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【発明の名称】 画像形成装置の画像処理方法
【発明者】 【氏名】平井 政志

【氏名】井上 達也

【氏名】山内 浩一

【要約】 【課題】転写工程において用紙が薄い場合に像担持体からの剥離を容易にし、厚い場合に転写ズレを防止すること。

【解決手段】記録用紙の厚みに応じて像担持体と転写部材とのギャップを調整する転写手段を有する画像形成装置において、用紙が薄い程、ギャップを広くすることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 記録用紙の厚みに応じて像担持体と転写部材とのギャップを調整する転写手段を有する画像形成装置において、記録用紙が薄い程、ギャップを広くすることを特徴とする画像形成装置の画像処理方法。
【請求項2】 記録用紙が所定厚さより薄い場合は、用紙の厚さよりもギャップを広くすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置の画像処理方法。
【請求項3】 記録用紙が所定厚さより厚い場合は、用紙の厚さよりもギャップを狭くすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置の画像処理方法。
【請求項4】 像担持体表面に形成した段差と、転写部材の両端に形成された像担持体に接触する位置決め部材によりギャップを設定可能とし、転写部材を軸方向に移動させることによりギャップを調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置の画像処理方法。
【請求項5】 ギャップを調整するときは像担持体を回転した状態で転写部材を軸方向にスライドさせることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置の画像処理方法。
【請求項6】 転写部材のクリーニングをする場合に、逆バイアスクリーニングとし、かつ、像担持体と転写部材とのギャップを狭くすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置の画像処理方法。
【請求項7】 前記転写部材は転写ローラであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置の画像処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、画像形成装置の画像処理方法に関し、像担持体のトナー像を記録用紙へ転写する画像処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の画像形成装置では像担持体に形成された静電潜像を現像剤で現像し、静電潜像に対応したトナー像を形成後、記録用紙に該トナーを転写し定着手段でトナーを記録用紙上に融着定着しプリント物を作成している。この画像形成プロセスのうち記録用紙にトナー像を転写する転写プロセスでは一般的に、記録用紙の裏側にコロナチャージャを用いた転写手段を設置して転写を行っているが、近年この転写手段は、環境保護等の目的でオゾンを発生するコロナチャージャ方式に代わって、オゾンを発生しない転写ローラ方式が多く用いられるようになってきている。転写ローラ方式とは、通常、像担持体に記録用紙を転写ローラで押し当て転写ローラに高電圧に印加することにより、像担持体上のトナー像を記録用紙に転写する方式である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、転写ローラ方式では転写ローラで像担持体に記録用紙を押付け記録用紙の裏側より高電圧を印加するので、記録用紙が薄紙のような腰の弱い場合には静電力により像担持体から記録用紙を剥離しにくい現象が起こり搬送ジャムが発生しやすい。
【0004】この問題を解決するためには像担持体と転写ローラとの間にギャップを設ける方法があるが、ギャップを広くすると今度は記録用紙が厚紙のときに厚紙の腰の強さにより搬送ムラ等の影響を直接受けてしまい転写ズレを発生してしまう。
【0005】この発明はこのような事情を考慮してなされたもので、転写部材と像担持体との間の距離(ギャップ)を用紙の厚さが薄い程広くすることにより、薄い用紙に対して搬送ジャムの発生を抑え、厚い用紙に対して転写ズレのない画像形成装置の画像処理方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、記録用紙の厚みに応じて像担持体と転写部材とのギャップを調整する転写手段を有する画像形成装置において、記録用紙が薄い程、ギャップを広くすることを特徴とした画像形成装置の画像処理方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明が対象とする画像形成装置とは、電子写真複写機、レーザプリンタなど像担持体上にトナー像を形成し、それを記録用紙に転写するようにしたものであればいずれでもよい。この発明の像担持体とは、ドラム状又はベルト状の感光体であってもよいし、感光体と用紙との間に介在するドラム状又はベルト状の中間転写部材であってもよい。また、転写部材は、転写チャージャや転写ローラで構成することができる。
【0008】この発明において、記録用紙が所定厚さより薄い場合は、用紙の厚さよりもギャップを広く設定してもよい。これによって、記録用紙が薄い場合に像担持体への押圧力が発生しないため、記録用紙が像担持体に強固に吸着されることを防ぎ、剥離ミスによる搬送ジャムの発生を防止できる。
【0009】また、記録用紙が所定厚さより厚い場合は用紙の厚さよりもギャップを狭く設定してもよい。これによって、用紙が厚い場合に像担持体と転写部材とで狭持でき、転写ズレの発生を防止することができる。
【0010】この発明では、像担持体表面に形成した段差と転写部材の両端に形成した像担持体に接触する位置決め部材によりギャップを設定可能とし、転写部材を軸方向に移動させることによりギャップを調整するようにしてもよい。これにより、像担持体と転写部材とのギャップの設定が精度良く行えると共に、簡単な機構でギャップを調整することができる。
【0011】ギャップを調整するときは像担持体を回転した状態で転写部材を軸方向にスライドさせることが好ましい。これによって、転写部材のスライドをスムーズに行うことができ、ギャップの調整を容易に行うことができる。
【0012】転写部材のクリーニングをする場合、逆バイアスクリーニングとし、かつ、像担持体と転写部材とのギャップを狭くすることが好ましい。これによって、逆バイアスクリーニング、つまり、転写部材に付着したトナーを像担持体へ戻すことによってクリーニングを行う場合に転写部材と像担持体との距離を近づけることができ、バイアスクリーニングの効果が充分に発揮でき良好なクリーニングが可能となる。
【0013】また、転写部材は転写ローラで構成することが好ましい。これによって、転写部材を転写ローラとすることによりギャップより厚い用紙を転写搬送するときに用紙を適度に押圧しながらスムーズな用紙搬送が可能となる。
【0014】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明を詳述する。これによってこの発明が限定されるものではない。図1に、この発明の実施例としてデジタル複写機の全体構成図を示す。デジタル複写機本体30において透明ガラスからなる原稿台35上には、自動原稿搬送装置36が備えられている。自動原稿搬送装置36は、原稿セットトレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿台35上へ給送する装置である。
【0015】原稿台35の下部は、スキャナ40が配設された原稿読取りユニット31となっている。スキャナ40は、原稿台35上に載置された原稿の画像を走査して読取るもので、原稿面上を露光するランプリフレクターアセンブリ41と、原稿からの反射光像を光電変換素子であるCCD44に導くための原稿からの反射光を反射する第1反射ミラー42aとを搭載してなる第1の走査ユニット40a、第1反射ミラー42aからの反射光像をCCD44に導くための第2、第3反射ミラー42b、42cを搭載してなる第2の走査ユニット40b、原稿からの反射光像を反射ミラー42a〜42cを介してCCD44上に結像させるための光学レンズ43、および原稿からの反射光像を電気的画像信号に変換するCCD44から構成されている。
【0016】また、スキャナ40は、自動原稿搬送装置36との関連した動作により、自動原稿搬送装置36にて自動搬送される原稿の画像を、所定の露光位置にて読み取るようになっている。
【0017】このスキャナ40にて読み取られた原稿画像は、画像データとして図示しない画像データ入力部へと送られ、画像データに対して所定の画像処理が施された後、画像処理部のメモリに一旦記憶され、出力指示に応じてメモリ内の画像を読出してレーザー書込みユニット46に転送される。
【0018】レーザー書込みユニット46は、メモリから読出した画像データ、又は外部の装置から転送されてきた画像データに応じてレーザー光を出射する半導体レーザー光源、レーザー光を等角速度偏向するポリゴンミラー、等角速度で偏向されたレーザー光が作像ユニット32に設けられた感光体ドラム48上において等角速度で偏向されるように補正するf−θレンズなどを有している。
【0019】作像ユニット32は、感光体ドラム48の周囲に、感光体ドラム48を所定の電位に一様に帯電させる帯電器61、感光体ドラム48上に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器47、感光体ドラム48表面に形成されたトナー像を記録紙に転写する転写ローラ62、余分なトナーを回収するクリーニング器63を備えている。
【0020】スキャナ40にて読取られた原稿画像は、画像メモリに一旦記憶された後、読出され、レーザー書込みユニット46によってレーザー光線を走査させることにより感光体ドラム48表面上に静電潜像として形成され、現像器内のトナーにより顕像化されてトナー像となり、トナー像は、記録紙上に転写ローラ62により静電転写され、その後、定着ユニット49に送られる。
【0021】作像ユニット32の排出側には、定着ユニット49以外に、記録紙の裏面に再度画像を形成するために記録紙の前後を反転させるスイッチバック路56、画像が形成された記録紙に対してステープル処理等を行うとともに昇降トレイ60を有する後処理装置34が設けられている。定着ユニット49にてトナー像が定着された記録紙は、必要に応じてスイッチバック路56を経て排紙ローラ57にて後処理装置34へと導かれ、ここで所定の後処理が施された後、排出される。
【0022】給紙部50は、作像ユニット32の下方に配設されており、手差トレイ54、両面ユニット55、用紙カセット51、52、53を備えた多段給紙トレイ部、およびこれら51、52、53、54から給紙した用紙を作像ユニット32における転写ローラが配置された転写位置へと搬送する搬送手段を備えている。両面ユニット55は、記録紙を反転させるスイッチバック路56に通じており、記録紙の両面に画像形成を行うときに用いられる。
【0023】図2は図1の感光体ドラム48と転写ローラ62の拡大側面図である。同図において、感光体ドラム48の両端部には円周に沿って凹部(段差)48a、48bが設けられている。転写ローラ62は、両端に転写ローラ62よりも外径の大きいカラー62a、62bを備え、中心に貫通シャフト62cを有する。シャフト62cの両端はそれぞれ軸受け64a、64bを介して軸受けガイド65a、65bによって回転可能に支持される。軸受けガイド65a、65bはそれぞれ圧縮スプリング66a、66bを介して支持部材67上に支持され、支持部材67は図示しない摺動機構によりシャフト62cの軸方向(矢印A,B方向)に往復摺動可能に支持されている。支持部材67の一端には矢印A方向に付勢する引張スプリング68が、他端にはソレノイド69がそれぞれ設けられている。
【0024】そして、ソレノイド69の作動時(オン時)には、図2に示すようにカラー62a、62bの外周が凹部48a、48bに嵌入する。ソレノイド69の非作動時(オフ時)には、図3に示すように、引張スプリング68の付勢力により支持部材67が矢印A方向に移動し、カラー62a、62bが凹部48a、48bから引出されて、それらの外周は感光体ドラム48の外周に接するようになっている。そして、ソレノイド69のオンおよびオフ時には、感光体ドラム48と転写ローラ62とのギャップは、それぞれ100μmおよび500μmとなる。
【0025】ここで、転写ローラ62はEPDMまたはウレタンゴムなどの導電性弾性部材より構成され、例えば、外径が10〜20mm、硬度が30〜50度(アスカーC)、体積抵抗率が である。
【0026】カラー62a、62bはいずれも絶縁材料(例えばPOM)で構成される。また、圧縮スプリング66a、66b、軸受けガイド65a、65b、軸受け64a、64bおよびシャフト62cはいずれも導電性を有し、転写ローラ62への電圧の印加は圧縮スプリング66a、66b、軸受けガイド65a、65b、軸受け64a、64bおよびシャフト62cを介して行われる。
【0027】このような構成における動作を図4に示すフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS1において、図1に示す複写機の複写(プロセス)動作が開始されると、「厚紙モード」か否かが判定される(ステップS2)。ここで厚紙モードとは用紙が150μm以上の厚さを有する場合にオペレータにより設定されるモードである。そして、厚紙モードである場合には、図2に示すソレノイド69がオンされ、図2に示すようにカラー62a、62bが凹部48a、48bに嵌入して、感光体ドラム48と転写ローラとの間隔(ギャップ)は100μmに設定される。
【0028】次に、画像形成処理が進行して(ステップS5)感光体ドラム48にトナー像が形成されると、用紙Pへ感光体ドラム48上のトナー像が転写される。このとき、図2に示すように用紙Pは、ギャップより厚い150μm以上の厚さを有するので、転写ローラ62は、用紙Pを圧縮スプリング66a、66bの付勢力により約500gの力で感光体ドラム48へ圧接しながら回転する。なお、このとき転写ローラ62には約+1kVの高電圧が印加されている。そして、転写が終了した用紙は定着された後、排出される。
【0029】一方、ステップS7において、ソレノイド69がオンしているか否かが再び判定され、オンしていると、つまり、転写ローラ62が感光体ドラム48に近接していると、転写ローラ62へ約−1kVの高電圧が印加される(つまり、転写ローラ62が逆バイアスされる)。これによって転写ローラ62の良好なクリーニングが可能となる。
【0030】所定時間後、転写ローラ62のクリーニングが終了するとソレノイド69はオフされ(ステップ10)、一枚の用紙についての画像形成処理が終了する(ステップ11)。
【0031】なお、ステップS2において、「厚紙モード」が設定されていない場合、つまり用紙Pが150μm未満の厚さを有する薄紙の場合には、ステップS4においてソレノイド69がオフされる。それによって、図3に示すようにカラー62a、62bの外周が感光体ドラム48の外周に接する。このとき、感光体ドラム48と転写ローラ62とのギャップは500μmに設定される。従って、ステップS6において、用紙Pは感光体ドラム48へ転写ローラ62により圧接することなく円滑に搬送され、転写が行われる。この転写時には、転写ローラ62に前述と同様に約+1kVの高電圧が印加されている。
【0032】また、ステップS7において、ソレノイド69がオフしている場合、つまり、転写ローラが感光体ドラム48から離れている場合には、ソレノイド69がオンされた後、前述と同様に転写ローラ62へ約−1kVの高電圧が印加されて転写ローラ62のクリーニングが行われる(ステップS9)。以下、ステップS10、S11の動作が行われる。
【0033】なお、上記動作において、ソレノイド69のオン・オフにより転写ローラ62を矢印A又はB方向に移動させるときには、感光体ドラム48の回転中に行うようにしている。それによって、カラー62a,62bの凹部48a,48bに対する出入りが円滑に行われる。
【0034】この実施例において、厚さ100μmの薄紙と厚さ200μmの厚 紙を用いて剥離性と転写ズレに関する性能試験を行った結果を表1に 示す。表1において○は良好、×は不良を示す。表1によれば、厚紙 に対しては、感光体ドラム48と転写ローラ62とのギャップを10 0μmに設定し、薄紙に対しては、ギャップを500μmに設定すれ ば、剥離性が良好で、転写ズレも生じないことが分かる。
【0035】
【表1】

【0036】また、上記実施例においては、この発明の像担持体として感光体ドラムを用いた場合を説明したが、次にその変形例として像担持体に中間転写ベルトを用いる場合について説明する。この場合には、図5に示すように、転写ローラ62に対向して図2の感光体ドラム48の代わりに中間転写ベルトVを支持する支持ローラ148が設置される。支持ローラ148の両端部には円周に沿って凹部(段差)148a,148bが設けられている。その他の構成は図2、図3に示す構成と同等である。中間転写ベルトVは、その表面に感光体(図示しない)から転写されたトナー像を担持しながら支持ローラ148に密着して搬送され、中間転写ベルトVと転写ローラ62との間に挿入される用紙Pにトナー像が転写される。
【0037】この転写工程は、前述の実施例と同様に行われる。従って中間転写ベルトVと転写ローラ62とのギャップも前述の実施例と同様に用紙の厚さに応じてソレノイド69のオン・オフによって設定される。この変形例も、表1に示す性能と同等の性能を示すことが確認された。また、転写ローラ62のクリーニングについても、前述の実施例と同様に行うことができる。
【0038】
【発明の効果】この発明によれば、用紙が薄い程、像担持体と転写部材とのギャップが広くなるように設定されるので、用紙が薄い場合には像担持体からの剥離が容易となりジャムの発生が防止でき、用紙が厚い場合には転写ズレが防止できる。
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成12年4月21日(2000.4.21)
【代理人】 【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
【公開番号】 特開2001−305890(P2001−305890A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−120369(P2000−120369)