| 【発明の名称】 |
多重系サーボアクチュエータ制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】矢野 歩
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| 【要約】 |
【課題】系統間の拮抗に起因した電力浪費を防止でき、応答性の向上が図られる多重系サーボアクチュエータ制御装置を提供する。
【解決手段】多重系サーボアクチュエータ制御装置は、電動サーボアクチュエータ1の第1系統を制御する制御回路20と、電動サーボアクチュエータ1の第2系統を制御する制御回路30と、制御回路20,30との間でデータ通信を行うためのシリアルバス40等で構成され、制御回路20,30は、CPU21,31と、メモリ23,33と、入出力回路24,34と、モータ10のモータコイル9a,9bにモータ駆動電流を出力するドライバ回路25,35と、上位制御装置41とのデータ通信を行う通信I/F回路26,36と、他系統とのデータ通信を行う系統間通信I/F回路27,37などで構成され、操作出力信号の変化が小さい場合は両者の平均値を用い、操作出力信号の変化が大きい場合は自系統だけでサーボ制御演算を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アクチュエータを独立に駆動する第1駆動部および第2駆動部と、該アクチュエータの出力変位を独立に検出し、第1検出信号および第2検出信号をそれぞれ出力する第1位置センサおよび第2位置センサと、外部指令信号と第1検出信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行なって、第1操作信号を生成する第1操作信号生成部と、外部指令信号と第2検出信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行なって、第2操作信号を生成する第2操作信号生成部と、第1操作信号生成部と第2操作信号生成部との間でデータ通信を行うデータ通信部と、第1操作信号およびデータ通信を経由した第2操作信号に基づいて第3操作信号を生成する第3操作信号生成部と、第2操作信号およびデータ通信を経由した第1操作信号に基づいて第4操作信号を生成する第4操作信号生成部と、第1操作信号および第3操作信号の一方を選択して、第1駆動部へ出力する第1信号選択部と、第2操作信号および第4操作信号の一方を選択して、第2駆動部へ出力する第2信号選択部とを備えることを特徴とする多重系サーボアクチュエータ制御装置。 【請求項2】 第1信号選択部および第2信号選択部は、外部指令信号の変化率に応じて操作信号をそれぞれ選択することを特徴とする請求項1記載の多重系サーボアクチュエータ制御装置。 【請求項3】 第1信号選択部は第1操作信号の変化率に応じて操作信号を選択し、第2信号選択部は第2操作信号の変化率に応じて操作信号を選択することを特徴とする請求項1記載の多重系サーボアクチュエータ制御装置。 【請求項4】 アクチュエータを独立に駆動する第1駆動部および第2駆動部と、該アクチュエータの出力変位を独立に検出し、第1検出信号および第2検出信号をそれぞれ出力する第1位置センサおよび第2位置センサと、外部指令信号と第1検出信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行なって、第1操作信号を生成する第1操作信号生成部と、外部指令信号と第2検出信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行なって、第2操作信号を生成する第2操作信号生成部と、第1操作信号生成部と第2操作信号生成部との間で所定通信周期でデータ通信を行うデータ通信部と、所定通信周期毎に第1操作信号とデータ通信を経由した第2操作信号との第1平均値を演算し、第1平均値と第1操作信号との第1差分値を演算して記憶する第1差分演算部と、第1操作信号と第1差分値との第1加算値を演算し、第1駆動部へ出力する第1加算演算部と、所定通信周期毎に第2操作信号とデータ通信を経由した第1操作信号との第2平均値を演算し、第2平均値と第2操作信号との第2差分値を演算して記憶する第2差分演算部と、第2操作信号と第2差分値との第2加算値を演算し、第2駆動部へ出力する第2加算演算部とを備えることを特徴とする多重系サーボアクチュエータ制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気回路系を併設して多重系を構成したサーボアクチュエータ制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】たとえばFBW(フライバイワイヤ)ヘリコプタや航空機、宇宙飛行機等において、同一の制御対象を制御するための駆動系を複数併設して、いくつかの駆動系が故障しても残りの駆動系だけで正常動作を継続できるように多重系で構成することによって、安全性や信頼性の向上を図っている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】多重系サーボアクチュエータは高い信頼性を有するが、制御回路やセンサ、駆動回路等の系統間のばらつきに起因して、アクチュエータ駆動力が系統間で微妙に相違してしまうため、応答性の劣化や系統同士の拮抗による電力浪費を引き起こす。特に、出力に寄与しない電力浪費は、系統間に極性の異なる出力が発生した場合に顕著になる。系統間に同じ極性で異なる大きさの出力が発生した場合は、トルクや力が加算的に作用するため、電力は有効に利用される。しかし、系統間に極性の異なる出力が発生すると、トルクや力が互いに打ち消し合い、電力浪費となる。 【0004】こうした対策として、たとえば各系統の操作出力信号値を互いに通信して、操作信号値の平均値やメジアン値を算出し、これを各系統で共通の操作出力信号値として使用する手法が考えられている。 【0005】一般に、各系統の制御回路は高速処理が可能なCPUおよびパラレルバス等で構成されるのに対して、系統間の通信(CCDL(Cross Channel Data Link))は、回線数を減らして簡素化をはかる等でシリアルバス通信で接続している。そのため系統間のデータ伝送周期は、各系統の制御回路のサーボ制御周期に比べ長くなりがちとなり、各系統で共通の操作出力信号を使用する場合には、応答性が劣化する。 【0006】本発明の目的は、系統間の拮抗に起因した電力浪費を防止でき、応答性の向上が図られる多重系サーボアクチュエータ制御装置を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、アクチュエータを独立に駆動する第1駆動部および第2駆動部と、該アクチュエータの出力変位を独立に検出し、第1検出信号および第2検出信号をそれぞれ出力する第1位置センサおよび第2位置センサと、外部指令信号と第1検出信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行なって、第1操作信号を生成する第1操作信号生成部と、外部指令信号と第2検出信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行なって、第2操作信号を生成する第2操作信号生成部と、第1操作信号生成部と第2操作信号生成部との間でデータ通信を行うデータ通信部と、第1操作信号およびデータ通信を経由した第2操作信号に基づいて第3操作信号を生成する第3操作信号生成部と、第2操作信号およびデータ通信を経由した第1操作信号に基づいて第4操作信号を生成する第4操作信号生成部と、第1操作信号および第3操作信号の一方を選択して、第1駆動部へ出力する第1信号選択部と、第2操作信号および第4操作信号の一方を選択して、第2駆動部へ出力する第2信号選択部とを備えることを特徴とする多重系サーボアクチュエータ制御装置である。 【0008】本発明に従えば、第1駆動部および第2駆動部が共通のアクチュエータを独立に駆動する多重系サーボアクチュエータにおいて、第1駆動部を制御する第1制御系統は第1位置センサからの第1検出信号を用いて自系統の第1操作信号を生成するとともに、他系統の第2操作信号をデータ通信で取り込んで、新たに第3操作信号を生成し、第1操作信号または第3操作信号を選択して第1駆動部へ出力している。 【0009】第1操作信号を選択した場合は、自系統単独でサーボ制御が可能になるため、動作の高速化が図られ、応答性を優先したサーボ制御を実施できる。一方、第3操作信号を選択した場合は、自系統および他系統の両方の制御状態を考慮できるため、系統間ばらつきを解消でき、系統同士の拮抗による電力浪費などを抑制できる。 【0010】同様に、第2駆動部を制御する第2制御系統は第2位置センサからの第2検出信号を用いて自系統の第2操作信号を生成するとともに、他系統の第1操作信号をデータ通信で取り込んで、新たに第4操作信号を生成し、第2操作信号または第4操作信号を選択して第2駆動部へ出力している。 【0011】第2操作信号を選択した場合は、自系統単独でサーボ制御が可能になるため、動作の高速化が図られ、応答性を優先したサーボ制御を実施できる。一方、第4操作信号を選択した場合は、自系統および他系統の両方の制御状態を考慮できるため、系統間ばらつきを解消でき、系統同士の拮抗による電力浪費などを抑制できる。 【0012】系統同士の拮抗状況が発生するのは、サーボコマンドに対する実応答の差であるサーボ偏差が系統間のフィードバックセンサ信号値のずれ量の程度に比べて小さい場合であり、低負荷での静止状態や動きの緩やかな状態において顕著になる。一方、サーボ偏差が系統間のフィードバックセンサ信号値のずれ量の程度に比べて大きい場合は、高加速度追従状態などであり、これは入力コマンド信号の変化率や操作出力コマンドの変化率が大きい場合に発生しやすい。 【0013】また本発明は、第1信号選択部および第2信号選択部は、外部指令信号の変化率に応じて操作信号をそれぞれ選択することを特徴とする。 【0014】本発明に従えば、第1信号選択部は外部指令信号の変化率に応じて第1操作信号または第3操作信号を選択することによって、サーボ制御の応答性または系統同士の拮抗防止のいずれを優先させるかをそれぞれの機能が有効に作用するよう、状況に応じて自動的に切替えることができる。たとえば、外部指令信号の変化率が大きい場合は、自系統の第1操作信号を選択することで、系統間の拮抗なくサーボ制御の応答性を保つことができる。一方、外部指令信号の変化率が小さい場合は、自系統のおよび他系統の両方を考慮した第3操作信号を選択することで、応答性に影響なく系統同士の拮抗を防止できる。 【0015】同様に、第2信号選択部は外部指令信号の変化率に応じて第2操作信号または第4操作信号を選択することによって、サーボ制御の応答性または系統同士の拮抗防止のいずれを優先させるかをそれぞれの機能が有効に作用するよう、状況に応じて自動的に切替えることができる。たとえば、外部指令信号の変化率が大きい場合は、自系統の第2操作信号を選択することで、系統間の拮抗なくサーボ制御の応答性を保つことができる。一方、外部指令信号の変化率が小さい場合は、自系統のおよび他系統の両方を考慮した第4操作信号を選択することで、応答性に影響なく系統同士の拮抗を防止できる。 【0016】また本発明は、第1信号選択部は第1操作信号の変化率に応じて操作信号を選択し、第2信号選択部は第2操作信号の変化率に応じて操作信号を選択することを特徴とする。 【0017】本発明に従えば、第1信号選択部は自系統の第1操作信号の変化率に応じて第1操作信号または第3操作信号を選択することによって、サーボ制御の応答性または系統同士の拮抗防止のいずれを優先させるかをそれぞれの機能が有効に作用するよう、状況に応じて切替えることができる。たとえば、第1操作信号の変化率が大きい場合は、自系統の第1操作信号を選択することで、系統間の拮抗なくサーボ制御の応答性を保つことができる。一方、第1操作信号の変化率が小さい場合は、自系統のおよび他系統の両方を考慮した第3操作信号を選択することで、応答性に影響なく系統同士の拮抗を防止できる。 【0018】同様に、第2信号選択部は自系統の第2操作信号の変化率に応じて第2操作信号または第4操作信号を選択することによって、サーボ制御の応答性または系統同士の拮抗防止のいずれを優先させるかをそれぞれの機能が有効に作用するよう、状況に応じて自動的に切替えることができる。たとえば、第2操作信号の変化率が大きい場合は、自系統の第2操作信号を選択することで、系統間の拮抗なくサーボ制御の応答性を保つことができる。一方、第2操作信号の変化率が小さい場合は、自系統のおよび他系統の両方を考慮した第4操作信号を選択することで、応答性に影響なく系統同士の拮抗を防止できる。 【0019】また本発明は、アクチュエータを独立に駆動する第1駆動部および第2駆動部と、該アクチュエータの出力変位を独立に検出し、第1検出信号および第2検出信号をそれぞれ出力する第1位置センサおよび第2位置センサと、外部指令信号と第1検出信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行なって、第1操作信号を生成する第1操作信号生成部と、外部指令信号と第2検出信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行なって、第2操作信号を生成する第2操作信号生成部と、第1操作信号生成部と第2操作信号生成部との間で所定通信周期でデータ通信を行うデータ通信部と、所定通信周期毎に第1操作信号とデータ通信を経由した第2操作信号との第1平均値を演算し、第1平均値と第1操作信号との第1差分値を演算して記憶する第1差分演算部と、第1操作信号と第1差分値との第1加算値を演算し、第1駆動部へ出力する第1加算演算部と、所定通信周期毎に第2操作信号とデータ通信を経由した第1操作信号との第2平均値を演算し、第2平均値と第2操作信号との第2差分値を演算して記憶する第2差分演算部と、第2操作信号と第2差分値との第2加算値を演算し、第2駆動部へ出力する第2加算演算部とを備えることを特徴とする多重系サーボアクチュエータ制御装置である。 【0020】本発明に従えば、第1駆動部および第2駆動部が共通のアクチュエータを独立に駆動する多重系サーボアクチュエータにおいて、第1駆動部を制御する第1制御系統は第1位置センサからの第1検出信号を用いて自系統の第1操作信号を生成するとともに、他系統の第2操作信号をデータ通信で取り込んで、第1平均値を演算し、この第1平均値と第1操作信号との第1差分値を演算し記憶しておいて、さらに次の通信タイミングが到来するまでの期間は第1操作信号と第1差分値との第1加算値を演算し、第1駆動部へ出力している。 【0021】同様に、第2駆動部を制御する第2制御系統は第2位置センサからの第2検出信号を用いて自系統の第2操作信号を生成するとともに、他系統の第1操作信号をデータ通信で取り込んで、第2平均値を演算し、この第2平均値と第2操作信号との第2差分値を演算し記憶しておいて、さらに次の通信タイミングが到来するまでの期間は第2操作信号と第2差分値との第2加算値を演算し、第1駆動部へ出力している。 【0022】したがって、自系統はデータ通信の通信周期毎の他系統の制御状態を考慮して、次の通信タイミングまでの制御を実施できるため、系統間のばらつきを極力解消でき、系統同士の拮抗による電力浪費などを抑制できる。通信タイミングと次の通信タイミングの間は、自系統単独でセンサ出力の変化に応じた操作信号の変化を、加味できるため、系統同士の拮抗を抑制しながらも、応答性に優れたサーボ制御を実施できる。 【0023】 【発明の実施の形態】図1は、本発明が適用できる多重系サーボアクチュエータの一例を示す断面構成図である。電動サーボアクチュエータ1は、1本のボールネジ6を二重回路系のモータ10で回転駆動して、ナット5を直線移動させて出力軸4の位置を制御している。 【0024】ボールネジ6は、ハウジング2および固定部3に対して軸受け7で回転支持される。ボールネジ6の基部にはモータ10のロータとなる磁石8a,8bが取り付けられ、ハウジング2の内側には磁石8a,8bを取り巻くようにモータコイル9a,9bが取り付けられる。 【0025】ボールネジ6には出力軸4に固定されたナット5が螺合している。出力軸4はハウジング2に対して摺動自在に支持され、回転止め15によって回転運動が規制される。2本のセンシング部材12a,12bが出力軸4と平行に一体的に取り付けられる。ハウジング2の内側には各センシング部材12a,12bの変位を独立に検出する2つの変位センサ11a,11bが取り付けられる。 【0026】こうしてモータ10および変位センサ11a,11bは二重回路系を構成しており、もし第1系統の回路が故障した場合、故障を検出して、電源を断つなどの処置を講じることにより、第2系統の回路だけでサーボ動作を続行できるため、全体の信頼性を向上できる。 【0027】図2は、本発明の実施の一形態の電気的構成を示すブロック図である。サーボアクチュエータ制御装置は、電動サーボアクチュエータ1の第1系統を制御する制御回路20と、電動サーボアクチュエータ1の第2系統を制御する制御回路30と、制御回路20,30との間でデータ通信を行うためのシリアルバス40等で構成される。上位制御装置41は、別のシリアルバス38,39を介して制御回路20,30との間でデータ通信を行ない、たとえば同一の外部コマンド信号を制御回路20,30へ送出する。 【0028】制御回路20は、所定のプログラムに従って全体の動作を制御するCPU(中央処理装置)21と、プログラムやデータを記憶するメモリ23と、データの入出力を行う入出力回路(Programmable Input and Output) 24と、モータ10のモータコイル9aにモータ駆動電流を出力するドライバ回路25と、上位制御装置41とのデータ通信を行う通信I/F(インタフェイス)回路26と、制御回路30とのデータ通信を行う系統間通信I/F回路27などで構成される。CPU21は、演算処理のワークメモリであるレジスタ22を有する。また、変位センサ11aからのセンサ信号は入出力回路24に取り込まれる。 【0029】制御回路30は、制御回路20と同様に、所定のプログラムに従って全体の動作を制御するCPU31と、プログラムやデータを記憶するメモリ33と、データの入出力を行う入出力回路34と、モータ10のモータコイル9bにモータ駆動電流を出力するドライバ回路35と、上位制御装置41とのデータ通信を行う通信I/F回路36と、制御回路20とのデータ通信を行う系統間通信I/F回路37などで構成される。CPU31は、演算処理のワークメモリであるレジスタ32を有する。また、変位センサ11bからのセンサ信号は入出力回路34に取り込まれる。 【0030】図3は、制御回路20,30の動作を示す制御ブロック図である。制御回路20は、外部コマンド信号Cから変位センサ11aからのセンサ信号を引算する引算器60と、引算器60の出力を増幅する増幅器61と、増幅器61の出力および制御回路30の増幅器71のデータ通信を経由した出力を取り込んで演算を行う演算器62と、演算器62が出力する電流コマンド信号からドライバ回路25の電流フィードバック信号を引算する引算器63と、引算器63の出力電圧を増幅してモータに加える増幅器64などで構成される。 【0031】制御回路30は、制御回路20と同様に、外部コマンド信号Cから変位センサ11bからのセンサ信号を引算する引算器70と、引算器70の出力を増幅する増幅器71と、増幅器71の出力および制御回路20の増幅器61のデータ通信を経由した出力を取り込んで演算を行う演算器72と、演算器72が出力する電流コマンド信号からドライバ回路25の電流フィードバック信号を引算する引算器73と、引算器73の出力電圧を増幅してモータに加える増幅器74などで構成される。 【0032】変換器66からのトルクおよび変換器76からのトルクは、加算され、これが積分されてモータ速度に変換され、モータ速度は積分されて出力軸4の位置となる。なお、変換器67,77はモータ速度が係数KEで逆起電圧に変換される作用を表す。また、積分器52,53においてsはラプラス演算子、a,bは定数である。 【0033】図4は、制御回路20,30の動作の一例を示すフローチャートである。以下、制御回路20を含む第1系統を自系統とし、制御回路30を含む第2系統を他系統として説明する。 【0034】まずステップa1において制御回路20は上位制御装置41からの外部コマンド信号および変位センサ11aからのセンサ信号を取り込んで、次にステップa2において外部コマンド信号とセンサ信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行ない、次にステップa3において自系統の操作出力信号(電流コマンド信号)S10-1を算出してメモリ33やレジスタ22等に記憶する。このとき制御回路30においても同様な動作を実行している。 【0035】次にステップa4において、他系統の操作出力信号(電流コマンド信号)S1-2 がCCDLシリアルバス40を経由して入力された場合、ステップa5へ移行して自系統の操作出力信号S10-1および他系統の操作出力信号S1-2 の平均値(=(S10-1 + S1-2)/2) を算出して、新たな操作出力信号S3 とする。一方、ステップa4において他系統の操作出力信号S1-2 が入力されない場合、ステップa6へ移行して前回のCPU演算サイクルでの操作出力信号S3 を変化させずにそのまま保持する。 【0036】次にステップa7において、現在のCPU演算サイクルからn回サイクル前までの操作出力信号S10-1,S11-1,…,S1n-1の各数値における最大値MAX と最小値MINとの差分を算出して操作出力信号の時間変化率を評価し、この差分が所定値mより大きいか小さいかを判定する。差分が所定値mより小さい場合、ステップa8へ移行してステップa4で設定した操作出力信号S3 をドライバ回路25へ出力する。一方、差分が所定値m以上である場合、ステップa9へ移行して現サイクルの操作出力信号S10-1をドライバ回路25へ出力する。 【0037】以下、制御回路20はサーボ制御ループのCPU演算サイクル毎にステップa1〜a9までのルーチンを繰り返す。制御回路30も同様に、制御回路20と独立してサーボ制御ループのCPU演算サイクル毎にステップa1〜a9までのルーチンを繰り返す。 【0038】図5は、ドライバ回路25,35への操作出力信号の時間変化を示すグラフである。時刻t1〜t4の時間間隔がCCDLシリアルバス40の通信サイクルに対応し、その間に短い周期のCPU演算サイクルが到来する。 【0039】まず時刻t1でCCDLシリアルバス40を介して他系統の操作出力信号が取り込まれると、ステップa5において自系統および他系統の操作出力信号の平均値を算出する。時刻t1の前後において第1系統および第2系統の操作出力信号が緩やかに変化しているため、ステップa8に移行して両者の平均値を電流コマンドとしてドライバ回路25,35へそれぞれ出力する(A点に相当)。こうして操作出力信号の変化が小さい場合は、両者の平均値を系統同士で共通に用いることによって統間の拮抗に起因した電力浪費を防止できる。 【0040】時刻t1から時刻t2まで期間は、他系統の操作出力信号が取り込まれないため、ステップa6において操作出力信号S3 は変化しない。この期間中、自系統の操作出力信号の変化が所定値mより小さい場合は操作出力信号S3 を出力する。自系統の操作出力信号の変化が所定値m以上である場合はステップa9に移行して現サイクルの操作出力信号S10-1をドライバ回路へ出力する。 【0041】次の時刻t2において、他系統の操作出力信号が新たに取り込まれると、再び同様な演算を行う。このとき自系統の操作出力信号の変化が所定値m以上となると、サーボ制御動作の応答性を高めるため、両者の平均値は無視して、自系統だけでサーボ制御演算を行なって操作出力信号S11-1をドライバ回路へ出力する(C1点、C2点に相当)。時刻t3においても操作出力信号の変化が大きいため、自系統だけでサーボ制御演算を行なって操作出力信号S11-1をドライバ回路へ出力する(D1点、D2点に相当)。 【0042】次の時刻t4において、自系統の操作出力信号の変化が小さくなったため、再び両者の平均値を電流コマンドとしてドライバ回路25,35へそれぞれ出力する(E点に相当)。 【0043】このように操作出力信号の変化が小さい場合は、両者の平均値を系統同士で共通に用いることによって系統間の拮抗に起因した電力浪費を防止できる。また、操作出力信号の変化が大きい場合は、自系統だけでサーボ制御演算を行うことによってサーボ制御動作の応答性を高めることができる。 【0044】なお、電流コマンドの急激な切換により、ドライバ出力が急激に変化して応答性に影響を及ぼす場合には、対策として、CPU21,31でスムージング処理を施すことが好ましい。 【0045】図6は、制御回路20,30の動作の他の例を示すフローチャートである。以下、制御回路20を含む第1系統を自系統とし、制御回路30を含む第2系統を他系統として説明する。 【0046】まずステップb1において制御回路20は上位制御装置41からの外部コマンド信号および変位センサ11aからのセンサ信号を取り込んで、次にステップb2において外部コマンド信号とセンサ信号との差が小さくなるようにサーボ制御演算を行ない、さらに自系統の操作出力信号(電流コマンド信号)S1-1 を算出してメモリ33やレジスタ22等に記憶する。このとき制御回路30においても同様な動作を実行している。 【0047】次にステップb3において、他系統の操作出力信号(電流コマンド信号)S1-2 がCCDLシリアルバス40を経由して入力された場合、ステップb4へ移行して自系統の操作出力信号S1-1および他系統の操作出力信号S1-2 の平均値(=(S1-1 + S1-2)/2) を算出して、新たな操作出力信号S3 とし、さらに信号S3 から信号S1-1 を引算した差分値Sm をメモリ33やレジスタ22等に記憶する。一方、ステップb3において他系統の操作出力信号S1-2 が入力されない場合、ステップb5へ移行して前回のCPU演算サイクルでの操作出力信号S3を変化させずにそのまま保持し、さらに差分値Sm もそのまま保持する。 【0048】次にステップb6において、差分値Sm と自系統の操作出力信号S1-1 との加算値を演算し、ドライバ回路25へ出力する。 【0049】以下、制御回路20はCPUサーボ制御ループの演算サイクル毎にステップb1〜b6までのルーチンを繰り返す。制御回路30も同様に、制御回路20と独立してCPUサーボ制御ループの演算サイクル毎にステップb1〜b6までのルーチンを繰り返す。 【0050】図7は、ドライバ回路25,35への操作出力信号の時間変化を示すグラフである。時刻t1〜t3の時間間隔がCCDLシリアルバス40の通信サイクルに対応し、その間に短い周期のCPU演算サイクルが到来する。 【0051】まず時刻t1でCCDLシリアルバス40を介して他系統の操作出力信号が取り込まれると、ステップb4において自系統および他系統の操作出力信号の平均値を算出するとともに、平均値と自系統の操作出力信号S1-1との差分値Sm を操作出力信号S1-1に加算しているため、結局、平均値である操作出力信号S3 が電流コマンドとしてドライバ回路25,35へそれぞれ出力される。こうして両者の平均値を用いることによって統間の拮抗に起因した電力浪費を防止できる。 【0052】時刻t1から時刻t2まで期間は、他系統の操作出力信号が取り込まれないため、差分値Sm は一定に保持され、ステップb6において差分値Sm と自系統の操作出力信号S1-1 との加算値が電流コマンドとなる。したがって、自系統の操作出力信号S1-1 の変化分が電流コマンドに反映されるため、サーボ制御動作の応答性を高めることができる。 【0053】次の時刻t2において、他系統の操作出力信号が新たに取り込まれると、再び同様な演算を行ない、自系統および他系統の操作出力信号の平均値が更新され、平均値と自系統の操作出力信号S1-1との差分値Sm が新たに設定される。 【0054】時刻t2から時刻t3まで期間は、他系統の操作出力信号が取り込まれないため、自系統の操作出力信号S1-1 の変化分だけを電流コマンドに反映させる。 【0055】このように通信サイクル毎に両者の平均値を更新することによって、系統間の拮抗に起因した電力浪費を防止できる。また、通信サイクルと通信サイクルとの間は自系統の変化分を考慮してサーボ制御演算を行うことによって、サーボ制御動作の応答性を高めることができる。 【0056】なお、通信サイクル毎に電流コマンドが急激に変化して応答性に影響を及ぼす場合には、対策としてCPU21,31でスムージング処理を施すことが好ましい。また、実施例では2重系統の構成例を説明したが同様にして、多重度によらず本構成を実施することが可能である。 【0057】 【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、第1駆動部および第2駆動部が共通のアクチュエータを独立に駆動する多重系サーボアクチュエータにおいて、第1駆動部を制御する第1制御系統は第1位置センサからの第1検出信号を用いて自系統の第1操作信号を生成するとともに、他系統の第2操作信号をデータ通信で取り込んで、新たに第3操作信号を生成し、第1操作信号または第3操作信号を選択して第1駆動部へ出力している。 【0058】第1操作信号を選択した場合は、自系統単独でサーボ制御が可能になるため、動作の高速化が図られ、応答性を優先したサーボ制御を実施できる。一方、第3操作信号を選択した場合は、自系統および他系統の両方の制御状態を考慮できるため、系統間のばらつきを解消でき、系統同士の拮抗による電力浪費などを抑制できる。第1操作信号と第3操作信号の選択をコマンド信号の変化率あるいは、第1操作信号の変化率に基づいて自動的に切換えることにほり、系統同士の拮抗状態を生じることなく、応答性を向上できる。 【0059】同様に、第2駆動部を制御する第2制御系統は第2位置センサからの第2検出信号を用いて自系統の第2操作信号を生成するとともに、他系統の第1操作信号をデータ通信で取り込んで、新たに第4操作信号を生成し、第2操作信号または第4操作信号を選択して第2駆動部へ出力している。 【0060】第2操作信号を選択した場合は、自系統単独でサーボ制御が可能になるため、動作の高速化が図られ、応答性を優先したサーボ制御を実施できる。一方、第4操作信号を選択した場合は、自系統および他系統の両方の制御状態を考慮できるため、系統間ばらつきを解消でき、系統同士の拮抗による電力浪費などを抑制できる。第2操作信号と第4操作信号の選択をコマンド信号の変化率あるいは、第2操作信号の変化率に基づいて自動的に切換えることにほり、系統同士の拮抗状態を生じることなく、応答性を向上できる。 【0061】また本発明によれば、第1駆動部および第2駆動部が共通のアクチュエータを独立に駆動する多重系サーボアクチュエータにおいて、第1駆動部を制御する第1制御系統は第1位置センサからの第1検出信号を用いて自系統の第1操作信号を生成するとともに、他系統の第2操作信号をデータ通信で取り込んで、第1平均値を演算し、この第1平均値と第1操作信号との第1差分値を演算し記憶しておいて、さらに次の通信タイミングが到来するまでの期間は第1操作信号と第1差分値との第1加算値を演算し、第1駆動部へ出力している。 【0062】同様に、第2駆動部を制御する第2制御系統は第2位置センサからの第2検出信号を用いて自系統の第2操作信号を生成するとともに、他系統の第1操作信号をデータ通信で取り込んで、第2平均値を演算し、この第2平均値と第2操作信号との第2差分値を演算し記憶しておいて、さらに次の通信タイミングが到来するまでの期間は第2操作信号と第2差分値との第2加算値を演算し、第1駆動部へ出力している。 【0063】したがって、自系統はデータ通信の通信周期毎の他系統の制御状態を考慮して次の通信タイミングまでの制御を実施できるため、系統間のばらつきを解消でき、系統同士の拮抗による電力浪費などを抑制できる。また、通信タイミングと次の通信タイミングの間は、自系統単独でセンサ出力の変化に追従できるため、応答性に優れたサーボ制御を実施できる。 【0064】こうして系統間の拮抗に起因した電力浪費を防止しつつ、サーボアクチュエータ制御の応答性を向上することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】595013003 【氏名又は名称】株式会社コミュータヘリコプタ先進技術研究所
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| 【出願日】 |
平成12年3月17日(2000.3.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075557 【弁理士】 【氏名又は名称】西教 圭一郎 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−265404(P2001−265404A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−75975(P2000−75975) |
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