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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】杉山 尚樹

【要約】 【課題】中間転写方式の画像形成装置において、クリーニング後の被塗布部材表面に潤滑剤を塗布した後この潤滑剤を均すことによって、虫喰い、画像ボケ、ボソツキ等の異常画像のない良好な転写画像を得ることができるようにする。

【解決手段】上記ブラシローラ82による潤滑剤塗布位置の上流側の感光体ベルト表面1にクリーニングブレード15aを当接させ、かつ、下流側の感光体ベルト表面に潤滑剤均しブレード85を当接させる。これによって、クリーニングブレードによって残留トナーが除去され、クリーンな状態となった感光体ベルト表面に、潤滑剤が塗布され、その後潤滑剤の表面が均されて、厚みの均一な潤滑剤の層となる。これにより、虫喰い、画像ボケ、ボソツキ等の異常画像の発生を防止することができると共に、ブラシローラの塗布機能も長期に渡って維持することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】無端移動する表面にトナー像を担持する像担持体と、無端移動する表面を有し該像担持体との対向位置で該像担持体上のトナー像が一次転写されることによって該トナー像を担持する中間転写体とを有し、該中間転写体上に担持するトナー像を転写材に二次転写する画像形成装置において、上記像担持体と上記中間転写体の少なくとも一方の表面のトナー像を担持する前のトナー像未担持領域に対して、潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段と、該潤滑剤が塗布される前の被塗布部材表面をクリーニングするクリーニング手段と、該潤滑剤塗布手段によって塗布した潤滑剤を該被塗布表面上で均一に均す潤滑剤均し手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】請求項1の画像形成装置において、上記潤滑剤塗布手段として、被塗布部材表面に当接し該被塗布部材表面に潤滑剤を塗布するブラシ状部材を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】請求項1又は2の画像形成装置において、上記潤滑剤均し手段として、潤滑剤均しブレードを用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】請求項3の画像形成装置において、上記潤滑剤均しブレードを、弾性体から構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】請求項1、2、3、又は4の画像形成装置において、上記像担持体表面の静止摩擦係数をα、上記中間転写体表面の静止摩擦係数をβ、上記転写材表面の静止摩擦係数をγとし、α、β、γの関係が、α≦β≦γと、なるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に係り、詳しくは、像担持体上に形成されるトナー像を中間転写体に一次転写し、該中間転写体上のトナー像を転写材に二次転写する中間転写方式の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の画像形成装置としては、像担持体に順次形成した複数のトナー像を、無端移動する中間転写体上に順次重ね合わせて一次転写し、この中間転体上の一次転写画像(トナー像)を転写材に一括して二次転写する中間転写方式の画像形成装置が知られている。この中間転写方式を用いた画像形成装置は、近年、小型化を図るという点や最終的に顕像が転写される転写材の種類の制約が少ないという点で有利であるため、特にカラー画像形成装置として用いられる傾向にある。
【0003】このような画像形成装置においては、各色トナー像の一次転写時及び二次転写時における転写不良を防止するために、像担持体や中間転写体の表面に潤滑剤を塗布してトナーとの付着力を低減させる技術が既に知られている。
【0004】そして、本出願人は先に、塗布ブラシを固形の潤滑剤(以下、固形潤滑剤という)に接触させたまま回転させ、塗布ブラシ上に潤滑剤を転移させて像担持体や中間転写体等の被塗布部材表面に塗布する方法を提案している(特開平6−332324号公報、特開平10−254295号公報参照)。これによって、被塗布部材表面のトナーに対する静止摩擦係数μsを低下させ、トナー像を被転写材側に良好に転写できるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、潤滑剤を塗布しても、トナー像の転写が良好に行われず、所謂「虫喰い」と呼ばれる画像部での中抜けや、所謂「画像ボケ」とばれる画像部のトナー付着不足や、所謂「ボソツキ」と呼ばれるぼそついた画像など、種々の異常画像があることが分かった。
【0006】ここで、上記被塗布部材表面には、トナー像を転写した後にもトナーが残留しているため、残留トナーのクリーニングも行う必要がある。そして、転写後に行う潤滑剤の塗布と残留トナーのクリーニングとの2つの工程の被塗布部材上での位置関係は、以下の2つのパターンが考えられる。即ち、潤滑剤塗布が先でクリーニングが後となる塗布後クリーニングの関係と、クリーニングが先で潤滑剤塗布が後となるクリーニング後塗布の関係の2つのパターンである。それぞれのパターンによって、異常画像発生のメカニズムが異なるため、以下にパターンごとに分けて説明する。
【0007】先ず、塗布後クリーニングのパターンにおける、異常画像発生のメカニズムを説明する。図4は、上記塗布後クリーニングの構成を有する潤滑剤塗布部近傍の部分拡大図である。この図に示すように、像担持体又は中間転写体である被塗布ベルト1表面には塗布部材としての塗布ブラシ80が当接するよう設けられており、被塗布ベルト1の表面移動方向下流側でクリーニングブレード15aが当接されている。これによって、被塗布ベルト1表面には塗布ブラシ80によって潤滑剤が塗布された後、クリーニングブレード15aで表面がクリーニングされる。このような塗布後クリーニングの場合、除去されずにトナーが残留している状態の被塗布部材表面に潤滑剤を塗布することになる。ここで、もともと被塗布部材表面に担持していた画像のうち文字部にあたる部分は、転写材への転写後にも被塗布部材表面に残留トナーが多く存在し、文字部以外の部分は、実質的には残留トナーは存在していないものである。そして、残留トナーの付着量が多いところからは、そのトナーと共に多量の潤滑剤が塗布ブラシ及びクリーニング位置におけるクリーニングブレードなどによって掻き取られるため、クリーニング位置を通過後の被塗布部材表面における潤滑剤の塗布量に偏りが生じてしまう。特に同一画像を連続して出力した場合には、被塗布部材表面のうち残留トナーの多い部分が常に同じであるため、このような偏りが顕著となる。また、塗布ブラシ等の塗布部材に残留トナーが付着するため、塗布ブラシが汚れてしまい、長期に渡って潤滑剤を均一に塗布し続けることが困難になってくる。そして、被塗布部材表面に均一な潤滑剤層が形成できないと、表面の静止摩擦係数μsに偏りが生じたり、トナーを転写するために十分低い値にならなかったりして転写ムラが生じ、虫喰い、画像ボケ、ボソツキ等の異常画像となってしまうのである。
【0008】次に、クリーニング後塗布のパターンにおける、異常画像発生のメカニズムを説明する。図5は、上記クリーニング後塗布の構成を有する潤滑剤塗布部近傍の部分拡大図である。この図に示すように、像担持体又は中間転写体である被塗布ベルト1表面には塗布部材としての塗布ブラシ80が当接するよう設けられており、被塗布ベルト1の表面移動方向上流側でクリーニングブレード15aが当接されている。これによって、被塗布ベルト1表面はクリーニングブレード15aでクリーニングされた後、塗布ブラシ80によって潤滑剤が塗布される。このようなクリーニング後塗布を行えば、塗布後の潤滑剤が塗布ブラシ及びクリーニングブレードで掻き取られることがないので、前記の塗布後クリーニングの構成での不具合は防止できる。しかし、潤滑剤が塗布された被塗布部材表面がそのまま転写位置に進入して転写が行われると、表面の静止摩擦係数μsが適正範囲にあるにも関わらず異常画像が発生してしまうことが分かった。これは、潤滑剤の粒子は塗布しただけで均一な層となるほど細かくないため、被塗布部材表面で層厚にムラが生じ、これがトナーの転写性に影響を及ぼしてしまうからであるということが判った。被塗布部材表面に均一な潤滑剤層が形成できないと、表面の静止摩擦係数μsが均一にならなかったり、トナーを転写するために十分低い値にならなかったりして転写ムラが生じ、虫喰い、画像ボケ、ボソツキ等の異常画像となってしまうのである。
【0009】ここで、先に本出願人は、特開平7−295451号公報及び特開平10−260614号公報において、被塗布部材に対して潤滑剤を均一に塗布できるようにしたものを提案している。これらのうち、上記特開平10−260614号公報は、潤滑剤を塗布するための塗布ブラシの毛の密度を高めることによって、像担持体への潤滑剤の均一塗布を可能にしたものである。また、上記特開平7−295451号公報は、潤滑剤担持部材に担持されている潤滑剤の量を潤滑剤担持部材上で均一化した後、被担持部材に塗布することによって、潤滑剤の均一塗布を可能にしたものである。しかしながら、上記特開平10−260614号公報では、潤滑剤の塗布後に被担持部材表面のクリーニングを行うようになっているため、塗布ブラシへの残留トナーの付着を完全に防止することはできない。また、上記特開平7−295451号公報は、潤滑剤が塗布された被担持部材のクリーニング性能を向上させる目的で潤滑剤の均一塗布を行うもので、転写画像上の上記不具合を防止するためのものではなく、かつ効果としても上記不具合が防止できるとは記載されていなかった。
【0010】本発明は以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、中間転写方式の画像形成装置において、転写画像に虫喰い、画像ボケ、ボソツキ等の異常画像のない良好な転写画像を得ることができる画像形成装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の画像形成装置は、無端移動する表面にトナー像を担持する像担持体と、無端移動する表面を有し該像担持体との対向位置で該像担持体上のトナー像が一次転写されることによって該トナー像を担持する中間転写体とを有し、該中間転写体上に担持するトナー像を転写材に二次転写する画像形成装置において、上記像担持体と上記中間転写体の少なくとも一方の表面のトナー像を担持する前のトナー像未担持領域に対して、潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段と、該潤滑剤が塗布される前の被塗布部材表面をクリーニングするクリーニング手段と、該潤滑剤塗布手段によって塗布した潤滑剤を該被塗布表面上で均一に均す潤滑剤均し手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0012】請求項1の画像形成装置においては、像担持体と中間転写体との少なくとも一方の表面において、トナー像を担持する前のトナー像未担持領域で、クリーニング手段によって表面に残留した残留トナー等を除去した後、潤滑剤塗布手段で潤滑剤を塗布する。これによって、残留トナー等の異物付着のない被塗布部材表面に潤滑剤の塗布を行う。その後、塗布した潤滑剤を潤滑剤均し手段により表面を均一に均す。これによって、残留トナーのクリーニングを行った後に潤滑剤の塗布を行う場合でも、塗布した潤滑剤の均一な層を形成することができる。
【0013】また、請求項2の画像形成装置は、請求項1の画像形成装置において、上記潤滑剤塗布手段として、被塗布部材表面に当接し該被塗布部材表面に潤滑剤を塗布するブラシ状部材を用いたことを特徴とするものである。
【0014】請求項2の画像形成装置においては、潤滑剤を塗布するために、構成が容易で安価な塗布ブラシを用いる。本発明においては、残留トナー等の異物付着のない被塗布部材表面にブラシ状部材を当接させて潤滑剤の塗布を行うことができるので、ブラシ状部材に残留トナー等の異物が付着することなく、長期にわたって潤滑剤を良好に塗布することが可能となる。
【0015】請求項3の画像形成装置は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記潤滑剤均し手段として、潤滑剤均しブレードを用いたことを特徴とするものである。
【0016】請求項3の画像形成装置においては、被塗布部材表面に塗布された潤滑剤を、この表面にトナー像を担持させる前にブレードで均一に均し、潤滑剤の均一な層を確実に形成できるようにする。
【0017】請求項4の画像形成装置は、請求項3の画像形成装置において、上記潤滑剤均しブレードを、弾性体から構成したことを特徴とするものである。
【0018】請求項4の画像形成装置においては、被塗布部材表面に塗布された潤滑剤を弾性体の潤滑剤均しブレードで均し、潤滑剤均しブレードが予期せず被塗布部材表面に接触しても被塗布部材表面への衝撃を潤滑剤均しブレードが吸収するようにする。また、もともと被塗布部材表面に潤滑剤均しブレードを接触させた状態で配置する場合においては、被塗布部材表面と潤滑剤均しブレードとの相対移動によって被塗布部材表面が受ける衝撃を潤滑剤均しブレードが吸収する。
【0019】請求項5の画像形成装置は、請求項1、2、3、又は4の画像形成装置において、上記像担持体表面の静止摩擦係数をα、上記中間転写体表面の静止摩擦係数をβ、上記転写材表面の静止摩擦係数をγとし、α、β、γの関係が、α≦β≦γと、なるようにしたことを特徴とするものである。
【0020】ここで、表面の静止摩擦係数μsは、大きいほどトナーの付着力が大きくなる。そして、トナーの付着力が小さい面から大きい面へトナー像を転写する場合には、転写性が損なわれることはない。逆に、トナーの付着力が大きい面から小さい面へトナー像を転写する場合には、トナーが転移されずに転写元に残留したりトナーが逆転写されたりして、転写不良が発生しやすくなる。
【0021】請求項5の画像形成装置においては、トナー像が像担持体表面から中間転写体表面へ、中間転写体表面から転写材表面へと順次転写されていく構成において、転写元の表面静止摩擦係数μsが転写先の表面静止摩擦係数μs以下となるようにする。これによって、表面の静止摩擦係数μsの大きい側から小さい側にトナー像を転写することによるトナー像の転写不良を防止する。この画像形成装置においては、表面の静止摩擦係数を上記関係になるようにするために、像担持体と中間転写体のうち少なくとも一方の表面に潤滑剤を塗布し、塗布した潤滑剤を均一な層状に形成できるので、転写性を確実に向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を画像形成装置としてのカラー複写機に適用した実施形態について説明する。まず、本実施形態にかかるカラー複写機の概略構成および動作について説明する。図1は本実施形態に係るカラー複写機全体の概略構成図である。図1において、像担持体としてのベルト状感光体(以下「感光体ベルト」と称する)1が、回動ローラ2、3との間に架設され、回動ローラ2、3の駆動により図中矢印A方向(時計方向)に回転される。また、感光体ベルト1の周囲には、感光体表面を均一に帯電する帯電手段としての帯電装置4、除電ランプ、静電潜像形成用の露光装置としてのレーザ書き込みユニット5、感光体ベルト用クリーニングユニット15、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の現像剤(以下、トナーと称する)をそれぞれ収容した4個の現像ユニットを一体的に備えたリボルバ現像装置6等が配設されている。リボルバ現像装置6は、円周上90度の回転により、上記現像ユニットの選択を行う機構を有している。
【0023】上記レーザ書き込みユニット5は、それぞれ図示を省略した半導体レーザ、駆動モータで回転駆動されたポリゴンミラー、f−θレンズ及びミラーがユニットケースの中に収められ、装置本体の下部に組み込まれている。
【0024】上記感光体ベルト1の上側の回動ローラ3への巻き付き部分には、該部分と接触するように中間転写体としての中間転写ベルト10が設けられている。この中間転写ベルト10は、ベルト回動ローラ11、12の間に傾斜するように架設されており、ベルト回動ローラ11の駆動により図中矢印B方向(反時計方向)に回転される。また、感光体ベルト1との接触部の中間転写ベルト裏面には、導電性を有するバイアスローラ13が接触するよう設けられている。中間転写ベルト10のベルト回動ローラ11への巻き付き部には、中間転写ベルト用クリーニングユニット16と、中間転写ベルト10に対して接離するように2次転写手段としての転写ローラ14とが設けられている。
【0025】感光体ベルト用クリーニングユニット15は、感光体ベルト1上の残留トナーをクリーニングするクリーニングブレード15a、廃棄トナー回収容器15b及び15c等を備えている。また、中間転写ベルト用クリーニングユニット16は、中間転写ベルト10の表面をクリーニングするクリーニングブレード16a、トナー搬送用のオーガ16b等を備えている。中間転写ベルト用のクリーニングブレード16aは、画像形成中には中間転写ベルト10の表面より離間した位置に保たれ、二次転写後のクリーニング時のみ図示のように中間転写ベルト10の表面に当接される。
【0026】中間転写ベルト10から掻き取られた廃棄トナーは、中間転写ベルト用クリーニングユニット16内に設けられたオーガ16bにより、図面手前方向に搬送され、さらに、図示を省略した搬送部により廃棄トナー回収容器15cに搬送されるようになっている。これによって、感光体ベルト1及び中間転写ベルト10からそれぞれクリーニングブレード15a,16aによって掻き取られた廃棄トナーは回収容器15cに回収され、所定量以上の廃棄トナーが回収容器15c内に収容された時点で回収容器15cを適宜交換するようになっている。
【0027】また、感光体ベルト1は、クリーニングユニット15内に備えられた塗布手段により、潤滑剤が塗布されるようになっている。また、同様に、中間転写ベルト10は、クリーニングユニット16内に備えられた潤滑剤塗布手段により潤滑剤が塗布されるようになっている。これら感光体ベルト1と中間転写ベルト10とが、本実施形態においては被塗布部材となっており、潤滑剤塗布手段については、本実施形態の特徴部なので後で詳述する。
【0028】また、上記感光体ベルト1、帯電装置4、中間転写ベルト10、クリーニングユニット15、16、等はプロセスカートリッジ31として一体的に構成され、廃棄トナー回収容器15cは、プロセスカートリッジ31に対して着脱可能に組み込まれ、寿命到来時に交換できるように構成されている。また、上記リボルバ現像装置6も寿命到来時に交換できるようになっている。これらの交換性やジャムした用紙の処理を容易にするために、カラー複写機本体の前フレーム8は、開放可能な構造となっている。また、プロセスカートリッジ31のレジストローラ対20側のケース外装部分は、給紙台12から転写部に搬送される転写紙の搬送ガイドとしての機能も備えている。
【0029】図2は、カラー複写機の前フレーム8を開放状態させた状態を示した説明図である。前フレーム8は、本体フレーム9に設けられベルト回動ローラ12の回転中心を通る回転支持軸9aを中心に開閉可能に支持されており、通常は、本体フレーム9に対して閉じた状態となっている。そして、前フレーム8を開放させるときには、前フレーム8のロック機構(図示を省略)を解除して、図2に示すように前フレーム8を開放する。前フレーム8には転写紙搬送経路の一部を構成する搬送ローラ対19、レジストローラ対20、転写ローラ14等が保持されており、前フレーム8を開放させるとこれらの部材も前フレーム8について移動する。これによって、転写紙搬送経路が露出し、廃棄トナー回収容器15cの交換やジャム用紙の処理等を行えるようになる。このようにして廃棄トナー回収容器15cを交換することによって、プロセスカートリッジの長寿命化も図ることができる。また、前フレーム8の開閉動作を行う際に、作像に関する種々のユニットは不動であり、トナー飛散や漏洩等の不具合は生じないようになっている。
【0030】上記構成のカラー複写機において、画像形成動作について説明する。感光体ベルト1は帯電装置4により一様に帯電された後、レーザ書き込みユニット5で画像情報に基づいて変調されたレーザ光Lが走査されることにより露光され、表面に静電潜像が形成される。このように露光に用いられる画像情報は、所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン、および黒の色情報に分解した単色の画像情報である。この画像情報に基づいて図示を省略された半導体レーザによって発生されたレーザ光Lは、駆動モータで高速回転駆動されたポリゴンミラーにより回転走査され、f−θレンズを経て、反射ミラーにより光路調整される。
【0031】上記感光体ベルト1上に形成された静電潜像は、リボルバ現像装置6により各々所定のイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、黒トナーでそれぞれ単色現像され、感光体1上に各々の色画像(トナー像)が順次形成される。
【0032】図1中の矢印A方向に回転する感光体ベルト1上に形成された各単色画像(トナー像)は、イエロー、マゼンタ、シアン、および黒の単色毎に、バイアスローラ13に印加された所定の転写バイアスにより、感光体ベルト1と同期して矢印B方向に回転する中間転写ベルト10上に順次重ね合わせて一次転写される。中間転写ベルト10上に重ね合わされたイエロー、マゼンタ、シアン、および黒の画像は、給紙台(給紙カセット)17から給紙ローラ18、搬送ローラ対19、レジストローラ対20を経て、タイミングをとられて転写部に搬送された記録媒体上に転写ローラ14により一括転して二次写される。二次転写終了後、定着装置50で定着されることにより、フルカラー画像が完成する。このフルカラー画像が形成された記録材は、排紙ローラ対51を経て排紙スタック部52に排出される。
【0033】リピートコピー時は、感光体ベルト1への画像形成は、1枚目の例えば黒(4色目)画像の作像工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の例えばイエロー(1色目)画像の作像工程に進む。また、中間転写ベルト10の方は、1枚目の4色重ね画像の記録媒体への一括二次転写工程に引き続き、表面をクリーニングブレード16aでクリーニングされた領域に2枚目のイエロートナー像が一次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様な動作となる。
【0034】以上は、4色フルカラーを得るコピーモードの説明であったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、その色の現像ユニットのみを現像動作(剤穂立て)状態にして、中間転写ベルト10は感光体ベルト1に接触したまま往復方向に一定速駆動し、更にベルトクリーニングブレード16aも中間転写ベルト10に接触したままの状態でコピー動作を行う。
【0035】さて、本実施形態においては、感光体ベルト1表面及び中間転写ベルト10表面に潤滑剤を塗布し、両者の静止摩擦係数μsを適正な値に維持できるようにしている。ここで、感光体ベルト1への潤滑剤塗布手段と中間転写ベルト10への潤滑剤塗布手段とは同様の構成であるので、以下に感光体ベルト1への潤滑剤塗布手段を例に説明する。図3は、本実施形態にかかる潤滑剤塗布装置近傍の部分拡大図で、感光体ベルト1へ潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段としての潤滑剤塗布装置80の周辺を部分拡大したものである。この潤滑剤塗布装置80は、感光体ベルト1用クリーニングユニット15内に設けられ、固形潤滑剤81と、この固形潤滑剤81を感光体ベルト1に塗布するためのブラシ状部材としてのブラシローラ82とを備えている。固形潤滑剤81は、ステアリン酸亜鉛を主成分とする潤滑油添加剤を溶解した後冷却固化させたものであり、バー状に成型されている。固形潤滑剤81は、潤滑剤保持部材83に保持され、感光体ベルトクリーニングユニット筺体15dに取り付けた加圧バネによって潤滑剤保持部材を介して固形潤滑剤81をブラシローラ82側に押し当てている。ブラシローラ82は感光体ベルト1に当接して設けられており、ブラシローラ82の回転によって、固形潤滑剤81をブラシローラ82側に掻き取り、ブラシローラ82に付着した潤滑剤が感光体ベルト1との当接部から感光体ベルト表面に付着する。
【0036】上記固形潤滑剤81としては、乾燥した固体疎水性潤滑剤を用いることが可能であり、ステアリン酸亜鉛の他にも、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウムなどのステアリン酸基を持つものを用ることができる。また、同じ脂肪酸基であるオレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸銅、や、パルチミン酸、亜鉛パルチミン酸コバルト、パルチミン酸銅、パルチミン酸マグネシウム、パルチミン酸アルミニウム、パルチミン酸カルシウムを用いてもよい。他にも、カプリル酸鉛、カプロン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、及びリコリノレン酸カドミウム等の脂肪酸、脂肪酸の金属塩なども使用できる。さらに、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、オオバ油、みつろう、ラノリンなどのワックス等も使用できる。
【0037】次に、本実施形態の特徴部について説明する。本実施形態においては、上記ブラシローラ82による潤滑剤塗布位置に対して移動方向の上流側の感光体ベルト1表面にクリーニング手段としてのクリーニングブレード15aを当接させ、かつ、潤滑剤塗布位置に対して移動方向の下流側の感光体ベルト1表面に潤滑剤均し手段としての潤滑剤均しブレード85を当接させている。また、本実施形態においては、上記クリーニングブレード15aを感光体ベルト1表面に対してカウンタ方向から、上記潤滑剤均しブレード85を感光体表面に対してトレーリング方向から当接させている。これら、クリーニングブレード15a及び潤滑剤均しブレード85は、どちらも弾性体であるゴムから構成されているものである。
【0038】以上の構成において、表面に担持するトナー像を中間転写ベルト10に一次転写した後の感光体ベルト1表面に残留した残留トナーは、先ず、クリーニングブレード15aによって除去される。これによってクリーンな状態となった感光体ベルト1表面に、ブラシローラ82が当接し、潤滑剤が塗布される。塗布された潤滑剤は、感光体ベルト表面移動方向下流側で潤滑剤均しブレード85の当接位置を通過する際に、表面が均されて一様に押し広げられ、厚みの均一な潤滑剤の層となる。
【0039】上記のように、残留トナーをクリーニングした後、潤滑剤を塗布し、更に潤滑剤を均して均一な層状にすることによって、潤滑剤塗布後のみに感光体ベルト1をクリーニングする塗布後クリーニングの場合や、クリーニングした後に潤滑剤を塗布するクリーニング後塗布の場合に生じる上述の不具合をどちらも防止することができる。即ち、塗布後クリーニングによって、潤滑剤の塗布量に偏りが生じ、表面の静止摩擦係数に偏りが生じたり、クリーニング後塗布によって、感光体ベルト1表面に均一な潤滑剤層が形成できなかったりすることに起因して生じる、虫喰い、画像ボケ、ボソツキ等の異常画像の発生を防止することができると共に、ブラシローラ82の塗布機能も長期に渡って維持することができる。また、潤滑剤均しブレードにゴムを用いているので、潤滑剤均しブレードが当接された状態で感光体ベルト1を駆動しても、感光体ベルト1表面が傷つくことがない。
【0040】また、既に述べたように、潤滑剤塗布のベルト表面移動方向上流側でクリーニングを行い、下流側で潤滑剤の均しを行う構成は、感光体ベルト1に対してのみならず、中間転写ベルト10に対しても設けられている。そのため、中間転写ベルト10のクリーニングユニット16内にも、潤滑剤塗布装置90と、クリーニングブレード16aに加えて潤滑剤均しブレード(図示を省略)が同様に配設されている。これによって中間転写ベルト10に対しても感光体ベルト1と同様の効果を得ることができる。
【0041】更に、本実施形態においては、潤滑剤塗布後の最終的な感光体ベルト表面と中間転写ベルト表面の静止摩擦係数α、βと、転写紙の静止摩擦係数γとの関係が、α≦β≦γと、なるよう感光体ベルト1と中間転写体ベルトとに塗布する潤滑剤を選択している。これによって、転写元の表面静止摩擦係数μsが常に転写先の表面静止摩擦係数μs以下となるようにし、トナー像の転写不良を防止することができる。
【0042】尚、潤滑剤塗布後の最終的な感光体ベルト1と中間転写ベルト10と転写紙との表面の静止摩擦係数α、β、γの関係が、α≦β≦γとなるようにする方法としては、塗布する潤滑剤を異ならせる方法以外にも、同一の潤滑剤で潤滑剤塗布量を変えたり、感光体ベルト1と中間転写ベルト10の元の材質を表面の静止摩擦係数の観点で選択したりするなど、種々の方法がある。
【0043】また、本実施形態では、クリーニングブレード15aを用いて感光体ベルト1表面をクリーニングするものであるが、クリーニングブレードに代えて中抵抗から低抵抗の導電性ブラシにバイアス印加を行ったクリーニングブラシを用いるようにしても良い。
【0044】また、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の技術思想を利用する全ての装置に適用可能である。感光体及び中間転写体はベルト形状、ドラム形状、ローラ形状の何れでも良い。
【0045】
【発明の効果】請求項1の画像形成装置によれば、被塗布部材表面に潤滑剤の均一な層を形成することができるので、潤滑剤の塗布を行った被塗布部材から次工程領域へのトナー像の転写を良好に行うことができ、中間転写方式の画像形成装置において、虫喰い、画像ボケ、ボソツキ等の異常画像のない良好な転写画像を得ることができるという優れた効果がある。
【0046】請求項2の画像形成装置によれば、潤滑剤の塗布にブラシ状部材を用いて長期にわたって潤滑剤を良好に塗布することができるので、容易な構成で、長期にわたって良好な転写画像を得ることができるという優れた効果がある。
【0047】請求項3の画像形成装置によれば、ブレードによって潤滑剤の均一な層を形成することができるので、潤滑剤均し手段としての構成が容易で、かつ異常画像のない良好な転写画像を確実に得ることができるという優れた効果がある。
【0048】請求項4の画像形成装置によれば、被塗布部材表面が潤滑剤均しブレードの接触により受ける衝撃を抑えることができるので、被塗布部材表面を傷つけることなく、潤滑剤の均一な層を形成することができるという優れた効果がある。また、被塗布部材表面に潤滑剤均しブレードが接触しながら相対移動することにより被塗布部材表面が受ける衝撃を抑えることができるので、このような場合でも被塗布部材表面を傷つけることなく、潤滑剤の均一な層を形成することができるという優れた効果もある。
【0049】請求項5の画像形成装置によれば、潤滑剤の均一な層を形成できると共に、表面の静止摩擦係数μsの大きい側から小さい側にトナー像を転写することに起因するトナー像の転写不良を防止できるという優れた効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成12年4月21日(2000.4.21)
【代理人】 【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
【公開番号】 特開2001−305907(P2001−305907A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−120357(P2000−120357)