| 【発明の名称】 |
トナー担持体およびこれを用いる現像方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】諸星 直哉
【氏名】平野 泰男
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| 【要約】 |
【課題】電子写真法による現像方法に用いるトナー担持体およびこのトナー担持体を用いる地肌汚染が可及的に回避された現像方法を提供すること。
【解決手段】トナー担持体を用いてトナーを静電潜像の現像に供する電子写真法による現像方法において、このトナー担持体として、少なくともその表面がポリビニルアセタールからなるトナー担持体およびこのトナー担持体を用いる現像方法である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トナーを静電潜像の現像に供する電子写真法による現像方法に用いるトナー担持体であって、少なくともその表面が下記一般式(1) 【化1】
(式中、Rは水素または炭素数1〜5のアルキル基を示し、x、yおよびzは、分子中に含まれる単量体のモル分率であって、xは50〜80モル%、yは10〜30モル%およびzは5〜10モル%を示し、x、yおよびzの合計は100モル%である)で表されるポリビニルアセタールからなることを特徴とするトナー担持体。 【請求項2】 ポリビニルアセタールが、ポリビニルホルマールおよび/またはポリビニルブチラールである請求項1に記載のトナー担持体。 【請求項3】 トナー担持体を用いてトナーを静電潜像の現像に供する電子写真法による現像方法において、該トナー担持体として、少なくともその表面が下記一般式(1) 【化2】
(式中、Rは水素または炭素数1〜5のアルキル基を示し、x、yおよびzは、分子中に含まれる単量体のモル分率であって、xは50〜80モル%、yは10〜30モル%およびzは5〜10モル%を示し、x、yおよびzの合計は100モル%である)で表されるポリビニルアセタールからなるトナー担持体を用いることを特徴とする現像方法。 【請求項4】 ポリビニルアセタールが、ポリビニルホルマールおよび/またはポリビニルブチラールである請求項3に記載の現像方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法による現像方法に用いるトナー担持体およびこのトナー担持体を用いる現像方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】静電潜像保持体に静電潜像を形成し、これを現像剤によって可視化して記録画像を得る電子複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置においては、粉体状の現像剤を用いる乾式の現像方法が広く採用されている。この粉体状の現像剤には、トナーとキャリアとを有する二成分系現像剤と、キャリアを含まない一成分系現像剤とがある。二成分系現像剤を用いる現像方法は、比較的安定した良好な画像が得られる反面、キャリアの劣化やトナーとキャリアとの混合比の変動が発生しやすく、装置維持管理が煩雑であって、このため、装置全体の構造を大型化しなければならないという問題がある。したがって、このような問題を有しない一成分系現像剤を用いた現像方法が注目されている。 【0003】一成分系現像剤には、トナーのみからなるものと、必要に応じて、トナーに補助剤を外添または混合したものとがある。また、トナーには、そのトナー粒子自体に磁性粉を練り込んだ磁性トナーと磁性粉を含まない非磁性トナーとがある。磁性粉は、一般に不透明であるため、フルカラーやマルチカラー等のカラー画像を磁性トナーによって形成すると、現像された可視像が不鮮明になり、鮮やかなカラー画像を得ることはできないものとなる。このため、カラー現像に対しては、非磁性トナーによる一成分系現像剤を用いた現像方法を採用することが好ましい。非磁性一成分系トナーを用いて静電潜像を現像する代表的な方法として、トナー担持体上のトナーを、層厚規制部材等によって均一に帯電、薄層化し、感光体である静電潜像保持体と対向した領域で現像する方法が知られている。この現像方法においては、反転現像が好ましく用いられ、このとき、トナーの帯電は、トナー担持体と層厚規制部材等の接触部材との摺擦作用によって行われるので、鮮明な画像を得るには、所定極性に充分帯電していると共に、帯電分布が均一になっていることが必要となる。特に、所定極性に対し逆極性に帯電したいわゆる逆帯電トナーは、地肌汚染の原因となることから、極力、その逆帯電トナーの発生を低減する必要がある。 【0004】これまでに、地肌汚染を改良する方法としては、たとえば、ステアリン酸亜鉛等の添加剤を使用するもの(特開平9−96960号公報)、表面摩擦係数や摩擦帯電系列等の表面特性を制御するもの(特開平9−68860号公報、特開平8−292645号公報)、表面粗さ等の表面形状を制御するもの(特開平7−114264号公報、特開平7−114265号公報)等が提案されていた。しかしながら、いずれの方法においても、地肌汚染の改良の程度は、実用上、いまだ満足すべきレベルにまでには達していないものであった。このため、たとえば、トナー担持体と層厚規制部材との間に電位差を設けるなどのプロセス的な手段によって、地肌汚染の軽減を図る方法が採用されていたが、装置コストの増大等を招き、その改良が要望されていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような従来の問題点を解消し、プロセス的な手段を採用することなく、電子写真法による現像方法に用いるトナー担持体およびこのトナー担持体を用いる地肌汚染が可及的に回避された現像方法を提供することをその課題とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために、トナー担持体の表面を形成する材料に着目して鋭意検討を重ねた結果、この材料として、ポリビニルアセタールを用いることによって、地肌汚染を回避できるということを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。すなわち、本発明によれば、第1の発明として、トナーを静電潜像の現像に供する電子写真法による現像方法に用いるトナー担持体であって、少なくともその表面が、下記一般式(1) 【化3】
(式中、Rは水素または炭素数1〜5のアルキル基を示し、x、yおよびzは、分子中に含まれる単量体のモル分率であって、xは50〜80モル%、yは10〜30モル%およびzは5〜10モル%を示し、x、yおよびzの合計は100モル%である)で表されるポリビニルアセタールからなることを特徴とするトナー担持体が提供され、第2の発明として、トナー担持体を用いてトナーを静電潜像の現像に供する電子写真法による現像方法において、該トナー担持体として、少なくともその表面が、下記一般式(1) 【化4】
(式中、Rは水素または炭素数1〜5のアルキル基を示し、x、yおよびzは、分子中に含まれる単量体のモル分率であって、xは50〜80モル%、yは10〜30モル%およびzは5〜10モル%を示し、x、yおよびzの合計は100モル%である) 【0007】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の現像方法を実施するための一現像装置の概略図である。この図1にしたがって、本発明のトナー担持体およびこれを用いる現像方法にっいて説明する。ここに、1は容器、2はトナー、3はアジテーター、4は補給ローラ、5はトナー担持体、6はトナー層厚規制部材、7は静電潜像保持体を示す。容器1の中には、非磁性一成分系トナー2が入っている。トナー2は、アジテーター3によって、補給ローラ4とトナー担持体5により形成されるトナー貯留部に搬送され、トナー担持体5の表面に担持される。トナー担持体5の表面に担持されたトナーは、トナー層厚規制部材6によって均一な薄層に形成されると共に、所定の極性に摩擦帯電される。トナー薄層は、静電潜像保持体7とトナー担持体5とが当接する現像領域に運ばれ、ここでトナー担持体5から静電潜像保持体7ヘトナー2が静電的に移行し、潜像が顕像化される。この方式において、トナー担持体上には摩擦帯電によって静電的に結合したトナーは、通常、2〜3層に積層されており、特に、上層部分のトナーは、トナー担持体と接触する機会が下層部分のトナーに比べて少ないために、帯電量が少なく、逆帯電トナーも発生しやすい状態にある。したがって、トナー担持体は、全トナーを所定の極性、帯電量に素早く立ち上げることができるものであることが求められるのである。 【0008】本発明におけるトナー担持体は、少なくともその表面が、上記一般式(1)で表されるポリビニルアセタールからなることを特徴とするものである。ここに、ポリビニルアセタールとは、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られるポリビニルアルコールに、下記一般式(2) RCHO (2) (Rは、水素または炭素数1〜5のアルキル基を示す。)で表されるアルデヒド類を反応させることによって製造されるポリマーをいう。本発明に用いられる好適なポリビニルアセタールとしては、ポリビルホルマールやポリビニルブチラールを挙げることができる。ポリビルホルマールは、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られるポリビニルアルコールにホルムアルデヒドを反応させて製造されるものであり、比重1.1〜1.3で、軟化点が高く、電気絶縁性に優れたポリマーである。また、ポリビニルブチラールは、ポリビニルアルコールにブチルアルデヒドを反応させて製造されるものであり、比重1.1程度で、特異な化学的、電気的および機械的性質を有するポリマーである。しかし、ポリビニルアルコールは、アルデヒドによって、その全ての水酸基をアセタール化すことはできず、通常は、上記一般式(1)で表される三元共重合体の構造をとるポリマーとなる。 【0009】本発明において用いるポリビニルアセタールの分子量については特に制限はないが、その数平均分子量は、通常、5000〜150000であり、好ましくは、50000〜100000である。本発明においては、この数平均分子量の範囲にあるポリビニルアセタールであるならば、低重合度、中重合度および高重合度のいずれのポリビニルアセタールであっても好ましく使用することができる。ポリビニルアセタールの性質は、上記ケン化の程度、アルデヒドの種類またはアセタール化の程度等によって異なるが、その性質についても特に制限はなく、種々の性質を有するポリビニルアセタールを使用することができる。 【0010】本発明においては、ポリビニルアセタールは単独で用いることができるが、必要に応じて、他のポリマーと混合して用いることもできる。混合可能なポリマーとしては、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール等のビニル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等またはゴム類が挙げられる。これらの樹脂とポリビニルアセタールは、共通の溶剤に溶解させて混合したり、加熱溶融下、混練混合することができる。また、どちらか一方の樹脂を微粒子化するなどして混合することもでき、採用する樹脂の種類にしたがって適宜、好適な混合方法を選択すればよい。所望により、ポリビニルアセタールと混合する他の樹脂の量については特に制限はなく、通常は、両者の混合物に対し、重量基準で通常は、1〜50%、好ましくは、5〜30%である。さらに、各種特性を改良するために、必要に応じて、シリカ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラック等の無機充填剤やニグロシン染料、4級アンモニウム塩、含金属アゾ染料等の帯電制御剤等を添加してもよい。これら無機充填剤や帯電制御剤等の添加量は、樹脂(ポリビニルアセタールまたはそれと他の樹脂との混合物)に対し、重量基準で通常は、1〜50%、好ましくは、5〜30%である。本発明のトナー担持体は、少なくともその表面がポリビニルアセタールからなるものであれば足り、その全体をポリビニルアセタールによって形成してもよく、また、その表面のみをポリビニルアセタールによって形成してもよい。トナー担持体の表面のみをポリビニルアセタールによって形成する場合、従来のトナー担持体の表面に、ポリビニルアセタールの層を形成すればよい。この場合、その層の厚さには特に制限はないが、通常は、1〜1000μmであり、好ましくは、5〜50μmである。また、トナー担持体の表面に形成させるポリビニルアセタールの層は、たとえば、導電層、弾性層等の種々の機能を有した層の上に設けることができる。この場合の導電層材料としては、ポリマー材料に一般的な導電制御剤を添加したものが用いられ、導電制御剤の具体的な材料を例示すると、Ni、Cuなどの金属粉;ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック;酸化スズ、酸化亜鉛、酸化モルブテン、酸化アンチモン、チタン酸カリ等の導電性酸化物;酸化チタン、雲母上等にメッキを施した無電解メッキ物;グラファイト、金属繊維、炭素繊維等の無機系充填剤や界面活性剤等を挙げることができる。弾性層材料としては、例えば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ニトリル−イソプレンゴム(NIR)、クロロプレンゴム(CR)等のジエン系ゴム;ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM、EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)等のオレフィン系ゴム;エピクロルヒドリンゴム(CHR、CHC)等のエーテル系ゴム;その他シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、さらにはスチレン系、オレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、フッ素系、塩素化ポリエチレン系等の熱可塑性エラストマー等のエラストマー材料を挙げることができる。 【0011】少なくともその表面がポリビニルアセタールからなるトナー担持体のを形成するする方法としては、特別の手段を採用する必要はなく、たとえば、スプレー塗布もしくはディッピング等を、またプレス成形、射出成形もしくは押出成形等を挙げることができる。 【0012】 【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例によってなんら限定されるものではない。 【0013】実施例1〜4Alの芯金ローラに、表1に示したトナー担持体の表面に形成される層の材料(以下、単に「層形成材料」と言う。)と希釈剤とからなる成分をスプレー塗布し、150℃、1時間の条件下で乾燥させて、厚さ約30μmの層を形成したトナー担持体を作製した。 【表1】
【0014】比較例1および2層形成材料として、アルコール可溶ナイロン(CM8000:東レ株式会社製)(比較例1)を、また、メラミン樹脂(スーパーベッカミン:大日本インキ株式会社製)(比較例2)を、上記実施例と同様にスプレー塗布し、トナー担持体を作製した。これらのトナー担持体を、図1に示す現像装置に装着し、トナーの帯電量、付着量および地肌汚染(ΔID)を測定して評価した。各部材には、次のものを使用した。 層厚規制部材:SUS製(100μm厚) 供給ローラ :導電性ウレタンスポンジトナー :リコー製カラートナータイプF(シアン) 帯電量および付着量は、次の方法により測定した。 帯電量:吸引法。 付着量:吸引法。 地肌汚染以下のようにして測定した。 ■トナー担持体、層厚規制部材、供給ローラを接地し、5分間空回しを行った。 ■ベルト感光体(OPC)を装着し、次のバイアス条件で地肌部の現像を行った。 OPC電位=Ov,トナー担持体電位=層厚規制部材電位=供給ローラ電位=Ov■OPC上の地肌部トナーをテープ転写し、PPCぺーパーに貼り付け、マクベス濃度計で、画像濃度を測定した。 ΔID=ID(地肌部)−ID(ブランク) ΔID0.02以下が、地肌汚染の許容範囲である。 評価結果を表2に示す。 【表2】
【0015】実施例5および6ならびに比較例3層形成材料として、表3に示すものを用いた。これらの材料を、メチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン(1/1重量比)溶剤で希釈し、上記実施例と同様にスプレー塗布して、トナー担持体を作製し、上記実施例と同様にして測定し評価した。 【表3】
評価結果を、表4に示す。 【表4】
【0016】実施例8ポリビニルブチラール(BM−S;積水化学)を、トルエン/エタノール(7/3重量比)溶剤に5重量%固形分濃度で溶解させた。次に、ポリビニルブチラール100重量部に対しカーボンブラック10重量部を添加し、72時間、ボールミル分散を実施した後、この分散液100重量部に対して、トルエン/エタノール(7/3重量比)溶剤100重量部を添加して、塗工液を調製した。この塗工液を、アルミニウム製芯金(16mmφ)にスプレー塗布した後、150℃、1時間、乾燥させ、さらにその後、表面を研磨して、厚さ25μmのトナー担持体を作製した。各部材には、次のものを使用した。 感光体 :OPCベルト層厚規制部材 :ウレタンゴム(1.5mm厚) 供給ローラ :導電性ウレタンスポンジトナー :リコー製カラーPPCトナータイプF(シアン) プロセス条件は、次のように設定した。 感光体線速 :60mm/secトナー担持体線速:90mm/sec供給ローラ線速 :108mm/sec感光体暗部電位 :−900v感光体明部電位 :−200vトナー担持体電位:−350v供給ローラ電位 :−400v上記部材を用い、上記設定条件下で、10万枚の画像試験を行った。初期および10万枚後のトナー帯電量、付着量およびΔIDを実施例と同様にして測定し評価した。評価結果を表5に示す。 【表5】
【0017】 【発明の効果】本発明によれば、プロセス的な手段を採用することなく、電子写真法による現像方法に用いるトナー担持体およびこのトナー担持体を用いる地肌汚染の改良された現像方法が提供され、電子複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置の設計、製造工業分野に多大の寄与をなすものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006747 【氏名又は名称】株式会社リコー
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| 【出願日】 |
平成12年4月25日(2000.4.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074505 【弁理士】 【氏名又は名称】池浦 敏明
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| 【公開番号】 |
特開2001−305850(P2001−305850A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月2日(2001.11.2) |
| 【出願番号】 |
特願2000−124144(P2000−124144) |
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