| 【発明の名称】 |
液体現像電子写真装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】中島 豊
【氏名】稲本 彰彦
【氏名】上杉 茂紀
【氏名】本 悟
【氏名】高畠 昌尚
【氏名】市田 元治
【氏名】岡野 茂治
【氏名】竹田 靖一
【氏名】西川 禎
【氏名】宮本 悟司
【氏名】寺嶋 一志
【氏名】坂井 聡
【氏名】本川 浩永
【氏名】本江 雅信
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| 【要約】 |
【課題】キャリア液を効果的にかつ、安定的に除去するための素材、機構および条件を提供することを目的としている。
【解決手段】液体現像電子写真装置は、画像支持体との間に生成される電界に応じて、現像剤のトナー粒子を画像支持体に付着させてトナー画像を形成する現像部と、この画像支持体上のトナー画像を転写するための中間転写体と、転写されたトナー画像を、印刷媒体に溶融転写する転写定着部とから構成される。中間転写体は、その上に画像を形成するトナー層から余剰なオイルを除去するためのキャリア除去ローラを有する余剰キャリア除去機構を備えている。キャリア除去ローラは、溶融温度以上又は溶融温度付近に加熱されたトナー層に接触し、かつ、画像を保持する中間転写体に、トナー粒子を押し付ける方向にバイアス電圧を印加する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体トナーを現像剤として用いて、静電潜像の形成される画像支持体上に接触して現像剤を供給し、かつ前記画像支持体との間に生成される電界に応じて、該現像剤のトナー粒子を前記画像支持体に付着させてトナー画像を形成する現像部と、該画像支持体上のトナー画像を転写するための中間転写部と、中間転写部に転写されたトナー画像を、印刷媒体との接触部において加熱溶融して、印刷媒体に溶融転写する転写定着部とから成る液体現像電子写真装置において、前記中間転写部に画像を形成するトナー層から余剰なオイルを除去するための余剰キャリア除去機構を備え、該余剰キャリア除去機構は、溶融温度以上又は溶融温度付近に加熱されたトナー層に接触し、かつ、画像を保持する前記中間転写部に、トナー粒子を押し付ける方向にバイアス電圧を印加した半導電性キャリア除去ローラ又はベルトから構成される液体現像電子写真装置。 【請求項2】前記中間転写部は、転写されたトナー画像を加熱溶融して印刷媒体に溶融転写するためのヒートローラ及びその上に巻き掛けられた中間転写ベルトから成り、そして、前記キャリア除去ローラが、該ヒートローラに当接するように複数個配置されている請求項1に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項3】前記複数個配置されたキャリア除去ローラの中間転写ベルトに対する付圧力が、各ローラ毎に設定されている請求項2に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項4】前記複数個配置されたキャリア除去ローラの中間転写ベルトに対する印加バイアス電圧が、各ローラ毎に設定されている請求項2に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項5】前記複数個配置されたキャリア除去ローラの硬度が、各ローラ毎に設定されている請求項2に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項6】前記複数個配置されたキャリア除去ローラの表面粗さが、各ローラ毎に設定されている請求項2に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項7】前記キャリア除去ローラの付圧力が、印刷パターンの解析に基づき調整される請求項3に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項8】前記キャリア除去ローラの印加バイアス電圧が、印刷パターンの解析に基づき調整される請求項4に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項9】前記キャリア除去ローラは、ローラの研磨目で画像を崩さない方向に配置された請求項2に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項10】前記キャリア除去ローラを加熱する手段、及び該キャリア除去ローラの温度を検出する手段をさらに備え、キャリア除去ローラを一定温度に保持するよう制御することにより、キャリア除去ローラの電気抵抗を一定にして安定したキャリア除去を行う請求項1又は2に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項11】前記中間転写部は、前記画像支持体上のトナー画像を転写して複数色のトナー画像を重ね合わせるための中間転写ローラと、該中間転写ローラ上に重ね合わされたトナー画像を一度に転写して、印刷媒体との接触部において加熱溶融して印刷媒体に溶融転写する中間転写ベルトとから構成し、前記中間転写ローラ上に複数色のトナー画像を全て重ね合わせる時間を利用して、スループットに影響を与えない範囲で溶融転写時の中間転写ベルトの速度を制御する請求項1に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項12】前記中間転写ベルトの速度を制御することにより、トナー画像が中間転写ローラから中間転写ベルトに転写されてから、印刷媒体に溶融転写されるまでに、複数回回転させるよう制御した請求項11に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項13】前記中間転写ベルトの回転数を監視して、その回転数に応じて、キャリア除去ローラに印加されるバイアス電圧を変化させる手段を備える請求項12に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項14】前記中間転写ベルトの回転数を監視して、その回転数に応じて、キャリア除去ローラの付圧力を変化させる手段を備えた請求項12に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項15】前記中間転写部は、前記画像支持体上のトナー画像を転写して複数色のトナー画像を重ね合わせるための中間転写ローラと、該中間転写ローラ上に重ね合わされたトナー画像を一度に転写して、印刷媒体との接触部において加熱溶融して印刷媒体に溶融転写する中間転写ベルトとから構成し、加熱されたトナー層を保持する前記中間転写ベルト上の表面電位を検出し、ベルト上の残留キャリア量をその関係を記述したテーブルから割出し、残留キャリア量が多いときに、中間転写ベルトを2回転させるよう制御する請求項1に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項16】前記キャリア除去ローラは、複数個当接させ、かつ各キャリア除去ローラはそれぞれ独立して接触退避可能に構成し、残留キャリア量に応じてキャリア除去ローラの当接数を制御するよう構成した請求項15に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項17】前記中間転写部は、前記画像支持体上のトナー画像を転写して複数色のトナー画像を重ね合わせるための中間転写ローラと、該中間転写ローラ上に重ね合わされたトナー画像を一度に転写して、印刷媒体との接触部において加熱溶融して印刷媒体に溶融転写する中間転写ベルトとから構成し、加熱されたトナー層を保持する前記中間転写ベルト上に光の入射角と反射角を一致させた光沢検出用の反射型光学センサを設け、その反射出力から前記中間転写ベルト上の残留キャリア量を割出し、残留キャリア量が多いときに、中間転写ベルトを2回転させるよう制御する請求項1に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項18】前記キャリア除去ローラは、複数個当接させ、かつ各キャリア除去ローラはそれぞれ独立して接触退避可能に構成し、残留キャリア量に応じてキャリア除去ローラの当接数を制御するよう構成した請求項17に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項19】前記キャリア除去ローラは、部分的な昇温による抵抗値変化を防ぐために、印刷領域外又は非印刷時ではキャリア除去ローラを中間転写部から退避するよう構成した請求項1に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項20】前記キャリア除去ローラは、加熱されている中間転写部に従動回転させて熱伝導により、キャリア除去ローラの温度を一定値まで昇温させる請求項1に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項21】前記中間転写部上にキャリア除去ローラを接触させて、中間転写部に対して電圧を印加した際の電圧、電流値から抵抗値を算出して、抵抗値が所定範囲に入るように加熱制御をする請求項10又は20に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項22】1つ又は複数のキャリア除去ローラの内の最終のキャリア除去ローラの温度を、中間転写部の温度より高く設定した請求項1に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項23】前記キャリア除去ローラに印加されるバイアス電圧は、中間転写部上のトナー画像の重ね合わせ色数に応じて変化させる請求項1に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項24】前記キャリア除去ローラに印加されるバイアス電圧は、中間転写部の電位を変動させて中間転写部上への重ね合わせ転写に影響することのない低電流に制限した請求項1に記載の液体現像電子写真装置。 【請求項25】前記キャリア除去ローラからキャリア液を掻き取るブレードは、重力方向の下側に複数個の凸状突起を設けて、ブレード先端に付着して溜まるキャリア液を速やかに滴り落とす請求項1に記載の液体現像電子写真装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、液体トナーを用いる液体現像電子写真装置に関し、特に、中間転写体上に画像を形成するトナー層から余剰なオイルを除去するための余剰キャリア除去機構を備えた液体現像電子写真装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図4は、従来公知の液体現像方式の電子写真装置の全体構成を示している(例えば、特開2000−056575号公報参照)。感光ドラム10は、帯電装置21により帯電させられた後、露光装置22によって露光されて、静電潜像が形成される。プリウエット装置23は、例えば、シリコーンオイルを感光ドラム10の表面に塗布する。 【0003】現像装置24は、イエロー/マゼンタ/シアン/ブラックに対応付けて設けられ、不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナーを現像剤として用いる。現像ローラは、現像剤を感光ドラム10上に供給し、かつ該感光ドラム10との間に生成される電界に応じて、該現像剤のトナー粒子を感光ドラム10に付着させる。 【0004】中間転写ローラ15は、感光ドラム10との間の電界に従って、感光ドラム10に付着された色のトナーを1つづつ転写する。中間転写ローラ15が、感光ドラム10との間の電界に従って、感光ドラム10に付着されたトナー粒子を転写するとき、トナー粒子と共に感光ドラム10から中間転写ローラ15に移動する過剰のプリウエット及び現像トナー層中のキャリアから成るオイルを除去する必要がある。そのため、図示した装置においては、中間転写ローラ15上に、オイル除去ローラ25が設けられている。 【0005】加熱装置28は、中間転写ローラ15の表面を加熱することで中間転写ローラ15に付着されるトナーを溶融する。加熱装置28による加熱は、全ての色のトナーを転写した後に行われることになる。加圧ローラ19は、加熱装置28により溶融された中間転写ローラ15上のトナーを印刷媒体に定着させる。なお、図中、26は、残留トナーを掻き取るためのブレード、27は除電装置である。 【0006】液体現像におけるキャリア溶媒は、1μm前後のトナー粒子の飛散防止の他に、粒子を帯電状態にさせ、均一分散状態にするという機能のためにあり、現像や静電転写行程ではトナー粒子が電界作用で容易に移動するための『架け橋』のような役割も担っている。 【0007】液体現像プリンタプロセス中のキャリア溶媒は、トナー保存、トナー搬送・層形成、現像、静電転写までには必要な成分である。しかし、紙媒体への定着行程以後にはキャリア溶媒は画質等から不要である。これらのことから、現在多くの液体現像剤(トナー)のキャリア溶媒には、揮発性の絶縁性液体が用いられている。ただ、キャリア揮発による装置内でのトナー固着や、揮発キャリアの人体への影響、環境問題から、不揮発性のキャリア溶媒を用いる液体現像剤も開発されており、その一つがHVS(High-Viscous Silicone)トナーである。 【0008】不揮発性のキャリア溶媒を用いる液体現像トナーの場合、キャリア溶媒はトナーを加熱溶融時に揮発させることができず、特にトナー定着時やトナー画像の溶融転写方式では溶融トナーの紙媒体への粘着力の発現を阻害して、紙媒体への画質や粘着強度を充分に満足できないことがある。 【0009】さらに、中間転写体上の重ね合わせ画像を紙媒体に溶融転写する方式では、加熱の際に溶融トナーが中間転写体上で、トナー画像が斑状にちぢれたような状態になることがある。これは、中間転写体表面の剥離性とトナーの溶融粘性(流動性)とキャリア溶媒との濡れ性の関係による。 【0010】このように、不揮発性のキャリア溶媒は紙媒体への定着行程までに出来る限り除去する必要があるが、加熱前のキャリア除去ではトナー粒子間の空隙に充填しているキャリア溶媒の除去には限界がある。 【0011】以上から、トナー加熱溶融時にトナー粒子内の残存キャリアを浮き出させて除去する”加熱中のキャリア除去”方式が有効である。加熱中のキャリア除去方式は、不揮発性のキャリア溶媒が中間転写体上のトナー画像中に残存するプリンタ装置において、トナー粒子の加熱溶融時のトナー粒子(レジン成分)の一体化と昇温により電気的に活性化したトナー粒子の強力な電界作用力を利用して、キャリア溶媒(液体成分)を分離する。但し、加熱中の溶融トナーに電界作用力を印加する場合には、温度によるローラ部材への影響や、他プロセス条件に対する相互的な影響を考慮する必要があり、それらの制御条件について従来技術では充分に考慮されていなかった。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような加熱中キャリア除去方式をさらに改良して、キャリア液を効果的にかつ、安定的に除去するための素材、機構および条件を提供することを目的としている。 【0013】また、本発明は、キャリアの残留量に応じて、最適のキャリア除去を行うことを目的としている。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明の液体現像電子写真装置は、液体トナーを現像剤として用いて、静電潜像の形成される画像支持体上に接触して現像剤を供給し、かつ前記画像支持体との間に生成される電界に応じて、該現像剤のトナー粒子を前記画像支持体に付着させてトナー画像を形成する現像部と、該画像支持体上のトナー画像を転写するための中間転写体と、中間転写体に転写されたトナー画像を、印刷媒体との接触部において加熱溶融して、印刷媒体に溶融転写する転写定着部とから構成される。中間転写体は、その上に画像を形成するトナー層から余剰なオイルを除去するためのキャリア除去ローラを有する余剰キャリア除去機構を備えている。キャリア除去ローラは、溶融温度以上又は溶融温度付近に加熱されたトナー層に接触し、かつ、画像を保持する前記中間転写体に、トナー粒子を押し付ける方向にバイアス電圧を印加する。 【0015】また、本発明の液体現像電子写真装置は、中間転写体として、画像支持体上のトナー画像を転写して複数色のトナー画像を重ね合わせるための中間転写ローラと、該中間転写ローラ上に重ね合わされたトナー画像を一度に転写して、印刷媒体との接触部において加熱溶融して印刷媒体に溶融転写する中間転写ベルトとから構成することができる。そして、加熱されたトナー層を保持する前記中間転写ベルト上の残留キャリア量に応じて、中間転写ベルトの回転を制御する。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、実施の形態に従って本発明を詳細に説明する。図1は、本発明を具体化する液体現像方式の電子写真装置の第一の構成例を示す図である。 【0017】まず、図1を参照して、本発明の特徴とする転写定着部、特にキャリア除去機構を含む液体現像電子写真装置の全体の概要を説明する。装置の最下部には、現像部が設けられ、その上に中間転写部が、そして装置最上部に転写定着部が設けられる。例示の装置は、このように、装置最上部に、多量の熱を発生する転写定着部を備えたために、装置内の熱排出を効率よく行うことができる。また、液体トナーを扱う現像部を装置最下部に設けたために、仮に液体トナーが漏れたとしても、印刷媒体を汚し難い配置となっている。 【0018】現像部は、イエロー/マゼンタ/シアン/ブラックに対応付けて設けられる。それぞれ感光ドラム(感光体)11〜14が設けられ、かつこの感光ドラム11〜14を約700Vに帯電させるための帯電器が備えられる(図示せず)。矢印で示す露光は、帯電した感光ドラム11〜14を画像データに基づき、例えば、780nmの波長を持つレーザ光を使って行われる。これによって、感光ドラム11〜14上に、露光部分の電位が約100Vとなる静電潜像が形成される。また、図示しない除電装置が設けられて、感光ドラム11〜14上の残存電位を除電する。 【0019】現像ローラは、約400V〜600Vのような所定の電圧にバイアスされて、感光ドラム11〜14との間の電界に従って、正に帯電しているそのトナーを感光ドラム11〜14に供給する。これによって、約100Vに帯電される感光ドラム11〜14上の露光部分にトナーを付着させて、感光ドラム11〜14上の静電潜像を現像し、画像を形成する。トナー供給ローラは、各色トナー毎に1つ又は複数のローラから構成されて、トナー粘度が400〜4000mPa・Sで、キャリア粘度が20〜500cSt、好適には100cStを持つ液体トナーを、トナー溜まりから薄く延ばしながら搬送していくことで現像ローラ上に所定の層厚(例えば、4〜10μm)で液体トナーを塗布する。 【0020】第一中間転写体としての中間転写ローラ15は、約−800Vにバイアスされて、各感光ドラム11〜14との間の電界に従って、感光ドラム11〜14に付着されたトナーを転写する。この中間転写ローラ15は、先ず最初に、第一の感光ドラム11に付着される例えばイエローのトナーを転写し、続いて、第二の感光ドラム12に付着される例えばマゼンタのトナーを転写し、続いて、第三の感光ドラム13に付着される例えばシアンのトナーを転写し、最後に、第四の感光ドラム14に付着される例えばブラックのトナーを転写することになる。このように、第一〜第四の感光ドラム11〜14上に現像された4色のトナー画像は、中間転写ローラ15を4回転させることにより、順次中間転写ローラ15上に重ね合わされて、カラー画像が形成される。クリーニングブレードは、適切なタイミングで中間転写ローラに接触して、その上に残存するトナーやプリウエット液を取り除く。 【0021】その後さらに、第二中間転写体としてのベルト構成の中間転写ベルト16上に、4色カラー画像は静電的に転写され、キャリア除去部でキャリア液体が除去された後、転写されたトナー画像は印刷媒体との接触部において加熱溶融され、印刷媒体に溶融転写される。中間転写ベルト16上に液体トナーで形成された画像にはキャリア液体が含まれており、キャリア除去部では、このキャリアオイル分が除去される。 【0022】図2は、図1に示した電子写真装置のキャリア除去部を詳細に示す図である。図示したように、中間転写ベルト16上には、ヒートローラ18に当接するように、3つのキャリア除去ローラが備えられている。これらキャリア除去ローラは、溶融温度以上又は溶融温度付近に加熱された中間転写ベルト上のトナー層に接触し、そこから余剰なオイルを除去する。また、キャリア除去ローラにはバイアス電圧が印加されている。このバイアスは、画像を保持する中間転写ベルトにトナー粒子を押し付ける方向に、例えば、ヒートローラに対して+2KVの電圧が印加される。なお、転写定着のために、ヒートローラに対して−2KVのバイアス電圧が、加圧ローラ19に印加されている。キャリア除去ローラは、溶融トナーの電気抵抗値と同程度か又はそれより低い抵抗値を持つ導電性ローラにして、その表面は鏡面状態、即ち滑らかにされる。そして、加熱温度に耐える耐熱性と印加バイアス電圧に耐える電気耐圧を兼ね備えている。また、除去したキャリアを回収するブレード等が備えられている。なお、図示したキャリア除去ローラに代えて、ベルト構成のキャリア除去ベルトを用いることも可能である。 【0023】複数個配置されたキャリア除去ローラの中間転写ベルトに対する付圧力は各ローラ毎に、例えば、中間転写ベルト16の進行方向にキャリアの除去が進むに伴い、徐々に付圧力を高めるように設定することができる。また、キャリア除去ローラの付圧力は、印刷パターンの解析結果に基づき調整することができる。 【0024】複数個配置されたキャリア除去ローラのヒートローラ18,それ故中間転写ベルトに対する印加バイアス電圧は各ローラ毎に、例えば、キャリアの除去に伴い、トナーの導電性が高まるにつれて、電圧値を低くすることができる。また、キャリア除去ローラの印加バイアス電圧は、印刷パターンの解析結果に基づき調整することができる。 【0025】複数個配置されたキャリア除去ローラの硬度は各ローラ毎に、例えば、キャリアの除去に伴い、硬いローラを用いることができる。 【0026】複数個配置されたキャリア除去ローラの表面粗さは各ローラ毎に、例えば、キャリアの除去に伴い、より鏡面状態に仕上げることができる。その仕上げの際のローラの研磨目によって、画像を崩すことが無いような方向にローラを回転させるよう配置することが望ましい。 【0027】キャリア除去ローラの内部にヒータを備える等してローラを加熱する手段、及び該キャリア除去ローラの温度を検出する手段をさらに備えて、キャリア除去ローラを一定温度に保持するよう制御することにより、キャリア除去ローラの電気抵抗を一定にして安定したキャリア除去を行うことが可能となる。 【0028】中間転写ベルト16上のトナー画像は、ヒートローラ18によって加熱溶融されると共に、該ヒートローラ18と協働するヒータ内蔵の加圧ローラ19によって、印刷媒体に転写定着させられる。 【0029】転写定着部は、前述の加圧ローラ19、及び複数の搬送ローラと、その上に巻き掛けられた静電ベルト、及び前述の中間転写ベルト16から構成される。静電ベルトは、印刷媒体を静電気力により吸着して、搬送する。ヒートローラ18による加熱は、キャリア除去効率を改善すると共に、ヒータ内蔵の加圧ローラ19と共働して、中間転写ベルト16上のトナー画像を溶融させて、印刷媒体への転写定着を行うためである。その後、このように加熱された中間転写ベルト16は、冷却する必要がある。これは、例えば、中間転写ベルト16を巻き掛けたローラ(冷却ローラ)を冷却することにより行うことができる。冷却を行うのは、中間転写ローラ15から中間転写ベルト16にトナーが転写されるときに、トナーが溶融してしまうことにより、転写不良が発生するのを防止すると共に、中間転写ローラ15に熱が伝達するのを防止するためである。 【0030】中間転写ローラ15上に複数色のトナー画像を重ね合わせる時間を利用して、スループットに影響を与えない範囲で溶融転写時の中間転写ベルト16の速度を制御、例えば早くすることが可能となる。また、中間転写ベルト16の速度を制御することにより、トナー画像が中間転写ローラ15から中間転写ベルト16に転写されてから、印刷媒体に溶融転写されるまでに、複数回回転させるよう制御することができる。これによって、スループットを低下させることなく、同一キャリア除去ローラにより複数回のキャリア除去が可能となる。 【0031】さらに、中間転写ベルト16の回転数を監視して、その回転数に応じて、キャリア除去ローラに印加されるバイアス電圧を変化させる手段を備えることができる。回転が進み、キャリアが除去されるにつれて、最適の印加バイアス電圧は異なるものとなる。そこで、回転数に応じて最適なバイアス電圧を設定する。 【0032】また、中間転写ベルト16の回転数を監視して、その回転数に応じて、キャリア除去ローラの付圧力を変化させる手段を備えることができる。回転が進み、キャリアが除去されるにつれて、最適の付圧力が異なってくる。そこで、回転数に応じて最適な付圧力を設定する。 【0033】また、溶融中間転写ベルト上のトナー画像の状態を検出し、キャリア液体が多く残留している場合には、通常のシーケンスよりも多く中間転写ベルト16を回転させる。即ち、空回しすることで、キャリア除去ローラを通過する回数を増やすことができる。そのため、加熱されたトナー層を保持する中間転写ベルト16上の表面電位を表面電位計で検出し、ベルト上の残留キャリア量をその関係を記述したテーブルから割出し、残留キャリア量が多いときに、中間転写ベルトを2回転させるシーケンスに変更することができる。さらに、この残留キャリア量の割出のために、加熱されたトナー層を保持する中間転写ベルト上に光の入射角と反射角を一致させた光沢検出用の反射型光学センサを設け、その反射出力を用いて残留キャリア量を割出すことができる。 【0034】キャリア除去ローラは、複数個当接させ、かつ各キャリア除去ローラはそれぞれ独立して接触、かつ退避可能に構成し、残留キャリア量に応じて、中間転写ベルトの回転数を考慮したトータルでのキャリア除去ローラの当接数を細かく制御することができる。 【0035】半導電性ゴム等からなるキャリア除去ローラは、部分的な昇温による抵抗値変化を防ぐために、印刷領域外又は非印刷時ではキャリア除去ローラを中間転写ベルト16から退避するよう構成される。 【0036】また、キャリア除去ローラの電気的特性(抵抗値など)を安定的に一定に保つために、キャリア除去ローラを一定温度に保つ必要が生じる。そのため、キャリア除去ローラにヒータ熱源を有して温度制御される。例えば、キャリア除去ローラを中空パイプローラ構造にして、パイプローラの内部にハロゲンランプヒータを内蔵し、ローラ表面に温度検出センサを具備して、一定温度、例えば70〜80℃にヒータをオンオフ制御することができる。キャリア除去ローラにヒータ熱源を具備していない場合は、加熱されている中間転写ベルト16に従動回転させて熱伝導により、キャリア除去ローラの温度を一定値まで昇温させられる。この場合、キャリア除去ローラ表面に温度検出用の温度センサを設けることが望ましい。 【0037】キャリア除去ローラの抵抗値をモニターする方式として、クリーニングされた中間転写ベルト16上にキャリア除去ローラを接触させて、中間転写ベルト16に対して電圧を印加した際の電圧、電流値から抵抗値を算出して、抵抗値が所定範囲に入るように加熱制御を行うことができる。 【0038】キャリア除去ローラを、1つ又は複数用いる方式において、最終のキャリア除去ローラの温度を、中間転写ベルト16の温度より高く設定することが望ましい。キャリア液は、温度的に熱い側から冷たい側に染み出る傾向がある。そこで、最終キャリア除去ローラの温度を中間転写ベルト16よりも高く設定することで、残存キャリア液が中間転写ベルト16側と溶融トナー層の間に染み出すことで剥離材の役割をして、転写不良を防止することができる。 【0039】フルカラープリンタの場合、単色印刷の場合と2色以上の重ね合わせ印刷の場合では、中間転写ベルト16に印加される転写バイアス電圧が異なることがある。中間転写ベルト16上のキャリア除去バイアスは、中間転写ベルト16に対する電位差(電界強度)が重要であるので、中間転写ベルト16上のトナー画像の重ね合わせ色数に対応したキャリア除去バイアス電圧、例えば単色印刷の場合には1KVを、また、2色の重ね合わせ印刷の場合には1.5KVを印加する。 【0040】バイアス電圧を印加したキャリア除去ローラから流れる電流は中間転写ベルト16に流れ、結果として中間転写ベルト16の電位を変動させる可能性があり、中間転写ベルト16上への重ね合わせ転写にも影響を与えるおそれがある。そこで、キャリア除去ローラへのバイアス電圧印加の方式は、必要以上の電流、例えば1mA以上を流さないように制限して制御される。 【0041】キャリア除去ローラからキャリア液を掻き取るブレードは、重力方向の下側に複数個の凸状突起を設けることができる。図3には、キャリア除去ローラと、その下側に接触するブレード先端及びそこに溜まっているキャリア液が見えている。凸状突起を設けることにより、ブレード先端に付着して溜まるキャリア液を速やかに滴り落とすことができる。 【0042】 【発明の効果】加熱前のキャリア除去ではトナー粒子間の空隙に充填しているキャリア溶媒の除去には限界があったが、本発明は、溶融温度以上又は溶融温度付近に加熱されたトナー層に接触するキャリア除去ローラを備えて、画像を保持する中間転写体に、トナー粒子を押し付ける方向にバイアス電圧を印加したことにより、過剰のキャリアを、トナー画像を乱すことなく、十分確実に除去することができる。 【0043】また、本発明は、キャリアの残留量に応じて、最適のキャリア除去を行うことが可能になるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000136136 【氏名又は名称】株式会社ピーエフユー
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| 【出願日】 |
平成12年4月21日(2000.4.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074848 【弁理士】 【氏名又は名称】森田 寛 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−305887(P2001−305887A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月2日(2001.11.2) |
| 【出願番号】 |
特願2000−120251(P2000−120251) |
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