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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】笠松 徹

【氏名】野村 毅

【氏名】白川 明

【氏名】林 健一

【要約】 【課題】リユーザブルシートを,シート両面の使用頻度の偏りなく使用して長寿命化を図るようにした画像形成装置を提供すること。

【解決手段】リユーザブルシートに画像形成を行う場合には,まず当該シートの表裏面それぞれの既使用回数を検出する(S1)。そして表裏の既使用回数を比較する。表面の既使用回数の方が多い場合には(S2:Yes),裏面を画像形成面に決定し,当該シートを反転させて画像形成に供する(S3)。裏面の既使用回数の方が多いかまたは両面の既使用回数が同じである場合には(S2:No),表面を画像形成面に決定し,当該シートをそのまま画像形成に供する(S4)。これにより,既使用回数の少ない方の面に画像形成を行うようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シート上に画像を形成する画像形成装置において,画像形成に供するシートを表裏反転することが可能な反転手段と,画像形成に供するシートがリユーザブルシートである場合にその表裏それぞれの既使用回数を検出する回数検出手段と,前記回数検出手段の検出結果に応じて当該シートにおける画像形成面を決定する使用面決定手段とを有し,前記使用面決定手段は,その決定に基づいて前記反転手段に,シートの表裏反転を実行するかしないかを指示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 請求項1に記載する画像形成装置において,画像形成に供するシートがリユーザブルシートである場合にその画像形成面にマーキングを付するマーキング手段を有し,前記回数検出手段は,前記マーキング手段により付されたマーキングをカウントすることにより表裏の既使用回数を検出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】 シート上に画像を形成する画像形成装置において,画像形成に供するシートを表裏反転することが可能な反転手段と,画像形成に供するシートがリユーザブルシートである場合にその表裏それぞれの表面状態を検出する状態検出手段と,前記状態検出手段の検出結果に応じて当該シートにおける画像形成面を決定する使用面決定手段とを有し,前記使用面決定手段は,その決定に基づいて前記反転手段に,シートの表裏反転を実行するかしないかを指示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】 請求項3に記載する画像形成装置において,前記状態検出手段は,シートの表裏面ごとの光反射率を検出するものであることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,画像形成装置に関する。さらに詳細には,トナー部を消去して再利用するリユーザブルシートを適切に使用できる画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年,複写機やプリンタにより画像形成の行われた使用済みのペーパーを再利用することが提案されている。再利用する方法として,例えば,画像形成後に不要となったペーパーについて,溶剤によってそのトナー像を消去し再生するのである。そのため,耐久性が高く再利用可能な特殊紙(以下リユーザブルシートとする)を用い,これに溶剤等により消去可能なトナーを主成分とする現像剤を用いて画像形成を行うのである。ところが再生されたリユーザブルシートであっても紙の繊維の間にトナーが残っていることもあり,未使用面に比べて再生面が汚れている場合がある。そこで特開平10−186961では,リユーザブルシートを再利用するときは片面のみ画像形成を行うシステムが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,前記した従来のリユーザブルシートを使用するシステムでは以下のような問題点があった。すなわち,リユーザブルシートの両面に画像形成を行った場合には,トナー像の消去の課程において両面消去を行う。またリユーザブルシートは一度再利用させるだけでなく複数回再利用することが可能である。このような場合において,片方の面の既使用回数が他方より多いと傷みに偏りが現れてしまいシートの寿命が短くなる場合があった。これに対し,前述の例のように単にリユーザブルシートには両面プリントをしないというだけでは有効な対策とはなっていないのである。
【0004】本発明は,前記した従来のリユーザブルシートを使用するシステムが有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,リユーザブルシートを,シート両面の使用頻度の偏りなく使用して長寿命化を図るようにした画像形成装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題の解決を目的としてなされた本発明の画像形成装置は,シート上に画像を形成する画像形成装置であって,画像形成に供するシートを表裏反転することが可能な反転手段と,画像形成に供するシートがリユーザブルシートである場合にその表裏それぞれの既使用回数を検出する回数検出手段と,回数検出手段の検出結果に応じて当該シートにおける画像形成面を決定する使用面決定手段とを有し,使用面決定手段は,その決定に基づいて反転手段に,シートの表裏反転を実行するかしないかを指示するものである。
【0006】この画像形成装置において,リユーザブルシートに画像形成を行う場合には,まず回数検出手段がシートの表裏それぞれの既使用回数を検出する。そして使用面決定手段は,回数検出手段の検出結果に応じて当該シートにおける画像形成面を決定する。そしてその決定に基づいて,反転手段にシートの表裏反転を実行するかしないかを指示する。具体的には,回数検出手段による既使用回数の検出結果,表面の既使用回数が裏面の既使用回数よりも少ない場合にはそのままシートを搬送して,表面に画像形成を行わせる。一方,表面の既使用回数が裏面の既使用回数よりも多い場合には反転手段によってシートを反転させて搬送し,裏面に画像形成を行わせる。このようにシートの表裏の既使用回数を検出して既使用回数の少ない方の面に画像形成を行う。これにより,リユーザブルシート両面の劣化が偏りなく進行する。したがってリユーザブルシートを長寿命化させることができる。
【0007】なお,既使用回数を記すために,画像形成に供するシートがリユーザブルシートである場合にその画像形成面にマーキングを付するマーキング手段を有し,回数検出手段は,マーキング手段により付されたマーキングをカウントすることにより表裏の既使用回数を検出するようにするとよい。むろん,リユーザブルシートのトナー部を消去する場合でも,マーキングは消去しない。
【0008】また,本発明に係る別の画像形成装置は,シート上に画像を形成する画像形成装置であって,画像形成に供するシートを表裏反転することが可能な反転手段と,画像形成に供するシートがリユーザブルシートである場合にその表裏それぞれの表面状態を検出する状態検出手段と,状態検出手段の検出結果に応じて当該シートにおける画像形成面を決定する使用面決定手段とを有し,使用面決定手段は,その決定に基づいて反転手段に,シートの表裏反転を実行するかしないかを指示するものである。
【0009】この画像形成装置において,リユーザブルシートに画像形成を行う場合には,まず状態検出手段がシートの表裏それぞれの表面状態を検出する。そして使用面決定手段は,状態検出手段の検出結果に応じて当該シートにおける画像形成面を決定する。そしてその決定に基づいて,反転手段にシートの表裏反転を実行するかしないかを指示する。具体的には,状態検出手段によるシートの表面状態の検出結果,表面の表面状態が裏面よりも良い場合にはそのままシートを搬送して,表面に画像形成を行わせる。一方,表面の表面状態が裏面よりも悪い場合には反転手段によってシートを反転させて搬送し,裏面に画像形成を行わせる。このようにシートの表裏の表面状態を検出して表面状態の良い面に画像形成を行う。これにより,リユーザブルシート両面の劣化が偏りなく進行する。したがってリユーザブルシートを長寿命化させることができる。
【0010】なお,状態検出手段としては,シートの表裏面ごとの光反射率を検出するものを用いることができる。具体的には,シートの表裏面に光を照射して,反射される反射光をセンサにより検出するようにすればよい。シートの既使用回数の増加とともに表面状態が悪くなるにつれて反射光が少なくなるからである。よって,表裏面の反射光量を検出して比較すれば,シートのどちらの表面状態がよいか判断できるのである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下,本発明に係る実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は,第1の形態のプリンタPRTのプリントエンジン部を示す断面図である。プリンタPRTには,感光体ドラム1が設けられている。その周囲には,画像形成後の静電潜像を消去するためのイレーサランプ2と,感光体ドラム1を帯電させるための帯電チャージャ3と,感光体ドラム1に静電潜像を形成するレーザ光学系4と,静電潜像を顕像化するための現像器5と,ドラム1上のトナー像をシートに転写する転写チャージャ6と,ドラム1上に残留したトナーを除去,回収するクリーナ7とが配置されている。さらにシート上のトナー像を定着させるための定着装置8が,感光体ドラム1のシート搬送方向下流に設けられている。
【0012】一方,プリンタPRT内の下部には,シートを収納する給紙カセット9が配置されている。そして,給紙カセット9から通常のシートを供給してその片面に画像形成を行う場合には,ストレートに搬送路10を経て排紙トレイ11へ排紙されるようになっている。また,シートの両面に画像形成を行う場合に,片面画像形成後のシートを表裏反転させるため,再給紙パス12と反転ユニット13と水平搬送路14とが設けられている。そして,水平搬送路14を利用して,給紙カセット9から給紙されたシートを反転させることも可能である。
【0013】プリンタPRTは,耐久性が高く再利用可能な特殊紙(以下リユーザブルシートとする)を使用することを念頭においたものである。そして,リユーザブルシートを使用するにあたり,その都度リユーザブルシートの表裏面の既使用回数を検出して,既使用回数の少ない方の面に画像形成を行うこととしている。そこで,シートの既使用回数を示すためのマークを形成するマーク形成部17が定着装置8の上流に設けられている。これにより,リユーザブルシートに画像形成を行う度にその画像形成面にマークを形成するようになっている。マークが形成される位置は,本来の画像を邪魔しないように,シートの幅方向に端部近傍である。
【0014】一方,リユーザブルシートの表裏面のマーク数を検出する手段としては,図1および図2に示すように,シート表面のマーク数を検出するマークセンサ15とシート裏面のマーク数を検出するマークセンサ16とを配置している。これらは,シート搬送路10における給紙カセット9の出口の近傍であって水平搬送路14との分岐点よりも上流に位置している。幅方向の位置は,マークの形成位置に合わせて,シートの幅方向に端部近傍である。センサの形式としては,光反射型のセンサを使用しており,反射光量の変化を検出してマーク数を計数するようになっている。
【0015】以上の構成を有するプリンタPRTにおいて,感光体ドラム1はイレーサランプ2により照射され除電された後,帯電チャージャ3によりその表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム1の表面にはレーザ光学系4により静電潜像が形成され,さらに現像器5により現像されてトナー像となる。
【0016】一方,給紙カセット9からはリユーザブルシートが給紙される。リユーザブルシートは,給紙カセット9から出た直後に,マークセンサ15およびマークセンサ16によって表裏面のマーク数が検出される。ここで,図2に示すように,シート表面のマーク数が4つでありシート裏面のマーク数が3つである場合には,表面の既使用回数の方が多い。これをこのまま搬送すると,表面に画像形成され,表裏の既使用回数の差がさらに大きくなってしまう。そこで,リユーザブルシートの既使用回数の偏りを減らすために,リユーザブルシートは,一旦,水平搬送路14に送られ,後端を先頭にシート搬送路10へ戻される。これにより表裏が反転される。その後,シート搬送路10へ送られる。
【0017】シート搬送路10を経たリユーザブルシートには,転写チャージャ6により感光体ドラム1上のトナー像が転写される。その後,マーク形成部17において使用回数1回分のマークが,画像形成面と同じ面に形成される。そして,定着装置8によってトナー像が定着されて排紙トレイ11に排紙される。なお,シートの両面に画像形成を行う場合には,シートは定着装置8を通過後に再給紙パス16に送られ,反転ユニット13において表裏反転される。その後,水平搬送路14を経由してシート搬送路10に合流して転写,定着を行った後に排紙トレイ11に排紙される。
【0018】図3に,プリンタPRTにおけるリユーザブルシートの通紙制御のフローチャートを示す。まずS1で,シートの表裏面の既使用回数をマークセンサ15およびマークセンサ16によって検出する。続くS2では,検出したシートの表裏面の既使用回数を比較する。表面の既使用回数の方が多い場合には(S2:Yes),S3においてシートを反転させてシート搬送路10へ送った後,リターンする。一方,裏面の既使用回数の方が多いかまたは両面の既使用回数が同じである場合には(S2:No),S4においてシートをそのまま搬送させてリターンする。
【0019】このようにシートの表裏の既使用回数を検出して既使用回数の少ない方の面に画像形成を行うようにするので,リユーザブルシート両面の劣化が偏りなく進行する。したがってリユーザブルシートを長寿命化させることができる。
【0020】続いて,第2の形態について説明する。第2の形態は,シートのマーク数を係数する代わりに,表面状態,具体的には光反射率を測定して既使用回数を比較する構成である。プリンタPRTの全体構成は,図1に示したものとほぼ同様である。
【0021】相異点としては,マークセンサ15,16の代わりに,図4に示す状態センサ25および状態センサ26を配置している点が挙げられる。状態センサ25および状態センサ26の形式は,第1の形態の場合と同様に光反射型のものを用いている。リユーザブルシートの表面は,使用回数が多くなるにつれて汚れてくるので光反射率が低下してくる。これを利用してシートの表裏の表面状態を検出するのである。状態センサ25および状態センサ26が配置されている位置は,マークセンサ15,16の場合と同様に,給紙カセット9の出口の近傍であって水平搬送路14との分岐点よりも上流の位置である。ただし幅方向の位置は,マークセンサ15,16の場合と異なり中央部である。中央部は,シートの表面状態を最もよく代表すると考えられるからである。また,第2の形態では,当然のことながらマーク形成部17は不要である。その他の構成については第1の形態の場合と同様であるので説明を省略する。
【0022】図5は,プリンタPRTにおけるシートの使用状態を検出する制御のフローチャートである。まず,S11では,シートの表裏の表面状態,すなわちシートの光反射率を状態センサ25および状態センサ26にて検出する。続いて,検出した表裏の光反射率を比較する。シートの裏面の方が反射率が高い場合には(S12:Yes),S13においてシートを反転させてシート搬送路10へ送った後,リターンする。裏面の方が表面状態がよく,既使用回数も少ないと考えられるからである。一方,表面の反射率の方が高いかまたは表裏の反射率が同じである場合には(S12:No),S14においてシートをそのまま搬送させてリターンする。
【0023】このようにシートの表裏の表面状態を検出して表面状態の良い方の面に画像形成を行うので,リユーザブルシート両面の劣化が偏りなく進行する。したがってリユーザブルシートを長寿命化させることができる。
【0024】以上詳細に説明したように本実施の形態のプリンタPRTでは,給紙カセット9の出口近傍にマークセンサ15,16または状態センサ25,26を設けている。そして,リユーザブルシートに画像形成を行う場合には,表裏面それぞれのマーク数または光反射率を検出し,表裏の検出値を比較することとしている。そして,その決果に応じて当該リユーザブルシートにおける画像形成面を決定し,当該シートを反転するかしないかを決定することとしている。これにより,リユーザブルシートの既使用回数の少ない方の面に画像形成を行うようにしている。したがって,リユーザブルシートの両面の劣化が偏りなく進行し,長寿命化させることができる。
【0025】なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
【0026】例えば,第1の形態において,図2では,マークセンサ15,16をシートの表側と裏側とにそれぞれ1つずつ設けている。しかしマークセンサ15,16は,表側と裏側とにそれぞれ2つずつ設けてもよい。すなわち,マークがリユーザブルシートのどちら側の端部にあってもカウントできるようにしてもよい。このようにすると,再生したリユーザブルシートを給紙カセット9にセットするときに向きを気にしなくてもよい。第1の形態においてはまた,マーク形成部17を省略して,代わりにレーザ光学系4により感光体ドラム1を介してマークを書き込むようにしてもよい。ただしアナログ式の場合にはそのようなことはできない。
【0027】第2の形態においては次のような変形が考えられる。例えば,状態センサ25,26を幅方向に複数組設け,検出値の表裏ごとの平均値を比較するようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明によれば,リユーザブルシートを,シート両面の使用頻度の偏りなく使用して長寿命化を図るようにした画像形成装置が提供されている。
【出願人】 【識別番号】000006079
【氏名又は名称】ミノルタ株式会社
【出願日】 平成12年4月20日(2000.4.20)
【代理人】 【識別番号】100105751
【弁理士】
【氏名又は名称】岡戸 昭佳 (外2名)
【公開番号】 特開2001−305916(P2001−305916A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−118836(P2000−118836)