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【発明の名称】 液体現像電子写真装置
【発明者】 【氏名】中島 豊

【氏名】稲本 彰彦

【氏名】上杉 茂紀

【氏名】本 悟

【氏名】高畠 昌尚

【氏名】市田 元治

【氏名】岡野 茂治

【氏名】竹田 靖一

【氏名】西川 禎

【氏名】宮本 悟司

【氏名】寺嶋 一志

【氏名】坂井 聡

【氏名】本川 浩永

【氏名】本江 雅信

【要約】 【課題】感光ドラムへの熱伝達を遮断して、感光ドラムの熱劣化を防ぐことを目的としている。

【解決手段】中間転写部が、前記画像支持体との間の電界に従って、該画像支持体上のトナー画像を転写するための中間転写ローラと、該中間転写ローラに転写されたトナー画像がさらに転写され、かつ該転写されたトナー画像が印刷媒体に溶融転写される中間転写ベルト或いは中間転写ローラとから構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】液体トナーを液体現像液として用いて、静電潜像の形成される画像支持体上に接触して液体現像液を供給し、かつ前記画像支持体との間に生成される電界に応じて、該液体現像液のトナー粒子を前記画像支持体に付着させてトナー画像を形成する現像部と、該画像支持体上のトナー画像を転写するための中間転写部と、中間転写部に転写されたトナー画像を、印刷媒体との接触部において加熱溶融して、印刷媒体に溶融転写する転写定着部とから成る液体現像電子写真装置において、前記中間転写部は、前記画像支持体との間の電界に従って、該画像支持体上のトナー画像を転写するための中間転写ローラと、該中間転写ローラに転写されたトナー画像がさらに転写され、かつ該転写されたトナー画像が印刷媒体に溶融転写される中間転写ベルトとを備えたことから成る液体現像電子写真装置。
【請求項2】前記中間転写ローラから中間転写ベルトにトナー画像を転写しているときを除いて、中間転写ローラと中間転写ベルトを分離する機構を備えて、加熱された中間転写ベルトの熱が中間転写ローラを介して前記画像支持体に伝達するのを防止した請求項1に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項3】前記中間転写ベルトを、印刷媒体との接触後の位置であってかつ中間転写ローラに接触する前の位置において冷却する手段、及び前記中間転写ローラを冷却する手段を設けた請求項2に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項4】前記中間転写ローラの冷却は、中間転写ローラ内部にフィンを設けると共に、エアーを吹きかけることにより行うものである請求項3に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項5】前記中間転写ベルトの厚みを5〜50μmとして、熱容量を小さくすることにより印刷媒体との接触部において加熱された後、自然冷却するよう構成した請求項2に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項6】前記中間転写ベルト上のトナー画像を加熱溶融するために定着ヒートローラを設け、該定着ヒートローラ及び中間転写ベルトは、表面に弾性層を持たせることにより印刷媒体とのニップ部でトナー画像を確実に押し付けることにより表面粗さの比較的粗い上質紙等にも溶融転写を可能とした請求項5に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項7】前記画像支持体を感光ドラムによって構成し、各色トナー画像を順次感光ドラムから中間転写ローラに、そこから中間転写ベルトに転写して、該中間転写ベルト上で複数色のトナー画像を重ね合わせるよう構成すると共に、感光ドラム及び中間転写ローラのそれぞれの周長を、画像領域の縦方向長さよりも短くして、装置の小型化を図った請求項2に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項8】前記画像支持体を感光ドラムによって構成し、各色トナー画像を順次感光ドラムから中間転写ローラに転写して、該中間転写ローラ上で重ね合わされた複数色のトナー画像を、複数色同時に中間転写ベルトに転写して、熱膨張による色重ね精度の影響を少なくした請求項2に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項9】前記中間転写ローラと中間転写ベルトの分離は、中間転写ベルトを待避させることによって行う請求項2又は請求項8に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項10】前記中間転写ローラ上で重ね合わされた複数色のトナー画像を、複数色同時に中間転写ベルトに転写した後、次の印字画像が中間転写ローラ上に形成されている間に、中間転写ベルトの回転速度を落とすと共に、定着ヒータの温度を低く設定した請求項8に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項11】前記中間転写ローラ上で重ね合わされた複数色のトナー画像を、複数色同時に中間転写ベルトに転写した後、前記中間転写ベルト上のトナー画像を加熱溶融するまでの間の位置に、キャリア除去装置を設けた請求項8に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項12】前記キャリア除去装置は、前記中間転写ベルト上に複数色のトナー画像が転写された後、次の印字画像が中間転写ローラ上に形成されるまでの間に中間転写ベルト上のトナー画像が加熱されキャリア液が除去される請求項11に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項13】前記キャリア除去装置は、中間転写ベルト上にトナー画像が転写され、定着ヒートローラを通過する間は待避され、そして、トナー画像が定着ヒートローラで加熱溶融し、トナーが冷えて固まった状態のときに接触してキャリアを除去する請求項12に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項14】前記中間転写ローラ上にキャリア除去装置を備え、該キャリア除去装置は、前記中間転写ローラ上に複数色トナーの全てが重ね合わされた後接触してキャリア除去を行う請求項8に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項15】印刷媒体搬送のための静電吸着ベルトを備え、該静電吸着ベルトは、前記転写定着部において印刷媒体への転写が行われるときのみ前記中間転写ベルトに接触させる待避機構を備えた請求項2に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項16】前記現像部を装置下部に装備し、かつ前記中間転写ベルトを装置上部に装備して、装置内の熱換気を効率化し、熱による画像支持体及び現像部の影響を防ぐよう構成した請求項2に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項17】前記現像部は、前記画像支持体としての感光ドラムに接触する1つの現像ベルトと、該現像ベルト下部に複数色のトナーをそれぞれ塗布するために水平方向に並置したトナー塗布機構と、現像後の現像ベルト上の残トナーを回収するため複数色のトナー毎に対応して設けられたトナー掻き取り機構とから構成して、トナーの漏れによる装置内の汚れを防ぐようにした請求項16に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項18】前記トナー塗布機構は、該機構下部から汲み上げるトナータンクを備え、かつ該トナータンクに接してトナー供給量を調整するローラをグラビアローラによって構成した請求項17に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項19】前記中間転写ベルトの裏側から前記中間転写ローラに接触させるように剛体ローラを当てた請求項1に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項20】前記中間転写ベルトは、表面層とその下の層とから成る2層構成とし、該表面層は下層より抵抗が高い素材で構成した請求項1に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項21】前記中間転写ローラは、下層に弾性のあるゴム素材を用いた請求項1に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項22】液体トナーを液体現像液として用いて、静電潜像の形成される画像支持体上に接触して液体現像液を供給し、かつ前記画像支持体との間に生成される電界に応じて、該液体現像液のトナー粒子を前記画像支持体に付着させてトナー画像を形成する現像部と、該画像支持体上のトナー画像を転写するための中間転写部と、中間転写部に転写されたトナー画像を、印刷媒体との接触部において加熱溶融して、印刷媒体に溶融転写する転写定着部とから成る液体現像電子写真装置において、前記中間転写部は、前記画像支持体との間の電界に従って、該画像支持体上のトナー画像を転写するための第一の中間転写ローラと、該第一の中間転写ローラに転写されたトナー画像がさらに転写され、かつ該転写されたトナー画像が印刷媒体に溶融転写される第二の中間転写ローラから構成される液体現像電子写真装置。
【請求項23】前記中間転写部を構成するローラ或いはベルトの素材として、低抵抗のものを用いた請求項1又は請求項22に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項24】前記中間転写部を構成するローラ或いはベルトの下層素材として、誘電率の高いものを用いた請求項1又は請求項22に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項25】前記中間転写部を構成するローラ或いはベルトの素材表面は、凹凸の少ない鏡面状態のものを用いた請求項1又は請求項22に記載の液体現像電子写真装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体トナーを用いる液体現像電子写真装置に関し、特に、加熱された中間転写ベルトの熱が中間転写ローラを介して感光ドラムに伝達するのを防止した液体現像電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】感光体(感光ドラム)に静電潜像を生成し、それにトナーを付着させて、紙などに転写して定着する電子写真装置では、粉体トナーを用いる乾式のものが広く用いられている。しかし、粉体トナーは、トナーが飛散するという問題点があるとともに、トナー粒子が7〜10μmと大きいことから解像度が悪いという問題点がある。
【0003】そこで、高い解像度が必要となる場合には、液体トナーを用いる液体現像方式のものが用いられる。液体トナーは、トナー粒子が1μm程度と小さいとともに、帯電量が大きいことでトナー画像の乱れが起きにくく、高い解像度を実現できるからである。
【0004】図7は、従来公知の液体現像方式の電子写真装置の全体構成を示している(例えば、特開2000−56575号公報参照)。感光ドラム10は、帯電装置21により帯電させられた後、露光装置22によって露光されて、静電潜像が形成される。プリウエット装置23は、シリコーンオイルを感光ドラム10の表面に塗布する。
【0005】現像装置24は、イエロー/マゼンタ/シアン/ブラックに対応付けて設けられ、不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナーを液体現像液として用いる。現像ローラは、液体現像液を感光ドラム10上に供給し、かつ該感光ドラム10との間に生成される電界に応じて、該液体現像液のトナー粒子を感光ドラム10に付着させる。
【0006】中間転写ローラ15は、感光ドラム10との間の電界に従って、感光ドラム10に付着された色のトナーを1つづつ転写する。中間転写ローラ15が、感光ドラム10との間の電界に従って、感光ドラム10に付着されたトナー粒子を転写するとき、トナー粒子と共に感光ドラム10から中間転写ローラ15に移動する過剰のプリウエット及び現像トナー層中のキャリアから成るオイルを除去する必要がある。そのため、図示した装置においては、中間転写ローラ15上に、オイル除去ローラ25が設けられている。
【0007】加熱装置28は、中間転写ローラ15の表面を加熱することで中間転写ローラ15に付着されるトナーを溶融する。加熱装置28による加熱は、全ての色のトナーを転写した後に行われることになる。加圧ローラ19は、加熱装置28により溶融された中間転写ローラ15上のトナーを印刷媒体に定着させる。なお、図中、26は、残留現像トナーを掻き取るためのブレード、27は、除電装置である。
【0008】感光ドラム10に付着された色のトナーは1つづつ転写されるために、既に転写された中間転写ローラ15上のトナーは、加熱前に、感光ドラム10と中間転写ローラ15の接触部を通過することが生じる。このとき、過剰のプリウエット液及びキャリアは、感光ドラム10と中間転写ローラ15の接触部に運ばれたときそこに溜まり、流れて、画像を乱したり、定着におけるトナー層の加熱、溶融に影響を与える。
【0009】図示の構成は、このような過剰のプリウエット液或いはキャリア液を除去することができる。しかし、この構成では、感光ドラム10と中間転写ローラ15との接触部において十分に熱が冷却されている必要がある。感光ドラム10の耐熱性から、その温度は60℃以下にする必要がある。このため、印字速度が速くなると、加熱装置と共に冷却装置も大掛かりなものとなるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題点を解決して、感光ドラムへの熱伝達を遮断して、感光ドラムの熱劣化を防ぐことを目的としている。
【0011】また、本発明は、実質的なスループットを下げることなく、効率よく加熱、冷却することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の液体現像電子写真装置は、液体トナーを液体現像液として用いて、静電潜像の形成される画像支持体上に接触して液体現像液を供給し、かつ前記画像支持体との間に生成される電界に応じて、該液体現像液のトナー粒子を前記画像支持体に付着させてトナー画像を形成する現像部と、該画像支持体上のトナー画像を転写するための中間転写部と、中間転写部に転写されたトナー画像を、印刷媒体との接触部において加熱溶融して、印刷媒体に溶融転写する転写定着部とから構成される。中間転写部は、前記画像支持体との間の電界に従って、該画像支持体上のトナー画像を転写するための中間転写ローラと、該中間転写ローラに転写されたトナー画像がさらに転写され、かつ該転写されたトナー画像が印刷媒体に溶融転写される中間転写ベルトとを備えることを特徴としている。
【0013】また、本発明の液体現像電子写真装置は、中間転写部は、画像支持体との間の電界に従って、該画像支持体上のトナー画像を転写するための第一の中間転写体と、該第一の中間転写体に転写されたトナー画像がさらに転写され、かつ該転写されたトナー画像が印刷媒体に溶融転写される第二の中間転写体から構成されることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に従って本発明を詳細に説明する。図1は、本発明を具体化する液体現像方式の電子写真装置の第一の構成例を示す図である。なお、本発明は、不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナーを液体現像液として用いるものであるが、液体トナーは、液体キャリア(オイル)中に顔料などの固体粒子を分散させたものである。
【0015】図示した液体現像電子写真装置は、装置の最下部に設けられる現像部と、その上の中間転写部と、装置最上部に位置する転写定着部とから構成される。現像部は、イエロー/マゼンタ/シアン/ブラックに対応付けて設けられる。1つの感光ドラム(感光体)10が設けられて、この感光ドラム10を約700Vに帯電させるための帯電器が備えられる。また、この帯電器の前に、図示しない除電装置が設けられて、感光ドラム10上の残存電位を除電する。矢印で示す露光は、帯電した感光ドラム10を画像データに基づき、例えば、780nmの波長を持つレーザ光を使って行われる。これによって、感光ドラム10上に、露光部分の電位が約100Vとなる静電潜像が形成される。露光後、現像前の位置に、プリウエット装置が設けられている。プリウエット装置は、従来公知の技術を用いて、2.5 cSt〜500cSt程度の粘度を持つシリコーンオイルを4〜5μmの厚さで感光ドラム10の表面に塗布することができる。
【0016】現像部は、各色共通の1つの現像ベルトと、該現像ベルト上に液体トナーを供給して塗布するためにイエロー/マゼンタ/シアン/ブラックに対応付けて設けられるトナー供給ローラと、現像後に現像ベルト上に残留するトナーを掻き取るための各色毎のブレードから構成される。トナー供給ローラ及びトナー掻き取りブレードは、現像ベルト下側にそれぞれ水平方向に並置される。トナー供給ローラは、各色トナー毎に、通常複数のローラから構成されて、トナー粘度が100〜4000mPa・Sで、キャリア粘度が20〜500cSt、好適には100cStを持つ液体トナーを、トナー溜まり(トナータンク)から汲み上げて薄く延ばしながら搬送していくことで現像ベルト上に所定の層厚(例えば、4〜10μm)で液体トナーを塗布する。このトナータンクに接してトナー供給量を調整するローラをグラビアローラ(パターンドローラ)によって構成することができる。このように現像部を下部に配置したことにより、仮にトナーが漏れたとしても、装置内の汚れを防ぐことが可能となる。
【0017】現像ベルトは、約400V〜600Vのような所定の電圧にバイアスされて、感光ドラム10との間の電界に従って、正に帯電しているそのトナーを感光ドラム10に供給する。これによって、約100Vに帯電される感光ドラム10上の露光部分にトナーを付着させて、感光ドラム10上の静電潜像を現像し、画像を形成する。
【0018】第一中間転写体としての中間転写ローラ15は、約−800Vにバイアスされて、各感光ドラム10との間の電界に従って、感光ドラム10に付着されたトナーを転写する。この中間転写ローラ15は、先ず最初に、第一の色の例えばイエローの液体トナーを用いて現像されたトナー画像を転写し、続いて、第二の色の例えばマゼンタの液体トナーを用いて現像されたトナー画像を転写し、続いて、第三の色の例えばシアンの液体トナーを用いて現像されたトナー画像を転写し、最後に、第四の色の例えばブラックの液体トナーを用いて現像されたトナー画像を転写することになる。このように、第一〜第四の4色のトナー画像は、中間転写ローラ15を4回転させることにより、順次中間転写ローラ15上に重ね合わされて、カラー画像が形成される。中間転写ローラ15上にキャリア除去ローラを備えて、中間転写ローラ上に4色トナーの全てが重ね合わされた後に接触して余剰のキャリア及びプリウエット液を取り除くことができる。
【0019】その後さらに、第二中間転写体としてのベルト構成の中間転写ベルト16上に、4色カラー画像は静電的に転写される。そして、キャリア除去部でキャリア液体が除去された後、中間転写ベルト16上のトナー画像は、定着ヒートローラにより加熱溶融されて、媒体搬送ベルト上を搬送される印刷媒体との接触部において印刷媒体に溶融転写される。
【0020】中間転写ローラ上で重ね合わされた4色のトナー画像を、4色同時に中間転写ベルトに転写した後、次の印字画像が中間転写ローラ15上に形成されている間に、中間転写ベルトの回転速度を落とすことが可能であり、かつ、回転速度を落とすことにより、定着ヒータの温度を低く設定することが可能となる。
【0021】また、前述したように4色トナー画像を中間転写ローラ15上で重ね合わせることに代えて、4色トナー画像を順次感光ドラム10から中間転写ローラ15に、そこから中間転写ベルト16に1色づつ転写して、該中間転写ベルト16上で、4色のトナー画像を重ね合わせるよう構成することができる。その際、感光ドラム10及び中間転写ローラ15のそれぞれの周長を、画像領域の縦方向長さよりも短く、例えば、それぞれの周長を、画像領域の縦方向長さの半分にして、感光ドラム10及び中間転写ローラ15の2回転で、1つの画像を完成するように構成することができる。これによって、装置の小型化を図ることができる。
【0022】中間転写ベルトは、ポリイミドの上に5〜50μmのシリコンゴム或いはフロロシリコンゴムをコーティングすることによりローラ表面に弾性層を持たせることができる。このような弾性層により、印刷媒体とのニップ部でトナー画像を確実に押し付けることにより表面粗さの比較的粗い上質紙等にも溶融転写を可能にする。中間転写ベルト16上に液体トナーで形成された画像にはキャリア液体が含まれており、複数のローラから構成されるように例示したキャリア除去部では、このキャリアオイル分が除去される。このキャリア除去部は、中間転写ベルト16上の中間転写ローラ15との接触部と、中間転写ベルト上のトナー画像を加熱溶融するまでの間において適宜の位置に設けられる。
【0023】このキャリア除去は、中間転写ベルト上に4色のトナー画像が転写された後、次の印字画像が中間転写ローラ上に形成されるまでの間に行うことができる。キャリア除去装置は、中間転写ベルト16上にトナー画像が転写されている間、及び定着ヒートローラを通過する間は待避され、そして、トナー画像が定着ヒートローラで加熱溶融された後、トナーが冷えて固まった状態のときにのみ接触してキャリアを除去するよう構成することができる。
【0024】印刷媒体は、例えば、静電気力により吸着して搬送する静電吸着ベルト上を搬送されて、転写定着部において、中間転写ベルト16上のトナー画像が、溶融転写・定着させられる。この静電吸着ベルトは、転写定着部において印刷媒体への転写が行われるときのみ中間転写ベルトに接触させる待避機構を備えることができる。
【0025】定着ヒートローラによる加熱は、中間転写ベルト16上のトナー画像を溶融させて、印刷媒体への転写定着を行うためであるが、このように加熱された中間転写ベルト16は、転写定着後に、冷却する必要がある。これは、印刷媒体との接触後の位置であってかつ中間転写ローラに接触する前の位置において行われ、例えば、中間転写ベルト16を巻き掛けたローラを冷却ローラとすることにより行うことができる。この冷却ローラは、内部にフィンを備えて、エアーを吹きかけて冷却を行うこともできる。冷却を行うのは、感光ドラムに熱が伝達して感光ドラムを熱劣化させるのを防ぐためである。
【0026】また、中間転写ベルトの厚みを5〜50μmとして、熱容量を小さくすることにより印刷媒体との接触部において加熱された後、自然冷却するよう構成することも可能である。
【0027】さらに、中間転写ベルトだけでなく、中間転写ローラを冷却する手段を設けることができる。これは、中間転写ローラ内部にフィンを設けると共に、例えばファンを用いてこのフィンにエアーを吹きかけることにより行うことができる。
【0028】このように、図示の液体現像電子写真装置は、装置最上部に、多量の熱を発生する転写定着部を備えたために、装置内の熱排出を効率よく行うことができ、それによって、また、中間転写ベルト16の冷却を効率化することが可能となる。また、液体トナーを扱う現像部を装置最下部に設けたために、仮に液体トナーが漏れたとしても、印刷媒体を汚し難い配置となっている。
【0029】そして、図示の構成は、中間転写ベルト16と中間転写ローラ15との間は、トナー画像が転写されるとき以外は、分離するよう構成される。これは、中間転写ベルトを待避させる機構によって行うことができる。これによって、中間転写ベルト16から中間転写ローラ15に、そしてそこから感光ドラム10への熱の伝達を遮断することが可能になる。また、中間転写ベルト16に転写後、中間転写ベルト16の回転速度を、4分の1にまで落とすことにより、中間転写ベルト16の加熱温度を下げることが可能となる。
【0030】図2は、本発明を具体化する液体現像方式の電子写真装置の第二の構成例を示す図である。図示した液体現像電子写真装置は、装置の最上部に設けられた現像部の下に中間転写部が設けられ、そしてその下に印刷媒体に転写定着する転写定着部が設けられている。そして、中間転写部として、それぞれローラ構成の一次と二次の2つの中間転写体が設けられている。このように、ローラからローラに転写するよう構成したことにより、安定な接触を確保することができ、また、両ローラ間のニップ圧を容易に上げることが可能となる。
【0031】二次中間転写体素材は、表面層とその下の層の二層構造として、その表面層に下層よりも抵抗を高くすることが望ましい。これによって、二次中間転写体表面方向に流れる電流を抑制することができる。静電二次転写時に、トナーが表面方向に散るのを防ぎ、画像のエッジがよりシャープになる。
【0032】一次中間転写体素材は、下層に弾性のあるゴム素材を用いることができる。弾性のあるゴム素材を用いることにより、一次中間転写体と二次中間転写体の密着性が上がり、両者の当たりムラが無くなって均一に転写することが可能となる。
【0033】一次及び二次中間転写体素材は、トナー自体の抵抗よりも低抵抗のものを用いることが望ましい。図5は、これを説明するための図である。静電二次転写時に、一次中間転写体と二次中間転写体は、その間にトナー層を介在させた状態で、バイアス電圧Vが印加されている。これをモデル化して、図5の左側に示し、かつその等価回路を右側に示している。一次中間転写体の抵抗R1及び二次中間転写体の抵抗R2を小さくすることにより、トナー層に印加される電圧Vtを大きくして、トナー層にかかる電界Eを大きくすることが可能となる。
【0034】一次及び二次中間転写体素材は、その下層に誘電率の高い素材を用いることが望ましい。誘電率の高い素材は、静電容量が大きく、動作状態では静止状態よりも多くの電流を流す。抵抗値の低い素材を用いると同時に、誘電率の高いものを用いることでさらに電流が流れやすくなり、動作状態で、抵抗がより低く見える。
【0035】一次及び二次中間転写体素材は、凹凸の少ない鏡面状態のものを用いることが望ましい。図6は、これを説明するための図である。図6の左側の図は、中間転写体表面に凹凸がある状態をモデル化して示している。図6の中央の図は、この凹凸の上にトナー層が転写された状態を示している。このトナー層が、図6の右側の図に示すように、次の転写媒体に転写されるときには、トナー層の表面に凹凸が現れることになる。画像印刷の品質を上げるために、中間転写体表面はできるだけ滑らかなものを用いることが望ましい。
【0036】図3は、本発明を具体化する液体現像方式の電子写真装置の第三の構成例を示す図である。図示した液体現像電子写真装置もまた、中間転写部として、一次と二次の2つの中間転写体が設けられる。図1に例示した装置と同じく、その一次中間転写体をローラにより、そして二次中間転写体をベルトにより構成したものである。ローラからベルトに転写するよう構成することにより、ニップ幅が拡がり、転写時間を長く取ることが可能となる。転写時間を長く取ることにより転写効率を上げることができる。
【0037】図4は、本発明を具体化する液体現像方式の電子写真装置の第四の構成例を示す図である。図示した液体現像電子写真装置は、図3に例示した装置と同じく、中間転写部の一次中間転写体をローラにより、二次中間転写体をベルトにより構成したことに加えて、ベルトの裏側から剛体ローラを当てたものである。これによって、一次転写ローラと二次転写ベルトの接触の安定性を増すことができる。
【0038】
【発明の効果】本発明は、一次中間転写体から二次中間転写体にトナー画像を転写しているときを除いて、一次と二次の中間転写体を分離する機構を備えたことにより、加熱された二次中間転写体の熱が一次中間転写体を介して感光ドラムに伝達して、感光ドラムが熱劣化するのを防ぐことができる。また、これによって、実質的なスループットを下げずに効率よく加熱、冷却が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社ピーエフユー
【出願日】 平成12年4月21日(2000.4.21)
【代理人】 【識別番号】100074848
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 寛 (外1名)
【公開番号】 特開2001−305886(P2001−305886A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−120250(P2000−120250)