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【発明の名称】 板金CADデータ作成方法及び板金CAMデータ作成方法並びに板金データ作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能記録媒体
【発明者】 【氏名】柏倉 兵賢

【要約】 【課題】板金CADシステムと板金CAMシステムとの間で成形加工部分に関する工程データを共有し、板金CADシステムから板金CAMシステムへ成形加工部分の工程データを引き継ぐ。

【解決手段】複数の工程からなる成形加工部分に関する工程データが成形加工工程識別情報とともに予め工程データベース53に登録されている。板金CADデータ作成プログラム21は、板金CADデータ52から抽出した成形加工部分の識別情報である成形加工工程識別情報を付加した成形加工工程識別情報付板金CADデータ54を作成する。板金CAMデータ作成プログラム31は、入力した成形加工工程識別情報付板金CADデータ54から成形加工工程識別情報を抽出し、成形加工識別情報により工程データベースから工程データを読み出す。そして、工程データと板金CADデータ等によりCAMデータ57を作成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 板金CADデータを入力する工程と、入力された板金CADデータから複数工程を要する成形加工部分を抽出する工程と、該抽出された成形加工部分の加工工程に関する工程データの識別情報を前記板金CADデータに付加する工程と、を備えたことを特徴とする板金CADデータ作成方法。
【請求項2】 成形加工部分の加工工程に関する工程データの識別情報が付加された板金CADデータを入力する工程と、入力された板金CADデータから前記識別情報を抽出する工程と、該識別情報に基づいて加工工程に関する工程データを工程データベースから読み出す工程と、前記読み出された工程データと前記板金CADデータに基づいて板金CAMデータを作成する工程と、を備えたことを特徴とする板金CAMデータ作成方法。
【請求項3】 板金CADデータを入力し、入力された板金CADデータから複数工程を要する成形加工部分を抽出し、該抽出された成形加工部分の加工工程に関する工程データの識別情報を前記板金CADデータに付加することを特徴とする板金CADデータ作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能記録媒体。
【請求項4】 成形加工部分の加工工程に関する工程データの識別情報が付加された板金CADデータを入力し、入力された板金CADデータから前記識別情報を分離し、該識別情報に基づいて加工工程に関する工程データを工程データベースから読み出し、前記読み出された工程データと前記板金CADデータに基づいて板金CAMデータを作成することを特徴とする板金CAMデータ作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能記録媒体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ援用設計(CAD)とコンピュータ援用生産(CAM)との連係に係り、特に板金製品を取り扱う板金CADデータ作成方法及び板金CAMデータ作成方法並びに板金データ作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、板金製品にはバーリングなどの複数工程からなる成形加工部分を含むものがあり、設計図面からこれら成形加工に必要な複数工程を読み取るには、かなりの熟練を要する。
【0003】例えば、薄板にねじ穴加工するには、まずバーリングの下穴を明けて、次いでバーリング加工し、最後にタップを切るという3工程を要する。そして、下穴の有無、下穴サイズ、使用金型の種類等は、材料の種類や板厚によって異なる。
【0004】また、皿モミ加工や、ダボ出し、ハーフシャー加工などは、図面の表記に基づいて図面を読み取り判断する。
【0005】さらに、近年板金製品の設計に2次元CADや3次元CADが普及している。特に、3次元CADの性能や操作性が向上し、板金設計分野においても3次元CADを用いて製品設計を行う場合が増加している。そして3次元CADデータからわざわざ3面図に描き換える手間を省略し、3次元CADデータで板金製品の発注が行われるケースが増加している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の板金CADデータには、設計情報は含まれているが、上記の様な成形加工に必要な情報は含まれてない。即ち、CADによる設計とCAMによるNCデータ作成とが分離した形で行われていたため、設計が完了した板金CADデータを例えばDXF変換してCAMシステムである自動プログラミング装置に入力しても、熟練作業者が板金CADモデル表示を参照しながら加工に必要な情報を人手で入力する必要があるという問題点があった。
【0007】また、板金製品設計のCADとその加工データ作成のCAMとの作業が一貫していないため、設計技術者の意図が加工技術者に正しく伝わらず、加工データ作成時にミスを生じるおそれがあるという問題点があった。
【0008】以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、板金CADシステムと板金CAMシステムとの間で成形加工部分に関する工程データを共有し、板金CADシステムから板金CAMシステムへ成形加工部分の工程データを引き継ぐことのできる板金CAMデータ作成方法及び板金CADデータ作成方法並びに板金データ作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能記録媒体を提供することである。
【0009】また本発明の目的は、板金CADシステムと板金CAMシステムとが連係して正確なNC加工データを迅速に作成することができる板金CAMデータ作成方法及び板金CADデータ作成方法並びに板金データ作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能記録媒体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、板金CADデータを入力する工程と、入力された板金CADデータから複数工程を要する成形加工部分を抽出する工程と、該抽出された成形加工部分の加工工程に関する工程データの識別情報を前記板金CADデータに付加する工程と、を備えたことを要旨とする板金CADデータ作成方法である。
【0011】上記目的を達成するため請求項2記載の発明は、成形加工部分の加工工程に関する工程データの識別情報が付加された板金CADデータを入力する工程と、入力された板金CADデータから前記識別情報を抽出する工程と、該識別情報に基づいて加工工程に関する工程データを工程データベースから読み出す工程と、前記読み出された工程データと前記板金CADデータに基づいて板金CAMデータを作成する工程と、を備えたことを要旨とする板金CAMデータ作成方法である。
【0012】上記目的を達成するため請求項3記載の発明は、板金CADデータを入力し、入力された板金CADデータから複数工程を要する成形加工部分を抽出し、該抽出された成形加工部分の加工工程に関する工程データの識別情報を前記板金CADデータに付加することを要旨とする板金CADデータ作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能記録媒体である。
【0013】上記目的を達成するため請求項4記載の発明は、成形加工部分の加工工程に関する工程データの識別情報が付加された板金CADデータを入力し、入力された板金CADデータから前記識別情報を分離し、該識別情報に基づいて加工工程に関する工程データを工程データベースから読み出し、前記読み出された工程データと前記板金CADデータに基づいて板金CAMデータを作成することを要旨とする板金CAMデータ作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能記録媒体である。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図2は、本発明による板金CADデータ作成方法及び板金CAMデータ作成方法の実施に使用されるコンピュータシステムの構成例を示す。
【0015】図2において、コンピュータシステムは、演算制御装置であるCPU1と、CPU1自身が実行する3次元CADプログラム及び板金CADデータ作成プログラム及び板金CAMデータ作成プログラムや処理対象の板金モデルデータなどを格納する主メモリ2と、記憶媒体を介するデータやプログラムの交換のためのFDD3及びCD−ROMドライブ4と、バス調停回路5と、バス6と、補助記憶装置としてのハードディスク(HD)7と、表示装置としてのCRTディスプレイ8と、入力装置としてのキーボード9及びマウス10と、LAN11に接続するための通信制御装置12とを備えている。コンピュータシステムは、従来の汎用ワークステーションやパーソナルコンピュータを用いてもよい。
【0016】図1は、本発明に係る板金CADデータ作成方法及び板金CAMデータ作成方法を実施する板金CADデータ作成プログラム及び板金CAMデータ作成プログラムの処理内容を示す概略フローチャートである。
【0017】本発明に係る板金CADデータ作成プログラム及び板金CAMデータ作成プログラムは、例えば、図2に示したコンピュータシステムにFDまたはCD−ROMなどの記憶媒体に格納して提供され、FDD3またはCD−ROMドライブ4により読み取ることができるようになっている。
【0018】また、本実施形態の板金CADデータ作成プログラム及び板金CAMデータ作成プログラムは、例えば、HD7上に記憶された両プログラム共通にアクセス可能な成形加工用の工程データベース53を参照することができるようになっている。
【0019】図1において、板金CADデータ作成プログラム21は、板金CADデータを入力する工程である設計モデル作画入力処理部22及び板金CADデータ入力処理部23と、外部から入力され又は作画されてHD(図2の符号7)等に記憶された板金CADデータ52から複数工程を要する成形加工部分を抽出する工程である成形加工部分抽出処理部24と、この抽出された成形加工部分の加工工程に関する工程データの識別情報を板金CADデータ52に付加して成形加工工程識別情報付板金CADデータ54を出力する工程である成形加工工程識別情報付加処理部25とを備えている。
【0020】また、板金CAMデータ作成プログラム31は、成形加工部分の加工工程に関する工程データの識別情報が付加された板金CADデータを入力する工程である板金CADデータ入力処理部32と、入力された板金CADデータからこの識別情報を抽出する工程である成形加工工程識別情報抽出処理部33と、この識別情報に基づいて加工工程に関する工程データを工程データベースから読み出す工程である工程データベース読出処理部34と、読み出された工程データと板金CADデータ55に基づいて板金CAMデータ57を作成する工程であるCAMデータ作成処理部35とを備えている。
【0021】工程データベース53は、複数の加工工程からなる成形加工の加工手順を含む工程データに成形加工工程識別情報が付加されて予め登録されているものとする。
【0022】ここで、複数の工程からなる成形加工工程の例としてタップが切られるバーリング加工について説明する。まず第1工程として、ネジ穴径に応じた穴径の下穴が明けられる。次いで第2工程として、板厚に応じたパンチ穴径を選択してバーリング加工が行われる。最後に第3工程として、タップが切られてネジ穴が完成する。
【0023】このようなタップが切られるバーリング加工の成形加工工程識別情報として、例えばネジ径(M)と板厚(t)を利用することができる。さらに、複数の材質の素材を扱う場合、成形加工工程識別情報として、材質の種別を加えることができるが、本実施形態の説明では省略する。
【0024】例えば、板厚1.2mmの板材に5mmのネジを切る場合、成形加工工程識別情報として、例えば〔M5、t=1.2〕を付与する。この成形加工工程識別情報に対応する工程データとして、第1工程情報、第2工程情報、第3工程情報が工程データベースに記憶されている。
【0025】第1工程情報は、φA=2.4の下穴を明ける工程を示し、第2工程情報は、穴径φB=5.9のダイを使って内径φC=4.3のバーリング加工を行う工程を示し、第3工程情報は、M5のタップ切り工程を示すものとする。
【0026】次に、図1の左半部に記載の板金CADデータ作成プログラム21の動作を説明する。
【0027】まず、設計モデル作画入力処理部22において、マウス10またはキーボード9を利用して、板金で製作される製品または部品の設計モデルが作画入力される。これには、周知の2次元CADまたは3次元CADが利用され、表示図形パターンデータ51を参照して表示装置としてのCRTディスプレイ8に設計モデルの投影図または立体図を表示しながら板金CADデータ52が生成される。
【0028】設計モデル作画入力処理部22において、新たに作画入力するだけでなく、既に設計済みの板金CADデータを板金CADデータ入力処理部23から入力することもできる。
【0029】次いで、入力された板金CADデータ52から成形加工部分抽出処理部24により設計モデルの成形加工部分を抽出する。このとき、工程データベースを参照して、抽出された成形加工部分の成形加工工程識別情報を得る。
【0030】これらの成形加工部分は、例えば、バーリング、ねじ切りバーリング、バーリング加工の先端部を外側へ曲げるカーリング、穴明け後にコイニング加工する皿モミ加工等がある。さらに、コンピュータ基板等のガイドレールに用いられるガイドレール絞り加工もこれらの成形加工部分に含まれる。ガイドレール絞り加工は、長角または長丸の下穴加工後に、2つの平行下穴で挟まれた部分をU字断面形状に曲げ絞りを行う加工である。
【0031】次いで、成形加工工程識別情報付加処理部25により、板金CADデータ52に成形加工工程識別情報を付加した成形加工工程識別情報付板金CADデータ54を作成して、板金CADデータ作成プログラム21の処理を終了する。この成形加工工程識別情報付板金CADデータ54は、次に説明する板金CAMデータ作成プログラム31の入力データとなるものである。
【0032】次に、図1の右半部に記載の板金CAMデータ作成プログラム31の動作を説明する。
【0033】まず、板金CADデータ入力処理部32により成形加工工程識別情報付板金CADデータ54が入力される。次いで、成形加工工程識別情報付板金CADデータ54から成形加工工程識別情報抽出処理部33により成形加工工程識別情報が抽出されるとともに、板金CADデータ55が出力される。板金CADデータ55は、成形加工工程識別情報付板金CADデータ54と同一内容であってもよいし、成形加工工程識別情報付板金CADデータ54から成形加工工程識別情報が削除されたCADデータであってもよい。
【0034】成形加工工程識別情報抽出処理部33により抽出された成形加工工程識別情報は、工程データベース読出処理部34に渡され、工程データベース読出処理部34は、成形加工工程識別情報により工程データベース53を検索して、成形加工工程識別情報に対応する工程データを読み出す。
【0035】工程データは、成形加工を構成する複数の工程に関する情報であり、例えば、ネジ切りの場合、図3に示すような第1工程情報として下穴加工の有無と下穴径φA、第2工程情報としてバーリング金型の種類または寸法φB及びφC、第3工程情報としてタップ切りが記憶されている。
【0036】次いで、CAMデータ作成処理部35が前記読み出された工程データ、板金CADデータ55、金型データ56等を利用して、板金工作機械のNCデータであるCAMデータを作成して板金CAMデータ作成プログラムの処理を終了する。
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、板金CADデータを入力する工程と、入力された板金CADデータから複数工程を要する成形加工部分を抽出する工程と、該抽出された成形加工部分の加工工程に関する工程データの識別情報を前記板金CADデータに付加する工程と、を備えたことにより、板金CAMシステムに渡されるCADデータに基づいて、成形加工部分の工程データを工程データベースから読み出すことができるので、板金CADシステムと板金CAMシステムとの間で成形加工部分に関する工程データを共有し、板金CADシステムから板金CAMシステムへ成形加工部分の工程データを引き継ぐことができるという効果がある。
【0037】また本発明によれば、成形加工部分の加工工程に関する工程データの識別情報が付加された板金CADデータを入力する工程と、入力された板金CADデータから前記識別情報を抽出する工程と、該識別情報に基づいて加工工程に関する工程データを工程データベースから読み出す工程と、前記読み出された工程データと前記板金CADデータに基づいて板金CAMデータを作成する工程と、を備えたことにより、板金CADシステムと板金CAMシステムとの間で成形加工部分に関する工程データを共有し、板金CADシステムから板金CAMシステムへ成形加工部分の工程データを引き継ぐことのできるので、板金CADシステムと板金CAMシステムとが連係して正確なNC加工データを迅速に作成することができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
【出願日】 平成11年11月9日(1999.11.9)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2001−134312(P2001−134312A)
【公開日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【出願番号】 特願平11−318502