| 【発明の名称】 |
中間転写体及びそれを備えた画像形成装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】福田 茂
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| 【要約】 |
【課題】抵抗のバラツキが小さく、かつ抵抗の環境変動が小さくて、画像形成装置側での湿度計測及びそれにともなう制御を必要としない中間転写体及びそれを備えた画像形成装置の提供。
【解決手段】基材を有する中間転写体であって、該基材が、自己ドープ型導電ポリマーを含有することを特徴とする中間転写体である。基材上に少なくとも表面層を有する中間転写体であって、該表面層が、自己ドープ型導電ポリマーを含有することを特徴とする中間転写体である。前記自己ドープ型導電ポリマーが、ドーパントとして少なくともスルホン酸基を有するポリアニリンである態様が好ましい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基材を有する中間転写体であって、該基材が、自己ドープ型導電ポリマーを含有することを特徴とする中間転写体。 【請求項2】 基材上に少なくとも表面層を有する中間転写体であって、該表面層が、自己ドープ型導電ポリマーを含有することを特徴とする中間転写体。 【請求項3】 前記自己ドープ型導電ポリマーが、ドーパントとして少なくともスルホン酸基を有するポリアニリンである請求項1又は2に記載の中間転写体。 【請求項4】 28℃85%RHにおける中間転写体の転写面の表面抵抗率と、10℃15%RHにおける中間転写体の転写面の表面抵抗率との比が、2桁以内である請求項1から3のいずれかに記載の中間転写体。 【請求項5】 23℃50%RHにおける中間転写体の転写面の表面抵抗率が、1×1010〜1×1014Ω/□である請求項1から4のいずれかに記載の中間転写体。 【請求項6】 画像情報に応じた静電潜像を形成する像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像装置と、前記像担持体に担持されたトナー像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、該中間転写体上のトナー像を記録媒体に転写する二次転写手段とを有する画像形成装置において、前記中間転写体が、請求項1から5のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置及びそれに用いられる中間転写体に関する。 【0002】 【従来の技術】電子写真方式を用いた画像形成装置は、光導電性感光体からなる像担持体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー光等で静電潜像を形成した後、帯電したトナーで前記静電潜像を現像して可視化したトナー像とする。そして、上記トナー像を中間転写体を介して、あるいは直接記録紙等の転写材に静電的に転写することにより所要の再生画像を得る。 【0003】特に、上記像担持体に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、更に中間転写体上のトナー像を記録紙に二次転写する方式を採用した画像形成装置として、特開昭62−206567号公報等に開示されたものが知られている。前記中間転写体方式を採用した画像形成装置に用いられるベルト材料としては、ポリカーボネート樹脂(特開平6−95521号公報)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)(特開平5−200904号公報、特開平6−228335号公報)、ポリアルキレンフタレート(特開平6−149081号公報)、PC(ポリカーボネイト)/PAT(ポリアルキレンテレフタレート)のブレンド材料(特開平6−149083号公報)、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)/PC,ETFE/PAT,PC/PATのブレンド材料(特開平6−149079号公報)等の熱可塑性樹脂の導電性の無端ベルトを用いる提案がなされている。 【0004】しかし、電気特性、機械特性以外にトナーを転写−搬送するといった役割が中間転写体には必要とされるが、上記ベルト材料では、この役割を充分に果たすことはできず、特開平7−28266号公報においてはフッ素系樹脂を被覆することでトナー固着を防止することが提案されている。また、このような被覆層は基材と同様に抵抗を所望の値に制御することが必要とされ、特開平8−50419号公報においては基材層の抵抗よりも高い抵抗を持った被覆層が提案されている。 【0005】被覆層の抵抗制御においては、カーボンブラックや金属酸化物といった導電性粒子を樹脂中に混合する方法がよく知られているが、中間転写体に必要とされる抵抗領域は体積固有抵抗で1×1010程度と高いため制御が困難であり、抵抗のバラツキが大きくなる。また、ポリエチレンオキサイドやポリアミド系といったイオン電導性をもつ樹脂もしくはイオン導電性基を導入した樹脂を混合する場合には、中間転写体に必要とされる抵抗領域を容易に達成可能かつ抵抗のバラツキも小さくなるが、抵抗の環境変動が2桁以上あり、画像形成装置側で湿度を測定しながら転写条件を制御するという問題点があった。ここで言う抵抗の環境変動とは、28℃85%(高温高質)での抵抗率と10℃15%(低温低湿)での抵抗率との比である。 【0006】また、導電性ポリマーの使用が検討されており、これはドーパントをドーピングすることで導電性を発現できるが、この状態では不溶である。そのため、特開平5−262991号公報に示されているように、加熱時にドーパントを放出するものを用いたり、ドーパントを加えゲル化したものを加工するといったことが必要であった。また、特開平8−259709号公報では、ポリイミドに、ドープ状態のポリアニリンを含むポリマーブレンドからなる半導電性樹脂シートが提案されているが、ドープ状態のポリアニリンを得る際に、脱ドープ状態のポリアニリン溶液とドーパントを含む溶液とを混合するが、このときドープ状態となったポリアニリンがゲル化してしまい、製品化が困難であるという問題があった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、抵抗のバラツキが小さく、かつ抵抗の環境変動が小さくて、画像形成装置側での湿度計測及びそれにともなう制御を必要としない中間転写体及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、<1> 基材を有する中間転写体であって、該基材が、自己ドープ型導電ポリマーを含有することを特徴とする中間転写体である。 <2> 基材上に少なくとも表面層を有する中間転写体であって、該表面層が、自己ドープ型導電ポリマーを含有することを特徴とする中間転写体である。 <3> 前記自己ドープ型導電ポリマーが、ドーパントとして少なくともスルホン酸基を有するポリアニリンである前記<1>又は<2>に記載の中間転写体である。 <4> 28℃85%RHにおける中間転写体の転写面の表面抵抗率と、10℃15%RHにおける中間転写体の転写面の表面抵抗率との比が、2桁以内である前記<1>から<3>のいずれかに記載の中間転写体である。 <5> 23℃50%RHにおける中間転写体の転写面の表面抵抗率が、1×1010〜1×1014Ω/□である前記<1>から<4>のいずれかに記載の中間転写体である。 <6> 画像情報に応じた静電潜像を形成する像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像装置と、前記像担持体に担持されたトナー像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、該中間転写体上のトナー像を記録媒体に転写する二次転写手段とを有する画像形成装置において、前記中間転写体が、前記<1>から<5>のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置である。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。 [中間転写体]本発明の中間転写体は、基材を有する中間転写体、あるいは、基材上に少なくとも表面層を有する中間転写体である。前記基材を有する中間転写体は、該基材中に、少なくとも自己ドープ型導電ポリマーを含有し、前記基材上に少なくとも表面層を有する中間転写体は、該表面層中に、少なくとも自己ドープ型導電ポリマーを含有する。 【0010】(自己ドープ型導電ポリマー)本発明において、自己ドープ型導電ポリマーとは、導電ポリマーの導電性を発現させるために必要なドーパントを導電ポリマー分子内に一体化したものをいう。前述のように、例えば脱ドープ状態のポリアニリン溶液とドーパントを含む溶液とを混合すると、ドープ状態されたポリアニリンがゲル化してしまいという問題があった。これは、A-で表されるドーパントが下記構造式で表されるように、窒素原子に配位しているため、非溶解性になるものと考えられる。 【0011】 【化1】
【0012】一方、本発明に用いられる自己ドープ型導電ポリマーは、ゲル化することなく得ることができ、また、ドーパントが導電ポリマーを構成する芳香族環や複素環等に結合しているため、ある程度の溶解性を有するという利点がある。このような自己ドープ型導電ポリマーを含有することにより、好ましい抵抗領域を有し、かつ抵抗のバラツキが小さい中間転写体を得ることができる。抵抗のバラツキが小さくなるのは、自己ドープ型導電ポリマーは皮膜中に分子レベルで均一分散するためと考えられる。また、抵抗の環境変動が小さくなるのは、自己ドープ型導電ポリマーは電子導電性を示すためである。 【0013】前記自己ドープ型導電ポリマーを構成する導電ポリマーとしては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン等を用いることができ、なかでも、安定性に優れている点で、ポリアニリンが好ましく用いられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記導電ポリマーをドーピングして導電性とすることができるドーパントとしては、例えば、スルホン酸、燐酸、塩化スルホニル等の無機酸及び有機カルボン酸、フェノール等の有機酸を用いることができ、なかでも、溶解性及び導電性の点で、スルホン酸が好ましく用いられる。以下に、本発明において、特に好ましい自己ドープ型導電ポリマーの一例を示すが、本発明は、これらに何ら限定されるものではない。 【0014】 【化2】
【0015】前記自己ドープ型導電ポリマーの重量平均分子量は、特に制限されることはなく、ポリマーの種類等に応じて、適宜選択することができるが、1000〜100万が好ましく、5000〜10万がより好ましい。該重量平均分子量が5000未満であると、結着樹脂の強度が低下することがあり、一方、該重量平均分子量が10万を超えると、結着樹脂との混合が困難となることがある。 【0016】前記導電ポリマーを自己ドープ型導電ポリマーにするには、ドーパントと導電ポリマーとを反応させる必要がある。導電ポリマーを合成後に、ドーパントを付加させることも可能であるが、導電ポリマーのモノマー状態の時にドーパントを付加させ、重合させる方法がより好ましい。本発明に用いられる自己ドープ型導電ポリマーの合成方法は、例えば、J.Am.Chem.Soc.,1991,113,2665−2666.に詳しく記載されている。 【0017】前記自己ドープ型導電ポリマーは、結着樹脂と共に、基材中に、あるいは基材上の表面層中に含有される。前記結着樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリカーボネートといった熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂といった熱硬化性の樹脂を好ましく用いることができる。前記自己ドープ型導電ポリマーの添加量は、前記結着樹脂の重量に対し0.5〜50重量%が好ましく、0.5〜20重量%がより好ましい。該添加量が0.5重量%未満であると、導電性が発現しなくなることがあり、一方、該添加量が50重量%を超えると、結着樹脂の強度が低下することがある。 【0018】(基材)本発明の中間転写体の基材は、基材のみからなる中間転写体の場合は、ベルト形状のものであるが、基材上に表面層を有する中間転写体の場合は、ベルト形状のものに加え、ドラム形状のものでもよい。ベルト形状の中間転写体とする場合、用いられる基材としては、ヤング率が200MPa(200kg/mm2)以上の材料からなることが好ましく、300MPa(300kg/mm2)以上の材料からなることがより好ましい。ヤング率が200MPa未満の材料からなる場合には、クリーニングブレードがあたる等の駆動時の外乱によってベルトが変形し、転写部に悪い影響を与える等の問題が発生することがある。 【0019】このような材料としては、前記結着樹脂の他に、例えば、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフロロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等の樹脂材料及びこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。更に、前記樹脂材料と弾性材料とをブレンドして用いることができる。前記弾性材料としては、例えば、塩素化ポリイソプレン、NBR、クロロピレンゴム、EPDM、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。 【0020】本発明の中間転写体が、ドラム形状である場合には、前記基材としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、銅等で形成された円筒状基材を用いることが好ましい。この円筒状基材上に、必要に応じて弾性層を被覆し、該弾性層上に前記表面層を形成することができる。 【0021】(表面層)本発明の中間転写体の表面層には、前記結着樹脂の代わりにゴム材料を用いてもよい。また、本発明の中間転写体の表面層には、低表面エネルギーの材料を含有することが好ましい。該低表面エネルギーの材料は、トナー離れに優れるため、2次転写での記録媒体への転写性に優れ、高転写画質を得ることができる。前記低表面エネルギーの材料としては、例えば、フッ素系材料、シリコン系材料、あるいはこれらを主成分とする材料、フッ素樹脂粉末、シリコン樹脂、シリコーンオイル成分を分散してなる材料等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、表面を平滑にするための各種界面活性剤や酸化防止剤といった添加剤を添加してもよい。 【0022】本発明の中間転写体の表面層の形成方法としては、特に制限されることはなく、前記自己ドープ型導電ポリマー及び結着樹脂を少なくとも含み、好ましくはその他の添加剤を含む塗料を用いて形成することができる。前記塗料を用いた塗布方法としては、刷毛塗り、ディピング法、スプレー法、ロールコーター法等を採用することができ、例えば、スプレー法により、一般に10〜60μm厚、好ましくは15〜50μm厚の表面層を形成することができる。表面層の層厚が10μm未満であると、像担持体と圧接を繰り返すことから、該表面層が磨耗して、前記基材あるいは前記基材と表面層との間に有する層が露出する恐れがあり、また、表面層を塗布法で形成する場合、均一な膜を形成することが困難になる。一方、表面層の層厚が60μmを超えると、表面に液ダレが生じ易く、平滑かつ均一な塗膜を安定して形成することが困難になる。 【0023】(表面抵抗率)本発明の中間転写体は、23℃50%RHにおける転写面の表面抵抗率が1×1010〜1×1014Ω/□であることが好ましく、1×1011〜1×1013Ω/□であることがより好ましい。この表面抵抗率が1×1014Ω/□より高い場合には、一次転写部の像担持体と中間転写体とが剥離するポストニップ部で剥離放電が発生し易くなり、放電が発生した部分は、白抜けする画質欠陥が発生することがある。一方、該表面抵抗率が1×1010Ω/□未満の場合には、プレニップ部での電界強度が強くなり、プレニップ部でのギャップ放電が発生し易くなるために画質の粒状性が悪化することがある。従って、前記表面抵抗率を、上記範囲とすることで、表面抵抗率が高い場合に発生する放電による白抜け、表面抵抗率が低い場合に発生する画質の悪化を防止することができる。また、本発明においては、28℃85%RHにおける中間転写体の転写面の表面抵抗率と、10℃15%RHにおける中間転写体の転写面の表面抵抗率との比が、2桁以内であることが好ましい。 【0024】本発明の中間転写体において、転写面の表面抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「HRプローブ」)を用い、JIS K6991に従って測定することができる。前記表面抵抗率の測定方法を図を用いて説明する。図3は、円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。図3に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間に中間転写体Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(1)により、中間転写体Tの転写面の表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出することができる。ここで、下記式(1)中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。 式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I) 【0025】(体積抵抗率)本発明の中間転写体は、23℃50%RHにおける体積抵抗率が1×108〜1×1013Ωcmであることが好ましく、1×109〜1×1012Ωcmであることがより好ましい。この体積抵抗率が1×108ΩCm未満である場合には、像担持体から中間転写体に転写された未定着トナー像の電荷を保持する静電的な力が働きにくくなるため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい(ブラー)、ノイズの大きい画像が形成されることがある。一方、前記体積抵抗率が1×1013Ωcmより高い場合には、電荷の保持力が大きいために、1次転写での転写電界で中間転写体表面が帯電するために除電機構が必要となることがある。従って、前記体積抵抗率を、上記範囲とすることで、トナーが飛散したり、除電機構を必要とする問題を解消することができる。 【0026】本発明の中間転写体において、体積抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、JIS K6991に従って測定することができる。前記体積抵抗率の測定方法を図を用いて説明する。図4は、円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。図4に示す円形電極は、第一電圧印加電極A’と第二電圧印加電極B’とを備える。第一電圧印加電極A’は、円柱状電極部C’と、該円柱状電極部C’の外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部C’を一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部D’とを備える。第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’及びリング状電極部D’と第二電圧印加電極B’との間に中間転写体Tを挟持し、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(2)により、中間転写体Tの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式(2)中、tは中間転写体Tの厚さを示す。 式(2) ρv=19.6×(V/I)×t【0027】上記構成の本発明の中間転写体は、表面抵抗率の面内バラツキや体積抵抗率のバラツキが小さく、これら抵抗の環境による変動が少ないという優れた性質を有する。上記本発明の中間転写体は、電子写真複写機やレーザープリンタ等の画像形成装置に用いることができる。 【0028】[画像形成装置]本発明の画像形成装置は、画像情報に応じた静電潜像を形成する像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像装置と、前記像担持体に担持されたトナー像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、該中間転写体上のトナー像を記録媒体に転写する二次転写手段とを有する画像形成装置であって、前記中間転写体が、上記本発明の中間転写体であることを特徴とする。本発明の画像形成装置は、上記本発明の中間転写体を備えているため、高品質の転写画質を安定して得ることができる。 【0029】本発明は、中間転写体方式の画像形成装置であれば、特に限定されるものではない。例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、感光体ドラム等の像担持体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等のいずれでもよい。 【0030】本発明のベルト状中間転写体を用いたカラー画像形成装置の概略図を図1に示す。該画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラム1、中間転写体としての中間転写ベルト2、転写電極であるバイアスローラ3(第二転写手段)、転写媒体である記録紙を供給する用紙トレー4、Bk(ブラック)トナーによる現像器5、Y(イエロー)トナーによる現像器6、M(マゼンタ)トナーによる現像器7、C(シアン)トナーによる現像器8、中間転写体クリーナー9、剥離爪13、ベルトローラ21、23及び24、バックアップローラ22、導電性ローラ25(第一転写手段)、電極ローラ26、クリーニングブレード31、記録紙41、ピックアップローラ42、並びにフィードローラ43を有してなる。 【0031】図1において、感光体ドラム1は矢印A方向に回転し、図示しない帯電装置でその表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム1にレーザー書込み装置等の画像書き込み手段により第一色(例えば、Bk)の静電潜像が形成される。この静電潜像はブラック現像器5によってトナー現像されて可視化されたトナー像Tが形成される。トナー像Tは、感光体ドラム1の回転で導電性ローラ25(第一転写手段)が配置された一次転写部に到り、導電性ローラ25からトナー像Tに逆極性の電界を作用させることにより、上記トナー像Tは、静電的に中間転写ベルト2に吸着されつつ中間転写ベルト2の矢印B方向の回転で一次転写される。 【0032】以下、同様にして第2色のトナー像、第3色のトナー像、第4色のトナー像が順次形成され、中間転写ベルト2において重ね合わされ、多重トナー像が形成される。中間転写ベルト2に転写された多重トナー像は、中間転写ベルト2の回転でバイアスローラ3(第二転写手段)が設置された二次転写部に到る。二次転写部は、中間転写ベルト2のトナー像が担持された表面側に設置されたバイアスローラ3と該中間転写ベルト2の裏側からバイアスローラ3に対向するように配置されたバックアップローラ22及びこのバックアップローラ22に圧接して回転する電極ローラ26から構成される。 【0033】記録紙41は、用紙トレー4に収容された記録紙束からピックアップローラ42で一枚ずつ取り出され、フィードローラ43で二次転写部の中間転写ベルト2とバイアスローラ3との間に所定のタイミングで給送される。給送された記録紙41は、バイアスローラ3及びバックアップローラ22による圧接搬送と中間転写ベルト2の回転により、該中間転写ベルト2に担持されたトナー像が転写される。 【0034】トナー像が転写された記録紙41は、最終トナー像の一次転写終了まで退避位置にある剥離爪13を作動せることにより中間転写ベルト2から剥離され、図示しない定着装置に搬送され、加圧/加熱処理でトナー像を固定して永久画像とされる。尚、多重トナー像の記録紙41への転写の終了した中間転写ベルト2は、二次転写部の下流に設けた中間転写体クリーナ9で残留トナーの除去が行われて次の転写に備える。また、バイアスローラ3は、ポリウレタン等からなるクリーニングブレード31が常時当接するように取り付けられており、転写で付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。 【0035】単色画像の転写の場合、一次転写されたトナー像Tを直ちに二次転写して定着装置に搬送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合、各色のトナー像が一次転写部で正確に一致するように中間転写ベルト2と感光体ドラム1との回転を同期させて各色のトナー像がずれないようにする。上記二次転写部では、バイアスローラ3と中間転写ベルト2を介して対向配置したバックアップローラ22に圧接した電極ローラ26に、トナー像の極性と同極性の出圧(転写電圧)を印加することで、該トナー像を記録紙41に静電反発で転写する。 【0036】尚、上述のように、本発明は、中間転写体がドラム形状の場合であっても、該ドラム状中間転写体を中間転写ドラム方式の画像形成装置に転用することができる。中間転写ドラム方式の一例を図2に示す。図2は、中間転写ドラムを備えたカラー画像形成装置の概要図である。中間転写ドラム30が前記中間転写ベルト2に対応する。また、ベルトローラ21、23及び24は当然不要となり、バックアップローラ22に対応する電極部材は必ずしも必要ではない。かかる構成からなるカラー画像形成装置は、図1に示す画像形成装置とほぼ同様に動作するので、その作用の説明を省略する。 【0037】 【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。 (実施例1)自己ドープ型導電ポリマーであるポリアニリンスルホン酸(重量平均分子量:10,000)を既知の方法(J.Am.Chem.Soc.,1991,113,2665−2666.)に従って合成した。上記ポリアニリンスルホン酸とポリカーボネート樹脂とを2軸押し出し機で混合しながら押出しを行い、基材のみからなるφ168のベルト(中間転写体)を作製した。このときのポリアニリンスルホン酸の添加量は、ポリカーボネート樹脂の重量に対し、10重量%とした。得られた中間転写体の基材の厚さは85μmで、体積抵抗率が5×1010Ω・cm、表面抵抗率が7×1011Ω/□であった。 【0038】(実施例2)カーボンブラック15重量部とポリカーボネート樹脂100重量部とを2軸押し出し機で混合しながら押出しを行い、φ168のベルト(基材)を得た。得られたベルト(基材)の厚さは85μmで、体積抵抗率が5×1012Ω・cm、表面抵抗率が7×1011Ω/□であった。次に、2液混合タイプの水分散型ポリウレタン中に、スルホン化ポリアニリンに可溶性基を導入したモノマーを重合したものの水溶液(三菱レイヨン製Aqua PAS、自己ドープ型導電ポリマー)を混合したものを、上記基材表面に塗布し、表面層を形成して、中間転写体を作製した。このときのポリアニリンスルホン酸の添加量は、上記ポリウレタンの重量に対し、1重量%とした。得られた中間転写体の表面層の層厚は18μmで、体積抵抗率が5×1012Ω・cm、転写面の表面抵抗率が4×1011Ω/□であった。 【0039】(実施例3)水分散したアクリル樹脂中に、スルホン化ポリアニリンに可溶性基を導入したモノマーを重合したものの水溶液(三菱レイヨン製Aqua PAS、自己ドープ型導電ポリマー)を混合したものを、実施例2と同様に作製した基材の表面に塗布し、表面層を形成して、中間転写体を作製した。このときのポリアニリンスルホン酸の添加量は、上記アクリル樹脂の重量に対し、1重量%とした。得られた中間転写体の表面層の層厚は14μmで、体積抵抗率が3×1012Ω・cm、転写面の表面抵抗率が3×1011Ω/□であった。 【0040】(比較例1)カーボンブラック15重量部とポリカーボネート樹脂100重量部とを2軸押し出し機で混合しながら押出しを行い、基材のみからなるφ168のベルト(中間転写体)を作製した。得られた中間転写体の基材の厚さは85μmで、体積抵抗率が5×1012Ω・cm、表面抵抗率が7×1011Ω/□であった。 【0041】(比較例2)2液混合タイプの水分散型ポリウレタン100重量部中に、カーボンブラック12重量部を混合したものを、比較例1と同様に作製した基材表面に塗布し、表面層を形成して、中間転写体を作製した。得られた中間転写体の表面層の層厚は13μmで、体積抵抗率が3×1012Ω・cm、転写面の表面抵抗率が3×1011Ω/□であった。 【0042】(比較例3)2液混合タイプの水分散型ポリウレタン100重量部中に、エチレンオキサイドユニットを持つエピクロルヒドリンゴム30重量部を混合したものを、比較例1と同様に作製した基材表面に塗布し、表面層を形成して、中間転写体を作製した。得られた中間転写体の表面層の層厚は17μmで、体積抵抗率が7×1012Ω・cm、転写面の表面抵抗率が1×1012Ω/□であった。 【0043】(比較例4)アクリル樹脂をN,N−ジメチルアセトアミドに溶解したものに、ポリアニリンを溶解した溶液(ポリアニリンの2重量%溶液)を混合したものを調製した。この溶液へドーパントとしてp−トルエンスルホン酸のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(5重量%溶液)を加えたところ、ゲルが発生してしまった。比較例1と同様に作製した基材表面に表面層を形成しようとしたが、うまく中間転写体を作製することができなかった。 【0044】上記実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた中間転写体の表面抵抗率、体積抵抗率は、以下のような方法で測定した。また、表面抵抗率の面内バラツキ(最大値と最小値との差)、体積抵抗率のバラツキ(最大値と最小値との差)、抵抗率の28℃85%RHの高温高湿環境(H/H環境)と10℃15%RHの低温低湿環境(L/L環境)での抵抗変動幅の結果を下記表1に示す。尚、低温低湿環境(10℃15%RH)、及び高温高湿環境(28℃85%RH)以外の測定値は、総て23℃50%RHの環境下において測定を行った。測定は、サンプル、測定器を各環境下に12時間以上放置してから行った。 【0045】<表面抵抗率>表面抵抗率の計測は、上述したように、図3に示す円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧100(V)を印加し、10秒後の電流値より求めた。 【0046】<体積抵抗率>体積抵抗率の計測は、上述したように、図4に示す円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧100(V)を印加し、30秒後の電流値より求めた。 【0047】<表面抵抗率の面内バラツキ>表面抵抗率の面内バラツキ(最大値と最小値との差)は、作製した外径168mm、幅350mmの中間転写ベルトを長さ方向に8分割、幅方向に3分割し、ベルト面内24点について表面抵抗率を計測し、表面抵抗率の対数をとり、最大値と最小値との差をバラツキとした。 【0048】<体積抵抗率のバラツキ>体積抵抗率のバラツキ(最大値と最小値との差)は、作製した外径168mm、幅350mmの中間転写ベルトを長さ方向に8分割、幅方向に3分割し、ベルト面内24点について堆積抵抗率を計測し、堆積抵抗率の対数をとり、最大値と最小値との差をバラツキとした。 【0049】 【表1】
【0050】表1の結果から、実施例1〜3の自己ドープ型導電ポリマーを含む本発明の中間転写体は、表面抵抗率及び体積抵抗率の環境変動が小さく、かつ所望の抵抗領域でバラツキが少ないことがわかる。また、実施例2で得られた中間転写体をカラープリンター(富士ゼロックス製CLW3310)に装着して評価したところ、温湿度による転写条件変更なしに低温低湿時、高温高湿時とも良好な画像を得ることができた。 【0051】 【発明の効果】本発明によれば、抵抗のバラツキが小さく、かつ抵抗の環境変動が小さくて、画像形成装置側での湿度計測及びそれにともなう制御を必要としない中間転写体及びそれを備えた画像形成装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005496 【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年4月25日(2000.4.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079049 【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−305884(P2001−305884A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月2日(2001.11.2) |
| 【出願番号】 |
特願2000−124291(P2000−124291) |
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