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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】宮川修宏

【要約】 【課題】現像ローラによる弾性感光体の偏摩耗を防止する。

【解決手段】弾性体を基材に用いた静電潜像担持体(1)に金属現像剤担持体(2)を圧接させて現像する画像形成装置において、金属現像剤担持体(2)の長さが静電潜像担持体(1)の幅より長くしたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弾性体を基材に用いた静電潜像担持体に金属現像剤担持体を圧接させて現像する画像形成装置において、金属現像剤担持体の長さが静電潜像担持体の幅より長くしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 前記静電潜像担持体は、金属パイプ上に設けたスポンジ層上に表層を形成し、該表層上に感光層を形成したものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】 前記スポンジ層は体積抵抗106 Ω・cm以下、膜厚8〜20mm、硬度はアスカーCで25〜60度であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】 前記表層は体積抵抗106 Ω・cm以下、JIS K6301Aで40度〜70度、表面粗さ0.2μm〜2μmであることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾性静電潜像担持体を用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、静電潜像担持体として感光体ドラムを画像形成装置の本体に回転可能に支持し、画像形成動作時には感光体ドラムの感光層に静電潜像を形成した後、この潜像を一成分系現像剤によって可視像化する方式がある。このような方式においては、感光体ドラムが剛体からなる場合、現像ローラ上にごく薄く、例えばトナー粒子1個の厚さのトナー層を設け、潜像を形成した感光体ドラム表面と接触させるか、あるいは微小な間隔をあけて対置させる必要がある。しかしながら、感光体ドラムを高精度に製作することは困難であり、感光体ドラムの周面にわずかな歪みがあったり、製造上のバラツキがあると、ドラムと現像ローラ間に大きな隙間ができることによる画質低下や、圧接する場合にはドラム表面を傷つける等の問題がある。そのため、感光体をベルト化したり、また中間転写ベルトを採用する等の技術も開発されているが、ベルトを支持するために少なくとも2つのローラを必要とし、複写機等を小型化するにあたり障害となる。そのため、弾性ローラ基体上に有機感光層を塗布形成して感光体ドラムとし、感光体ドラムの表面を弾性変形可能とする方式の開発が進められている。
【0003】このような方式に関しては、ゴム等の弾性ローラ基体上にアルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼等の薄膜のスリーブを感光体支持層として嵌合したり、導電性ゴムを弾性ローラ基体や感光体支持層として形成し、表面に感光層を形成して感光体ドラムとし、ドラムに外圧が作用した部分のみは変形するが、他の部分は変形しないように構成し、また外力が取り除かれたときには完全に元のスリーブ状態に復帰することを可能とすることにより、感光体ドラムが剛体からなる場合における問題を解決するものが知られており、また、スポンジ層を使用することにより同様な効果を得るようにしたものも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の画像形成装置にあっては、感光体ドラムは現像ローラより長く、弾性感光体に対して現像ローラを圧接した場合、図6に示すように感光体が変形して現像ローラが食い込み、現像ローラ端部において当接深さ(食い込み深さ)が深くなる。図7は現像ローラ端部の当接状態を拡大して示したもので、現像ローラ端部以外では弾性感光体と現像ローラとの間に隙間があるように図示されているが、実際には隙間は生じていないで圧接状態にある。弾性感光体と現像ローラとは異周速で回転しているため、現像ローラ端部に接している弾性感光体部分が偏摩耗で擦り切れる場合がある。弾性感光体が切れると電気的な短絡が生じ、現像バイアスがかけられないという問題が発生し、画像形成装置の寿命を短くしてしまうことになる。
【0005】本発明は上記課題を解決するためのもので、現像ローラによる弾性感光体の偏摩耗を防止して装置の長寿命化を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、弾性感光体に金属現像ローラを圧接させて現像する画像形成装置において、金属現像ローラの長さが感光体の幅より長くしたことを特徴とし、かかる構成により現像ローラによる弾性感光体の偏摩耗を防止して長寿命化を図ることが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明の画像形成装置の特徴を説明する概念図である。1は弾性感光体で、弾性ローラ基体上に感光層を形成したものであり、硬質のローラ、例えば表面を粗面化した金属製の現像ローラ2が接触して圧接現像が行われる。本発明では現像ローラ2の軸方向の長さが感光体1の軸方向の長さ(幅)より長く、そのため感光体が弾性であっても、現像ローラのエッジが食い込むことは起こりえず、偏摩耗が発生しないため長寿命化を図ることが可能である。また、現像ローラと感光体が接触したとき、感光体の変形は局在するため均一な接触が行われ、高濃度で均一な現像が可能であり、また、現像バイアスが有効に作用するためカブリのない画像を得ることができる。
【0008】次に図2〜図4により本発明の具体例を説明する。ここで説明する例は、金属パイプ11に弾性基材としてスポンジ層12を圧入し、両端部に金属製フランジ14を取り付け、さらにスポンジ層の現像ローラと接触する周面及び端面をゴム或いは樹脂製のチューブ13で覆っている。ゴム或いは樹脂製のチューブは硬質のものを使用し、その表面に感光層を形成する。フランジ中心にあけた孔15を通して回転駆動軸を嵌合固着し、回転駆動軸の回転力をフランジからパイプ及びスポンジ層に与えるようにしている。このようにフランジから回転力を伝達することにより、回転におけるスポンジ層のねじれの影響を少なくすることができる。また、フランジを通してアースをとることが可能である。もちろん、本発明はフランジのない場合にも適用可能である。
【0009】図2の例は、スポンジ層の端部がフランジ段差部までしかなく、このスポンジ層端面まで覆う表層もフランジ外面より内側にある。そのため、金属パイプにスポンジ層を圧入し、表層をディップ法等で形成した後にフランジを取り付けることができる利点がある。
【0010】図3の例は、フランジの段差部に当接するスポンジ層の端部がフランジ外面と面一になるまで延び、スポンジ端面を覆う表層はフランジ外面まで延びている。この例ではフランジを最後に取り付けることはできず、表層が最後に取り付けられることになる。
【0011】図4の例は、スポンジ層とフランジの周面を面一とし、表層がフランジ外面まで延びている。この例では現像ローラが表層を通してフランジに当たることになるため、スポンジ層の弾性があまり活かされないことになる。
〔実施例〕次に、図5により本発明の実施例について説明する。図において、パイプ11は金属製で、アルミまたは鉄等の素材が用いられ、この例ではφ26、厚み1.2tのアルミパイプ(A3000系)であり、パイプの内側はフランジ14の挿入部に対し、インロー加工(図のA部分)をしている。フランジ14はアルミ製、ダイキャスト品であり、パイプに圧入して感光体を構成している。フランジ14の中心には、回転駆動軸を通す孔15が開いている。このアルミ素管上に押し出し成型で、筒状に発泡成型した導電性のシリコンゴム、EPDM、CRゴム、NBR、SBR、ウレタン等の導電性スポンジ層13(体積抵抗で106 Ω・cm以下)の弾性基材を選択し、圧入する。
【0012】この場合、金属製パイプ1の外径がスポンジ層13の内径より太い方がスポンジ層との密着性が上がり、特別な接着剤を用いることもなく固着できる。接着が必要な場合は、通常のゴム系接着剤を電気抵抗に影響のない範囲で使用することができる。押し出し成型でスポンジチューブを発泡成型する場合のスポンジの片肉厚は8〜20mmが適当である。また使用する現像システムと転写システムによるが、好適なスポンジ硬度はアスカーCで25〜60度の範囲から選ばれる。このように形成した弾性スポンジ基材上にさらにEPDM等の導電性ソリッドゴムチューブ(体積抵抗で106 Ω・cm以下)を圧入し、その後研磨することで弾性感光体用の基材とする。表層13となる導電性ゴムはシリコンゴム、EPDM、CRゴム、NBR、SBR、ウレタン等から選ばれるが、その選択に当たっては必要とされる耐熱性、耐溶剤性、セット性、加工性等の諸条件を満たすものから選ぶ。本実施例ではEPDMを表層に選んでいる。
【0013】表層の導電性ゴムチューブの硬度は、JIS K6301Aで40度〜70度の範囲から選ばれ、その値は、切削や研磨加工等により表面粗さ(Ra)を0.2μm〜2μm程度、表面粗度(Rmax)を10μm以下にできる事を目安に選択する。又、上述のスポンジ層に圧入する上で、スポンジ層表面を研磨した外径よりゴムチューブの内径を小さくすることが重要となる。その差を3.5〜5mmとすることにより特別な接着剤を使用することもなく固着できる。スポンジ層とゴム表層の相性が悪い場合には、勿論接着剤を使用することも可能である。このゴム表層の片肉厚は2〜6mmの範囲であり、スポンジ層の外周に圧入後研磨し必要とする外径と表面粗度を達成できる厚みとすることが重要である。
【0014】表層13上に形成される有機感光体層は、いわゆる機能分離型の積層感光体であってもよいが、長寿命の感光体を希望する時には単層の有機感光体が適している。以下、単層有機感光体について述べるが、機能分離型の感光体を用いることも可能である。
【0015】単層有機感光体層の重量組成比(wt%)は、バインダー40〜75、電荷発生材0.5〜25、電荷輸送材10〜50、増感材0.5〜30の配合比であり、より好適には、バインダーを45〜65、電荷発生材を1〜20、電荷輸送材を20〜40、増感材を2〜25の範囲から選ぶのが高感度の結果を与える。ここで、好適な有機材料の一例を述べると、バインダーにはポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、電荷発生材にはフタロシアニン系顔料、アゾ顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、キノシアトン系顔料、インジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔料、キナクリドン系顔料が好ましく、特に好ましいのはフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料である。電荷輸送材にはヒドラゾン系、スチルベン系、フェニルアミン系、アリールアミン系、ジフェニルブタジェン系、オキサゾール系などの有機正孔輸送化合物があげられ、それらと一緒に加えられる増感剤としては、各種の電子吸引性有機化合物があり、電子輸送材としても知られているもので、パラジフェキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、クロラニル等があげられる。これらの構成有機材料は有機溶剤と共に、ホモミキサー、ボールミル、サンドミル、アトライター、ペイントコンディショナー等の攪拌装置で粉砕・分散混合され塗布液とされる。塗布方法は、ディップコート、リングコート、スプレーコート等を用い上記の導電性弾性基板上に塗布・乾燥し所望の厚さの感光体層を有する本発明の弾性有機感光体とする。感光体層の厚さは、15〜40μmが良く、好適には20〜35ミクロンである。
【0016】次に、正帯電用有機感光体ドラムの作製例について説明する。上記の素管に以下の感光体組成の塗布液を調整し、ディップコート法で弾性基体のドラムに塗布乾燥しプリンター用感光体ドラムとした。
ポリカーボネート樹脂(帝人化成製) 21重量部無金属フタロシアニン(大日本インキ化学工業製) 2重量部ヒドラゾン化合物(アナン製) 10重量部トルエン 180重量部増感剤として、3、5−ジメチル−3′、5′−ジターシャリーブチル−4、4′ジフェノキノン 5重量部を添加し、ペイントコイディショナー中で10時間分散混合し塗布液とした。
【0017】現像ローラは通常の接触一成分型現像方式に採用されているものであり、現像条件は現像ニップ幅をほぼ接触した状態から食い込み量を0.45mmとした広範囲まで選ぶことができる。この現象効果は、現像ローラをハードな材質構成にしたとしても、感光体側が弾性体であることによりトナーの圧接が緩やかになるためソフトな画像となり、極端に画質が変化しないことにより広範囲の現像ニップを実現できることからも分かる。また、高解像度用の微小トナー(中心粒径5μm)を使用しても、十分な現像ニップ幅を確保できるので、高濃度のトナー画像を得ることができる。そして、更にその圧接力が緩やかなことからくる現像ローラ上および感光体上にトナーがフィルミングする度合いが減少し、トナーと感光体の両方を同時に長寿命化できることも特徴となる。
【0018】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、弾性感光体の幅よりも現像ローラを長くしたので、現像ローラのエッジが食い込むことは起こりえず、偏摩耗が発生しないため感光体、ひいては画像形成装置の長寿命化を図ることが可能である。また、現像ローラと感光体が接触したとき、感光体の変形は局在するため均一な接触が行われ、高濃度で均一な現像が可能であり、また、現像バイアスが有効に作用するためカブリのない画像を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成12年4月20日(2000.4.20)
【代理人】 【識別番号】100092495
【弁理士】
【氏名又は名称】蛭川 昌信 (外7名)
【公開番号】 特開2001−305909(P2001−305909A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−119565(P2000−119565)