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【発明の名称】 液体現像方法及び現像装置
【発明者】 【氏名】酒井 捷夫

【氏名】板谷 正彦

【氏名】武田 有介

【氏名】黒鳥 恒夫

【氏名】吉野 美枝

【氏名】佐々木 努

【氏名】仲野 徹

【要約】 【課題】トルクを減少させるのに加えて現像効率を上げることができる液体現像方法及び現像装置を提供することである。

【解決手段】絶縁性溶液によるキャリア中に帯電した微小のトナーを含有する現像液を搬送する第一現像液搬送体51a上の液体現像剤を静電潜像担持体1に接触させ、第一現像液搬送体51aを該静電潜像担持体1より離間させたのち、第二現像液搬送体51bを静電潜像担持体1に接触させる2段現像方式において、第一現像液搬送体51aと静電潜像担持体1の接触中は、主に画像部を現像し、第二現像液搬送体51bと静電潜像担持体1の接触中は、主に非画像部現像する液体現像方法であり、この液体現像方法を使用する現像装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 絶縁性溶液によるキャリア中に帯電した微小のトナーを含有する液体現像剤を用い、現像液搬送体上の液体現像液を静電潜像担持体に接触させる現像方式であって、第一現像液搬送体を該静電潜像担持体より離間させたのち、第二現像液搬送体を静電潜像担持体に接触させる2段現像方式において、第一現像液搬送体と静電潜像担持体の接触中は、主に画像部を現像し、第二現像液搬送体と静電潜像担持体の接触中は、主に非画像部現像することを特徴とする液体現像方法。
【請求項2】 請求項1に記載の液体現像方法において、第一現像液搬送体と静電潜像担持体上の静電潜像の画像部間で、この間に存在するトナーの80%以上が、両者が接触している時間内にキャリア中を電気泳動して現像液層中を静電潜像担持体側の半分に移動する電界を形成し、第二現像液搬送体と静電潜像担持体上の静電潜像の非画像部間で、この間に存在するトナーの95%以上が、両者が接触している時間内にキャリア中を電気泳動して現像液層中を第二現像液搬送体側の半分に移動する電界を形成することを特徴とする液体現像方法。
【請求項3】 絶縁性溶液によるキャリア中に帯電した微小のトナーを含有する液体現像剤を用い、現像液搬送体上の液体現像液を静電潜像担持体に接触させ、現像液搬送体のうち第一現像液搬送体を該静電潜像担持体より離間させたのち、第二現像液搬送体を静電潜像担持体に接触させる現像装置において、第一現像液搬送体と静電潜像担持体の接触中は、主に画像部を現像し、第二現像液搬送体と静電潜像担持体の接触中は、主に非画像部現像することを特徴とする現像装置。
【請求項4】 請求項3に記載の現像装置において、第一現像液搬送体と静電潜像担持体上の静電潜像の画像部間で、この間に存在するトナーの80%以上が、両者が接触している時間内にキャリア中を電気泳動して現像液層中を静電潜像担持体側の半分に移動する電界を形成し、第二現像液搬送体と静電潜像担持体上の静電潜像の非画像部間で、この間に存在するトナーの95%以上が、両者が接触している時間内にキャリア中を電気泳動して現像液層中を第二現像液搬送体側の半分に移動する電界を形成することを特徴とする現像装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる液体現像方法及び現像装置に関する、さらに詳細には、2の現像液搬送体により静電潜像体上の静電潜像を2段現像する際に、そろぞれの現像液搬送体で印加する電圧が異なる液体現像方法及び現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、絶縁性溶液をキャリアとし、そのキャリア中に帯電した着色微粒子としてトナーを含んでいる液体現像剤で、静電潜像担持体上の静電潜像を、液体現像剤と接触させてトナーを電気泳動させ現像する。絶縁性キャリア中に含有させることができるため、トナーは、乾式現像剤と比較して非常に小さくできるために、高品位の画像をえることができる。しかし、絶縁性キャリア中を電気泳動で移動させるために、現像に時間を必要とするという欠点がある。このために、液体現像方法では、以下のような提案がされている。例えば、液体現像を2本の現像液搬送体で行う液体現像方法である。しかし、この提案は、第一及び第二の現像ローラに、同じように液体現像液を供給し、かつ、同一の現像電圧を印加している。また、例えば、特表平4−503265号公報では、現像後転写前に電極ローラを接触させ該ローラにトナーと同極性の電圧を印加して現像されたトナーを静電力で強く感光体に押し付けて凝集させる像形成装置が提案されている。この像形成装置では、現像後転写前に感光体上のトナー像を強く凝集させて転写時の画像エッジのボケを無くすことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提案の2本の現像ローラによる液体現像方法では、単に、静電潜像担持体と絶縁性キャリアとの接触時間を長くしただけであり、現像効率等を向上させて、現像時間を短縮するものではないという問題点がある。また、特表平4−503265号公報の像形成装置では、電圧の印加を現像後に行うことで、トナーを凝集させ、画像のエッジのシャープネスを改良するもので、現像時間の短縮及び装置の高速化を達成するものではないという問題点がある。また、直径の大きな1本の現像ローラを、感光体ドラムとのニップ幅(現像時間)が2本合わせて等しくなるような直径の2本現像ローラに置き換えることで現像性能を変えずに現像ローラの回転トルクを減少させられるメリットがある。そこで、本発明の目的は、トルクを減少させるのに加えて現像効率を上げることができる液体現像方法を提供することである。ここで、現像効率を上げるとは、同一プロセス速度ならば、ニップ幅をより短くできる、言い換えれば現像ローラの直径をより小さくできること、あるいは、ニップ幅が同一であればより速いプロセス速度でも現像できること、あるいはトナーの帯電量が小さくて現像能力の低い現像剤でも地汚れなしに現像できることを意味する。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、 絶縁性溶液によるキャリア中に帯電した微小のトナーを含有する液体現像剤を用い、現像液搬送体上の液体現像液を静電潜像担持体に接触させる現像方式であって、 第一現像液搬送体を該静電潜像担持体より離間させたのち、 第二現像液搬送体を静電潜像担持体に接触させる2段現像方式において、 第一現像液搬送体と静電潜像担持体の接触中は、主に画像部を現像し、 第二現像液搬送体と静電潜像担持体の接触中は、主に非画像部現像する 液体現像方法とする。請求項2に記載の発明は、 請求項1に記載の液体現像方法において、 第一現像液搬送体と静電潜像担持体上の静電潜像の画像部間で、この間に存在するトナーの80%以上が、両者が接触している時間内にキャリア中を電気泳動して現像液層中を静電潜像担持体側の半分に移動する電界を形成し、 第二現像液搬送体と静電潜像担持体上の静電潜像の非画像部間で、この間に存在するトナーの95%以上が、両者が接触している時間内にキャリア中を電気泳動して現像液層中を第二現像液搬送体側の半分に移動する電界を形成する 液体現像方法とする。
【0005】請求項3に記載の発明は、 絶縁性溶液によるキャリア中に帯電した微小のトナーを含有する液体現像剤を用い、現像液搬送体上の液体現像液を静電潜像担持体に接触させ、 現像液搬送体のうち第一現像液搬送体を該静電潜像担持体より離間させたのち、 第二現像液搬送体を静電潜像担持体に接触させる現像装置において、 第一現像液搬送体と静電潜像担持体の接触中は、主に画像部を現像し、第二現像液搬送体と静電潜像担持体の接触中は、主に非画像部現像する 現像装置とする。請求項4に記載の発明は、 請求項3に記載の現像装置において、 第一現像液搬送体と静電潜像担持体上の静電潜像の画像部間で、この間に存在するトナーの80%以上が、両者が接触している時間内にキャリア中を電気泳動して現像液層中を静電潜像担持体側の半分に移動する電界を形成し、 第二現像液搬送体と静電潜像担持体上の静電潜像の非画像部間で、この間に存在するトナーの95%以上が、両者が接触している時間内にキャリア中を電気泳動して現像液層中を第二現像液搬送体側の半分に移動する電界を形成する 現像装置とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。本発明の効果を示すために先ず従来例を確認する。実機で画像出しを行うと現像器の性能のみならず、潜像担持体1(以下、「感光体」と記す。)、帯電装置2、光学系、転写装置6、定着装置(図示せず)すべての影響が加わって純粋な現像装置5の違いの効果が明確に出難いので計算機シミュレーションで行う。シミュレーション条件はできるだけ実際の条件に合わせた。すなわち、感光体1はa−Siとし、感光体1の膜厚を30μm、初期帯電電位を+924V、露光後の電位を0V、周速を300mm/secとした。液体現像液は特定の材料ということではなく、トナーの平均粒径を2.0μm、平均帯電量Q/Mを+10μC/g、固形分濃度を22wt%、動粘性率を2×10-4/sec(200cSt)とした。図1は、ここで用いる液体現像液のトナーの粒径分布を示すグラフである。図2は、このトナーの帯電量分布を示すグラフである。
【0007】(比較例1)1本の現像液搬送体(以下、「現像ローラ」又は「ローラ」と記す。)51により現像性をシミュレーションした。ローラ51は、ニップ幅6mm(このときの現像時間は20msecである。)、現像液層層厚 10μm、現像バイアス+450Vとした。図3は、感光体1の画像部における現像性のシミュレーション結果であり、図4は、感光体1の非画像部(以下、「地肌部」と記す。)におけるシミュレーションの結果である。図3では、1本のローラ現像における画像部のトナー位置の時間変化を上から2.5msecごとに示している。ここで、上部が感光体1で、下部がローラ51である。また、現像バイアスは+450V、感光体1表面電荷密度は0.0×10−3C/mである。現像ニップ通過後、現像液層の上半分は感光体1に、下半分は現像ローラ51に残るので、分離時点で、つまり20msec後に上半分に到達していたトナーは画像形成に寄与し、到達できなかったトナーは寄与しなかったことになる。このシミュレーションでは20msec後に 上半分、つまりローラ51表面から縦方向で 5μmに到達しなかったトナーは、現像に寄与しないので、すべてローラ51表面に強制的に移動させている。図3の最下段(20msec経過後)には、2個のトナーがローラ51表面にあるので、この2個のトナーが現像に寄与しなかったことになる。現像に寄与したトナーの割合を質量比で計算すると現像率 99.0%である。
【0008】図4、1本のローラ現像における地肌部のトナー位置の時間変化を上から2.5msecごとに示している。ここで、上部が感光体1で、下部がローラ51である。また、現像バイアスは+450V、感光体1表面電荷密度は3.0×10−3C/mである。図4の場合も図3と同じである。すなわち、20msec経過後にローラ51から 5μm以内に到達していたトナーはすべてローラ51表面に並べられる。右の壁に張り付いた1個のトナーを除いて残り71個のトナーはすべて5μm以内に到達していて感光体1側には残らないため地汚れ率(現像ローラ51から5μm以内に到達しなかったトナーの質量/全トナーの質量)は 0.0%である。なお、壁に張り付いたトナーはシミュレーションの関係で動かなくなるので除外して考える。現像率99.0%、地汚れ率0.0%なので、1本のローラで正常に現像されていると言える。
【0009】(比較例2)1本目のローラ51による第一現像と同一条件で10msec後に現像液層の下半分をカットし、2本目のローラ51を接触させた場合における第二現像の現像性のシミュレーションを図5(画像部)、図6(地肌部)に示す。なお、実際の画像形成装置では、第一現像と第二現像との間に時間があるのだが、シミュレーションでは無視した。図5、2本目の第二現像における画像部のトナー位置の時間変化を上から2.5msecごとに示している。ここで、上部が感光体1で、下部がローラ51である。また、現像バイアスは+450V、感光体1表面電荷密度は0.0×10−3C/mである。第1の現像終了時点(10msec後で、図5の上から5段目)までに上半分に到達できなかったトナーが13個あった。これらは第一現像ローラ51aに取り残されるので現像に寄与しない。この時点で感光体1側に到達したトナーは第二現像ローラ51bニップ中(10〜20msecの間)でさらに上に移動し、第二現像終了時点(20msec後、図5の最下段)においてすべてが第二現像の上半分、すなわち上図で上の感光体1から2.5μm以内に到達した。すなわち、最初に第一現像ローラ51aに取り残された13個のトナー以外はすべて現像に寄与したことになる。その、現像率は88.0%である。比較例1の現像率99.0%に比較するとかなり悪くなっている。
【0010】図6、2本のローラ現像における地肌部のトナー位置の時間変化を上から2.5msecごとに示している。ここで、上部が感光体1で、下部がローラ51である。また、現像バイアスは+450V、感光体1表面電荷密度は3.0×10−3C/mである。図6において、第一現像終了時点(10msec後、上から5段目)で4個のトナーが感光体1側に残される(右壁の1個は無視)が、第二現像中にすべて第二現像ローラ51bに到達し、第二現像終了時点(20msec後、最下段)で感光体1側2.5μm以内に残るトナーは一つもない。すなわち、地肌に残るトナーは0個で地汚れ率は0.0%である。
【0011】なお、シミュレーションの都合上、第二現像中に第二現像ローラ51b表面(図8の上から5段目以降で各段の中間地点)に到達したトナーはその時点で強制的に図の一番下に移動させている。そのため、図6の5段目以降でトナーが途中で消えるように見える。地汚れがないばかりでなく、図6から、第一現像終了時点(10msec後、上から5段目)で感光体1側2.5μm以内に残るトナーは一つもなくこの時点で早くも地肌部の現像は完了していることが分かる。すなわち、2本のローラ51にすることによって地肌の現像は強化されたが、逆に画像部の現像は不利になったと言える。1本のローラ51では一番現像されにくい現像ローラ51上のトナーでも、20msec間に5.0μm上方に移動するばよかったのであるが、2本のローラ51では10msecで5.0μm移動しなければならなくなったからである。逆に、一番地汚れになりやすい感光体1上のトナーは1本のローラ51では20msec間に下方に5.0μm移動しなければならなかったのであるが、2本のローラ51ではその間に2.5μm移動すればよくなったのである。言い換えれば、1本のローラ51で適正であった現像バイアス電圧は2本のローラ51(第二現像ローラ51bで現像剤を供給しない現像方式の)では適正ではないのである。
【0012】(実施例1)そこで、第一現像の画像部で10msec間にすべてのトナーが上半分に移動できるように地肌部は無視して画像部の電界を強くし、第二現像では画像部地肌部ともに現像が進行するような電界に現像バイアスを切り替えた。第一現像のバイアスを+900V、第二現像のバイアスを+300Vとした時のシミュレーション結果を図7(画像部)、図8(地肌部)に示す。図7は、2本のローラ現像における画像部のトナー位置の時間変化を上から2.5msecごとに示している。ここで、上部が感光体1で、下部がローラ51である。また、現像バイアスは前半+900V、後半+300Vで、感光体1表面電荷密度は0.0×10−3C/mである。図7において、第一現像から第二現像に切り替わる時点(10msec後、上から5段目)で上半分に到達できなかったトナーは2個で(右壁トナー除く)、残りのトナーは後半の第二現像(10〜20msec間)中にさらに上方に移動して感光体1側2.5μm以内に入っているので結局現像に寄与できなかったのは最初の2個のみで現像率は99.0%になる。なお、先行して感光体1に付着したトナーに妨げられて2.5μm以内に入れないトナーがいくつか見られるがこれらは第二現像ローラ51bが感光体1ドラムから分離する時感光体1側に付くとする。
【0013】図8は、2本のローラ現像における地肌部のトナー位置の時間変化前半を上から2.5msecごとに示している。ここで、上部が感光体1で、下部がローラ51である。また、現像バイアスは前半+900V、後半+300Vで、感光体1表面電荷密度は3.0×10−3C/mである。図8において、第一現像(0〜10msec間、1〜5段目)では感光体1と現像液搬送体間に電位差がほとんどないためトナーの動きはほとんどない。第二現像(10〜20msec、5〜10段目)に入ると電位差ができるためトナーは下方に向かい、第二現像に入って5msec経過後(7段目)では早くも感光体1側2.5μm以内にトナーは、いなくなり地肌現像が完了している。なお、ここでも、5段目で下半分にいたトナーはすべていきなり下の現像ローラ51表面に移動しているがこれは高速で電気泳動した訳ではなく、第一現像ローラ51aが感光体1ドラムより分離する時、現像液層が上下5μmづつに分かれるが、その下半分の第一現像ローラ51a側に含まれていて第二現像ローラ51bとは無関係になった分をこのように表示しているだけである。
【0014】すなわち、2本のローラ現像で、第一51a、第二現像ローラ51bに異なった現像バイアス電圧を印加すると適正バイアスの印加された1本のローラ現像と同等の現像性能が得られることが明らかになった。また、その適正バイアスとは第一現像ローラ51aで、その現像時間(ニップ)内に、画像部でほとんどのトナーが現像液層中で感光体1側の半分に移動できる強さで、第二現像ローラ51bでその現像時間(ニップ)内に、画像部でほとんどのトナーが半分になった現像液層中でさらに感光体1側の半分に移動でき、同時に地肌部でほぼ100%のトナーが半分になった現像液層中で第二現像ローラ51b側の半分に移動できる強さであることも分かった。このようにそれぞれ適正な現像バイアスの印加された2本の現像ローラを使用することにより現像性能を低下させずに現像ローラの回転トルクを減少させることができる。
【0015】(実施例2)図7、図8を見ると画像部、地肌部とも時間的に余裕が見られるので適正な現像バイアスが印加された2本のローラ現像方式で現像時間の短縮が可能と思われる。そこで、第一、第二現像とも他の条件は変えずに現像時間のみ各7msecに30%短縮してみた。その結果を図9(画像部)、図10(地肌部)に示す。図9は、2本のローラ現像における画像部のトナー位置の時間変化を上から1.8msecごとに、0〜14.4msec間を示している。ここで、上部が感光体1で、下部がローラ51である。また、現像バイアスは前半+900V、後半+300Vで、感光体1表面電荷密度は0.0×10−3C/mである。第一現像中(0〜7msec、1〜5段)に感光体1側上半分に到達できず現像に寄与できなかったトナーは一つ増えて3個となり現像率もわずかに0.8%減って98.2%になった。しかしこれは十分受け入れられる範囲の値である。
【0016】図10は、2本のローラ現像における地肌部のトナー位置の時間変化を上から1.8msecごとに、0〜14.4msec間を示している。ここで、上部が感光体1で、下部がローラ51である。また、現像バイアスは前半+900V、後半+300Vで、感光体1表面電荷密度は3.0×10−3C/mである。図10より、第二現像(7〜14msec、5〜9段)に入ってからの移動ですべてのトナーが余裕十分に感光体1側2.5μm以内から脱出していることが分かる。すなわち、地汚れトナーは0個で地汚れ率は0.0%である。
【0017】以上のシミュレーション結果から、2本のローラにしてバイアス条件を上記のように適正に設定することにより現像時間を約30%短縮できることが分かった。 現像時間を短縮できるので、同一の現像ニップ幅であればその分記録速度を上げることができる、逆に同一の記録速度であればニップ幅を縮めることができる。ニップ幅がより狭くなれば、現像ローラ51を感光体1に押し付ける力をより弱くするか、または現像ローラ51の径をより細くすることができる。この結果、現像ローラ51の寿命がより延びたり、現像装置がより小型になったりする。
【0018】次に、 現像時間をより短縮する代わりに、より現像能力の低い現像剤を使うことも可能である。その効果を確認するために、先ず、従来の1本のローラで現像能力の低い現像剤を使用するとどうなるかを見てみよう。なお、現像能力の低い現像剤とはそのトナーの帯電量Q/Mが低いものを意味する。今までの比較例1、2と実施例1、2ではトナーのQ/Mを+10μC/gとしてきたが、これからの比較例&実施例では現像能力の低い現像剤としてトナーの平均Q/Mを+4μC/gとする。その帯電量分布を図11に示す。
【0019】(比較例3)トナーの帯電量Q/Mのみ+10μC/gより+4μC/gに変えて他の条件は比較例1と同じにしたシミュレーション結果を図12(画像部)、図13(地肌部)に示す。図12は、1本のローラ現像の画像部におけるトナー分布の時間変化を上から2.5msecごとに、0〜20msec間を示している。ここで、上部が感光体1で、下部がローラ51である。また、現像バイアスは+450Vで、感光体1表面電荷密度は0.0×10−3C/mである。現像終了時(20msec後)に15個のトナーが上半分(感光体1側)に到達できず現像に寄与できなかった。重量現像率は85.4%である。よい値ではないがなんとか画像濃度の目標をクリアーする可能性はある。
【0020】図13は、1本のローラ現像の地肌部におけるトナー分布の時間変化を上から2.5msecごとに、0〜20msec間を示している。ここで、上部が感光体1で、下部がローラ51である。また、現像バイアスは+450Vで、感光体1表面電荷密度は3.0×10−3C/mである。現像終了時(20msec後)に11個のトナーが下半分、現像ローラ51側に到達できず感光体1側に残されて地汚れとなった。重量地汚れ率は10.8%に達する。これは決して許容されない値である。
【0021】(実施例3)トナーの帯電量Q/Mが+10μC/gより+4μC/gに低下すると1本のローラ現像では特に地汚れがひどくなって使えないことが分かった。そこで、実施例1と同様に第一現像のバイアスを+900V、第二現像のバイアスを+300Vにして低帯電量現像剤のシミュレーションを行った。その結果を図14(画像部)、図15(地肌部)に示す。図14は、2本のローラ現像の画像部におけるトナー分布の時間変化を上から2.5msecごとに、0〜20msec間を示している。ここで、上部が感光体1で、下部がローラ51である。また、現像バイアスは第一が+900V、第二が+300Vで、感光体1表面電荷密度は0.0×10−3C/mである。現像終了時点(20msec後)で感光体1側2.5μm以内に到達できなかったトナーは15個で重量現像率は85.4%である。これは1本のローラの場合と同じで1本のローラと同様に受け入れられる範囲である。このトナーの重量現像率は80%以上あれば、画像濃度としては、問題が生ずることが無く、高品位の画質をえることができる。
【0022】図15は、2本のローラ現像の地肌部におけるトナー分布の時間変化を上から2.5msecごとに、0〜20msec間を示している。ここで、上部が感光体1で、下部がローラ51である。また、現像バイアスは第一が+900V、第二が+300Vで、感光体1表面電荷密度は3.0×10−3C/mである。現像終了時(20msec後)に感光体1側2.5μm以内から脱出できなかったトナーは1個だけで(しかもわずかに届かず)重量地汚れ率は0.5%である。地汚れ率もどこまで許容されるかは非常に難しい問題であるが、2.5%以内であれば、視覚的に地汚れとして明確にとられられない。
【0023】すなわち、現像能力の低い現像剤に対して1本のローラから2本のローラにし現像バイアスを適正に設定しなおすことにより、1本のローラの画像に対して画像濃度が同じで、地汚れが解消した画像を得ることができた。なお、以上のシミュレーションをすべてNP(反転)現像、すなわち電荷のない部分に感光体1の帯電極性と同極性に帯電したトナーを付ける方式で説明してきたが、PP(正規)現像、すなわち電荷のある部分に感光体1と異極性に帯電したトナーを付ける方式でもまったく同じである。
【0024】以上、シミュレーションにより2本のローラ現像の現像効率向上効果を示してきたが、最後に実際に実験機で行った結果を以下に示す。シミュレーションの結果と完全に一致している訳ではないが、傾向が一致しているのは明らかである。図16は、ニップ幅が広く現像時間が長い場合(第一、第二現像で各36msec、合計で72msec)のバイアスによる画像濃度変化を示している。ここで、「OD」は画像濃度、「ID」は画像部の画像濃度、「BD」は地肌部の画像濃度である。第一現像終了時点で、地肌濃度が0.1程度まで下がっている。この理由は感光体1の表面電位+900Vと現像バイアス+600V間に300Vの電位差がありしかも現像時間が長いためである。 第一現像で地肌濃度は約0.1に下がっているが、第二現像で適正な、例えば+400Vの現像バイアスを印加すると画像濃度は変わらずに地肌濃度のみさらに0.02まで下げることができる。
【0025】図17と図18は、現像時間が第一、第二とも1msecと短い場合のバイアスによる画像濃度変化を示している。図17では、「●」は感光体表面電位が+630Vで第一現像時のバイアスによる感光体1上の画像部の画像濃度変化、「□」は感光体表面電位が+630Vで第一現像時のバイアスによる感光体1上の地肌部の画像濃度変化、「△」は感光体表面電位が+730Vで第一現像時のバイアスによる感光体1上の地肌部の画像濃度変化を示している。図18では、「」は第一現像後の画像部の画像濃度、「●」は第二現像後の画像部の画像濃度、「□」は第一現像後の地肌部の画像濃度、「■」は第二現像後の地肌部の画像濃度を示している。第一現像ローラ51aのバイアス電圧が高いほど(感光体表面電位との差が小さいほど)第一現像終了時の地肌濃度が高いことが分かる。理論的には画像濃度も高くなるはずであるが飽和しているようでこのグラフからはその傾向は読み取れない。地肌濃度が約0.8と非常に高いのは、感光体表面電位+630Vと現像バイアス+480Vとの差が150Vと小さくしかも現像時間が14msecと短いためである。 第一現像通過後の地肌濃度は0.8と非常に高いが、第二現像のバイアス電圧を適正(+200〜+300V)に選択すると地肌濃度は0.1あるいはそれ以下に下がることが図18より分かる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の記載に係る液体現像方法及ぶ請求項3の記載に係る現像装置では、第一現像で画像部を現像し、第二現像で地肌部を現像しているため、現像効率が非常に良くすることができる。また、請求項2の記載に係る液体現像方法及び請求項4の記載に係る現像装置では、第一現像で画像部にあるトナーの80%を感光体側に移動させる電界を、第二現像で非画像部にあるトナーの95%を現像ローラ側に移動させる電界を形成しているので、同様に、現像効率が非常に良くすることができる。
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成12年4月26日(2000.4.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−305866(P2001−305866A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−126711(P2000−126711)