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【発明の名称】 加熱装置および画像形成装置
【発明者】 【氏名】河津 孝夫

【要約】 【課題】昇温検知用の温度検出素子が接触抵抗等の影響により、レアオープン/レアショート状態に陥った場合、所定の記録紙が通紙されても端部昇温が検知できない可能性があるという課題があった。

【解決手段】通紙可能な最小幅の記録紙の幅よりも内側に配接された第一の温度検出手段の検出する温度を基に電力供給手段を制御して加熱手段を温度制御している時に、通紙可能な所定の記録紙端の近傍であり、記録紙幅の領域外に相当する位置に配置された第二の温度検出手段の検知する温度を予め決められている温度条件と比較し、この第二の温度検出手段の出力が所定の変化をしていない場合、第二の温度検出手段の故障と判断するシーケンスコントローラとを備えたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】支持部材に保持させた絶縁基板面上に発熱体が形成されて加熱手段と、前記発熱体に通電可能な電力供給手段と、通紙可能な最小幅の記録紙の幅よりも内側に配接され前記加熱手段の温度を検出する第一の温度検出手段と、通紙可能な所定の記録紙端の近傍であり、記録紙幅の領域外に相当する位置に配置された第二の温度検出手段と、前記第一の温度検出手段の検出する温度を基に前記電力供給手段を制御して前記加熱手段を温度制御している時に、前記第二の温度検出手段の検知する温度を予め決められている温度条件と比較し該第二の温度検出手段の出力が所定の変化をしていない場合、前記第二の温度検出手段の故障と判断するシーケンスコントローラとを備えた加熱装置。
【請求項2】前記シーケンスコントローラは、記録紙の搬送スループットを定期的に変化させて前記第二の温度検出手段の出力が予め決められている所定の変化をしていないと判断した場合、前記第二の温度検出手段の故障と判断することを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】前記シーケンスコントローラは、一定の搬送スループットで記録紙を搬送しており、記録紙幅に応じた所定の枚数が通紙されても、前記第二の温度検出手段の出力が予め決められている温度変化をしていないと判断した場合、前記第二の温度検出手段の故障と判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】前記シーケンスコントローラは、前記第二の温度検出手段の出力の一定期間の温度差が、通紙している記録紙に対応した所定の温度差以下であると判断した場合、第二の温度検出手段の故障と判断することを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
【請求項5】前記シーケンスコントローラは、前記第二の温度検出手段の故障と判断した場合、記録紙の搬送スループットを下げて通紙をおこなうことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項6】前記シーケンスコントローラは、前記第二の温度検出手段の故障と判断した場合、前記電力供給手段を制御して、発熱体への通電を停止することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項7】前記シーケンスコントローラは、前記第二の温度検出手段の故障と判断した場合、前記電力供給手段を制御して、発熱体への通電を停止するとともに記録紙の搬送も停止することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項8】情報を外部へ報知する外部出力手段と、外部から情報を入力する外部入力手段と、前記シーケンスコントローラが前記第二の温度検出手段の故障と判断した場合、第二の温度検出手段の故障であることを外部出力として前記外部出力手段によって報知し、前記外部入力手段から記録紙の搬送スループットを下げて通紙するか、装置を故障として停止させるかを選択する情報を入力することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項9】記録紙上に未定着画像を形成する画像形成手段と、前記未定着画像を前記記録紙上に定着させる加熱定着手段として請求項1から請求項8のうちのいずれか1項に記載の加熱装置を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子写真プロセスで記録紙上に未定着画像(トナー像)を形成し、この未定着画像を該記録紙上に加熱定着させ、あるいは記録紙を加熱して光沢を出す加熱装置および該加熱装置を加熱定着装置として用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の熱定着装置としては、ハロゲンヒータを熱源とする熱ローラ式の熱定着装置やセラミック面発ヒータを熱源とするフィルム加熱式の熱定着装置が用いられている。
【0003】一般的に、セラミック面発ヒータは、発熱体が絶縁基板(AINやA1203等)面上に印刷形成されており、この発熱体は電力が供給されて通電発熱する。セラミック面発ヒータの温度は、セラミック面発ヒータ上、あるいは近傍に配された温出制御用の温度検出素子により検出され、プリンタエンジンを制御するCPUでモニタされている。CPUは検出した温度を基に、セラミック面発ヒータの温度が所定の温度になるように発熱体への通電電力を制御している。
【0004】また、温調制御用の温度検出素子とは別に、昇温検知用としての温度検出素子がセラミック面発ヒータ上、あるいは近傍に設けれれる場合がある。この昇温検知用の温度検出素子により検出された温度をCPUでモニタし、CPUで所定の温度よりも高くなつていると判断した場合、昇温検知用の温度検出素子付近の温度が低くなるように、例えば、発熱体への通電電力を停止する如くプリンタエンジンを制御する。
【0005】上記のようにセラミック面発ヒータを用いた熱定着装置においては、温調制御用の温度検出素子が通紙可能な最小幅の幅よりも内側、つまり記録紙の領域内に配置されており、昇温検知用の温度検出素子がある所定の記録紙に対して記録紙端の近傍であり、記録紙幅の領域外でかつ発熱体が形成されている絶縁基板上に配接されている。
【0006】前記所定幅の記録紙が通紙された場合、温調制御用の温度検出素子が検知する温度を基に発熱体への供給電力を制御すると、前記所定の記録紙幅の領域外かつ発熱体の存在する領域では端部昇温が発生する。つまり、昇温検知用の温度検出素子の検出する温度が前記所定の記録紙の通紙とともに上昇することになる。この昇温検知用の温度検出素子の検出する温度が、CPU内で予め決められている第一の温度よりも高くなれば、記録紙の紙間を下げる等の制御をおこない、搬送スループットを下げて端部昇温を抑制するように制御する。
【0007】また、昇温検知用の温度検出手段の検知する温度が、CPU内で決められている第二の温度よりも高いとCPUが判断した場合は、発熱体への電力供給手段もしくは電力制御手段が故障したと判断して発熱体への通電を停止する。この場合は、前記第二の温度は前記第一の温度よりも高く設定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の加熱装置は、昇温検知用の温度検出素子が接触抵抗等の影響により、レアオープン/レアショート状態に陥った場合、所定の記録紙が通紙されても端部昇温が検知できない可能性があるという課題があった。
【0009】本発明は上記のような従来の課題を解消するためになされたもので、端部昇温用の温度検出素子の故障(レアオープン)を検知し、異常な端部の昇温を抑制することができるとともに、端部昇温を制御して動作させている場合との誤検知を防ぐことが可能な加熱装置および該加熱装置を適用して高品質の画像形成を行うことのできる画像形成装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では、下記の構成を有することを特徴とする加熱装置および画像形成装置である。
【0011】(1)支持部材に保持させた絶縁基板面上に発熱体が形成されて加熱手段と、前記発熱体に通電可能な電力供給手段と、通紙可能な最小幅の記録紙の幅よりも内側に配接され前記加熱手段の温度を検出する第一の温度検出手段と、通紙可能な所定の記録紙端の近傍であり、記録紙幅の領域外に相当する位置に配置された第二の温度検出手段と、前記第一の温度検出手段の検出する温度を基に前記電力供給手段を制御して前記加熱手段を温度制御している時に、前記第二の温度検出手段の検知する温度を予め決められている温度条件と比較し該第二の温度検出手段の出力が所定の変化をしていない場合、前記第二の温度検出手段の故障と判断するシーケンスコントローラとを備えた加熱装置である。
【0012】(2)シーケンスコントローラは、記録紙の搬送スループットを定期的に変化させて前記第二の温度検出手段の出力が予め決められている所定の変化をしていないと判断した場合、前記第二の温度検出手段の故障と判断することを特徴とする請求項1に記載の加熱装置である。
【0013】(3)シーケンスコントローラは、一定の搬送スループットで記録紙を搬送しており、記録紙幅に応じた所定の枚数が通紙されても、前記第二の温度検出手段の出力が予め決められている温度変化をしていないと判断した場合、前記第二の温度検出手段の故障と判断することを特徴とする請求項1に記載の加熱装置である。
【0014】(4)シーケンスコントローラは、前記第二の温度検出手段の出力の一定期間の温度差が、通紙している記録紙に対応した所定の温度差以下であると判断した場合、前記第二の温度検出手段の故障と判断することを特徴とする請求項1に記載の加熱装置である。
【0015】(5)シーケンスコントローラは、前記第二の温度検出手段の故障と判断した場合、記録紙の搬送スループットを下げて通紙をおこなうことを特徴とする(1)から(4)のうちのいずれか1項に記載の加熱装置。
【0016】(6)シーケンスコントローラは、前記第二の温度検出手段の故障と判断した場合、前記電力供給手段を制御して、発熱体への通電を停止することを特徴と(1)から(4)のうちのいずれか1項に記載の加熱装置。
【0017】(7)シーケンスコントローラは、前記第二の温度検出手段の故障と判断した場合、前記電力供給手段を制御して、発熱体への通電を停止するとともに記録紙の搬送も停止することを特徴とする(1)から(4)のうちのいずれか1項に記載の加熱装置。
【0018】(8)情報を外部へ報知する外部出力手段と、外部から情報を入力する外部入力手段と、前記シーケンスコントローラが前記第二の温度検出手段の故障と判断した場合、第二の温度検出手段の故障であることを外部出力として前記外部出力手段によって報知し、前記外部入力手段から記録紙の搬送スループットを下げて通紙するか、装置を故障として停止させるかを選択する情報を入力することを特徴とする(1)から(4)のうちのいずれか1項に記載の加熱装置。
【0019】(9)記録紙上に未定着画像を形成する画像形成手段と、前記未定着画像を前記記録紙上に定着させる加熱定着手段として(1)から(8)のうちのいずれか1項に記載の加熱装置を備えた画像形成装置。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を説明する。
【0021】(第1の実施例)図1は電子写真プロセスを用いた本発明の画像形成装置の概略構成図であり、例えばレーザプリンタの場合を示している。レーザプリンタ本体101(以下、本体101と称する)は、記録紙Sを収納するカセット102を有し、カセット102の記録紙Sの有無を検知するカセット有無センサ103、カセット102の記録紙Sのサイズを検知するカセットサイズセンサ104(複数個のマイクロスイッチで構成される)、カセット102から記録紙Sを繰り出す給紙ローラ105等が設けられている。そして、給紙ローラ105の下流には記録紙Sを同期搬送するレジストローラ対106が設けられている。
【0022】また、レジストローラ対106の下流にはレーザスキャナ部107からのレーザ光に基づいて記録紙S上にトナー像を形成する画像形成部108が設けられている。さらに、画像形成部108の下流には記録紙S上に形成されたトナー像を熱定着する定着器(加熱定着装置)109が設けられており、定着器109の下流には排紙部の搬送状態を検知する排紙センサ110、記録紙Sを排紙する排紙ローラ111、記録の完了した記録紙Sを積載する積載トレイ112が設けられている。この記録紙Sの搬送基準は、記録紙Sの画像形成装置の搬送方向に直交する方向の長さ、つまり記録紙Sの幅に対して中央になるように設定されている。
【0023】また、前記レーザスキャナ107は、後述する外部装置131から送出される画像信号(画像信号VDO)に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット113、このレーザユニット113からのレーザ光を後述する感光ドラム117上に走査するためのポリゴンモータ114、結像レンズ115、折り返しミラー116等により構成されている。
【0024】前記画像形成装置108は、公知の電子写真プロセスに必要な、感光ドラム117,1次帯電ローラ119、現像器120、転写帯電ローラ121、クリーナ122等から構成されている。また、定着器109は定着フィルム109a、加圧ローラ109b、定着ラィルム内部に設けられたセラミック面上ヒータ109c、セラミック面上ヒータの表面温度を検出するサーミスタ109d,109eから構成されている。
【0025】メインモータ123は、給紙ローラ105には給紙ローラクラッチ124を介して、レジストローラ対106にはレジストローラクラッチ125を介して駆動力を与えており、更に感光ドラム117を含む画像形成部108の各ユニット、定着器109、排紙ローラ111にも駆動力を与えている。
【0026】126はシーケンスコントローラとしてのエンジンコントローラであり、このエンジンコントローラ126は、レーザスキャナ部107、画像形成部108、定着器109による電子写真プロセスの制御、前記本体101内の記録紙Sの搬送制御、つまり搬送スルプットの変化制御等を行なっている。127はビデオコントローラであり、このビデオコントローラ127はパーソナルコンピュータ等の外部装置131と汎用のインタフェース(セントロニクス、RS232C等)130で接続されており、この汎用インタフェース130から送られてくる画像情報をビットデータに展開し、そのビットデータをVD0信号として、エンジンコントローラ126へ送出している。
【0027】図2は本発明におけるセラミック面発ヒータの駆動及び制御回路を示すもので、図2において、1は交流電源であり、この交流電源1からACフィルタ2を介してセラミック面発ヒータ24の発熱体3または発熱体20へ交流電流を供給することにより該発熱体3または発熱体20を発熱させる。
【0028】この発熱体3への電力の供給は、トライアック4により通電、遮断を行う。抵抗5,6はトライアック4のためのバイアス抵抗でフォトトライアックカプラ7は、一次、二次間の沿面距離を確保するためのデバイスである。フォトトライアックカプラ7の発光ダイオード7aにトランジスタ9を通じて通電することにより、トライアック7bをオンする。抵抗8は、フォトトライアックカプラ7の電流を制限するための抵抗であり、トランジスタ9によりオン/オフする。このトランジスタ9は抵抗10を介してエンジンコントローラ11からのON1信号にしたがって動作する。これ等トライアック4、抵抗5,6、フォトトライアックカプラ7、抵抗8、トランジスタ9により電源供給手段Aを構成している。
【0029】もう一つの発熱体20への電力の供給は、トライアック13により通電、遮断を行う。抵抗14,15はトライアック13のためのバイアス抵抗で、フォトトライアックカプラ16は、一次、二次間の沿面距離を確保するためのデバイスである。フォトトライアックカプラ16の発光ダイオード16aにトランジスタ18を通じて通電することにより、トライアック16bをオンする。抵抗17は、フォトトライアックカプラ16の電流を制限するための抵抗であり、トランジスタ18によりオン/オフする。このトランジスタ18は抵抗19を介してエンジンコントローラ11からのON2信号にしたがって動作する。これ等トライアック13、抵抗14,15、フォトトライアックカプラ16、抵抗17、トランジスタ18により電源供給手段Bを構成している。
【0030】また、交流電源1はACフィルタ2を介して、ゼロクロス検出回路12に入力される。ゼロクロス検出回路12では、商用電源電圧がある閾値以下の電圧になっていることをエンジンコントローラ11に対してパルス信号として報知する。以下、エンジンコントローラ11に送出されるこのパルス信号をZEROX信号と呼ぶ。エンジンコントローラ11はZEROX信号のパルスのエッジを検知し、位相制御または波数制御によりトライアック4または13をON/OFFする。
【0031】また、21は発熱体3および20が形成されているセラミック面発ヒータ24の温度を検知するための温度検出素子、例えば、サーミスタ感温素子であり、セラミック面発ヒータ24上に発熱体3及び20に対して絶縁距離を確保できるように絶縁耐圧を有する絶縁物を介して配置されている。
【0032】この温度検出素子21によって検出される温度は、抵抗22と温度検出素子21との分圧として検出され、エンジンコントローラ11にTH1信号としてA/D入力される。温度検出素子21によって検出されるセラミック面発ヒータ24の温度は、TH1信号としてエンジンコントローラ11において監視され、エンジンコントローラ11の内部で設定されているセラミック面発ヒータ24の設定温度と比較することによって、セラミック面発ヒータ24を構成する発熱体3または20に供給するべき電力を算出し、その供給する電力に対応した位相角(位相制御)または波数(波数制御)に換算し、その制御条件によりエンジンコントローラ11がトランジスタ9に0N1信号、あるいはトランジスタ18にON2信号を送出する。
【0033】温調制御用の温度検出素子21とは別に温度検出素子25、例えばサーミスタ感温素子が、セラミック面発ヒータ24上に発熱体3及び20に対して絶縁距離を確保できるように、絶縁耐圧を有する絶縁物を介して配置されている。この温度検出素子25によって検出される温度は、抵抗26と、温度検出素子25との分圧として検出され、エンジンコントローラ11にTH2信号としてA/D入力される。
【0034】温度検出素子25によって検出されるセラミック面発ヒータ24の温度は、TH2信号としてエンジンコントローラ11において監視され、セラミック面発ヒータ24の温度検出素子25近傍部の昇温が所定の温度以上に高くならないように、エンジンコントローラ11がプリンタエンジンに対して所定の制御をおこなう。例えば、セラミック面発ヒータ24の温調制御温度を下げる、あるいは、プリント時に記録紙の紙間をあけてスループットを下げる、あるいは、発熱体3あるいは20への通電をOFFする。
【0035】さらに、発熱体3または20に電力を供給し、制御する手段が故障し、発熱体3または発熱体20が熱暴走に至った場合、過昇温を防止する手段として、過昇温防止手段23がセラミック面発ヒータ24上に配されている。過昇温防止手段23は、例えば温度ヒューズやサーモスイッチである。電力供給手段A,Bの故障により、発熱体3または発熱体20が熱暴走に至り過昇温防止手段23が所定の温度以上になると、過昇温防止手段23が切断し(OPEN)、発熱体3および発熱体20への通電が断たれる。
【0036】次に、本実施例におけるセラミック面発ヒータ24と温度検出素子21と温度検出素子25の位置関係の概略を図3について説明する。図3(a.)はセラミック面発ヒータ24の断面図であり、図3(b.)は発熱体32(3),33(20)が形成されている面を示した平面図(後述する保護層34は図示せず)、図3(c.)は図3(b.)の示している面(表面)と相対する面(裏面)を示している裏面図である。
【0037】セラミック面発ヒータ24は、SiC,AIN、A1203等のセラミックス系の絶縁基板31と、絶縁基板31面上にぺ一スト印刷等で形成されている発熱体32および発熱体33と、この2本の発熱体32,33を保護しているガラス等の保護層34(図3a.参照)から構成されている。保護層34上に、セラミック面発ヒータ24の温度を検出する温度検出素子21と過昇温防止手段23が、記録紙の搬送基準、つまり発熱部32a及び発熱部32bの長さ方向の中心に対して左右対称な位置であり、かつ通紙可能な最小の記録紙幅よりも内側の位置に配設されている。
【0038】温度検出素子25は、本体101の記録紙Sの搬送路に設置されている紙幅センサ35よりも相対的に外側な位置であり、かつ通紙可能な最大の記録紙幅よりも内側、つまり発熱体33aの領域外であり、発熱体32aの領域内に配設されている。また、紙幅センサ36は、温度検出素子25が配置されている位置と長手方向に対して同じ位置において、本体101の記録紙Sの搬送路に設置される場合がある。
【0039】発熱体32は、電力が供給されると発熱する部分32aと、この部分32aと接続する導電部32bと、コネクタを介して電力が供給される電極部32c,32dから構成されている。発熱体33は、電力が供給されると発熱する部分33aと、この部分33aと接続する導電部33bと、コネクタを介して電力が供給される電極部32c,33dから構成されている。電極部32cは、発熱体32(3)と発熱体33(20)の両方に接続されており、発熱体32及び発熱体33の共通の電極となっている。
【0040】共通電極32cには、交流電源1のHOT側端子から過昇温防止手段23を介して接続される。電極部32dは発熱体32を制御するトライアック4に接続され、電極部33dは発熱体33を制御するトライアック13に接続され、交流電源1のNeutral端子に接続される。
【0041】図4は本実施例における制御シーケンスを説明するフローチャートである。まず、動作を開始すると、プリント開始かを検出し(S201)、YESの場合は、定着器109の温度を所定の温度にするために、サーミスタ109c(21)の温度をモニタし制御しながら、セラミック面発ヒータ24への電力供給を開始する(S202)。ほぼ同時に、記録紙Sがカセット102から給紙され、定着器109の温度に対応した搬送制御がされる(S203)。
【0042】記録紙Sが、搬送路に設置されている紙幅センサ35および36の箇所を通過することにより、通紙された紙幅を検知する(S204)。紙幅センサ35および36がともにオンの場合、紙幅が大きく発熱体32のみを点灯させるモードに入る。この場合、発熱体32aの長さと紙幅のサイズがほぼ同じであり、端部昇温検知用の温度検出素子25も通紙域内に入っているため、温調制御用の温度検出素子21と端部昇温用の温度検出素子25の検出する温度は、ほぼ同じ温度に制御され、端部昇温も抑制される。この場合、端部昇温しないとCPUが判断し、フラグWSNS=0とする(S206)。
【0043】紙幅センサ35および紙幅センサ36がともにオフの場合、紙幅が小さいと判断し、端部昇温を抑制するために、発熱体33のみを点灯させるモード、もしくは、発熱体33aの領域と、発熱体33aの領域外であり発熱体32aの領域内の温度とがほぼ均一になる(端部昇温および端部温度低下が抑制される)ように発熱体32および発熱体33を所定の点灯比率で点灯させるモードに入る。
【0044】この場合、紙幅のサイズが発熱体33aの長さ以下であり、端部昇温検知用の温度検出素子25は主に点灯する発熱体33a通紙域外となるため、端部昇温検知用の温度検出素子25近傍は端部昇温しないとCPUが判断し、フラグWSNS=0とする(S206)。
【0045】紙幅センサ35がオン、紙幅センサ36がオフの場合、紙幅が発熱体33aよいりも長く、紙幅センサ36が位置する長さよりも短いと判断する。紙幅の領域において、ほぼ均一な温度に保つために発熱体32を点灯するモードに入ると同時に、紙幅の領域外であり発熱体32aの領域内である箇所が端部昇温するため、端部昇温検知用の温度検出素子25の温度を監視し、端部昇温が抑制されるような制御をおこなう。例えば、紙間をあけてスループットを下げる、あるいは温調温度を下げる等の制御をおこない、端部昇温を抑制する。この場合に限り、端部昇温するモードとCPUが判断しフラグWSNS=1とする(S205)。
【0046】以下、紙幅センサ35がオン、紙幅センサ36がオフとなる紙幅の記録紙Sが通紙された場合について説明する。記録紙Sが通紙されている間、CPUが温調制御用温度検出素子21からのTH1信号を基に、定着器109が所定の温度になるように0N1信号、0N2信号により発熱体への電力供給手段A,Bを制御する(S207)。温調制御中に電力供給手段A,B等の故障により過剰な電力が供給され、温度検出素子21が検出する温度T1が所定の温度T1H以上となったかを判断し、NOの場合は、異常高温と判断して定着器への電力供給と記録紙Sの搬送を停止させ、定着器の故障を報知する(S208)。
【0047】上記の判断がYESの場合は、紙幅センサ35がオン、紙幅センサ36がオフとなる紙幅の記録紙Sが通紙されているかを判断し(S209)、YESの場合は記録紙Sが通紙されるとともに端部の温度が徐々に昇温していく。記録紙Sが定着器109のニップを通過している際の端部昇温検知用の温度検出素子25が所定のタイミングで検出する温度T2と、一枚前の記録紙Sが通紙されている時の温度検出素子25の検知温度T20とを比較し、所定の温度変化Taがあるか判断する(S210)。
【0048】S210の判断において、NOつまり所定の温度差Taがあると判断した場合は、端部昇温検知用の温度検出素子25が正常であると判断し、フラグT2false=0とする(S213)。また、YESつまり所定の温度差Taがないと判断した場合は、端部昇温検知用の温度検出素子25が異常と判断し、それ以前に温度検出素子25が異常と判断された履歴があるか判断する(S211)。S211の判断において、YES、つまり温度検出素子25が異常と判断された履歴がないと判断した場合、フラグT2false=1とする(S212)。
【0049】記録紙Sが定着器109を通過した際に、次のプリント要求があるかを判断し、NOつまり要求がなければプリント動作を終了し、YESつまり要求があればプリント動作を続ける(S214)。連続でプリント動作を続ける場合、フラグT2fals=1かを判断し、NOの場合はS203に戻る(S215)。このS215の判断において、YESつまりT2fals=1である場合は、次の記録紙Sの給紙に際して紙間をあけて給紙するように指示を出しS203に戻る(S216)。
【0050】また、S211の判断において、NOつまり温度検出素子25が異常と判断された履歴があると判断した場合は、温度検出素子25が故障していると判断し(S217)、端部が異常に昇温するのを抑制するために定着器への電力供給あるいは記録紙の搬送を停止する。
【0051】上記のように、本実施例において、端部昇温用の温度検出素子25で端部昇温を検知して、この温度検出素子25で検出した温度を基に端部昇温を抑制するように制御する形態において、端部昇温を制御するモードとなる紙幅の記録紙Sが通紙された場合、端部昇温の温度検出素子25が検出する温度を、一枚前の端部昇温の検出温度と比較して所定の温度変化がない場合は紙間をあけて端部昇温の変化量を大きくし、それでも端部昇温検知用の温度検出素子25が所定の温度変化を検知できない場合は、端部昇温用の温度検出素子25の故障と判断し定着器の駆動を停止する。
【0052】上記のような制御をおこなうことにより、端部昇温用の温度検出素子25が故障していても、異常な端部の昇温を抑制することができるとともに、端部昇温を制御して動作させている場合との誤検知を防ぐことが可能となる。
【0053】(第2の実施例)図5は第2の実施例における制御シーケンスを説明するフローチャートであり、図4に示す第1の実施例と重複する点は説明を省略する。紙幅センサ35がオン、紙幅センサ36がオフとなる紙幅の記録紙Sが通紙されている場合(S209)、記録紙Sが通紙されるとともに端部の温度が徐々に昇温していく。
【0054】記録紙Sが定着器のニップを通過している際の端部昇温検知用の温度検出素子25が所定のタイミングで検出する温度T2と、枚数カウンタがゼロである記録紙Sが通紙されている時において、温度検出素子25が検知した温度T20とを比較し、所定の温度変化Tbがあるか判断する(S250)。
【0055】S250の判断において、YESつまり所定の温度差Tbがあると判断した場合は、端部昇温検知用の温度検出素子25が正常であると判断し、所定枚数をカウントしているカウンタをクリアする(S251)。NOつまり所定の温度差Tbがないと判断し、枚数カウンタが所定枚数以下である場合は、枚数カウンタをクリアしない(S252)。所定の温度差Tbがないと判断し、かつ、枚数カウンタが所定枚数より多い場合は、端部昇温検知用の温度検出素子25が故障していると判断し(S255)、端部が昇温しない程度まで紙間をあけて搬送スループットを下げてプリント動作を続ける。
【0056】記録紙Sが定着器109を通過した際に、次のプリント要求あるかを判断し、NOつまり要求がなければプリント動作を終了し、YES、つまり要求があればプリント動作を続ける(S214)。連続でプリント動作を続ける場合、枚数カウンタをインクルトし、S203に戻る(S254)。
【0057】上記のように、本実施例において、端部昇温用の温度検出素子25で端部昇温を検知して、この温度検出素子25で検出した温度を基に端部昇温を抑制するように制御する形態において、端部昇温を制御するモードとなる紙幅の記録紙Sが通紙された場合、端部昇温用の温度検出素子25が検出する温度を所定枚数の期間監視し、所定の温度変化がない場合は端部昇温用の温度検出素子の故障と判断し、厚い紙が通紙されても端部の昇温が問題にならない程度まで紙間をあけて搬送スループットを下げてプリント動作を続ける。また、温調制御温度を下げてプリント動作を続けてもかまわない。
【0058】上記のような制御をおこなうことにより、端部昇温検知用の温度検出素子25が故障していても、異常な端部の昇温を抑制することができるとともに、端部昇温を制御して動作させている場合との該検知を防ぐことが可能となる。また、端部昇温検知用の温度検出素子25が故障しても搬送スループットは下がるものの、端部昇温を抑制しつつ、プリント動作を続けることができる。
【0059】(第3の実施例)図6は第3の実施例における制御シーケンスを説明するフローチャートであり、図4および図5に示す第1および第2実施例と重複する点は説明を省略する。
【0060】紙幅センサ35がオン、紙幅センサ36がオフとなる紙幅の記録紙Sが通紙されている場合(S209)、記録紙Sが通紙されるとともに端部の平均温度が徐々に昇温していく。また、記録紙Sが定着器109のニップを通過している場合は端部の温度は上昇し、記録紙Sが定着器109のニップを通過していない紙間では端部の温度は温調制御温度に近付くように下降する。
【0061】記録紙Sが定着器109のニップを通過している時と紙間の時を含めて所定期間、端部昇温検知用の温度検出素子25が検出する温度T2を監視し、その期間における温度検出素子25が検出する最高温度T2maxと最低温度T2minを比較し、所定の温度差Tcがあるか判断する(S260)。
【0062】S260の判断において、YES、つまり所定の温度差Tcがあると判断した場合は、端部昇温検知用の温度検出素子25が正常であると判断する。一方、NO、つまり所定の温度差Tcがないと判断した場合は、端部昇温検知用の温度検出素子25が故障していると判断し(S262)、端部が異常に昇温するのを抑制するために定着器109への電力供給、さらには記録紙Sの搬送を停止する。記録紙Sが定着器109を通過した際に、次のプリント要求がなければプリント動作を終了し、要求があればプリント動作を続ける(S261)。
【0063】上記のように、本実施例において、端部昇温用の温度検出素子25で端部昇温を検知して、この温度検出素子25で検出した温度を基に端部昇温を抑制するように制御する形態において、端部昇温を制御するモードとなる紙幅の記録紙Sが通紙された場合、端部昇温用の温度検出素子25が検出する温度を所定期間監視し、所定の温度リプル差が検知できない場合は端部昇温用の温度検出素子25の故障と判断し定着器109の駆動を停止する。
【0064】上記のような制御をおこなうことにより、端部昇温用の温度検出素子25が故障していても、異常な端部の昇温を抑制することができるとともに、端部昇温を制御して動作させている場合との誤検知を防ぐことが可能となる。
【0065】(第4の実施例)図7は第4の実施例における制御シーケンスを説明するフローチャートであり、図4,図5、図6に示す第1、第2および第3の実施例と重複する点は説明を省略する。本実施例において、本体101がコンピュータ等の外部装置131あるいは、ネットワークに接続されているとする。
【0066】第1から第3の実施例のS217,S255,S262において端部昇温用の温度検出素子25を故障と判断した場合(S270)、端部昇温用の温度検出素子25が故障していることをパネルあるいは本体101が接続されている外部装置131に報知する(S272)。さらに、ネットワークを通じて故障を本体101をサポートするサービス拠点に報知する(S272)。
【0067】また、パネル入力またはあるいは本体101が接続されている外部装置から第2の実施例で示したように紙間をあけ搬送スループットを落として記録紙Sを出力するか判断する(S273)。YES、つまり搬送スループットを落として記録紙Sを出力することが要求されると、紙聞を所定間隔あけて、プリント動作を続けるかを判断し(S275)、YESではS270に戻ってプリント動作を続け、NOでは動作を終了する。また、上記S273の判断結果がNOの場合も動作を終了する。
【0068】上記のように、この第4の実施例によれば、外部装置131に故障を報知することにより、ユーザが搬送スループットを落として出力することを選択でき、故障により搬送スループットを下げて動作していることを認識することができる。また、ネットワークを通じて、サービス拠点に報知することにより、サービスパーツをいち早く提供することが可能となる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、温調制御用の温度検出素子とは別に端部昇温検知用の温度検出素子を有するセラミック面発ヒータを熱源とする加熱装置において、端部昇温検知用の温度検出素子で端部昇温を検出した温度を基に端部昇温を制御するモードとなる紙幅の記録紙が通紙された場合、端部昇温の温度検出素子が検出する温度を所定の条件下において監視し、予め設定されている温度変化が検知できない場合は端部昇温用の温度検出素子の故障と判断し、加熱装置の駆動を停止する、あるいは、厚い紙が通紙されても端部の昇温が問題にならない程度まで紙間をあけて搬送スループットを下げることにより、端部昇温用の温度検出素子が故障していても、異常な端部の昇温を抑制することができるとともに、端部昇温を制御して動作させている場合との誤検知を防ぐことが可能となる。さらには、搬送スループットーは下がるものの、端部昇温を抑制しつつ、加熱動作を続けることができるという効果がある。
【0070】また、本発明の加熱装置を加熱定着装置として用いることにより、端部昇温検知用の温度検出素子が故障しても、異常な端部の昇温を抑制することができ、常に安定した温度状態で加熱定着を行い、品質のよい画像形成を行うことができる画像形成装置を得ることができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成12年4月24日(2000.4.24)
【代理人】 【識別番号】100086818
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸雄
【公開番号】 特開2001−305904(P2001−305904A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−122513(P2000−122513)