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【発明の名称】 液体現像電子写真装置
【発明者】 【氏名】中島 豊

【氏名】稲本 彰彦

【氏名】上杉 茂紀

【氏名】本 悟

【氏名】高畠 昌尚

【氏名】市田 元治

【氏名】岡野 茂治

【氏名】竹田 靖一

【氏名】西川 禎

【氏名】宮本 悟司

【氏名】寺嶋 一志

【氏名】坂井 聡

【氏名】本川 浩永

【氏名】本江 雅信

【要約】 【課題】中間転写体に転写されたトナー粒子を効率的に加熱溶融すると同時に、媒体に定着させて、高効率、高定着強度、高画質な画像を得ることを目的とする。

【解決手段】中間転写体は、その上に画像を形成するトナー層から余剰なオイルを除去するためにトナー層に接触し、かつ、画像を保持する前記中間転写体にトナー粒子を押し付ける方向にバイアス電圧を印加したキャリア除去ローラを備えている。中間転写体の画像形成面の表面材料として、ジメチルシリコーンゴムを用い、さらに、ジメチルシリコーンゴムのキャリアオイルによる膨潤後の電気抵抗を1E4〜1E12Ωの半導電領域に設定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナーを液体現像液として用いて、静電潜像の形成される画像支持体上に接触して液体現像液を供給し、かつ前記画像支持体との間に生成される電界に応じて、該液体現像液のトナー粒子を前記画像支持体に付着させてトナー画像を形成する現像部と、前記画像支持体との間の電界に従って、該画像支持体上のトナー画像を転写するための中間転写体と、中間転写体に転写されたトナー画像を、印刷媒体との接触部において加熱溶融して、印刷媒体に溶融転写するためのヒータを含む転写定着部とから成り、前記中間転写体は、その上に画像を形成するトナー層から余剰なオイルを除去するためにトナー層に接触し、かつ、画像を保持する前記中間転写体にトナー粒子を押し付ける方向にバイアス電圧を印加したキャリア除去ローラを備え、前記中間転写体の画像形成面の表面材料として、表面エネルギーの小さい材料(例えば、ジメチルシリコーンゴム)を用い、さらに、表面材料の電気抵抗を1E4〜1E12Ωの半導電領域に設定した液体現像電子写真装置。
【請求項2】前記キャリア除去ローラにより余剰なオイルを除去した後、印刷紙への転写前に転写が行われない程度の転写方向電界力を印加することで、画像形成面へのトナー保持力が弱まり、高い紙への転写効率を実現した請求項1に記載の液体現像電子写真装置。
【請求項3】不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナーを液体現像液として用いて、静電潜像の形成される画像支持体上に接触して液体現像液を供給し、かつ前記画像支持体との間に生成される電界に応じて、該液体現像液のトナー粒子を前記画像支持体に付着させてトナー画像を形成する現像部と、前記画像支持体との間の電界に従って、該画像支持体上のトナー画像を転写するための中間転写体と、中間転写体に転写されたトナー画像を、印刷媒体との接触部において加熱溶融して、印刷媒体に溶融転写するためのヒータを含む転写定着部とから成り、前記中間転写体の画像形成面の表面材料として、表面エネルギーの小さい材料(例えば、ジメチルシリコーンゴム)を用い、さらに、表面材料の電気抵抗を1E4〜1E12Ωの半導電領域に設定し、OHP用紙のような透過性を必要とする印字を行う場合、このような用紙への転写前には余剰オイルを除去することなく溶融転写を行い、溶融転写後に、用紙に残った余剰オイルを除去することから成る液体現像電子写真装置。
【請求項4】不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナーを液体現像液として用いて、静電潜像の形成される画像支持体上に接触して液体現像液を供給し、かつ前記画像支持体との間に生成される電界に応じて、該液体現像液のトナー粒子を前記画像支持体に付着させてトナー画像を形成する現像部と、前記画像支持体との間の電界に従って、該画像支持体上のトナー画像を転写するための中間転写体と、中間転写体に転写されたトナー画像を、印刷媒体との接触部において加熱溶融して、印刷媒体に溶融転写するための加圧ローラを含む転写定着部とから成り、該加圧ローラの表面材料として、温度に応じて抵抗が半導電領域で変化する材料を用い、かつ印刷媒体に応じて温度を制御することで最適な電界力を印加することから成る液体現像電子写真装置。
【請求項5】不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナーを液体現像液として用いて、静電潜像の形成される画像支持体上に接触して液体現像液を供給し、かつ前記画像支持体との間に生成される電界に応じて、該液体現像液のトナー粒子を前記画像支持体に付着させてトナー画像を形成する現像部と、前記画像支持体との間の電界に従って、該画像支持体上のトナー画像を転写するためのヒートローラに少なくとも巻掛けられたベルト構成の中間転写体と、中間転写体に転写されたトナー画像を、印刷媒体との接触部において加熱溶融して、印刷媒体に溶融転写するための加圧ローラを含む転写定着部とから成り、該加圧ローラは、ベルト構成の中間転写体がヒートローラを離れる点或いはその近辺において、中間転写体に接するよう構成されている液体現像電子写真装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナーを用いる液体現像電子写真装置に関し、特に、中間転写体に転写されたトナー画像を、印刷媒体との接触部において加熱溶融して、印刷媒体に溶融転写するための転写定着部を有する液体現像電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】感光体(感光ドラム)に静電潜像を生成し、それにトナーを付着させて、紙などに転写して定着する電子写真装置では、粉体トナーを用いる乾式のものが広く用いられている。
【0003】しかし、粉体トナーは、トナーが飛散するという問題点があるとともに、トナー粒子が7〜10μmと大きいことから解像度が悪いという問題点がある。
【0004】そこで、高い解像度が必要となる場合には、液体トナーを用いる液体現像方式のものが用いられる。液体トナーは、トナー粒子が1μm程度と小さいとともに、帯電量が大きいことでトナー画像の乱れが起きにくく、高い解像度を実現できるからである。
【0005】図3は、従来公知の液体現像方式の電子写真装置の全体構成を示している(例えば、特開平11−174852号公報参照)。図示の感光ドラム10は、帯電装置21により帯電させられた後、露光装置22によって露光されて、静電潜像が形成される。プリウエット装置23は、シリコーンオイルを感光ドラム10の表面に塗布する。
【0006】現像装置24は、イエロー/マゼンタ/シアン/ブラックに対応付けて設けられ、不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナーを液体現像液として用いる。現像ローラは、感光体上のプリウエット液の膜との2層構造を維持するように前記感光体上に接触して液体現像液を供給し、かつ前記感光体との間に生成される電界に応じて、該液体現像液のトナー粒子を前記感光体に付着させる。
【0007】この現像液の現像ローラへの供給は、現像液塗布手段によって、トナー溜まりから薄く延ばしながら搬送していくことでおこなわれ、それによって、現像ローラに2〜3μmの厚さのトナー層が形成される。この現像液塗布手段は、連接する複数の回転ローラから構成されて、供給される液体現像液を該回転ローラで引き延ばしつつ表面に塗布しながら搬送していき、現像ローラに当接する最終段の回転ローラの表面に塗布される液体現像液の膜を、現像ローラの当接面に塗布する。
【0008】中間転写ローラ15は、約−800Vにバイアスされて、感光ドラム10との間の電界に従って、感光ドラム10に付着されたトナーを、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に転写する。加圧ローラ19は、加熱装置28により溶融された中間転写ローラ15のトナーを印刷媒体に定着させる。加熱装置28は、加圧ローラ19に接触する前の位置で、中間転写ローラ15の表面を部分的に加熱する。図中、26は、残留トナーを掻き取るためのブレード、27は、除電装置である。
【0009】印刷媒体に定着させる溶融転写プロセスは、トナー粒子が媒体と接触し転写するとき、トナー粒子、媒体は共にトナー粒子の溶融温度以上になっていることが望まれ、そのときに媒体裏面からのバックアップ付圧によりトナー粒子と媒体が密着し、溶融したトナー粒子の粘着力により転写が行われる。
【0010】従来、印刷媒体への溶融転写前に、余剰のキャリアオイルは除去されていたが、その際に、除去ローラによる画像劣化を防止するように画像形成面にトナー保持力が強い材料を用いると、画像劣化は発生しないものの、次行程で印刷媒体への転写効率が悪化するという問題があった。さらに、従来、OHP用紙のような透過性を必要とする印字を行う場合、定着温度を高く設定し、さらに定着速度を下げてトナーを十分に溶かして流動性を上げて溶融トナーの一体化を促進していた。そのため、印字速度が遅くなるという問題があった。
【0011】また、印刷媒体への転写を行う場合、画像面トナーを加熱しながら圧力をかけてトナーの粘着力により媒体への転写を行い、さらにトナーの印刷媒体への転写を補助するために電界力(バイアス印加)を加えていた。しかし、印刷媒体の種類によって最適な電界力が異なるため、異なるバイアスを印加させるために高価な可変バイアス電源を使用する必要があった。
【0012】さらに、液体現像方式の電子写真装置は、印刷媒体への転写定着のために、加熱装置28により中間転写体上のトナーを加熱して溶融させることが必要であるが、しかし、中間転写ローラ15上に転写する際には、トナーが溶融することにより転写不良が発生するのを防ぐために、むしろ冷却する必要がある。
【0013】従来、図4に示すように、FAN等の冷却装置を用いて冷却すると共に、溶融転写後の冷却を容易にするために、画像形成を熱容量の小さい薄ベルト上で行っている。しかし、強度保持等の観点から、ベルトの厚みは50μm程度にしか薄くできないために熱容量の最小化が十分でなく、冷却に多大なエネルギーを必要とする問題があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナーを用いる構成を採るときにあって、中間転写体に転写されたトナー粒子を効率的に加熱溶融すると同時に、媒体に定着させて、高効率、高定着強度、高画質な画像が得られる新たな液体現像電子写真装置の提供を目的とする。
【0015】また、本発明は、印刷媒体に印加するバイアスを一定に維持したまま、最適な電界力を与えることを可能にすることを目的としている。
【0016】また、本発明は、感光体への熱影響を少なくするようにして、印刷媒体に溶融転写することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の液体現像電子写真装置は、不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナーを液体現像液として用いて、静電潜像の形成される画像支持体上に接触して液体現像液を供給し、かつ前記画像支持体との間に生成される電界に応じて、該液体現像液のトナー粒子を前記画像支持体に付着させてトナー画像を形成する現像部と、画像支持体との間の電界に従って、該画像支持体上のトナー画像を転写するための中間転写体と、中間転写体に転写されたトナー画像を、印刷媒体との接触部において加熱溶融して、印刷媒体に溶融転写するためのヒータを含む転写定着部とから構成される。中間転写体は、その上に画像を形成するトナー層から余剰なオイルを除去するためにトナー層に接触し、かつ、画像を保持する前記中間転写体にトナー粒子を押し付ける方向にバイアス電圧を印加したキャリア除去ローラを備えている。中間転写体の画像形成面の表面材料として、表面エネルギーの小さい材料(例えば、ジメチルシリコーンゴム)を用い、さらに表面材料の電気抵抗を1E4〜1E12Ωの半導電領域に設定したことを特徴としている。
【0018】また、本発明の液体現像電子写真装置は、中間転写体の画像形成面の表面材料として、表面エネルギーの小さい材料(例えば、ジメチルシリコーンゴム)を用い、さらに、表面材料の電気抵抗を1E4〜1E12Ωの半導電領域に設定する。OHP用紙のような透過性を必要とする印字を行う場合、このような用紙への転写前には余剰オイルを除去することなく溶融転写を行い、溶融転写後に、用紙に残った余剰オイルを除去する。
【0019】また、本発明の液体現像電子写真装置は、加圧ローラの表面材料として、温度に応じて抵抗が半導電領域で変化する材料を用い、かつ印刷媒体に応じて温度を制御することで最適な電界力を印加することを特徴としている。
【0020】また、本発明の液体現像電子写真装置は、ベルト構成の中間転写体がヒートローラを離れる点或いはその近辺において、加圧ローラが、中間転写体に接するよう構成したことを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に従って本発明を詳細に説明する。図1は、本発明を具体化する液体現像方式の電子写真装置を例示する図である。なお、本発明は、不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナーを液体現像液として用いるものであるが、液体トナーは、液体キャリア(オイル)中に顔料などの固体粒子を分散させたものである。
【0022】まず、図1を参照して、本発明の特徴とする転写定着部、特にキャリア除去機構を含む液体現像電子写真装置の全体の概要を説明する。装置の最下部には、現像部が設けられ、その上に中間転写部が、そして装置最上部に転写定着部が設けられる。例示の装置は、このように、装置最上部に、多量の熱を発生する転写定着部を備えたために、装置内の熱排出を効率よく行うことができる。また、液体トナーを扱う現像部を装置最下部に設けたために、仮に液体トナーが漏れたとしても、印刷媒体を汚し難い配置となっている。
【0023】現像部は、イエロー/マゼンタ/シアン/ブラックに対応付けて設けられる。それぞれ感光ドラム(感光体)11〜14が設けられ、かつこの感光ドラム11〜14を約700Vに帯電させるための帯電器が備えられる(図示せず)。矢印で示す露光は、帯電した感光ドラム11〜14を画像データに基づき、例えば、780nmの波長を持つレーザ光を使って行われる。これによって、感光ドラム11〜14上に、露光部分の電位が約100Vとなる静電潜像が形成される。また、図示しない除電装置が設けられて、感光ドラム11〜14上の残存電位を除電する。
【0024】現像ローラは、約400V〜600Vのような所定の電圧にバイアスされて、感光ドラム11〜14との間の電界に従って、正に帯電しているそのトナーを感光ドラム11〜14に供給する。これによって、約100Vに帯電される感光ドラム11〜14上の露光部分にトナーを付着させて、感光ドラム11〜14上の静電潜像を現像し、画像を形成する。トナー供給ローラは、各色トナー毎に1つ又は複数のローラから構成されて、トナー粘度が400〜4000mPa・Sで、キャリア粘度が20〜500cSt、好適には100cStを持つ液体トナーを、トナー溜まりから薄く延ばしながら搬送していくことで現像ローラ上に所定の層厚(例えば、4〜10μm)で液体トナーを塗布する。
【0025】第一中間転写体としての中間転写ローラ15は、約−800Vにバイアスされて、各感光ドラム11〜14との間の電界に従って、感光ドラム11〜14に付着されたトナーを転写する。この中間転写ローラ15は、先ず最初に、第一の感光ドラム11に付着される例えばイエローのトナーを転写し、続いて、第二の感光ドラム12に付着される例えばマゼンタのトナーを転写し、続いて、第三の感光ドラム13に付着される例えばシアンのトナーを転写し、最後に、第四の感光ドラム14に付着される例えばブラックのトナーを転写することになる。このように、第一〜第四の感光ドラム11〜14上に現像された4色のトナー画像は、中間転写ローラ15を4回転させることにより、順次中間転写ローラ15上に重ね合わされて、カラー画像が形成される。クリーニングブレードは、適切なタイミングで中間転写ローラに接触して、その上に残存するトナーやプリウエット液を取り除く。
【0026】その後さらに、第二中間転写体としてのベルト構成の中間転写ベルト16上に、4色カラー画像は静電的に転写され、キャリア除去部でキャリア液体が除去された後、転写されたトナー画像は印刷媒体との接触部において加熱溶融され、印刷媒体に溶融転写される。中間転写ベルト16上に液体トナーで形成された画像にはキャリア液体が含まれており、キャリア除去部では、このキャリアオイル分が除去される。
【0027】図2は、図1に示した電子写真装置の転写定着部を詳細に示す図である。図示したように、中間転写ベルト16上には、ヒートローラ18に当接するように、3つのキャリア除去ローラが備えられている。これらキャリア除去ローラは、溶融温度以上又は溶融温度付近に加熱された中間転写ベルト上のトナー層に接触し、そこから余剰なオイルを除去する。また、キャリア除去ローラにはバイアス電圧が印加されている。このバイアスは、画像を保持する中間転写ベルトにトナー粒子を押し付ける方向に、例えば、ヒートローラに対して+2KVの電圧が印加される。そして、転写定着のために、ヒートローラに対して−2KVのバイアス電圧が、加圧ローラ19に印加されている。キャリア除去ローラは、溶融トナーの電気抵抗値と同程度か又はそれより低い抵抗値を持つ導電性ローラにして、その表面は鏡面状態にされる。そして、加熱温度に耐える耐熱性と印加バイアス電圧に耐える電気耐圧を兼ね備えている。また、除去したキャリアを回収するブレード等が備えられている。
【0028】中間転写ベルト16上のトナー画像は、ヒートローラ18によって加熱溶融されると共に、該ヒートローラ18と協働するヒータ内蔵の加圧ローラ19によって、印刷媒体に転写定着させられる。
【0029】転写定着部は、前述の加圧ローラ19、及び複数の搬送ローラと、その上に巻き掛けられた静電ベルト、及び前述の中間転写ベルト16から構成される。静電ベルトは、印刷媒体を静電気力により吸着して、搬送する。ヒートローラ18による加熱は、キャリア除去効率を改善すると共に、ヒータ内蔵の加圧ローラ19と共働して、中間転写ベルト16上のトナー画像を溶融させて、印刷媒体への転写定着を行うためである。その後、このように加熱された中間転写ベルト16は、冷却される。これは、例えば、中間転写ベルト16を巻き掛けたローラ(冷却ローラ)を冷却することにより行うことができる。冷却を行うのは、中間転写ローラ15から中間転写ベルト16にトナーが転写されるときに、トナーが溶融してしまうことにより、転写不良が発生するのを防止すると共に、中間転写ローラ15に熱が伝達するのを防止するためである。
【0030】中間転写ベルト16の画像形成面の表面材料として、トナー剥離性の高いジメチルシリコーンゴムを用い、さらに、ジメチルシリコーンゴムのキャリアオイルによる膨潤後の電気抵抗を1E4〜1E12(104 〜1012)Ωの半導電領域に設定することで、余剰オイル除去時には、半導電領域設定による強い電界力によりトナーの画像劣化を防止し、紙への転写時にはジメチルシリコーンゴムの持つ高い剥離性と半導電領域設定による強い電界力により高い転写効率を実現できる。
【0031】キャリア除去ローラにより余剰なオイルを除去した後、例えば、下流側に設けたローラに、印刷紙への転写前に転写が行われない程度の転写方向電界力(逆バイアス)を印加することで、中間転写ベルト16上の画像形成面へのトナー保持力が弱まり、高い紙への転写効率を実現できる。さらに、画像形成面への保持力が弱まることにより紙への転写後の画像面が滑らかな高画質印刷を行うことが可能となる。
【0032】OHP用紙のような透過性を必要とする用紙に印字を行う場合、このような用紙への転写前には余剰オイルを除去することなく溶融転写を行うことで、余剰オイルによりトナーの流動性が格段に向上し、定着温度を高くしたり定着速度を下げなくとも、トナーの一体化が促進され透過性を高くすることが可能となる。転写後、用紙に残った余剰オイルを除去(拭い取りや除去ローラの使用)してやることで残オイル感の問題も発生しない。
【0033】また、バイアスを加える加圧ローラ19の表面ゴム材料として、温度(80℃〜180℃)に応じて抵抗が半導電領域で変化する(1E4Ω〜1E12Ω)材料(例えば、イオン導電ゴムまたはカーボン添加ゴム)を用い、かつ印刷媒体に応じて、加圧ローラ19を加熱する温度を制御することで、印可バイアスは一定値でも各種媒体に最適な電界力を、安価な加熱温度調整装置のみで与えることが可能となる。例えば、紙の厚さが厚い程電界力を高くし、また、ポリエステル等のフィルムは電界力を高くすることが望ましい。各種媒体による定着強度のバラツキを抑えるために温度に対する抵抗値の変化の大きい材料が特に望ましい。また、温度を可変させるヒータは、転写定着に用いるヒータと兼用することができ、コストアップも発生しない。
【0034】図5は、ヒートローラと、それに巻き掛けた中間転写ベルトの関係を説明するための図である。図示したように、溶融転写後のヒートローラへのベルトの巻掛け量を、ベルトの温度が溶融転写で下がった分回復する巻掛け量よりも少なくなるように設定したものである。即ち、加圧ローラは、ベルト構成の中間転写体がヒートローラを離れる点或いはその近辺において、中間転写体に接するよう構成されている。このとき、媒体の搬送方向と、中間転写ベルトとの間の角度は、5度以下が望ましい。図5のB部詳細を、図6の左側に示している。図中、ヒートローラのハッチングは、ベルトの巻掛け部分を示している。この巻掛けられた部分において、ベルトは加熱される。対比のために、図6の左側に図4に示した従来技術のA部詳細を示している。A部詳細では、溶融転写部を離れた後も、ベルトはヒートローラに巻掛けられて、加熱されていることがわかる。これに対して、B部詳細では、ベルトが溶融転写部を離れると、直ちに、ヒートローラからも離れることを示している。これによって、溶融転写後にベルトに蓄えられる熱量が少なくなり、冷却が容易になり、冷却エネルギーを低く抑えることが可能となる。
【0035】
【発明の効果】本発明は、中間転写体の画像形成面の表面材料として、表面エネルギーの小さい材料(例えば、ジメチルシリコーンゴム)を用い、さらに、表面材料の電気抵抗を1E4〜1E12Ωの半導電領域に設定したことにより、除去ローラによる画像劣化を生じることなく、次行程での印刷媒体への転写効率が悪化するという問題を生じることがない。
【0036】また、OHP用紙のような透過性を必要とする印字を行う場合、このような用紙への転写前には余剰オイルを除去することなく溶融転写を行い、溶融転写後に、用紙に残った余剰オイルを除去することにより、印字速度を遅くすることなく、トナーを十分に溶かして流動性を上げて溶融トナーの一体化を促進することができる。
【0037】また、本発明は、加圧ローラの表面材料として、温度に応じて抵抗が半導電領域で変化する材料を用い、かつ印刷媒体に応じて温度を制御することにより、異なるバイアスを印加させるために高価な可変バイアス電源を使用することなく、印刷媒体の種類によって最適な電界力を印加することができる。
【0038】また、本発明は、ベルト構成の中間転写体がヒートローラを離れる点或いはその近辺において、加圧ローラが、中間転写体に接するよう構成したことにより、冷却に多大なエネルギーを必要とすることなく、感光体への熱影響を少なくすることができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社ピーエフユー
【出願日】 平成12年4月21日(2000.4.21)
【代理人】 【識別番号】100074848
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 寛 (外1名)
【公開番号】 特開2001−305868(P2001−305868A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−120253(P2000−120253)