| 【発明の名称】 |
ホログラム |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 芳典
【氏名】寺澤 寛了
【氏名】山口 務
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| 【要約】 |
【課題】紫外線により励起されて可視光領域で発光する蛍光色素を使用したホログラムにおいて、上記色素の存在を目視できず、かつ上記色素の耐光性や耐候性などにすぐれたものを提供する。
【解決手段】支持層1上に少なくともホログラム形成層2と反射薄膜層3とを設けてなるホログラムにおいて、上記の各層を含むホログラム構成層とは別に、発光層7として、紫外線により励起されて可視光領域で発光する有機蛍光色素が粒状物として存在する樹脂層を設けたことを特徴とするホログラム。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持層上に少なくともホログラム形成層と反射薄膜層が設けられてなるホログラムにおいて、上記の各層を含むホログラム構成層とは別に、紫外線により励起されて可視光領域で発光する有機蛍光色素が粒状物として存在する樹脂層が設けられていることを特徴とするホログラム。 【請求項2】 有機蛍光色素からなる粒状物は、粒径が10〜400nmである請求項1に記載のホログラム。 【請求項3】 有機蛍光色素は、ユウロピウムを発光中心とするユウロピウム化合物である請求項1または2に記載のホログラム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、偽造を防止し、不正使用を抑止したホログラムに関する。 【0002】 【従来の技術】光の干渉を用いて立体画像を再生しうるホログラムは、高度の製造技術を必要とするため、情報記録媒体の偽造を防止する手段として、広く使用されてきた。しかるに、近年、ホログラムも商用利用のため、安価にかつ大量に生産されるようになり、これに伴つて、偽物やコピ―がつくられるようになつた。 【0003】このため、最近では、ホログラムの偽造を防止する手段が、いろいろと工夫されている。そのひとつとして、特開平8−63086号、特開平9−73261号、特開平9−175067号、特開平10−140500号、特開平11−352863号などの公報においては、ホログラム構成層の内部や層間に紫外線により励起されて可視光領域で発光する蛍光色素を含ませておき、この蛍光色素を機械的手段などで確認することにより、ホログラムの偽造を防止したり、不正使用を抑止することが提案されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提案に係る蛍光色素としては、粒径が大きくかつ屈折率の大きい無機系の蛍光色素を使用したものがほとんどであり、この場合、その存在を目視できることから、その情報が悪用されるおそれがあり、ホログラムの偽造防止や不正使用の抑止という点で、十分に満足できなかつた。また、上記問題を克服するため、有機系の蛍光色素を使用することも提案されているが、この場合は、耐光性や耐候性、耐酸化性などに劣り、使用時に紫外線の励起による発光能力が低下して、それ本来の性能を発揮させにくい。 【0005】本発明は、このような事情に照らして、紫外線により励起されて可視光領域で発光する蛍光色素を使用したホログラムとして、上記色素の存在を目視できず、かつ上記色素の耐光性や耐候性などにすぐれたものを提供することにより、ホログラムの偽造を防止し、不正使用を抑止することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、紫外線により励起されて可視光領域で発光する蛍光色素として、ユウロピウムを発光中心とするユウロピウム化合物などからなる有機蛍光色素を使用し、この蛍光色素を水やエタノ―ルなどの上記色素を本質的に溶解しない溶媒中に粒状物として分散させた樹脂塗料を調製し、これを既存のホログラム構成層の任意の層間に塗着して、上記色素が粒状物として存在する樹脂層を設けるようにすると、上記色素の存在を目視することができず、しかも上記色素の耐光性や耐候性などにすぐれたホログラムを得ることができ、このホログラムは、上記耐光性などにすぐれるため、使用時に紫外線の励起による発光能力の低下がみられず、色素本来の性能を十分に発揮でき、上記色素の存在を目視できないことと相まつて、ホログラムの偽造(ないし贋造、変造、改鼠など)を効果的に防止でき、またホログラムの不正使用を効果的に抑止できることを知り、本発明を完成した。 【0007】すなわち、本発明は、支持層上に少なくともホログラム形成層と反射薄膜層が設けられてなるホログラムにおいて、上記の各層を含むホログラム構成層とは別に、紫外線により励起されて可視光領域で発光する有機蛍光色素が粒状物として存在する樹脂層が設けられていることを特徴とするホログラム、とくに、上記の有機蛍光色素が粒径10〜400nmの粒状物として存在する上記構成のホログラム、さらに上記の有機蛍光色素がユウロピウムを発光中心とするユウロピウム化合物である上記構成のホログラムに係るものである。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参考にして説明する。図1は、本発明のホログラムの一例を示したものであり、支持層1上にホログラム形成層2と反射薄膜層3が設けられ、この上に剥離層4および接着剤層5が設けられて、さらにその上に接着剤層5の表面を保護し、また取り扱い性を良くするために、適宜のセパレ―タ6が貼り合わされている。 【0009】支持層1は、ホログラム形成層2などの支持体となるとともに、ポログラムの使用時には表面保護層としての機能を果たすものであり、したがつて、透明性を有するとともに、耐候性、耐衝撃性などの耐久性にもすぐれるブラスチツクフイルム、たとえば、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂などからなる、厚さが通常2〜200μmのブラスチツクフイルムが用いられる。 【0010】ホログラム形成層2は、上記の支持層1上に塗工法などによつて厚さが0.5〜10μmの樹脂膜として形成され、その表面にホログラムパタ―ンが形成されたものである。ホログラムパタ―ンは、たとえば、樹脂膜に凹凸面を有するニツケル金型(フオトレジストにホログラム原画を露光して凹凸面を形成し、この上にニツケルメツキし、これを剥がして作製した金型)を重ね合わせ、加熱加圧して、樹脂膜表面に凹凸パタ―ンを転写する方式により、形成される。樹脂膜の材料としては、塩化ビニル系樹脂(塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂など)、酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカ―ボネ―ト系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリレ―ト系樹脂、メタクリレ―ト系樹脂、セルロ―ス系樹脂(ニトロセルロ―ス、酢酸セルロ―スなど)の各種の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が、単独でまたは混合して用いられる。 【0011】反射薄膜層3は、ホログラムパタ―ンを立体画像として再生し識別する際に、その表面反射性により、上記の再生、識別を容易にするためのものであり、表面反射率の高い材料として、アルミニウム、スズなどが用いられ、これらがホログラム形成層2上に蒸着法などにより厚さが通常10〜1,000nmに形成される。また、ホログラム形成層2の構成材料に比べ、屈折率の大きい透明な樹脂材料を用いて反射薄膜層3を構成させ、光透過型のホログラムとしてもよい。 【0012】剥離層4は、上記の反射薄膜層3上に必要に応じて設けられて、ホログラムを不正に剥離したときに、この部分で脆性破壊させて、それにより不正使用を容易に判別できるようにしたものであり、図に示すように部分的に(文字、マ―クなどのパタ―ン状に)設けることができるほか、反射薄膜層3上に全面的に設けることもできる。剥離層4の材料には、アクリル系樹脂、ビニ―ル系樹脂などの樹脂成分や、これに剥離性物質を混入したものなどが用いられ、これら材料が塗工法などにより厚さが通常0.1〜10μmとなるように設けられる。 【0013】接着剤層5は、ホログラムの使用に際し、このホログラムをカ―ド、カセツト、デイスクなどの各種物品の表面に容易に貼り合わせすることができるように、反射薄膜層3上に上記の剥離層4を介して設けられるものであり、アクリル系樹脂やビニ―ル系樹脂などの各種の樹脂成分のほか、天然ゴムや各種の合成ゴムなどを接着性ポリマ―成分とした感熱型または感圧型の接着剤からなり、一般に、厚さが通常5〜30μmとなるように設けられるものである。 【0014】本発明においては、このように構成されるホログラムにおいて、上記の支持層1とホログラム形成層2との層間に、発光層7として、紫外線により励起されて可視光領域で発光する有機蛍光色素が粒状物として存在する樹脂層を設けたことを特徴としている。このような発光層4は、たとえば、上記の有機蛍光色素を本質的に溶解しない溶媒として水やエタノ―ルなどを用い、これにポリビニルアルコ―ルやスチレン−アクリル樹脂などのバインダを溶解または分散させ、さらに上記の有機蛍光色素を粒状物として分散させた樹脂塗料を調製し、この塗料を支持層1上に塗着して、厚さが通常0.1〜10μmとなるように塗膜形成すればよい。この図では、支持層1上の全面に塗膜形成しているが、必要により部分的に(文字、マ―クなどのパタ―ン状に)塗膜形成してもよい。 【0015】ここで使用する上記の有機蛍光色素は、紫外線により励起されて可視光領域で発光する有機系のものであれば、とくに限定なく使用できるが、とくに好ましいものとして、ユウロピウムを発光中心とするユウロピウム化合物が挙げられる。このようなユウロピウム化合物の市販品には、リ―デルデハ―ン社製の「ルミルツクスCD331」、「同CD332」、「同CD335」、「同CD346」、三井化学社製の「ER120」、「ER122」などが挙げられる。 【0016】これらの有機蛍光色素は、発光層7において、粒状物として存在させることが必要であるが、この粒状物の粒径としては、通常10〜400nmであるのが望ましい。10nmより微細になると、耐光性や耐候性などが低下しやすくなり、400nmより大きいと、発光層4の存在を目視できるようになり、いずれも、本発明の目的を達成しにくくなる。上記粒径とするには、有機蛍光色素の製造段階でその粒径を制御する方式で行つてもよいし、粒径の大きな市販品を樹脂塗料の調製段階で粉砕してその粒径を制御する方式で行つてもよい。 【0017】このように構成されるホログラムは、使用に際し、セパレ―タ6を剥離して、カ―ド、カセツト、デイスクなどの各種物品の表面に接着剤層5を介して貼り付ける。このようにホログラムを貼り付けた物品は、ホログラム形成層2のホログラムパタ―ンを光の干渉を用いて立体画像として再生し識別することで、物品の真偽を容易に判定することができる。また、剥離層4の存在により、このホログラムが不正に剥離されたものであるかどうかも、判別できる。 【0018】また、上記のホログラムには、紫外線により励起されて可視光領域で発光する有機蛍光色素を含ませた発光層7が設けられていることから、これに紫外線を照射して励起させると、上記の発光層7が鮮やかに発光し、とくに上記の有機蛍光色素がユウロピウム化合物の場合は、赤色に発光し、この発光を目視することにより、またCCDセンサにより検出することにより、ホログラム自体の真偽や不正使用されたものかどうかを判別することができる。 【0019】しかも、上記の有機蛍光色素は、発光層7中で粒状物として存在しているために、それ自体の発光強度が強く、また耐光性や耐候性、耐酸化性などの耐久特性にすぐれており、使用時に上記発光の検出感度が低下するおそれもない。また、このように有機蛍光色素を粒状物として存在させた発光層7は、無機系の蛍光色素とは異なり、紫外線励起させない常態では目視できないため、上記発光層7の存在を識別できず、その情報が悪用されるおそれもない。 【0020】なお、上記では、支持層1とホログラム形成層2との層間に発光層7を設けた例を示しているが、この発光層7は、ホログラム構成層の任意の層間に設けることが可能である。ここでいうホログラム構成層には、少なくとも上記の支持層1、ホログラム形成層2および反射薄膜層3が含まれ、通常は上記の接着剤層5とさらに剥離層4が含まれるものである。また、これら各層の間に文字、マ―クなどの適宜の情報を有する印刷層などを形成することもあり、この印刷層なども、ホログラム構成層のひとつである。要するに、本発明においては、これらのホログラム構成層とは別に、上記の発光層7を設けるようにすればよく、これにより上記と同様の効果が奏されるものである。 【0021】 【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例にのみ限定されるものではない。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。 【0022】実施例1厚さが25μmのポリエチレンテレフタレ―トフイルムからなる支持層上に、スチレン−アクリル樹脂1部、有機蛍光色素(リ―デルデハ―ン社製の「ルミルツクスCD335」)0.8部、水100部およびポリビニルアルコ―ル4部を上記色素が適度に粉砕される条件で混合した発光層用樹脂塗料を、グラビア塗工により、乾燥後の厚さが0.5μmとなるように塗工したのち、乾燥して、上記色素が粒径200nmの粒状物として存在する発光層を形成した。 【0023】つぎに、この発光層上に、アクリルポリオ―ル20部、トリレンジイソアネ―ト5部、メチルエチルケトン60部およびトルエン20部からなるホログラム形成層用組成物を、グラビア塗工法により、乾燥後の厚さが1μmとなるように,塗工したのち、乾燥して、ホログラム形成層を形成した。この上に、所定パタ―ンの凹凸面を有するニツケル金型を重ね合わせ、加熱加圧して、ホログラム形成層にホログラムバタ―ンを形成した。 【0024】ついで、このホログラムバタ―ン形成面に、スパツタリング法により、金属アルミニウムを厚さが0.04μmに蒸着して、反射薄膜層を形成した。この上に、アクリル樹脂30部、メチルイソブチルケトン20部、メチルエチルケトン40部およびトルエン40部からなる剥離層形成用組成物を、塗布したのち、乾燥して、厚さが1.5μmの剥離層を形成した。最後に、この上に、アクリル系粘着剤30部、メチルエチルケトン50部およびトルエン50部からなる接着剤組成物を塗布したのち、乾燥して、厚さが20μmの接着剤層を形成した。この上に、常用のセパレ―タを貼り付けて、ホログラムを作製した。 【0025】このようにして作製したホログラムは、そのホログラムパタ―ンを光の干渉を用いて立体画像として再生し識別することができ、これを、そのセパレ―タを剥離して物品上に貼り付け、上記の再生、識別を行うことにより、物品の真偽の判定に利用できた。また、このホログラムには、発光層中に上記特定の有機蛍光色素が含まれているため、これに励起光源として近紫外光源(ブラツクライト)を照射して励起させると、鮮やかに赤く発光した。この発光は、CCDセンサによつて正確に検出でき、ホログラム自体の真偽や不正使用されたものかどうかの判別に利用できた。また、物品上に貼り付け後、屋内に3ケ月または屋外に1ケ月放置したのち、上記同様に近紫外光源を照射して励起させたときでも、放置前と変わらない良好な赤色発光の検出性が得られた。さらに、上記励起光を照射する前の常態では、上記の有機蛍光色素を目視できず、発光層の存在を目視では全く識別できないものであることも確認された。 【0026】実施例2発光層用樹脂塗料の粉砕混合条件を変更して、発光層中に粒状物として存在する有機蛍光色素の粒径が100nmとなるようにした以外は、実施例1と同様にしてホログラムを作製した。このホログラムも、ホログラム本来の性能、上記特定の色素に基づく紫外線励起による赤色発光の初期および保存後の検出性、目視による上記色素の識別不能性に関し、実施例1と同様の結果が得られた。 【0027】 【発明の効果】以上のように、本発明においては、支持層上に少なくともホログラム形成層と反射薄膜層が設けられたホログラムにおいて、上記の各層を含むホログラム構成層とは別に、紫外線により励起されて可視光領域で発光する有機蛍光色素が粒状物として存在する樹脂層を設けたことにより、上記色素の存在を目視できず、しかも上記色素の耐光性や耐候性などにすぐれたホログラムを得ることができ、上記耐光性などにすぐれるため、使用時に紫外線の励起による発光能力の低下がみられず、色素本来の性能を十分に発揮でき、上記色素の存在を目視できないことと相まつて、ホログラムの偽造(ないし贋造、変造、改鼠など)を効果的に防止でき、またホログラムの不正使用を効果的に抑止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005810 【氏名又は名称】日立マクセル株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月17日(2000.3.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079153 【弁理士】 【氏名又は名称】祢▲ぎ▼元 邦夫
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| 【公開番号】 |
特開2001−265202(P2001−265202A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−81796(P2000−81796) |
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