| 【発明の名称】 |
電子写真感光体並びにこれを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】星崎 武敏
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| 【要約】 |
【課題】繰り返し使用時の耐摩耗性に優れ、同時に残留電位の少ない電子写真感光体並びにこれを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、少なくとも導電性基体1上に感光層2と保護層6を設けた電子写真感光体において、該保護層6が、少なくとも、導電性粒子、及び、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体を含有していることを特徴とする。この電子写真感光体によれば、繰り返し使用時の耐摩耗性が向上し、同時に残留電位が少なくなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも導電性基体上に感光層と保護層を設けた電子写真感光体において、該保護層が、少なくとも、導電性粒子、及び、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体を含有していることを特徴とする電子写真感光体。 【請求項2】 前記電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体が、架橋により分子構造が3次元化されていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。 【請求項3】 電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体中の架橋部位が、絶縁性ブロックに存在していることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。 【請求項4】 前記電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体が、電荷輸送性ブロックよりなる相と絶縁性ブロックよりなる相とに相分離していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。 【請求項5】 電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体中の電荷輸送性ブロックの繰り返し単位中に、少なくとも、トリアリールアミン構造を含む繰り返し単位が含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真感光体。 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段及び除電手段からなる群より選ばれた少なくとも一つの手段とを一体に有し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電手段により帯電される前記電子写真感光体を露光する露光手段と、前記露光手段により露光された部分を現像する現像手段と、前記現像手段により前記電子写真感光体に現像された像を転写する転写手段と、を備えることを特徴とする電子写真装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性に優れる表面保護層を有する電子写真用感光体並びにこれを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、電子写真技術は、高速、高印字品質が得られる等の利点を有するために、複写機、プリンター、ファクシミリ等の分野において、中心的役割を果たしている。 【0003】電子写真技術において用いられる電子写真感光体としては、従来からセレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金等の無機光導電性材料を用いたものが広く知られている。一方、これらの無機系感光体に比べ、コスト、製造性、廃棄性等の点で優れた利点を有する有機光導電性材料を用いた電子写真感光体の研究も活発化し、現在では無機系感光体を凌駕するに至っている。樹脂中にフタロシアニン系化合物などを電荷発生材料として分散した単層型の感光体の他、光電導の素過程である光電荷発生と電荷輸送をそれぞれ別々の層に担わせる機能分離型積層構成のものが開発されたことにより、材料選択の自由度が増し、著しい性能の向上を遂げ、現在ではこの機能分離積層型の有機感光体が電子写真感光体の主流となっている。機能分離積層型有機感光体用の電荷発生層としては、キノン系顔料、ぺリレン系顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、セレン等の電荷発生能を有する顔料を蒸着等により直接成膜したもの、あるいは高濃度で結着樹脂中に分散したものが実用されている。一方、電荷輸送層としては、ヒドラゾン系化合物、ベンジジン系化合物、アミン系化合物、スチルベン系化合物等の電荷輸送能を有する低分子化合物を絶縁性樹脂中に分子分散したものが用いられている。 【0004】ところで、電子写真感光体に要求される耐久性は年々厳しいものとなっており、繰り返し使用による表面層の摩耗および傷等の問題に対して、耐久性向上に必要な技術の検討が続けられている。これらの要求に対して、表面保護層の検討が多数行われている。しかし、表面保護層を架橋硬化性樹脂のみで構成すると表面保護層は絶縁層となってしまうため、感光体としての光電特性が犠牲になっていた。具体的には、露光時の明部電位が上昇することにより、現像電位マージンが狭くなる問題、および除電後の残留電位が上昇することにより、特に長期の繰り返し印刷を行なった場合に画像濃度が低下する問題、などがあった。 【0005】光電特性を改良する手法として、導電性の金属酸化物微粉末を抵抗制御材として表面保護層中に分散する方法が報告されている(特開昭57−128344号公報)。この方法による感光体光電特性の低下は小さく、上記にあげた問題は顕著に改善される。しかし、一般に導電性微粉末として用いる金属酸化物の抵抗値は、環境の湿度に大きく依存するという問題がある。そのため、特に高温高湿下においては感光体表面抵抗が低下し、静電潜像がぼやけることによって画像品位が大きく低下してしまうという本質的な問題があった。 【0006】光電特性を改良する他の手法として、バインダー樹脂中に電荷輸送物質を分散し、その後バインダー樹脂を硬化させて表面保護層を形成するという方法が報告されている(特開平4−15659号公報)。この方法では感光体表面抵抗が湿度依存することも無く、画像品位の問題はなかった。しかし、電荷輸送物質という低分子量成分の添加は、硬化反応を阻害し表面保護層の機械的強度の低下をもたらす。よって、単独では機械的強度の高い架橋硬化性樹脂を用いたとしても、光電特性の改良に必須の電荷輸送物質という低分子成分を添加することで表面保護層の機械強度は大きく低下してしまう。 【0007】これに対し、電荷輸送性高分子化合物を架橋し、分子構造を3次元化し硬化することが提案されている(特開平6−250423号公報)。この方法では、低分子化合物による硬化反応の阻害による機械的強度の低下はなくなったものの、電荷輸送性サイトに直接結合している部位に架橋サイトが存在し、そのため、架橋サイト(または反応できなかった未架橋サイト)が電荷輸送サイトに悪影響を及ぼし、残留電位の上昇、電荷輸送能の悪化による応答性の悪化、電気的特性の繰り返し安定性の悪化などの問題が生じていた。 【0008】これらの問題に対し、本発明者らは、電荷輸送材料として、電荷輸送性の相と絶縁性の相に相分離している、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体を架橋することを提案した(特開平11−65152号公報)。この方法では、架橋サイトを絶縁性ブロックに共重合しておくことにより、電荷輸送サイトと架橋サイトを空間的に隔離し、架橋サイトの電荷輸送サイトへの悪影響を少なくすることができ、電気特性上の問題は小さくできた。しかし、耐摩耗性の観点から、更なる改善が求められていた。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術における上記のような事情に鑑みなされたものであって、繰り返し使用時の耐摩耗性に優れ、同時に残留電位の少ない電子写真感光体並びにこれを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックよりなる共重合体を含む保護層の耐摩耗性をさらに改善すべく鋭意検討した結果、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体中に導電性粒子を分散することにより、表面保護層として、電気特性と耐摩耗性とを両立する優れた総合特性を有し、表面保護層として好適であることを見出し本発明を完成するに至った。 【0011】すなわち、上記課題は少なくとも導電性基体上に感光層と保護層を設けた電子写真感光体において、該保護層が、少なくとも、導電性粒子、及び、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体を含有していることを特徴とする電子写真感光体を提供することにより解決する。 【0012】また、前記電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体が、架橋により分子構造が3次元化されていることにより、さらなる耐摩耗性が得られる。 【0013】特に、共重合体中の架橋部位が、絶縁性ブロックに存在していることにより、電気特性が良好となる。 【0014】さらに、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体が、電荷輸送性ブロックよりなる相と絶縁性ブロックよりなる相とに相分離していることにより、電気特性が良好となる。 【0015】また、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体中の電荷輸送性ブロックの繰り返し単位中に、少なくとも、トリアリールアミン構造を含む繰り返し単位が含まれていることにより、電荷輸送性に優れた感光体を提供できる。 【0016】さらにまた、本発明のプロセスカートリッジは、電荷輸送能に優れるとともに機械的特性に優れる上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段及び除電手段からなる群より選ばれた少なくともひとつの手段とを一体に有し、電子写真装置本体に着脱自在であるとすることにより画像濃度の繰り返し安定性と信頼性に優れたものとなる。 【0017】また、本発明の電子写真装置も、電荷輸送能に優れるとともに機械的特性に優れる電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電手段により帯電される電子写真感光体を露光する露光手段と、露光手段により露光された部分を現像する現像手段と、現像手段により電子写真感光体に現像された像を転写する転写手段とを備えることにより画像濃度の繰り返し安定性と信頼性に優れたものとなる。 【0018】なお、以下において、「架橋により分子構造が3次元化された、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体」を「架橋された共重合体」と、「架橋可能な官能基を有する、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体」を「架橋可能な官能基を有する共重合体」と、さらに「架橋可能な官能基を有する、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体であって、未だ架橋が行われていない共重合体」を「架橋前の共重合体」と、略記する場合がある。 【0019】ここでいう絶縁性とは、その輸送エネルギーレベルが、主たる輸送電荷の輸送エネルギーレベルから大きくかけ離れており、通常の電界強度では、実質的に輸送電荷が注入されることがなく、主たる電荷にとって事実上の電気的絶縁状態にあることを意味する。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明の電子写真感光体を構成する各層についてさらに詳しく説明する。感光層は樹脂中に電荷発生物質を分散含有してなる単層型であっても電荷発生層と電荷輸送層よりなる積層型であってもよい。さらに電荷輸送層は2層以上であっても良い。 【0021】本発明の電子写真感光体の例を図を用いて説明する。 【0022】図1及び図2は本発明の電子写真用感光体の断面を示す模式図である。図1は導電性支持体1上に感光層2、保護層6が設けられている単層型の例である。図2は、図1の感光体において導電性支持体1と感光層2の間に、さらに下引き層3を設けたものである。 【0023】図3および図4は、本発明の他の形態の電子写真用感光体の断面を示す模式図である。図3は、導電性支持体1上に電荷発生層4、電荷輸送層5、及び保護層6が順次設けられている積層型の例である。図4は、図3の感光体において導電性支持体1と電荷発生層4の間に、さらに下引き層3を設けたものである。 【0024】これらの電子写真感光体は、さらに所望により乱反射層等を含むことができる。 【0025】また、感光層と保護層との間に、保護層から感光層への電荷の漏洩を阻止するブロッキング層を設けることができる。このブロッキング層としては、公知のものを用いることができる。 【0026】本発明の保護層は、少なくとも、導電性粒子、及び、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体を含有していることが必要であり、少なくとも、導電性粒子が分散され、且つ、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体が溶解された塗液を塗布し、成膜することで得られる。 【0027】本発明の保護層は、導電性粒子を含有することにより、導電性粒子による電荷の移動により、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体の実質的な誘電膜厚を薄くすることができ、電気特性を改善することが可能である。また、導電性粒子を絶縁性樹脂中に分散した、導電性粒子のみによる電荷の移動を行う保護層では、導電性粒子の接触状態や、導電性粒子の電気抵抗などが変わることで大きく特性が変化し、画像ボケや、残留電位が高くなったりといった不具合が起こり易い。しかし、結着樹脂が電荷輸送性を持つことで、導電性粒子同士の粒子接触が生じてなくとも電荷輸送が可能であり、残留電位の上昇などが生じることがなく、さらに、結着樹脂が整流性を有しているため、電荷が横方向に流れて生じる画像ボケを生じることもない。 【0028】また、本発明の保護層に用いられる結着樹脂は電荷輸送性を有し、さらに、その電荷輸送性を有する結着樹脂が、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体であることから、低分子を分散した結着樹脂より機械的強度が高く、硬化反応を阻害することもない。また、絶縁性ブロックを含まない電荷輸送性高分子よりなる結着樹脂よりも、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体とし、アロイ化の手法を導入することで、分子設計の自由度が大幅に広がり、電荷輸送能を損ねることなく、機械的強度、ガラス転移温度、結晶化度、屈折率、接着性、吸着性、可撓性、溶解性、溶融性、相分離状態等の制御を行うことが可能である。 【0029】電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体は、必ずしも架橋により分子構造が3次元化されている必要はなく、架橋されてなくても良いが、架橋により分子構造が3次元化されていることにより、さらなる耐摩耗性が得られるため好ましい。 【0030】架橋可能な官能基等の架橋部位は、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックのどちらにあっても良く、また、両方にあっても良いが、特に、共重合体中の架橋部位が、絶縁性ブロックのみにある方が、電気特性が良好となり好ましい。 【0031】さらに、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体が、電荷輸送性ブロックよりなる相と絶縁性ブロックよりなる相とに相分離していることにより、電荷輸送サイトの濃度が希釈されることがなく、電荷輸送性能が良好に保たれ、さらに、絶縁性ブロックと空間的に分離することにより、絶縁性ブロックの電荷輸送能に与える悪影響を最小限に抑えることが可能となり、電気特性が良好となる。 【0032】特に、架橋部位が絶縁性ブロックのみに存在し、かつ電荷輸送性の相と絶縁性の相とに相分離している場合は、架橋部位や架橋できずに残存する未架橋部位が、空間的に電荷輸送性部位から離れることにより、電荷輸送性能に悪影響を与えることを最小限に抑えることが可能となる。このため、電荷輸送性が悪化せず、光感度、残留電位、電荷輸送速度、電気的特性の繰り返し安定性に優れ、かつ耐摩耗性に優れた電子写真感光体を提供することができる。さらにまた、電荷輸送性部位と架橋部位の設計の自由度が大きくなり、電子写真特性と耐摩耗性の両立を容易とすることができる。 【0033】さらにまた、導電性粒子を分散した、架橋可能な官能基等の架橋部位を有する、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックよりなるブロック共重合体またはグラフト共重合体を含有する溶液を塗布したのち架橋させることにより、均一で良好な架橋重合体被膜が形成される。 【0034】さらにまた、本発明の電子写真感光体に用いる保護層は、ヒドロキシ基を有する、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックよりなる共重合体と、多価のイソシアネ−ト化合物との架橋重合物を含むことが好ましい。 【0035】さらにまた、本発明の電子写真感光体に用いる保護層が、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体中の官能性基同士の縮合反応による架橋重合物を含むことにより、架橋剤を添加する必要がなく、電荷輸送性の相に架橋剤が残留するために生じる電荷輸送性への悪影響をなくすことができる。たとえば、アルコキシシリル基はアルコキシシリル基同士の縮合反応により架橋できる。アルコキシシリル基は適度な反応性を有しているため、合成や取扱いに有利であるとともに、容易に架橋反応を起こすことができ、さらに、縮合により生じるアルコールも気化することにより感光層中に残留せず好ましい。 【0036】架橋された共重合体を含む保護層は、分子構造が3次元化されていない架橋前の共重合体と、必要により架橋剤及び/又は、触媒を混合した塗工液より成膜し、必要に応じ架橋のための処理を行うことにより得られる。 【0037】架橋可能な官能性基としては、架橋剤ハンドブック(大成社、昭和56年)、反応性ポリマーの合成と応用(シーエムシー、1989年)等の文献に記載されている架橋可能な官能基であれば如何なるものでも構わないが、ヒドロキシ基、アルコキシシリル基、エポキシ基、カルボキシル基、ハロゲン基、イソシアナート基、メルカプト基、クロルスルホン基、アミノ基、アミド基、第三級アミノ基、ニトリル基もしくは、ピリジン基、さらに、酸無水物構造を持つもの、二重結合を持つもの等が挙げられる。これら架橋可能な官能性基は電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックの両方またはどちらかに存在していれば良いが、絶縁性ブロック中にのみ存在している方が、電荷輸送性ブロックより形成される電荷輸送性の相への影響を与えにくく、電気特性上有利である。 【0038】架橋反応は、その反応に応じて、架橋剤および/または触媒、および/または、架橋条件が与えられる。架橋反応、架橋剤、触媒、および架橋条件、およびその組合せとしては、架橋剤ハンドブック(大成社、昭和56年)、反応性ポリマーの合成と応用(シーエムシー、1989年)等の文献に記載されている架橋可能な官能基が架橋するものであれば如何なるものでも構わない。架橋剤としては、例えば硫黄系化合物、有機過酸化物、多価のフェノール樹脂、多価のアミノ樹脂、多価のハロゲン化合物、多価のアミン化合物、多価のアゾ化合物、多価のイソシアネート化合物、多価のシリルイソシアネート化合物、多価のエポキシ化合物、シラン化合物、チタネート化合物、多価のカルボン酸化合物、酸無水物などである。これら架橋剤を、架橋可能な官能基を有する共重合体と予め混合したものを塗布し架橋させたり、該共重合体を予め塗布した上にこれらをスプレイや浸積、蒸気への暴露にて接触させて架橋させる。 【0039】架橋可能な官能基がヒドロキシ基であり、かつ、架橋剤として多価のイソシアナート化合物とした場合は特に好ましい。架橋可能な官能基がヒドロキシ基であり、かつ、架橋剤として多価のイソシアナート化合物とした場合、触媒として酢酸金属塩、金属塩化物、硫酸銅、ジ−n−ブチル錫ジラウレ−トなどを加えることができる。また、架橋を促進するため、加熱することができる。多価のイソシアネート化合物としては、イソシアネート単量体から得られる誘導体やプレポリマなどのポリイソシアネート変性体を用いることがより望ましい。これらの例としては、官能基数3以上のポリオールにイソシアネートを付加したアダクト変性体、ウレア結合を有する化合物をイソシアネート化合物で変成したビュ−レット変性体、ウレタン基にイソシアネートを付加したアロファネート変性体、イソシアヌレート変性体、などが好ましく、他にもカルボジイミド変性体などが用いられる。特に、下記構造式(1)、(2)で表されるものに代表される、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレット変性体、およびヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体は、機械的強度、電気特性の面で特に優れた特性を示す。 【0040】 【化1】
【0041】 【化2】
【0042】また、他のイソシアネート化合物として、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソソアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、リジンイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、などの一般的なイソシアネート単量体があげられる。前記ポリイソシアネート変性体に含まれるが、イソシアネート基の活性を一時的にマスクするためのブロッキング剤を反応させたブロックイソシアネートも好ましく用いることができる。これは、塗布液のポットライフを延長させる点からも好ましいものである。 【0043】また、架橋剤として使用できるシラン化合物、チタネート化合物の例としては以下に示すものを挙げることができる。その具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−(β−メトキシエトキシ)ビニルシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β−メルカプトエチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルメタクリルイソステアロイルチタネート等の公知の化合物が挙げられる。 【0044】また、架橋された共重合体が電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体中の官能基同士の縮合反応による架橋重合物である場合には、架橋剤を添加する必要がなく、電荷輸送性の相に架橋剤が残留するために生じる電荷輸送性への悪影響をなくすことができる。特に、架橋部位が絶縁性ブロックのみ存在する場合は、または架橋可能な官能基が絶縁性ブロックのみにある共重合体の場合は、電荷輸送性の相中に架橋剤の残留が無い上に、電荷輸送性の相中に架橋部位、および、未架橋部位も無いため、電荷輸送性を損なうことが無く、特に好ましい。官能基同士が縮合反応することができる官能基の例としては、アルコキシシリル基同士、イソシアネート基同士、ヒドロキシル基とイソシアネート基などが挙げられる。特に、アルコキシシリル基は適度な反応性を有しているため、合成や取扱いに有利であるとともに、容易に架橋反応を起こすことができ、さらに、縮合により生じるアルコールも気化することにより感光層中に残留せず好ましい。架橋可能な官能基がアルコキシシリル基の場合は触媒として、酢酸、塩酸などの酸、またはアルカリ、有機金属化合物等を加えることができ、さらに水を加えてもよい。また、架橋を促進するため、加熱することができる。 【0045】本発明に用いる架橋前の共重合体は、その構成ブロックの連結形式は如何なるものでも構わない。例えば、電荷輸送性ブロックをA、絶縁性ブロックをBとして、AB型、ABA型、BAB型、(AB)n型、(AB)nA型、およびB(AB)n型のブロック共重合体、電荷輸送性ブロックを主鎖、絶縁性ブロックを側鎖とするグラフト共重合体、絶縁性ブロックを主鎖、電荷輸送性ブロックを側鎖とするグラフト共重合体、もしくはABA型等のブロック共重合体の側鎖にAおよび/またはBをグラフト化したブロック−グラフト共重合体等のブロック共重合体、グラフト共重合体、ブロック−グラフト共重合体等が挙げられる。 【0046】本発明に用いる架橋前の共重合体の架橋可能な官能基は、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックの両方、または、どちらか一方に含まれていればよい。絶縁性ブロックが、架橋可能な官能基を有する繰り返し単位を重合したブロックと架橋可能な官能基を有しない繰り返し単位を重合したブロックより形成されていてもよい。また、絶縁性ブロックが架橋可能な官能基を有する繰り返し単位を重合したブロックのみで形成されていても良い。特に、架橋可能な官能基が絶縁性ブロックのみに存在し、絶縁性ブロック中の架橋可能な官能基を有する繰り返し単位と架橋可能な官能基を有しない繰り返し単位の組成比は、1:20〜10:1(重量比)の範囲が好ましく、さらに1:5〜3:1(重量比)の範囲がより好ましい。架橋可能な官能基を有する繰り返し単位の組成比が前記上限値を上回ると、脆くなる傾向があり、架橋可能な官能基を有する繰り返し単位の組成比が前記下限値を下回ると、機械的強度が悪化する傾向にある。 【0047】架橋前の共重合体は、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体の電荷輸送性ブロックまたは絶縁性ブロックの生成の際に、架橋可能な官能基を有する繰り返し単位をブロック中にランダム共重合、またはブロック共重合させることによって得られる。また、架橋可能な官能基を持たない、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックよりなるブロック共重合体またはグラフト共重合体の末端に、架橋可能な官能基を有する繰り返し単位を重合させても得ることができる。 【0048】ポリマーブレンド、ポリマーアロイの分野でよく知られているように、一般に、異なる高分子は互いに非相溶であり、それらの混合物およびブロック共重合体またはグラフト共重合体は相分離状態を取る。一般に、単なる混合物、すなわち、ポリマーブレンドではその相分離のスケールは数μm以上のマクロなものとなる(マクロ相分離)。これに対し、各成分が共有結合で連結されたブロック共重合体およびグラフト共重合体では、サブミクロン以下の微細なドメインからなる相分離状態を与える(ミクロ相分離)。ブロック共重合体およびグラフト共重合体における相分離のスケールは、一般的に各ブロックの平均長と同一次元であり、分子量にほぼ比例することが知られている。本発明に用いる電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体も、一般的にミクロ相分離状態を取る。しかしながら、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体は、必ずしもミクロ相分離状態を取るものばかりではなく、各ブロックの組合せによっては、相溶性を示し、相分離を起こさないものも在る。 【0049】一般的に、相分離性ブロックまたはグラフト共重合体における相分離状態は構成ブロックの種類、分子量、および両ブロックの組成比等により、熱力学的に最も安定な構造が存在し、Aブロック、Bブロックからなる共重合体では、連結形式には依らず、A/B組成比にのみ依存し、A/B比の増加に伴い、Aが球状ドメインでBがマトリックス、Aが棒状ドメインでBがマトリックス、A/B交互層、Bが棒状ドメインでAがマトリックス、Bが球状ドメインでAがマトリックスへと系統的に変化する。但し、湿式塗布法により、成膜する場合には、用いる溶媒および乾燥速度等により、相分離状態を任意に制御することができる。例えば、A/B比が大きく熱力学的にはB球−Aマトリックスを取る場合でも、塗布溶媒として、Bの良溶媒でありかつAの貧溶媒である溶媒を選択すれば、A球−Bマトリックス構造を得ることができる。また、A、B両者の良溶媒を用い、急速に溶媒を除去すると、スピノーダル分解状態で凍結した相分離構造(変調構造)を得ることがである。また、A/B比が大きく熱力学的にはB球−Aマトリックスを取る共重合体に、Bのみと相溶性のある重合体を添加していくと、添加量の増加に伴い、B球が肥大化し、最終的には、Aが球、BおよびBのみと相溶性のある重合体がマトリックスとなる相分離構造を与える。 【0050】本発明に用いる架橋可能な官能基を有する共重合体の合成方法としては、例えば、第4版実験化学講座28 高分子合成(丸善、1992)、マクロモノマーの化学と工業(アイピーシー、1990)、高分子の相溶化と評価技術(技術情報協会、1992)、高分子新素材One Point 12 ポリマーアロイ(共立、1988)等の文献に記載されているブロック共重合体またはグラフト共重合体を与え得る任意の適当な合成法を用いることができる。 【0051】例えば、予め電荷輸送性重合体と絶縁性重合体を合成し、それら重合体同士を反応結合させることによって所望とするブロック共重合体が得られる。また、電荷輸送性ブロックを形成するモノマーと絶縁性ブロックを形成するモノマーの重合形式が同じでありかつ両者の反応性が大きく異なる場合には、単にそれらモノマーの混合物を重合させることで、まず、反応性の高い方のモノマーが重合し、該モノマーが消費された後、反応性の低い方のモノマーが重合し、所望とするブロック共重合体が得られる。また、予め一方のモノマーの重合物を合成し、該重合物の末端および/または側鎖にアゾ、過酸エステル、パーオキシ、ジチオカルバマート、アルカリ金属アルコラート、アルカリ金属アルキル等の重合開始能を有する基を含む重合開始剤を導入し、該重合開始剤により、他方のモノマーを重合させることによっても、所望とするブロック共重合体またはグラフト共重合体が得られる。この方法によれば、重縮合または重付加系重合体と付加重合または開環重合系重合体からなるブロック共重合体またはグラフト共重合体を容易に得ることができる。また、分子中にアゾ、過酸エステル、パーオキシ等の重合開始能を有する基を複数含む化合物を用い、まず、一部の重合開始基から、一方のモノマーを重合させ、次に残りの重合開始基から、他方のモノマーを重合させることによっても所望とするブロック共重合体が得られる。また、カチオンリビング重合法、アニオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法等のリビング重合法により、各モノマーを逐次重合させることによっても所望とするブロック共重合体を得ることができる。リビング重合法は、各ブロックの分子量を容易に制御でき、かつ分子量分布の狭い重合体を与え得ると云う利点を有する。また、イモータル重合法、Iniferter法等により、各モノマーを逐次重合させることによっても所望とするブロック共重合体を得ることができる。さらにまた、予め一方のモノマーの重合物の末端に他方のモノマーを導入したマクロモノマーを合成し、該マクロモノマーを重合することによって所望とするグラフト共重合体を得ることができる。 【0052】本発明の共重合体の電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックの分子量は如何なる値でも構わないが、高分子特性を発揮するには、2000以上であることが望まれる。また、相分離しやすくするためにも電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックの分子量は、2000以上、好ましくは5000以上、より好ましくは10000以上、さらに好ましくは20000以上である。分子量の上限に関しては電気的特性上、また機械特性上の制限は特にないが、湿式塗布法によって成膜を行う場合には、適当な溶液粘度を与える範囲内にあることが必要となり、一般的には、5000000以下であることが好ましい。 【0053】本発明の共重合体中の電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックの重量比率は、1:9〜9:1の間に設定される。特に、2:8〜8:2が好ましく、さらに、3:7〜7:3が特に好ましい。電荷輸送性ブロックの重量比率が上記範囲より小さいと電荷輸送性を十分に発揮することができず、光感度の低下、残留電位の上昇、繰り返し安定性の低下などの障害を起こす。また、電荷輸送性ブロックの重量比率が上記範囲より大きいと、機械的強度が低くなる傾向にある。 【0054】本発明の共重合体の電荷輸送性ブロックとしては、その繰り返し単位中に電荷輸送性を有する構造を含むものであれば、ポリビニカルバゾール、ポリシラン等、如何なるものでも構わないが、前記のようにその繰り返し単位中にトリアリールアミン構造を含むものは電荷移動度、電荷注入性、電荷寿命、可視光および赤外光透過性、化学的安定性等の点で好ましい。 【0055】特にトリアリールアミン構造として下記一般式(3)または(4)で示される構造の少なくとも1種を繰り返し単位として含有するものが好ましい。 【0056】 【化3】
【0057】 【化4】
【0058】上記一般式(3)中、Ar1 およびAr2 はそれぞれ独立に置換もしくは未置換のアリール基から選ばれ、該アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げられる。また、置換基としては、メチル基、エチル基、メトキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。 【0059】X1 は芳香族環構造を有する2価の炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基から選ばれる。具体例としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、メチレンジフェニル基、シクロヘキシレデンジフェニル基、オキシジフェニル基、チオジフェニル基等、およびこれらのメチル置換体、エチル置換体、メトキシ置換体、またはハロゲン置換体等が挙げられ、この中でも特に置換もしくは未置換のビフェニレン基が電荷輸送性の点で、特に好ましい。 【0060】X2 およびX3 はそれぞれ独立に置換もしくは未置換のアリーレン基から選ばれ、具体的には、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基等、およびこれらのメチル置換体、エチル置換体、メトキシ置換体、またはハロゲン置換体等が挙げられる。 【0061】L1 は枝分れもしくは環構造を含んでもよい2価の炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基から選ばれ、上記の好ましい特性の少なくとも1つを発揮するかぎり任意であるが、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、シロキサン結合等から選ばれる結合基を含み、かつ炭素数が20以下であるものが好ましい。その具体例としては、以下のものが挙げられる。 【0062】 【化5】
【0063】上記一般式(4)中、Ar3 およびAr4 はそれぞれ独立に置換もしくは未置換のアリール基から選ばれ、該アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げられる。また、置換基としては、炭素数1〜12個のアルキル基またはアルコキシ基、ジフェニルアミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。 【0064】L2 は芳香族環構造を有する3価の炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基から選ばれ、上記の好ましい特性の少なくとも1つを発揮するかぎり任意であるが、炭素数が20以下のものが好ましい。その具体例としては、以下のものが挙げられる。 【0065】 【化6】
【0066】 【化7】
【0067】本発明の共重合体中の絶縁性ブロックとしては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン等、如何なるものでも構わないが、機械的強度、可撓性、可視光および赤外光透過性、化学的安定性、絶縁性等の点で、ビニル系モノマーの重合物からなることが好ましい。 【0068】特にビニル系モノマーとして、下記一般式(5)で示されるビニルモノマーの少なくとも1種を重合して得られるものが好ましい。さらに、下記一般式(6)で示される架橋可能な官能基を有するビニルモノマー、および、下記一般式(5)で示されるビニルモノマーの少なくとも1種を共重合して得られるものが好ましい。 【0069】 【化8】
【0070】上記一般式(5)中、R1 〜R3 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または置換もしくは未置換のアルキル基またはアリール基から選ばれる。置換もしくは未置換のアルキル基またはアリール基の具体例としては、メチル基、エチル基、メトキシ基、クロロメチル基、フェニル基、トリル基等が挙げられる。 【0071】R4は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、またはアルコキシカルボニル基から選ばれる。アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、およびアルコキシカルボニル基の炭素数は1〜18個が好ましく、またアリール基としてはフェニル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げられる。置換基としては、ハロゲン原子、フェニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、アルコキシシリル基等が挙げられる。 【0072】 【化9】
【0073】上記一般式(6)中、R5 〜R7 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または置換もしくは未置換のアルキル基またはアリール基から選ばれる。置換もしくは未置換のアルキル基またはアリール基の具体例としては、メチル基、エチル基、メトキシ基、クロロメチル基、フェニル基、トリル基等が挙げられる。 【0074】R8 はクロルスルホン基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ニトリル基、イソシアナート基、アミノ基、エポキシ基もしくはアルコキシシリル基で置換されたアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、またはアルコキシカルボニル基を示す。 【0075】該アルキル基としては、枝分かれもしくは環構造を含んでも良いが、炭素数が1〜20個のものが好ましく、また該アリール基としてはフェニル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げられる。 【0076】本発明の架橋可能な官能基を有する共重合体において、電荷輸送性ブロック中の繰り返し単位として含有する、上記一般式(3)で表される構造式の具体例を下記表1〜4に示し、上記一般式(4)で表される構造式の具体例を下記表5に示し、また、絶縁性ブロック中の繰り返し単位として含有する、上記一般式(5)で表されるビニルモノマーの構造式の具体例を下記表6〜7に、上記一般式(6)で表される架橋可能な官能基を有するビニルモノマーの具体例を下記表8〜10に示すが、本発明はこれらに限られるものではない。また、本発明の電荷輸送性共重合体の具体例としては、下記表1〜3に示される構造から選ばれる任意のものを繰り返し単位とするブロックと下記表4〜5に示される構造から選ばれる任意のものを繰り返し単位とするブロックとからなるブロック共重合体が挙げられるが、本発明はこれらに限られるものではない。 【0077】 【表1】
【0078】 【表2】
【0079】 【表3】
【0080】 【表4】
【0081】 【表5】
【0082】 【表6】
【0083】 【表7】
【0084】 【表8】
【0085】 【表9】
【0086】 【表10】
【0087】本発明の共重合体中の絶縁性ブロックまたは絶縁性の相の抵抗値としては、1013Ωcm以上が好ましく、特に、1014Ωcm以上が好ましい。上記値より絶縁性ブロックの抵抗値が低くなると、絶縁性ブロック中に輸送電荷が侵入し、電荷輸送性の低下、光感度の低下、残留電位の上昇、繰り返し安定性の低下などの障害が起こる。尚、共重合体中の電気抵抗率を、直接測定することは困難であり、絶縁性ブロックまたは絶縁性の相と同一構造の高分子の電気抵抗率で代用することができる。 【0088】本発明の共重合体中の電荷輸送性ブロックまたは電荷輸送性の相の電荷移動度は、電子写真感光体の応答速度を支配する一因子であり、移動度が高いものほど、高速の電子写真装置に好適に用いられる。本発明の電子写真装置においては、少なくとも現像に用いる電界強度域において、共重合体中の電荷輸送性ブロックまたは電荷輸送性の相の電荷移動度が10-7cm2 /Vs以上であることが好ましい。この電荷移動度は、より好ましくは10-6cm2 /Vs以上である。尚、電荷輸送性ブロックまたは電荷輸送性の相の電荷移動度を、直接測定することは困難であり、電荷輸送性ブロックまたは電荷輸送性の相と同一構造の電荷輸送性高分子の電荷移動度で代用することができる。移動度の測定は、当業界における常法である、Time−of−Flight法により行うことができ、電界強度5V/μmでの値で代表される。 【0089】本発明の共重合体の電荷輸送性の相と絶縁性の相の相分離構造は、海島構造、シリンダー型の構造ラメラ型の構造、変調構造等どのような相構造でも良い。共重合体中の相分離状態の直接的観察は、染色した切片を透過型電子顕微鏡で観察する方法などがある。しかし、前述の様に共重合体中の相の電気抵抗、および電荷移動度の測定は困難であるため、直接的に電荷輸送性の相と絶縁性の相とに相分離しているかどうかを確認することは困難である。ところが、高分子の性質上、二種類以上の構成よりなるブロックの共重合体中で相分離構造が確認されれば、各々の相は、同種のブロックにより構成されるとみなすことができる。そのため、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックよりなる共重合体であり、かつ、相分離がなんらかの方法で確認できれば、電荷輸送性ブロックより構成される相と絶縁性ブロックより構成される相に相分離しているとみなせる。当然のことながら、電荷輸送性ブロックより構成される相は電荷輸送性の相であり、絶縁性ブロックより構成される相は絶縁性の相である。相分離の確認方法としては、顕微鏡法の他にも例えば、光散乱法、X線小角散乱法、熱分析などがある。 【0090】本発明に用いられる保護層中の導電性粒子としては、導電性、或いは、半導電性を有するカーボン、金属(例えば、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、ニッケル、クロム、チタニウム等)、金属酸化物(TiO2 、SnO2 、Sb2 O3 、In2 O3 、ZnO、MgO等)、さらに、ドーパントをドープした金属酸化物(例えば、ZnO−Al2 O3 、SnO2 −Sb2 O3 、In2 O3 −SnO2 、ZnO−TiO2 、MgO−Al2 O3 、FeO−TiO2)、導電性ガラス材料、及びセラミック材料等、が挙げられる。また、絶縁性の無機フィラー、有機フィラーの表面をカーボン、金属酸化物、ドーパントをドープした金属酸化物、導電性ガラス材料、及びセラミック材料等により被覆した粒子も挙げられる。 【0091】導電性粒子としては、保護層の表面抵抗の制御が容易なこと、透明な膜が得られ易いこと等から、酸化チタン、酸化錫、及びアンチモンをドープした酸化錫が特に好ましい。 【0092】前記導電性粒子の粒径は、最表面層における適切な表面抵抗値を保ちつつ表面の平滑性を維持する点から、0.3μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.3μmである。ここで、導電性粒子の粒径とは、導電性粒子が凝集体を構成している場合には、その凝集体(二次粒子)の粒径をいい、導電性粒子が凝集体を構成していない場合には、個々の導電性粒子(一次粒子)の粒径をいうものとする。 【0093】保護層中の導電性粒子の含有量は、粒子の導電性や粒径、形状、分散状態によって異なるが、5〜80重量%で、好ましくは10〜70重量%の範囲が適当であり、保護層の表面抵抗値が、109Ωcm以上、好ましくは1011Ωcm以上、さらに好ましくは1012〜1015Ωcmになるように添加することが好ましい。 【0094】これより低い抵抗では画像が不鮮明となり、これより高い抵抗では残留電位が高すぎて十分なコントラストが得られない傾向がある。 【0095】保護層の膜厚は0.5〜20μmが適当であり、好ましくは1〜10μmの範囲に設定される。 【0096】保護層には、導電性粒子を樹脂中に分散するための分散剤を添加してもよい。分散剤の種類としては、導電性粒子と樹脂の種類に応じて選定されるが、アニオン系、カチオン系、ノンイオン系、更にはシランカップリング剤等が挙げられる。 【0097】導電性粒子と共重合体との分散は、ダイノミル、サンドグラインドミル、又はボールミルを用いて行うことができる。 【0098】電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは、光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、保護層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等を添加することができる。酸化防止剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられる。光安定剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体、および、光励起状態をエネルギー移動あるいは電荷移動により失活し得る電子吸引性化合物または電子供与性化合物等があげられる。 【0099】さらに、本発明の電子写真感光体において保護層中には、導電性粒子以外の各種の粒子を分散・含有させることができる。例えば、表面磨耗の低減、転写性の向上、クリーニング性の向上等を目的として、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、無機フィラー等の絶縁性粒子を分散させてもよい。 【0100】塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。 【0101】導電性支持体は、不透明または実質的に透明であることができ、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、および、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、ステンレス、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィルム、ガラス等、あるいは導電性付与剤を塗布または含浸させた紙、プラスチックフィルムおよびガラス等があげられる。これらの導電性支持体は、ドラム状、シート状、プレート状等、適宜の形状のものとして使用されるが、これらに限定されるものではない。さらに必要に応じて導電性支持体の表面には、画質に影響のない範囲で各種の処理を行うことができる。例えば、表面の酸化処理や薬品処理、および着色処理等、または砂目立てなどの乱反射処理等を行うことができる。 【0102】また、導電性支持体と感光層の間に、一層または複数層の下引き層を設けてもよい。この下引き層は、感光層の帯電時において導電性支持体から感光層への電荷の注入を阻止すると共に、感光層を導電性支持体に対して一体的に接着保持せしめる接着層としての作用、あるいは場合によっては導電性支持体からの光の反射防止作用等を果たす。 【0103】上記下引き層としては、公知のものを用いることができ、例えば、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、アルコール可溶性ナイロン樹脂、ニトロセルロース、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等の高分子化合物、または、ジルコニウムアルコキシド化合物、チタンアルコキシド化合物、シランカップリング剤等の硬化性金属有機化合物を、単独または2種以上を混合して用いることができる。また、帯電極性と同極性の電荷のみを輸送し得る材料も使用可能である。 【0104】また、下引き層の膜厚は、0.01〜10μmが適当であり、好ましくは0.05〜5μmの範囲である。塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。 【0105】本発明の電子写真用感光体の感光層が単層型の場合は、結着樹脂中に電荷発生材料を分散させたものを塗布することにより作製することができる。また、該感光層中に電荷輸送性低分子化合物、および/または電荷輸送性高分子化合物を含ませることができる。さらにまた、光感度の向上、残留電位の低下などの目的のために、電子親和性を有する材料を含ませることができる。さらにまた、化学的安定性を保つため、酸化防止剤、および、または、紫外線吸収剤を含ませることができる。 【0106】本発明の単層型感光体における感光層中の電荷発生材料と結着樹脂との配合比(重量比)は、1:1〜1:100の範囲が好ましい。より好ましくは、1:3〜1:50の範囲に設定される。電荷発生材料の結着樹脂に対する配合比が前記範囲より多いと、暗減衰を増大し機械的特性を悪化させる。また、前記範囲より少ないと光感度の低下、残留電位の増大等の障害が起きる。また、単層型における感光層の膜厚は一般的には、1〜100μmが適当であり、好ましくは5〜50μmの範囲に設定される。塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。 【0107】本発明の電子写真用感光体の感光層が積層型の場合、電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着法により、または電荷発生材料を結着樹脂中に分散または溶解したものを導電性支持体あるいは下引き層に被覆することにより作製できる。また、該電荷発生層中に電荷輸送性低分子化合物、および、または、電荷輸送性高分子化合物を含むことができる。さらにまた、電荷発生層は、化学的安定性を保つため、酸化防止剤、及び/又は、紫外線吸収剤を含むことができる。 【0108】本発明の積層型感光体の電荷発生層における電荷発生材料と結着樹脂との配合比(重量比)は、10:1〜1:10の範囲が好ましい。より好ましくは、3:1〜1:1の範囲に設定される。電荷発生材料の結着樹脂に対する配合比が前記範囲より多いと、暗減衰が増大し機械的特性が悪化する。 【0109】また、前記範囲より少ないと光感度の低下、残留電位の増大等の障害が起きる。また、本発明で用いる電荷発生層の膜厚は一般的には、0.05〜5μmが適当であり、好ましくは0.1〜2.0μmの範囲に設定される。塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。 【0110】本発明の電子写真用感光体における単層型の感光層および積層型の電荷発生層に用いる電荷発生材料としては、公知のものを使用することができる。例えば、非晶質セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、その他セレン化合物およびセレン合金、酸化亜鉛、酸化チタン、a−Si、a−SiC等の無機系光導電性材料、フタロシアニン系、スクアリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の有機顔料および染料が使用できるが、これらに限定されるものではない。また、これらの有機顔料および染料は、単独あるいは2種以上混合して用いることができる。 【0111】フタロシアニン系化合物は、デジタル式の電子写真装置に光源として現在好まれて使用されているLEDおよびレーザーダイオードの発振波長である600〜850nmに優れた光感度を有するため、本発明の感光層に用いる電荷発生材料として特に好ましい。フタロシアニン系化合物は、詳しくは、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニンであり、金属フタロシアニンの中心金属としては、Cu、Ni、Zn、Co、Fe、V、Si、Al、Sn、Ge、Ti、In、Ga、Mg、Pb等があげられ、またこれら中心金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、アルキル化物、アルコキシ化物等も使用できる。具体的には、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ジクロロ錫フタロシアニンなどをあげることができる。また、これらのフタロシアニン環に任意の置換基を含むものも使用することができる。さらにまた、これらのフタロシアニン環中の任意の炭素原子が窒素原子で置換されたものも有効である。これらフタロシアニン系化合物の形態としては、アルモルファスまたは全ての結晶多形のものが使用可能である。 【0112】これ等フタロシアニン系化合物の中でも、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、およびジクロロ錫フタロシアニンは、特に優れた光感度を有しており、電荷発生材料として特に好ましい。 【0113】本発明の電子写真感光体における単層型の感光層および積層型での電荷発生層に用いる結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シリコン樹脂、フェノール樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等があげられるがこれらに限定されるものではない。これらの結着樹脂はブロック、ランダムまたは交互共重合体であることができる。また、これらの結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いることができる。 【0114】本発明の電子写真感光体における積層型での電荷輸送層には、従来の積層感光体に電荷輸送層として用いられている公知のものを使用することができる。例えば、ベンジジン系化合物、アミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、カルバゾール系化合物等のホール輸送性低分子化合物またはフルオレノン系化合物、マロノニトリル系化合物、ジフェノキノン系化合物等の電子輸送性低分子化合物を、単独でまたは2種以上を混合して、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート等の絶縁性樹脂中に均一分子分散した固溶膜、あるいは、それ自身電荷輸送能を有する高分子化合物等を用いることができる。また、電荷輸送層には、セレン、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンカーバイト等の電荷輸送能を有する無機物質を用いることもできる。電荷輸送性高分子化合物としては、ポリビニカルバゾール等の電荷輸送能を有する基を側鎖に含む高分子化合物、特開平5−232727号公報等に開示されているような電荷輸送能を有する基を主鎖に含む高分子化合物、およびポリシラン等をあげることができる。もちろん、本発明の電子写真感光体の保護層に用いる共重合体を電荷輸送層に用いることも可能である。 【0115】本発明の電子写真感光体の積層型の感光層に用いる電荷輸送層の膜厚は1〜100μm、好ましくは5〜50μmに設定される。塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。また、気相成膜可能なものは、真空蒸着法等により直接成膜することもできる。 【0116】本発明の電子写真感光体において、保護層と接する電荷輸送層に使用される電荷輸送性物質としては、電荷輸送性高分子化合物を用いることが好ましい。その理由は、感光体製造プロセスにおいて、電荷輸送層と架橋前の共重合体を主なマトリックスの成分とする層を積層成膜する場合、架橋前の共重合体と接する電荷輸送層に低分子化合物である電荷輸送性物質を用いると、電荷輸送性低分子化合物が、架橋前の共重合体を主なマトリックス成分とする層に混入してしまい、絶縁性の相の絶縁性が低下し、混入分子が電荷トラップとなり残留電位の増大、輸送能の低下および光感度の低下等の障害が発生するからである。この問題は特に、湿式塗布法により、各層を成膜する場合に顕著になる。もちろん、これらの問題は、上層の塗布溶剤として、下層を溶解および膨潤し難いものを選択するか、または、絶縁性ブロックとして電荷輸送性低分子化合物と相溶性の無いものを選択する等により、回避することが可能である。 【0117】ところが、高分子同士は相溶することなく相分離を起こすことが一般的であることが知られており、架橋された共重合体と接する電荷輸送層として、電荷輸送性高分子化合物を用いた場合、架橋された共重合体中の絶縁性ブロックと相溶することなく相分離するため、上記のような混入の問題は殆ど発生せず、材料および製造法の選択に当たっての制約が解消されるという利点を有する。 【0118】本発明の電子写真感光体を搭載する電子写真装置としては、電子写真法を用いるものであれば如何なるものでも構わないが、電子写真装置としては、電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電手段により帯電される電子写真感光体を露光する露光手段と、露光手段により露光された部分を現像する現像手段と、現像手段により電子写真感光体に現像された像を転写する転写手段とを備えるものが用いられる。電子写真装置に具備する現像手段としては如何なるものでも構わないが、液体現像法式を採用する電子写真装置においては、耐溶剤性に優れクラックなどの問題のない本発明の電子写真感光体を好ましく使用できる。さらにまた、電子写真装置に具備する帯電手段としては如何なるものでも構わないが、接触式の帯電手段、特に、直流電圧に交流電圧を重畳した接触式の帯電手段を採用する電子写真装置においては、優れた耐摩耗性を有するため、好ましく使用できる。こうした電子写真装置としては、例えば、アナログ露光系の電子写真複写機、レーザー露光式デジタル電子写真複写機、電子写真式ファクシミリ、レーザービームプリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンター等が挙げられる。 【0119】また、本発明の電子写真感光体とともにクリーニング手段、帯電手段、現像手段などの1つ以上と組み合せてプロセスカートリッジとしても良い。また、本発明のプロセスカートリッジは、電子写真装置本体に着脱自在となっており、電子写真装置本体とともに電子写真装置を構成するものである。 【0120】 【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、当業者は電子写真技術の公知の知見から、以下の実施例に変更を加えることが可能である。 合成例1:反応性重合開始剤 4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸クロリド)の合成塩化チオニル220mlを氷冷し、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)100gを徐々に加えた。これを30℃で6時間加熱し、過剰の塩化チオニルを減圧下で留去した。残留物をクロロホルムより再結晶化して42gの4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸クロリド)結晶を得た。 合成例2N,N−ビス(p,m−ジメチルフェニル)− N−[(m,m’−ビスメトキシカルボニルエチル)フェニル]アミン100g、エチレングリコール200gおよびテトラブトキシチタン5gを、窒素気流下で3時間加熱還流した。N,N’−ビス(p,m−ジメチルフェニル)−N,N’−ビス[p−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンが消費されたことを確認したのち、0.5mmHgに減圧しエチレングリコールを留去しながら230℃に加熱し、さらに5時間反応を続けた。その後、室温まで冷却し、塩化メチレンを加え不溶分を溶解させ、アセトンから再沈殿することにより、両末端にヒドロキシ基を有するプレポリマー90gを得た。得られたプレポリマーの重量平均分子量は7.4×104であった。 【0121】上記プレポリマー43gとトリエチルアミン0.5gをトルエン120mlに溶解し、0℃以下に冷却した。ここに、合成例1で得られた4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸クロリド)5.6gをトルエン20mlに懸濁した液を滴下した。室温で1時間反応させた後に30℃で6時間反応させた。ここから溶媒を留去し、テトラヒドロフランを加えて溶解させ、メタノールに滴下し、1時間撹拌した後に濾別した。この再沈殿操作をさらに2回繰り返した。残った化合物を乾燥して両末端にアゾ型重合開始基を有する電荷輸送性重合体41gを得た。 【0122】この両末端にアゾ型重合開始基を有する電荷輸送性重合体6g、tert−ブチルメタクリレート6g、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート2gをテトラヒドロフラン120mlに溶解し、窒素置換した後に65℃で95時間加熱した。この溶液をメタノールに滴下し、1時間撹拌した後に濾別した。得られた固体をシクロヘキサンで十分に洗浄し、下記構造式(7)で示される、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性ブロックと架橋可能な官能基としてアルコキシシリル基を有する絶縁性ブロックよりなるブロック共重合体を合成した。 【0123】 【化10】
【0124】(式中、Y1、Z1はそれぞれtert−C4H9又はC3H7Si(OCH3)3を表し、o、p,qは正の整数を表す) 上記電荷輸送性重合体の重量平均分子量は3.1×104 、最終的に得られたブロック共重合体の重量平均分子量は5.5×104 であり、得られたブロック共重合体の1H−NMRスペクトルの両ブロック固有のプロトンに対応するピークの積分比から、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックの重量組成比はおよそ2:3と計算される。また、絶縁性ブロック中の架橋部位と非架橋部位の重量組成比はおよそ2:8と計算される。 合成例3N,N−ビス(p,m−ジメチルフェニル)− N−[(m,m’−ビスメトキシカルボニルエチル)フェニル]アミンを N,N’−ビス(p,m−ジメチルフェニル)−N,N’−ビス[p−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]−[3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンに、変えた以外は合成例2と同様にして、両末端にアゾ型重合開始基を有する電荷輸送性重合体を得た。 【0125】上記末端に重合開始基を有する電荷輸送性重合体6g、tert−ブチルメタクリレート6g、2−ヒドロキシメタクリレート2gをトルエン120mlに溶解し、窒素置換した後に65℃で95時間加熱した。この溶液をメタノールに滴下し、1時間撹拌した後に濾別した。得られた固体をシクロヘキサンで十分に洗浄し、下記構造式(8)で示される、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性ブロックと架橋可能な官能基としてヒドロキシ基を有する絶縁性ブロックよりなるブロック共重合体9gを得た。 【0126】 【化11】
【0127】(式中、Y2、Z2はそれぞれtert−C4H9又はC2H5OHを表し、o、p,qは正の整数を表す) 得られた共重合体の重量平均分子量は12×104 であり、得られたブロック共重合体の1H−NMRスペクトルの両ブロック固有のプロトンに対応するピークの積分比から、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックの重量組成比はおよそ3:2と計算される。また、同様にして絶縁性ブロック中の架橋部位と非架橋部位の重量組成比はおよそ2:8と計算される。 合成例4合成例3と同様に、末端にアゾ型重合開始基を有する電荷輸送性重合体を得た。 【0128】得られた末端にアゾ型重合開始基を有する電荷輸送性重合体70gをトルエン1300mlに溶解し、スチレン240gとメタクリル酸20gを加え、窒素置換した後に65℃で70時間加熱した。これをメタノールに滴下し、沈降した固体を濾別した。濾液を分析した所、スチレン、メタクリル酸、およびスチレン-メタクリル酸共重合体が検出された。次に、濾別した固体80gを、細かく粉砕し、キシレン720ml中に入れ、24時間撹拌したのち、シクロヘキサン350mlを加え、不溶分と可溶分に分別した。1H−NMRスペクトルとGPC分析の結果、可溶分は未反応の電荷輸送性高分子と電荷輸送性ブロックに富むブロック共重合体であり、不溶分が目的とする下記構造式(9)で示されるブロック共重合体であった。 【0129】 【化12】
【0130】(式中、Y3、Z3はそれぞれCOOCH3又はC6H5を表し、o、p,qは正の整数を表す) 1H−NMRスペクトルの解析から、目的とするブロック共重合体の電荷輸送性ブロックと電荷輸送不活性ブロックの重量組成比はおよそ32:68であった。また、電荷輸送不活性ブロック中のスチレン単位とメタクリル酸単位の重量比はおよそ80:20であった。 (実施例1)ポリカーボネートZ樹脂(ユーピロンZ−400、三菱ガス化学(株)製)8重量部を予めトルエン89重量部に溶解した溶液に、ジクロロ錫フタロシアニン3重量部を加え、24時間サンドミルで分散し、塗工液を調製した。得られた塗工液をアルミニウムプレート、および、アルミニウムドラム上に浸漬塗布し、100℃にて1時間加熱乾燥し、膜厚15μmの感光層を作製した。次に、合成例2のブロック共重合体8重量部をトルエン92重量部に溶解し、アンチモンをドープした酸化錫微粉末(S−1、三菱マテリアル社製、一次粒径0.01μm)10重量部を加え、ボールミルで混合分散した後、さらに酢酸0.5重量部を加えた塗工液を上記感光層上にスプレー塗布し、150℃において30分加熱硬化し、膜厚3μmの表面保護層を形成し、図1に示される構造の、保護層中に架橋により分子構造が3次元化した電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体と、導電性粒子を含む電子写真感光体を形成した。 【0131】この保護層をルテニウム酸染色法による透過型電子顕微鏡で観察したところ、相分離構造が観測された。また、相分離構造のスケールはおよそ0.03μmであった。 【0132】このようにして得られた電子写真用感光体に対し、静電複写紙試験装置(エレクトロスタティックアナライザーEPA−8100、川口電機製作所社製)を用いて、常温常湿(25℃、相対湿度50%RH)の環境下、電子写真特性の評価を行った。コロナ放電電圧を調整し、感光体表面を−750Vに帯電させた後、干渉フィルターを通し750nmに単色化したハロゲンランプ光を感光体表面上で2mW/m2 の光強度になるように調整し、7秒間照射し、光誘起電位減衰曲線より半減露光量E50% を求めた。また、露光開始より7秒後の電位を残留電位とした。E50% は6.5mJ/m2 、残留電位は−90Vであった。 【0133】さらに、この感光体をレーザー露光式プリンター(「Laser Press4161II」 富士ゼロックス社製)に搭載し、高温高湿下(28℃/相対湿度85%)における画像ボケの評価、及び、常温常湿下(25℃/相対湿度50%)にて3万枚の実機走行試験を行った。画像ボケは視認によって評価した。また本レーザー露光式プリンターのドラム回転速度は58rpm、潜像形成用光源は発振波長780nmのレーザーダイオード、帯電器は直流電圧に交流電圧を重畳した接触型のローラー帯電器であり、露光−帯電間時間は0.97秒、露光−現像時間は0.18秒である。図5に本装置の概略図を示す。図5において、符号11は、感光体ドラム、13は帯電用ロール、14は露光用レーザー光学系、14aはレーザ光線、15は現像器、16は転写用ロール、17はクリーニングブレード、18は用紙を示す。1万枚の実機走行試験後の感光層の膜厚と実機走行前の膜厚との差をとり、摩耗量とした。 【0134】画像ボケは無く、摩耗量は0.3μmであった。 【0135】(比較例1)実施例1と同様にアルミニウムプレート、および、アルミニウムドラム上に感光層を作製した。次に、合成例2のブロック共重合体8重量部をトルエン92重量部に溶解し、さらに酢酸0.5重量部を加えた塗工液を上記感光層上にスプレー塗布し、150℃において30分加熱硬化し、膜厚3μmの表面保護層を形成し、保護層に導電性粒子が含まれていない、架橋により分子構造が3次元化した電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体を含む電子写真感光体を形成した。 【0136】実施例1と同様に評価を行った結果、E50% は7mJ/m2 、残留電位は−100Vであった。また、実施例1と同様に実機試験を行った。画像ボケは無く、摩耗量は1.3μmであった。 【0137】(実施例2)アルミニウムプレート、および、ホーニング処理されたアルミニウムドラム上に、ジルコニウムアルコキシド化合物(商品名:オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)20重量部およびγーアミノプロピルトリエトキシシラン(商品名:A1100、日本ユニカー社製)2重量部とポリビニルブチラール樹脂(エスレック BM−S、積水化学(株)製)1.5重量部とn−ブタノール70重量部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、170℃において10分間加熱乾燥し、膜厚1.0μmの下引き層を形成した。次にクロロガリウムフタロシアニン微結晶4重量部を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(商品名:UCARソリューションビニル樹脂VMCH、ユニオンカーバイド社製)2重量部、キシレン67重量部、および酢酸ブチル33重量部と混合し、1mmφガラスビーズとともにサンドグラインダーで2時間処理して分散した後、得られた塗布液を浸漬コーティング法で上記下引き層上に塗布し、100℃において10分間加熱乾燥し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。次に、高分子電荷輸送材料である分子量8万の下記構造式(10)で示される繰り返し単位よりなる化合物20重量部をモノクロロベンゼン80重量部に溶解し、上記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、135℃において1時間加熱乾燥させて、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。 【0138】 【化13】
【0139】次に、合成例3で得られたブロック共重合体10重量部と架橋剤として下記構造式(11)で示される三価のイソシアネート化合物2重量部をシクロヘキサノン90重量部に溶解させた溶液に、酸化錫微粉末(S−1、三菱マテリアル社製、一次粒径0.01μm)10重量部を加え、ボールミルで混合分散し、上記電荷輸送層上に浸漬コーティング法にて塗布した後、150℃で60分間加熱硬化させて、膜厚5μmの表面保護層を形成し、図4に示される構造の、保護層中に架橋により分子構造が3次元化した電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体、及び導電性粒子を含む電子写真感光体を形成した。 【0140】 【化14】
【0141】この保護層をルテニウム酸染色法による透過型電子顕微鏡で観察したところ、相分離構造が観測された。また、相分離構造のスケールはおよそ0.06μmであった。 【0142】このようにして得られた電子写真感光体を実施例1と同様に評価したところ、E50% は4.5mJ/m2 、残留電位は−40Vであった。また、実施例1と同様に実機試験を行ったところ、画像ボケは無く、摩耗量は0.5μmであった。 【0143】(比較例2)実施例2と同様にしてアルミニウム及びホーニング処理したアルミニウムドラム上に下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順次形成した。 【0144】次に、合成例3で得られたブロック共重合体10重量部と架橋剤として上記構造式(11)で示される三価のイソシアネート化合物1.5重量部をシクロヘキサノン90重量部に溶解させた溶液を、上記電荷輸送層上に浸漬コーティング法にて塗布した後、150℃で60分間加熱硬化させて、膜厚5μmの表面保護層を形成し、保護層に導電性粒子が含まれていない、架橋により分子構造が3次元化した電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体を含む電子写真感光体を形成した。 【0145】実施例1と同様に評価を行った結果、E50% は3.9mJ/m2 、残留電位は−60Vであった。また、実施例1と同様に実機試験を行った。画像ボケは無く、摩耗量は1.6μmであった。 【0146】(実施例3)実施例2と同様にしてアルミニウム及びホーニング処理したアルミニウムドラム上に下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順次形成した。 【0147】次に、合成例4で得られたブロック共重合体10重量部をトルエン80重量部とイソプロパノール10重量部に溶解させた溶液に、酸化錫微粉末(S−1、三菱マテリアル社製、一次粒径0.01μm)15重量部を加え、ボールミルで混合分散した液を、上記電荷輸送層上に浸漬コーティング法にて塗布した後、135℃で60分間加熱乾燥させて、膜厚5μmの表面保護層を形成し、保護層に導電性粒子が含まれた、架橋により分子構造が3次元化していない電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体を含む電子写真感光体を形成した。 【0148】実施例1と同様に評価を行った結果、E50% は3.6mJ/m2 、残留電位は−20Vであった。また、実施例1と同様に実機試験を行った。画像ボケは無く、摩耗量は0.8μmであった。 【0149】実施例1と比較例1、実施例2と比較例2を比較することにより、架橋により分子構造が3次元化した電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体を含む保護層中に導電性粒子を含むことで、電気的特性を悪化させることなく耐磨耗性が改善されることが分かる。また、実施例2と実施例3を比較することにより電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体を架橋により分子構造を3次元化することで、耐磨耗性が改善されることが分かる。 【0150】 【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、少なくとも導電性基体上に感光層と保護層を設けた電子写真感光体において、該保護層が、少なくとも、導電性粒子、及び、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを含む共重合体を含有しているため、繰り返し使用時の耐摩耗性に優れ、同時に残留電位の少ない電子写真感光体を提供することが可能である。 【0151】また、電荷輸送能に優れるとともに機械的特性に優れたこれらの電子写真感光体を電子写真装置及びプロセスカートリッジに含めることによって、繰り返し安定性と信頼性に優れた電子写真装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005496 【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年4月19日(2000.4.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088155 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷川 芳樹 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−305774(P2001−305774A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月2日(2001.11.2) |
| 【出願番号】 |
特願2000−118304(P2000−118304) |
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