格納された各種のシステムプログラムを実行することによりPLCとしての機能を実現するものである。
【0035】ユーザプログラムメモリ15は、ユーザが所望する制御仕様に対応したユーザプログラムを記憶するメモリである。ワークメモリ12は、CPU1がプログラムを実行するに際し、演算途中結果の記憶領域として使用される。I/Oメモリ13は、I/Oユニット2、特殊I/Oユニット3及び通信ユニット4から取り込まれる入力データ並びにI/Oユニット2、特殊I/Oユニット及び通信ユニット4へと送り出すための出力データの格納領域として使用される。
【0036】また、マイクロプロセッサ11内には、周辺サービス処理の定時割込のためのタイマTaと、当該周辺サービス処理の実行時間を監視するためのタイマTbが設けられている。
【0037】I/Oメモリ13内には、図3に示されるように、IN領域とOUT領域の他、周辺サービス処理の割込実行周期に相当する時間データT1と、当該周辺サービス処理の実行時間に相当する時間データT2と、後述する周辺サービス処理優先フラグFpとのためのメモリ領域が設けられている。
【0038】本発明のプログラマブルコントローラの通常時処理を示すフローチャートが図4に示されている。
【0039】同図において、図示しない電源が投入されると、先ずシステムの動作に必要な各種フラグやレジスタ等の初期設定が行われる(ステップ401)。次に、RUN操作により制御される図示しない状態フラグの内容に基づき、ユーザプログラム実行モードであるかが判定され、実行モードでない場合には(ステップ402NO)、実行モードに変化するまで各種の他の処理(ステップ403)が実行される。
【0040】ユーザプログラム実行モードにあるときには(ステップ402YES)、ユーザプログラム実行(ステップ404)とそれに追従するI/Oリフレッシュ処理(ステップ405)とが通常通りに一体的に実行される。これらの処理が完了すると、続くステップ406において周辺サービス優先フラグFpが“0”か“1”かに基づき、第1モード(周辺サービス優先モードOFF)か、第2モード(周辺サービス優先モードON)かの判定がなされる。
【0041】周辺サービス優先フラグFpは、周辺サービス優先モードがONのときにはFp=“1”とされ、周辺サービス優先モードがOFFのときにはFp=“0”とされる。すなわち、Fp=“1”が確認されると(ステップ406YES)、周辺サービス優先モードがONと判定され、第2のモードとなり、以降、周辺サービス処理の定時割込が可能となる。その後、定時割込が発生する毎に周辺サービス処理の実行へと移行されるが、割込がないときには、ステップ402〜ステップ406の処理がサイクリックに実行される。
【0042】一方、Fp=“0”が確認されると、周辺サービス優先モードがOFFと判定され(ステップ406NO)、第1のモードとなり、通常処理としての周辺サービス処理が実行される(ステップ407)。以降、ステップ406においてFp=“1”が確認されるまで、ステップ402〜ステップ407の処理がサイクリックに実行されることとなる。
【0043】すなわち、第1のモードにあるときには、ユーザプログラム実行処理とI/Oリフレッシュ処理と周辺サービス処理とが通常通りにサイクリックに実行され、第2のモードにある時には、ユーザプログラム実行処理とI/Oリフレッシュ処理と定時割込による周辺サービス処理とが実行される。
【0044】周辺サービス優先モードのON,OFF設定並びに周辺サービス処理の割込実行周期と、当該周辺サービス処理の実行時間との設定は、ユーザがプログラム命令を介して適宜に設定乃至変更可能とされている。
【0045】周辺サービス優先モードの設定の詳細を示すフローチャートが図5に示されている。設定は、通常時処理における命令実行中(図4,ステップ404)に行われる。
【0046】先ず、ユーザプログラムの命令が読み込まれ(ステップ501)、これがEND命令であれば命令実行は終了となり(ステップ502YES)、これがEND命令でないときには(ステップ502NO)、ステップ503に進む。
【0047】ステップ503において優先モード設定命令と判定されると、設定処理実行条件を満たしていることを前提として(ステップ504YES)、続くステップ505において周辺サービス優先フラグFpに“1”が記憶される。次いで、実行周期に相当する時間データT1並びに実行時間に相当する時間データT2が命令のオペランドから読み出され、所定のI/Oメモリ領域に記憶される(ステップ506)。これにより、周辺サービス優先モードの設定が完了する。尚、ステップ501において読み込まれた命令が優先モード設定命令であっても、設定処理実行条件を満たしていない場合には、設定は行われず終了する(ステップ504NO)。
【0048】一方、優先モード設定命令でない命令は(ステップ503NO)、ステップ507において優先モードの解除命令であるか否かの判定がなされる。
【0049】優先モードの解除命令であるときには(ステップ507YES)、解除処理実行条件を満たしていることを前提として(ステップ508YES)、続くステップ509にて優先フラグFpに“0”が記憶される。これにより、周辺サービス優先モードの設定が解除される。尚、ステップ501において読み込まれた命令が優先モード解除命令であっても、解除実行条件を満たしていない場合には、優先モードの解除は行われず終了する(ステップ508NO)。
【0050】優先モード設定命令、優先モード解除命令の何れにも該当しない命令は(ステップ503NO,ステップ507NO)、ステップ510において、その他の処理が行われることとなる。
【0051】このような構成において、本発明のプログラマブルコントローラでは、設定モードや時間データT1,T2並びにそれらの変更条件等を、ユーザが所定の命令を介してプログラムに書き込むことにより、第1モード(周辺サービス優先モードOFF)と第2モード(周辺サービス優先モードON)との切り替え、各種時間データの変更を、ユーザプログラムの実行状況に応じて、自動的に行うことを可能としている。
【0052】尚、この実施形態によるプログラマブルコントローラは、ユーザプログラムを介して、第1モードと第2モードとの変更並びに時間データT1,T2の変更を行う仕様としたが、例えば、プログラミングコンソール等の接続ツールを介して、I/Oメモリ内のフラグFpの書き換え、データT1,T2の書き換えを行うことも可能である。
【0053】周辺サービス優先モードの設定が完了し、Fp=“1”が確認されると(図4中、ステップ406YES)、マイクロプロセッサ11内のタイマTaに、上述の周辺サービス処理の割込実行周期に相当する時間データT1がセットされ、同時にタイマTaが起動される。
【0054】その後は、Fp=“0”が確認されるまで、タイマTaのタイムアップにより割込トリガが発生する毎に、図6に示されるタイムスライスによる周辺サービス処理が繰り返し実行される(ステップ601)。
【0055】この時、通常時処理におけるユーザプログラム実行処理中であれば、所定のメモリ内に、次回命令実行のためのアドレスが待避される。周辺サービス処理の実行終了後には、当該アドレスが呼び出され、必要とあればプログラムカウンタの歩進等が行われた後、再びユーザプログラムの実行が開始される。
【0056】定時割込による周辺サービス処理の詳細を示すフローチャートが図7に示されている。
【0057】定時割込による周辺サービス処理が開始されると、先ず、I/Oメモリの所定の領域から周辺サービス処理の実行時間に相当する時間データT2が呼び出され、マイクロプロセッサ11内のタイマTbにセットされ、同時にタイマTbが起動される(ステップ701)。その後、ステップ703においてT2の経過が確認されるまで、周辺サービス処理が継続的に実行される(ステップ702,ステップ703NO)。
【0058】タイマTbのタイムアップと共に、割込トリガが発生されると、周辺サービス処理の実行は終了され(ステップ703YES)、次いで、各種の終了処理(ステップ704)が行われる。
【0059】すなわち、本発明では、ユーザ規定の実行時間T2に基づいたタイムスライスによる周辺サービス処理の実行を可能としている。
【0060】尚、本発明のプログラマブルコントローラは、複数命令からなる特定のユーザプログラムに対し、その実行中における周辺サービス処理の定時割込を禁止するための手段が設けられている。割込禁止の設定及び解除は図4のステップ404のユーザプログラム実行中に行われる。
【0061】ユーザプログラム実行処理を示す詳細フローチャートが図8に示されている。
【0062】ユーザプログラム実行が開始されると、プログラムカウンタがユーザプログラムの先頭にセットされる(ステップ801)。次いで、ユーザ命令が読み込まれ(ステップ802)、これがEND命令であれば実行終了とされるが(ステップ803YES)、END命令でなければ(ステップ803NO)、続くステップ804へと進む。
【0063】ステップ804において、割込マスク命令であると判定されると(ステップ804YES)、マスク処理がなされ(ステップ805)、以降、割込マスク解除命令が読み出されるまで、ユーザプログラム実行処理中における周辺サービス処理の定時割り込みが禁止される。マスク処理終了後には、ステップ808の他の命令実行処理が行われる。
【0064】一方、割込マスク命令ではなく(ステップ804NO)、割込マスク解除命令が読み込まれた時には(ステップ806YES)、マスク解除処理がなされ、周辺サービス処理の定時割り込みが可能となる。マスク解除処理終了後、または命令がマスク解除命令でない場合には(ステップ806NO)、ステップ808の他の命令実行処理が行われる。
【0065】ステップ808において、その他の命令実行処理が行われると、次いで、プログラムカウンタが歩進され(ステップ809)、再び命令が読み込まれる(ステップ802)。その後、ステップ803にてEND命令と確認されるまで、これらの処理がサイクリックに行われる。
【0066】このような構成において、例えば、図9に示されるように、命令を一括して処理する必要がある命令群(アドレスn〜m)に対し、その先頭命令(アドレスn)の直前のアドレスn−1に割込マスク命令(IOSP)を挿入するとともに、末尾命令(アドレスm)の直後のアドレスm+1には、割込マスク解除命令(IORS)を挿入する。
【0067】これにより、所定の命令群(アドレスn〜m)に対する周辺サービス処理の定時割込が禁止されるから、タイマT1による割込トリガが発生した場合にあっても、この割込トリガは受け付けられることがなく、当該命令群を中断することなく一括して実行することが可能となる。
【0068】次に、本実施形態におけるプログラマブルコントローラの周辺サービス割込処理の手順を、図10のタイムチャートにまとめて示す。同図において、周辺サービス処理の割込実行周期は時間データT1により規定され、実行時間は時間データT2により規定される。周辺サービス処理の定時割込が発生すると、ユーザプログラム実行は一時的に中断されるが、割込マスク命令(IOSP)並びにマスク解除命令(IORS)で挟まれた命令群の実行中には、周辺サービス処理は直ちには実行されず、マスク解除処理終了後に続いて実行される。
【0069】尚、上述の例では、周辺サービス処理の実行周期(T1)を、周辺サービス処理の開始時点から、次回周辺サービス処理の開始時点までに相当する時間で規定した場合を示しているが、図11に示されるように、周辺サービス処理の実行周期を、実行時間(T2)と、周辺サービス処理の終了時点から次回の周辺サービス処理の開始時点までに相当するインターバル時間(T3)との和で規定してもよい。その際の、実行周期変更手段のためのプログラム構成は、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0070】以上の説明で明らかなように、本実施形態のプログラマブルコントローラによれば、定時割込によるタイムスライスの下での周辺サービス処理の実行(ステップ601)が可能となる。
【0071】これにより、例えば、図1に示されるように、FAシステム内のデータ中継器aや、PID制御装置a´に本発明のプログラマブルコントローラを適用すれば、円滑なデータ転送並びにPID制御が可能となる。尚、本実施例では、ビルディングブロックタイプのプログラマブルコントローラを記載したが、CPUユニットに、I/Oユニット、特殊ユニット、通信ユニット等の一部又は全部が一体化されたプログラマブルコントローラに対しても本発明を適用可能である。
【0072】加えて、ユーザプログラムの実行状況に基づいて(ステップ504又はステップ505)、周辺サービスの実行周期T1,実行時間T2並びに優先モードフラグFpの設定並びに変更ができるから、ユーザが所定の命令語を用いて実行状況を設定すれば、それらの設定乃至変更を自動的に行うことが可能となる。
【0073】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、例えば、FAネットワークシステムにおけるデータ中継機を兼務するプログラマブルコントローラに本発明のプログラマブルコントローラを用いれば、周辺サービス処理の定時定量実行を保証することができるから、ユーザプログラム実行所要時間の大小等に拘わらず、円滑なデータ中継が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
【出願日】 平成12年3月15日(2000.3.15)
【代理人】 【識別番号】100098899
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 信市
【公開番号】 特開2001−265412(P2001−265412A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−73050(P2000−73050)