| 【発明の名称】 |
多重系サーボアクチュエータ制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】矢野 歩
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| 【要約】 |
【課題】応答性やサーボ剛性の低下を極力抑止しつつ、系統間の拮抗に起因した電力浪費を防止できる多重系サーボアクチュエータ制御装置を提供する。
【解決手段】多重系サーボアクチュエータ制御装置は、電動サーボアクチュエータ1の第1系統を制御する制御回路20と、電動サーボアクチュエータ1の第2系統を制御する制御回路30と、制御回路20,30との間でデータ通信を行なうためのシリアルバス40等で構成され、制御回路20,30は、CPU21,31と、メモリ23,33と、入出力回路24,34と、モータ10のモータコイル9a,9bにモータ駆動電流を出力するドライバ回路25,35と、上位制御装置41とのデータ通信を行なう通信I/F回路26,36と、他系統とのデータ通信を行なう系統間通信I/F回路27,37などで構成され、センサ信号S1とセンサ信号S2との間の偏差特性を測定し、測定した偏差特性に基づいて制御回路20,30の増幅器61,71の不感帯幅W1,W2をそれぞれ調整する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アクチュエータを独立に駆動する第1駆動部および第2駆動部と、該アクチュエータの運動情報を独立に検出し、第1検出信号および第2検出信号をそれぞれ出力する第1センサおよび第2センサと、外部指令信号と第1検出信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行なって、第1操作信号を第1駆動部へ出力する第1制御演算部と、外部指令信号と第2検出信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行なって、第2操作信号を第2駆動部へ出力する第2制御演算部と、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性を測定し、測定した偏差特性に基づいて第1制御演算部の制御特性を調整するための第1制御特性調整部と、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性を測定し、測定した偏差特性に基づいて第2制御演算部の制御特性を調整するための第2制御特性調整部とを備えることを特徴とする多重系サーボアクチュエータ制御装置。 【請求項2】 アクチュエータを独立に駆動する第1駆動部および第2駆動部と、該アクチュエータの出力変位を独立に検出し、第1検出信号および第2検出信号をそれぞれ出力する第1センサおよび第2センサと、外部指令信号と第1検出信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行なって、第1操作信号を第1駆動部へ出力する第1制御演算部と、外部指令信号と第2検出信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行なって、第2操作信号を第2駆動部へ出力する第2制御演算部と、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性を測定し、測定した偏差特性に基づいて第1制御演算部の制御特性を調整するための第1制御特性調整部と、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性を測定し、測定した偏差特性に基づいて第2制御演算部の制御特性を調整するための第2制御特性調整部とを備えることを特徴とする多重系サーボアクチュエータ制御装置。 【請求項3】 第1制御演算部の制御特性は、幅W1およびゲインG1aの不感帯を有し、不感帯以外ではゲインG1aより高いゲインG1bを有し、第2制御演算部の制御特性は、幅W2およびゲインG2aの不感帯を有し、不感帯以外ではゲインG2aより高いゲインG2bを有し、第1制御特性調整部および第2制御特性調整部は、測定した偏差特性に基づいて第1制御演算部および第2制御演算部の不感帯幅W1,W2をそれぞれ可変に設定することを特徴とする請求項1または2記載の多重系サーボアクチュエータ制御装置。 【請求項4】 第1制御特性調整部および第2制御特性調整部は、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性をアクチュエータの作動範囲に渡って測定し、統計処理によって一定の評価値を算出し、該評価値に基づいて第1制御演算部および第2制御演算部の不感帯幅W1,W2をそれぞれ調整することを特徴とする請求項3記載の多重系サーボアクチュエータ制御装置。 【請求項5】 第1制御特性調整部および第2制御特性調整部は、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性を予め記憶しておいて、第1制御特性調整部は現在の第1検出信号に対応した偏差値に基づいて第1制御演算部の不感帯幅W1をリアルタイムで調整し、第2御御特性調整部は現在の第2検出信号に対応した偏差値に基づいて第2制御演算部の不感帯幅W2をリアルタイムで調整することを特徴とする請求項3記載の多重系サーボアクチュエータ制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気回路系を併設して多重系を構成したサーボアクチュエータ制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】たとえばFBW(フライバイワイヤ)ヘリコプタや航空機、宇宙飛行機等において、同一の制御対象を制御するための駆動系を複数併設して、いくつかの駆動系が故障しても残りの駆動系だけで正常動作を継続できるように多重系で構成することによって、安全性や信頼性の向上を図っている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】多重系サーボアクチュエータは高い信頼性を有するが、制御回路やセンサ、駆動回路等の系統間ばらつきに起因して、アクチュエータ駆動力が系統間で微妙に相違してしまうため、応答性の劣化や系統同士の拮抗による電力浪費を引き起こす。特に、出力に寄与しない電力浪費は、系統間に極性の異なる出力が発生した場合に顕著になる。系統間に同じ極性で異なる大きさの出力が発生した場合は、トルクや力が加算的に作用するため、電力は有効に利用される。しかし、系統間に極性の異なる出力が発生すると、トルクや力が互いに打ち消し合い、電力浪費となる。 【0004】こうした対策として、各系統の制御回路、センサ信号値、駆動回路等のばらつきが極力小さくなるように、微妙な調整で追い込むことが考えられる。しかし、一旦調整を終えた制御部はそのアクチュエータとの組合せだけに限られるマッチドセットになってしまい、その後の保守や交換が困難になる。 【0005】別の対策として、たとえば各系統の操作出力信号値を互いに通信して、操作信号値の平均値やメジアン値を算出し、各系統で共通の操作出力信号値を使用する手法が考えられている(たとえば特開平9−126351号,特開昭58−139202号など)。しかし、系統間をクロスリンクで参照する平均値演算回路やメジアン値演算回路が必要になり、系統間の独立性の弱化や制御回路の複雑化を招く。 【0006】本発明の目的は、応答性やサーボ剛性の低下を極力抑止しつつ、系統間の拮抗に起因した電力浪費を防止できる多重系サーボアクチュエータ制御装置を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、アクチュエータを独立に駆動する第1駆動部および第2駆動部と、該アクチュエータの運動情報を独立に検出し、第1検出信号および第2検出信号をそれぞれ出力する第1センサおよび第2センサと、外部指令信号と第1検出信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行なって、第1操作信号を第1駆動部へ出力する第1制御演算部と、外部指令信号と第2検出信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行なって、第2操作信号を第2駆動部へ出力する第2制御演算部と、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性を測定し、測定した偏差特性に基づいて第1制御演算部の制御特性を調整するための第1制御特性調整部と、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性を測定し、測定した偏差特性に基づいて第2制御演算部の制御特性を調整するための第2制御特性調整部とを備えることを特徴とする多重系サーボアクチュエータ制御装置である。 【0008】本発明に従えば、第1駆動部および第2駆動部が共通のアクチュエータを独立に駆動する多重系サーボアクチュエータにおいて、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性を測定し、測定した偏差特性に基づいて第1制御演算部および第2制御演算部の制御特性をそれぞれ調整することによって、系統間の拮抗状態を緩和できる。 【0009】なお、アクチュエータの運動情報および外部指令信号として、サーボ制御の対象に応じて変位情報、速度情報、加速度情報などが使用できる。 【0010】また本発明は、アクチュエータを独立に駆動する第1駆動部および第2駆動部と、該アクチュエータの出力変位を独立に検出し、第1検出信号および第2検出信号をそれぞれ出力する第1センサおよび第2センサと、外部指令信号と第1検出信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行なって、第1操作信号を第1駆動部へ出力する第1制御演算部と、外部指令信号と第2検出信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行なって、第2操作信号を第2駆動部へ出力する第2制御演算部と、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性を測定し、測定した偏差特性に基づいて第1制御演算部の制御特性を調整するための第1制御特性調整部と、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性を測定し、測定した偏差特性に基づいて第2制御演算部の制御特性を調整するための第2制御特性調整部とを備えることを特徴とする多重系サーボアクチュエータ制御装置である。 【0011】本発明に従えば、第1駆動部および第2駆動部が共通のアクチュエータを独立に駆動する多重系サーボアクチュエータにおいて、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性を測定し、測定した偏差特性に基づいて第1制御演算部および第2制御演算部の制御特性をそれぞれ調整することによって、系統間の拮抗状態を緩和できる。 【0012】また本発明は、第1制御演算部の制御特性は、幅W1およびゲインG1aの不感帯を有し、不感帯以外ではゲインG1aより高いゲインG1bを有し、第2制御演算部の制御特性は、幅W2およびゲインG2aの不感帯を有し、不感帯以外ではゲインG2aより高いゲインG2bを有し、第1制御特性調整部および第2制御特性調整部は、測定した偏差特性に基づいて第1制御演算部および第2制御演算部の不感帯幅W1,W2をそれぞれ可変に設定することを特徴とする。 【0013】本発明に従えば、測定した偏差特性に基づいて第1制御演算部および第2制御演算部の不感帯幅W1,W2をそれぞれ可変に設定することによって、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性が大きい場合は、不感帯幅W1,W2を広げることで拮抗状態における制御ゲインが下がるため、アクチュエータでの電力浪費を防止できる。一方、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性が小さい場合は、不感帯幅W1,W2を狭くすることで通常動作における応答性やサーボ剛性を高く維持できる。 【0014】また本発明は、第1制御特性調整部および第2制御特性調整部は、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性をアクチュエータの作動範囲に渡って測定し、統計処理によって一定の評価値を算出し、該評価値に基づいて第1制御演算部および第2制御演算部の不感帯幅W1,W2をそれぞれ調整することを特徴とする。 【0015】本発明に従えば、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性をアクチュエータの作動範囲に渡って測定し、統計処理によって一定の評価値を算出し、該評価値に基づいて不感帯幅W1,W2をそれぞれ調整することによって、アクチュエータがどの作動範囲にあっても確実に拮抗状態を緩和できる。 【0016】また本発明は、第1制御特性調整部および第2制御特性調整部は、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性を予め記憶しておいて、第1制御特性調整部は現在の第1検出信号に対応した偏差値に基づいて第1制御演算部の不感帯幅W1をリアルタイムで調整し、第2御御特性調整部は現在の第2検出信号に対応した偏差値に基づいて第2制御演算部の不感帯幅W2をリアルタイムで調整することを特徴とする。 【0017】本発明に従えば、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性を予め記憶しておいて、第1制御特性調整部は現在の第1検出信号に対応した偏差値に基づいて第1制御演算部の不感帯幅W1をリアルタイムで調整することによって、アクチュエータがどの作動範囲にあっても確実に拮抗状態を緩和できる。また、アクチュエータの作動範囲のうち偏差特性が小さい領域では、不感帯幅W1を狭くすることで、この領域における応答性やサーボ剛性を高く維持できる。 【0018】同様に、第2制御特性調整部は現在の第2検出信号に対応した偏差値に基づいて第2制御演算部の不感帯幅W2をリアルタイムで調整することによって、アクチュエータがどの作動範囲にあっても確実に拮抗状態を緩和できる。また、アクチュエータの作動範囲のうち偏差特性が小さい領域では、不感帯幅W2を狭くすることで、この領域における応答性やサーボ剛性を高く維持できる。 【0019】また、第1制御特性調整部および第2制御特性調整部は、自系統の検出信号だけで自己の不感帯幅を記憶情報に基づきそれぞれ調整できるため、系統間の独立性を高めることができる。 【0020】 【発明の実施の形態】図1は、本発明が適用できる多重系サーボアクチュエータの一例を示す断面構成図である。電動サーボアクチュエータ1は、1本のボールネジ6を二重回路系のモータ10で回転駆動して、ナット5を直線移動させて出力軸4の位置を制御している。 【0021】ボールネジ6は、ハウジング2および固定部3に対して軸受け7で回転支持される。ボールネジ6の基部にはモータ10のロータとなる磁石8a,8bが取り付けられ、ハウジング2の内側には磁石8a,8bを取り巻くようにモータコイル9a,9bが取り付けられる。 【0022】ボールネジ6には出力軸4に固定されたナット5が螺合している。出力軸4はハウジング2に対して摺動自在に支持され、回転止め15によって回転運動が規制される。2本のセンシング部材12a,12bが出力軸4と平行に一体的に取り付けられる。ハウジング2の内側には各センシング部材12a,12bの変位を独立に検出する2つの変位センサ11a,11bが取り付けられる。 【0023】こうしてモータ10および変位センサ11a,11bは二重回路系を構成しており、もし第1系統の回路が故障した場合、第1系統の故障を検出し、適切な処置を講じることにより第2系統の回路だけでサーボ動作を続行できるため、全体の信頼性を向上できる。 【0024】図2は、本発明の実施の一形態の電気的構成を示すブロック図である。サーボアクチュエータ制御装置は、電動サーボアクチュエータ1の第1系統を制御する制御回路20と、電動サーボアクチュエータ1の第2系統を制御する制御回路30と、制御回路20,30との間でデータ通信を行なうためのシリアルバス40等で構成される。上位制御装置41は、別のシリアルバス38,39を介して制御回路20,30との間でデータ通信を行ない、たとえば同一の外部コマンド信号を制御回路20,30へ送出する。 【0025】制御回路20は、所定のプログラムに従って全体の動作を制御するCPU(中央処理装置)21と、プログラムやデータを記憶するメモリ23と、データの入出力を行なう入出力回路(Programmable Input and Output) 24と、モータ10のモータコイル9aにモータ駆動電流を出力するドライバ回路25と、上位制御装置41とのデータ通信を行なう通信I/F(インタフェイス)回路26と、制御回路30とのデータ通信を行なう系統間通信I/F回路27などで構成される。CPU21は、演算処理のワークメモリであるレジスタ22を有する。また、変位センサ11aからのセンサ信号は入出力回路24に取り込まれる。 【0026】制御回路30は、制御回路20と同様に、所定のプログラムに従って全体の動作を制御するCPU31と、プログラムやデータを記憶するメモリ33と、データの入出力を行なう入出力回路34と、モータ10のモータコイル9bにモータ駆動電流を出力するドライバ回路35と、上位制御装置41とのデータ通信を行なう通信I/F回路36と、制御回路20とのデータ通信を行なう系統間通信I/F回路37などで構成される。CPU31は、演算処理のワークメモリであるレジスタ32を有する。また、変位センサ11bからのセンサ信号は入出力回路34に取り込まれる。 【0027】図3は、制御回路20,30の動作を示す制御ブロック図である。制御回路20は、外部コマンド信号Cから変位センサ11aからのセンサ信号S1を引算する引算器60と、引算器60の出力ΔC1を増幅する増幅器61と、増幅器61が出力する電流コマンドI1からドライバ回路25により出力される電流の電流フィードバック信号量を引算する引算器63と、引算器63の出力を増幅する増幅器64などで構成される。 【0028】制御回路30は、制御回路20と同様に、外部コマンド信号Cから変位センサ11bからのセンサ信号S2を引算する引算器70と、引算器70の出力ΔC2を増幅する増幅器71と、増幅器71が出力する電流コマンドI2からドライバ回路25の出力する電流の電流フィードバック信号量を引算する引算器73と、引算器73の出力を増幅する増幅器74などで構成される。 【0029】モータ出力66からのトルクおよびモータ出力76からのトルクは、加算され、これが積分されてモータ速度に変換され、モータ速度は積分されて出力軸4の位置に変換される。なお、モータ速度は係数KEで逆起電圧に変換される。また、積分器52,53においてsはラプラス演算子、a,bは定数である。 【0030】増幅器61は比例要素として機能し、その制御特性は幅W1およびゲインG1aの不感帯を有し、不感帯以外ではゲインG1aより高いゲインG1bを有する。制御特性調整部62は、センサ信号S1とセンサ信号S2との間の偏差特性を測定し、測定した偏差特性に基づいて増幅器61の不感帯幅W1を可変に設定する。 【0031】同様に、増幅器71は比例要素として機能し、その制御特性は幅W2およびゲインG2aの不感帯を有し、不感帯以外ではゲインG2aより高いゲインG2bを有する。制御特性調整部72は、センサ信号S1とセンサ信号S2との間の偏差特性を測定し、測定した偏差特性に基づいて増幅器71の不感帯幅W1を可変に設定する。 【0032】図4は、増幅器61,71および制御特性調整部62,72の動作を示す制御ブロック図である。制御特性調整部62は、センサ信号S1とセンサ信号S2とのずれ量を読み出して、ずれ量が不感帯幅W1内にあれば増幅器61をゲインG1aに設定し、一方、ずれ量が不感帯幅W1外にあれば増幅器61をゲインG1bに設定する。この設定が行われた後の稼動状態においては増幅器61は設定されたゲインに基づいてサーボ制御演算を行ない、操作出力信号として電流コマンドI1を出力する。 【0033】同様に、制御特性調整部72は、センサ信号S1とセンサ信号S2とのずれ量を読み出して、ずれ量が不感帯幅W2内にあれば増幅器71をゲインG2aに設定し、一方、ずれ量が不感帯幅W2外にあれば増幅器71をゲインG1bに設定する。この設定が行われた後の稼動状態においては増幅器71は設定されたゲインに基づいてサーボ制御演算を行ない、操作出力信号として電流コマンドI2を出力する。 【0034】図5は制御特性調整部62,72の動作の一例を示す説明図であり、図5(a)はセンサ信号S1に対するセンサ信号S1とセンサ信号S2とのずれ量(S1−S2)を示すグラフ、図5(b)は増幅器61の初期制御特性を示すグラフ、図5(c)は増幅器71の初期制御特性を示すグラフである。 【0035】増幅器61の初期制御特性は、サーボ偏差ΔC1に対して比較的広い幅W1の不感帯を有する。そのためサーボ偏差ΔC1がある程度大きくても不感帯内にあればサーボゲインが低くなり、系統間の拮抗状態を緩和できる。しかし、不感帯幅W1が広い分だけ、応答性やサーボ剛性が低下している。 【0036】増幅器71の初期制御特性は、サーボ偏差ΔC1に対して比較的狭い幅W2の不感帯を有する。そのため応答性やサーボ剛性は増幅器61より向上しているが、サーボ偏差ΔC2が不感帯外になり易く、系統間の拮抗状態が持続してしまう。 【0037】そこで、通常のサーボ動作を開始する前に、アクチュエータを徐々に変位させて、センサ信号S1とセンサ信号S2とのずれ量(S1−S2)をアクチュエータの作動範囲に渡って測定すると、図5(a)に示す偏差データが得られる。次に偏差データに統計処理を施して、一定の評価値を算出し、メモリ等に記憶しておく。なお、評価値として、ずれ量の最大値や2乗平均値などが採用できる。 【0038】次に増幅器61,71の不感帯幅W1,W2を評価値とほぼ一致するように調整する。その後、通常のサーボ動作を開始すると、不感帯幅W1,W2が最適化されているため、系統間の拮抗状態を緩和しつつ、応答性やサーボ剛性を高く維持できる。 【0039】次に制御特性調整部62,72の他の動作例について説明する。上述と同様に、通常のサーボ動作を開始する前に、アクチュエータを徐々に変位させて、センサ信号S1とセンサ信号S2とのずれ量(S1−S2)をアクチュエータの作動範囲に渡って測定すると、図5(a)に示す偏差データが得られ、この偏差データをルックアップテーブルとしてメモリ等に記憶しておく。なお、偏差データを所定の関数で近似して、関数演算で算出するための演算パラメータとして記憶してもよい。 【0040】その後、通常のサーボ動作を開始し、制御特性調整部62はルックアップテーブル参照や関数演算によって現在のセンサ信号S1に対応した偏差値を読み込んで、増幅器61の不感帯幅W1をこの偏差値とほぼ一致するようにリアルタイムで調整する。したがって、不感帯幅W1はアクチュエータの作動位置に応じてリアルタイムで変化することになる。 【0041】制御特性調整部72も同様に、ルックアップテーブル参照や関数演算によって現在のセンサ信号S2に対応した偏差値を読み込んで、増幅器71の不感帯幅W2をこの偏差値とほぼ一致するようにリアルタイムで調整する。したがって、不感帯幅W2はアクチュエータの作動位置に応じてリアルタイムで変化することになる。 【0042】こうして不感帯幅W1,W2がリアルタイムで最適化され、系統間の拮抗状態を緩和しつつ、応答性やサーボ剛性を高く維持できる。また、制御特性調整部62,72は、記憶データをもとに自系統のセンサ信号だけで自己の不感帯幅をそれぞれ調整できるため、系統間の独立性を高めることができる。 【0043】図6は、増幅器61,71の制御特性を示すグラフである。横軸は増幅器61,71に入力されるサーボ偏差ΔC1,ΔC2で、縦軸は増幅器61,71が操作出力信号として出力する電流コマンドI1,I2である。 【0044】サーボ動作開始前の静止状態において、ΔC1=x3、ΔC2=x4である場合、ΔC1,ΔC2は増幅器61,71の不感帯内に入るため、増幅器61,71のゲインは低くなり、電流コマンドI1,I2が減少し、モータ10の電力消費は少なくなる。この場合、不感帯の閾値WL,WUを調整し、WL=x3,WU=x4に設定することによって、応答性やサーボ剛性をより向上できる。 【0045】またサーボ動作開始前の静止状態において、ΔC1=x1、ΔC2=x6である場合、ΔC1,ΔC2は増幅器61,71の不感帯外になり、増幅器61,71のゲインは高くなって、電流コマンドI1,I2が増加し、モータ10の電力消費が多くなる。この場合、不感帯の閾値WUをx6とし、閾値WLをWL=x1に設定することによって、電流コマンドI1,I2が減少してモータ10の電力消費を低減できる。 【0046】またサーボ動作開始前の静止状態において、ΔC1=x5、ΔC2=x3である場合、ΔC1,ΔC2は増幅器61の不感帯内に入るため、増幅器61のゲインは低くなり、電流コマンドI1,I2も減少する。不感帯の閾値WL、閾値WUを調整してXL=x3、WU=x6に設定することによって、電流コマンドI2がI2の低下状態を保ったまま、応答性やサーボ剛性の改善が行われる。 【0047】 【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、第1駆動部および第2駆動部が共通のアクチュエータを独立に駆動する多重系サーボアクチュエータにおいて、第1検出信号と第2検出信号との間の偏差特性を測定し、測定した偏差特性に基づいて第1制御演算部および第2制御演算部の制御特性をそれぞれ調整することによって、系統間の拮抗状態を緩和できる。その結果、応答性やサーボ剛性の低下を極力抑止しつつ、系統間の拮抗に起因した電力浪費を防止できる |
| 【出願人】 |
【識別番号】595013003 【氏名又は名称】株式会社コミュータヘリコプタ先進技術研究所
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| 【出願日】 |
平成12年3月17日(2000.3.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075557 【弁理士】 【氏名又は名称】西教 圭一郎 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−265405(P2001−265405A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−75976(P2000−75976) |
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